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ストーリー詳細 — 家族計画

『家族計画』は、古い日本家屋「高屋敷家」で血の繋がらない他人同士が「家族」を演じる擬似家族もの。長い共通ルートを経て青葉・春花・準・末莉・真純の5ヒロインルートへ分岐し、さらにバッドエンドとノーマルエンドが用意されている。 ▼詳細を読む はネタバレを含みます。 プレイ済み設定をするとアコーディオンがデフォルトで展開されます。

プロローグ — 拾われた少女と「父」の勧誘

身寄りなく根無し草のように生きる青年・沢村司は、ある日路上で行き倒れていた中国人少女・春花を拾う。そこを「家族計画」の発案者を名乗る中年男・広田寛に見初められ、奇妙な共同生活へと誘われる。

両親をバスの転落事故で喪い、親戚の大場家で飼い殺しのように育ったは、中華飲食店「ろんろん」で働きながら、誰とも深く関わらずに生きていた。「失うのがイヤだから、一人でいた」——それが司の処世だった。

ある夏の日、司は路上で倒れていたチャイナ服の少女・春花を拾う。その様子を見ていた広田寛が司に声をかけ、自分が進めている「家族計画」への参加を持ちかける。寛が用意したのは、古い日本家屋「高屋敷家」。そこには寛を「父」、板倉真純を「母」とし、家主の青葉、便利屋の、家出してきた末莉、そして春花が「姉妹」として集められる予定だった。

司は「家族など要らない」と一度は拒む。だが最年少の末莉に「家長代理」として懇願され、押し切られる形で高屋敷家に身を置くことになる。こうして、血の繋がらない7人による一夏の擬似家族生活が幕を開ける。

共通ルート — 一夏の擬似家族と忍び寄る暴力

猛暑の高屋敷家で、のおふざけ、真純の手料理、春花のチャイナ訛り、の能面、末莉の愛想笑い、青葉の毒舌が交錯する賑やかな日々。だがその裏で、春花の出自にまつわる外部の暴力がじわじわと忍び寄っていた。

擬似家族の日常

夏の高屋敷家では、が会社員ふうの軽妙なおふざけを撒き散らし、真純が母役として料理と家事を担う。春花は無邪気にチャイナ服で動き回り、は能面のまま便利屋稼業をこなし、末莉は愛想笑いで全員を媒介する。家主の青葉だけは「他人扱い」を貫き、毎日庭を掘り返しては祖父と埋めた「宝物」を探し続ける。

は当初「家族計画は失敗だ」と斜に構えながらも、各ヒロインの抱える問題に否応なく首を突っ込んでいく。春花への同情から関係を持ち、ある夜は元恋人である準とも体を重ねる。「家族など要らない」と言い続けながら、司は確実にこの偽物の家族に取り込まれていく。

春花の正体と外部の暴力

賑やかな日常の裏で、春花の出自にまつわる危険が露見していく。春花は上海蛇頭組織「地龍」の陳星によって日本へ送り込まれた密航者であり、途中で台湾マフィアに奪われ、さらに混合型ケミカル・ドラッグ「」を持ち逃げした存在だった。台湾マフィアが家族計画を見張っていたが、その台湾側が陳星に皆殺しにされ、以後は上海マフィアが直接高屋敷家への襲撃を始める。

司の職場「ろんろん」店長・の妹であるが、実は劉の指示で一年間司を陰から見守っていたことも明かされる。中国マフィアの影が、擬似家族の足元にまで及んでいた。

家族計画の終了宣言

そして、すべての歯車が狂い出す日が訪れる。実は本物の妻子を持つ寛は、事業失敗の債務リスクから家族を守るために離縁していただけで、本来の家族のもとへ帰る決意を固めていた。寛は一同の前で非情に告げる。

「本日19時45分をもって、家族計画を終了する」
「私には、妻と子供がいる。本物のな」
— 広田寛、終了宣言

司は思わず寛を殴りつける。擬似家族は瓦解し、6人はそれぞれの選択の前に立たされる。ここから物語は各ヒロインのルートへと分岐する。

青葉ルート — 空の缶と焼け跡 NORMAL系

家族愛を信じないと公言する家主・青葉。彼女が祖父と埋めた「宝物」の正体と、高屋敷家を襲う火災を経て、二人は新たな生活へと踏み出す。

痛烈な毒舌家で排他的な青葉は、終始「家族など信じていない」という態度を崩さない。だがその冷淡さの奥には、幼少期に祖父と過ごした時間への執着が隠れている。彼女が庭を掘り続けて探していた「宝物」とは、幼い頃に祖父と一緒に埋めたお菓子の空き缶——形のないもの、失われた幼少期そのものへの執着の象徴だった。

「私は家族愛なんて信じていないのよ」
「親が子供を道具にする時代なのよ」
— 青葉

マフィアの脅威が高屋敷家に及ぶ中、青葉は日射病で倒れて入院する。その間に高屋敷家は放火され、全焼してしまう。彼女は燃え上がる屋敷を前に、を生かすために自分の流儀を貫く。

「司、あなたに恩を売ってあげるわ」
「生き残って、死ぬ気で返しなさい」
「司、生きることは、問答無用なのよ」
— 青葉、司を逃がして

退院後、焼け跡となった高屋敷家を後にして、青葉と司は二人きりの新生活を始める。家族を信じないと言い続けた女が、たった一人の相手とだけは家族になることを選ぶ——青葉ルートはそうした静かな帰結を迎える。

春花ルート — 帰国とドラッグ抗争の決着 NORMAL系

ドラッグ「」を巡る上海・台湾マフィアの抗争の渦中にある春花。彼女の安全と引き換えに高屋敷家の面々が動き、最終的に再建された屋敷へ皆が再集合する。

春花ルートでは、彼女が背負った合成ドラッグ「」を巡る抗争が正面から扱われる。上海蛇頭組織「地龍」の陳星が直接襲撃を仕掛けてくる中、春花は家族計画を壊さないために自ら身を引こうとする。

「みんな、わたしがいなくなったあとも、家族でいてね」
「ばさら、ツカサ」
— 春花、別れ際に

このルートでは高屋敷家の火災に際し、真純が両手に大火傷を負いながらを救出する。その火傷の痛みに付き添う日々が、司と真純の間に深い情を育てていく。一方、青葉が掘り続けた「宝物」の缶も実際に掘り出され、中身が空っぽであったことが明かされる。

春花は一度中国へ帰国するが、その後はが営む「家属貿易公司」で働き、ひとまずの安定を得る。後年、真純と司の手で高屋敷家が再建され、劉の店で働いていた春花も日本へ戻ってくる。離散したはずの擬似家族が、もう一度同じ屋根の下に集う形で物語は閉じる。

準ルート — 毒のスープと「家族の食事」 NORMAL系

他人の作った料理を受け付けない便利屋・。その体質の根にある母の毒スープ事件と、施設「うぐいす学園」を巡る彼女の必死の闘いが描かれる。本名は大河原準。

能面のような無表情で、ブロック栄養剤と水しか口にしない。その本名は大河原準で、うぐいす学園出身の双子の姉妹・がいる。準が他人の料理を一切受け付けないのには、凄惨な理由があった。

幼少期、母が「娘たちが夫を誘惑した」と決めつけ、食卓に毒入りスープを出した。準は妹の景を守るために一人で先にそのスープを飲み干し、血を吐いて倒れた。母はそれを笑って見ていた。この経験以後、準は他人が作った料理を体が受け付けなくなる。二人はうぐいす学園の園長に引き取られて育った。

準は施設を維持するため、「あしながおねーさん」として匿名で子供たちに金とプレゼントを送り続けていた。だが施設維持のための危険な仕事に失敗し、うぐいす学園は崩壊してしまう。絶望した準は自殺を考えるが、春花の無条件の許しと、自分が描いた「あしながおねーさん」の絵の発見によって、辛うじて踏みとどまる。

「家族が欲しくて欲しくて……欲しくて」
「おなか、すいたよぉ……」
— 準

そして物語のクライマックス、準は他人の作った「家族の食事」であるオムライスを、生まれて初めて受け入れる。長年凍りついていた拒食の体質が、家族の温もりによって溶けていく。準は・景・春花らと共に、新しい場所で家族として迎え入れられる。

末莉ルート — 104号室からの再生 TRUE系・最長

愛想笑いの達人で自己卑下が極端な最年少・末莉。虐待を受けてきた彼女が、半年の契約期間を経て真の家族と恋人を手に入れる、本作で最も長く描かれるルート。

「いらん子」「便所コオロギ」と自分を呼び、極端に低い自尊感情を抱える末莉。だがその内面は真っ直ぐで強固だった。彼女の過去は壮絶で、両親は末莉を疎んじ、夫婦仲も悪く、結婚記念日に末莉が「行かないで」と叫んだ際に一瞬立ち止まったものの、結局別々の場所で野垂れ死んだ。その後引き取られた親戚・中崎家では、長男の良太から性的虐待を受けていた。

「どうして…おかーさんが、家庭を捨てていなくなりますか?」
「優しくしてくれてもよかったっ!」「甘えたかったっ!」
— 末莉
引き取りと告白未遂

は三百万円を支払って末莉を中崎家から引き取る。だがその関係は、最初から恋人同士ではない。末莉は自分を引き取ってもらった対価として身を差し出そうとする。タオルケット一枚を巻いた姿で「こんなものくらいしか……支払えません……」と迫る彼女を、司は明確に拒絶する。家族として、まず半年間きちんと暮らすことを提案する。

「わたしのことを一番想ってくれる人を、わたしは好きになったんですっ!!」
「家族の好きとは別に、ちゃんと好きなんです」
— 末莉、司への告白
半年後の結ばれ

半年の契約期間を経て、対価としてではなく対等な恋人として、二人はようやく結ばれる。「リベンジ」を経て迎えた初夜の後、末莉が「脳、とけました」「明日も、しましょうね♪」と零す描写は、彼女が長く奪われてきた幸福をようやく取り戻したことを示す。

10年後、司と末莉は結婚し、若葉・純・遥香の3児をもうけている。再建された高屋敷家には、をはじめとする家族計画のメンバーが全員再集合する。「おかえりなさい、わたしのおにいさん」——末莉ルートは、擬似家族が本物の家族として完成する、本作で最も長く幸福な結末を描く。

真純ルート — 詐欺師との決別と家族再生 NORMAL系

「母」役を演じるぽややんとした真純。詐欺師の元婚約者・添田への依存を断ち切り、自分の足で立つことを学んだ先に、との家庭が築かれる。

料理上手で家事に長ける一方、主体性のなさが極端な真純。30歳の元秘書である彼女は、かつて詐欺師の元婚約者・添田達也に騙され、母の結婚資金まで含めた全財産を奪われた過去を持つ。添田は今も真純に連絡を寄越し、彼女は依存対象を求めるように、その未練を断ち切れずにいた。

真純ルートの核心は、その添田との決別にある。司の支えを得た真純は、いつまでも誰かに必要とされることを求めて寄りかかる自分を直視し、依存を断ち切る決意をする。

「人を愛する前に……まず自分を鍛えてよ……」
— 真純、添田との決別

添田と決別した真純は、対価や依存ではなく、対等な意志として司と結ばれる。

「司くんが、わたしのこと一番に考えてくれるなら……ここにいてもいい」
「ずっと可愛がってね、ツバメさん?」
— 真純

後年、二人は穏やかな家庭を築く。やがて遺影を並べて見送り合う日まで連れ添う、長い時間を共に歩む結末が描かれ、真純ルートは閉じる。

バッドエンド — 家屋崩壊と家族計画の瓦解 BAD

マフィアの暴力に「父」が単身で立ち向かう。だがその代償は大きく、高屋敷家そのものが崩壊し、家族計画は無惨に瓦解する。

合気道・空手・柔道を極め、軍人崩れにも単独で勝てる実戦戦闘力を持つは、ふざけた狂気の中年でありながら、いざとなれば「父」として非情な決断を下す。

「家族を守るため、父は非情な決断を下すこともあるぞ?」
— 広田寛

このエンドでは、高屋敷家に押し寄せたマフィアとの戦闘に寛が単身で挑む。圧倒的な暴力の応酬の末、寛は瀕死の重傷を負い、高屋敷家の建物そのものが崩壊する。守るべき擬似家族の器が物理的に失われ、家族計画は誰の手にも残らない形で瓦解する。再生も再集合も訪れない、本作で最も救いの薄い結末である。

ノーマルエンド — 焼け跡に立つ司 NORMAL

火災で高屋敷家を失った後、誰とも特別な関係を結ぶことなく、がただ一人焼け跡に立つ。家族を選びきれなかった者に訪れる、寂寥の結末。

高屋敷家を襲った火災の後、誰か一人と深く結ばれることのなかったは、焼け落ちた屋敷の跡地にただ一人立ち尽くす。一夏を共に過ごした擬似家族は散り散りになり、賑やかだった日々の残響だけが焼け跡に漂う。

「失うのがイヤだから、一人でいた」と言い続けた司が、結局また一人に戻ってしまう——ノーマルエンドは、家族を選び取る勇気を持てなかった者に訪れる静かな寂寥として描かれる。各ヒロインルートの幸福な帰結との対比によって、本作が問いかける「家族を選ぶ」ことの重みが、この結末で逆説的に浮かび上がる。

エンディング一覧

種別 ルート 結末概要
TRUE系 末莉 三百万円で引き取り、半年契約を経て恋人・結婚へ。10年後に3児(若葉・純・遥香)を儲け、再建された高屋敷家で家族計画メンバーが全員再集合する、最長の幸福エンド。
NORMAL系 青葉 放火による全焼を経て、青葉と司が二人きりの新生活を始める。
NORMAL系 春花 春花は中国へ帰国後に劉の店で働く。真純と司が高屋敷家を再建し、皆が再集合する。
NORMAL系 施設崩壊と自殺未遂を経て、「家族の食事」によって拒食を克服。司・景・春花らと共に新しい家で迎えられる。
NORMAL系 真純 詐欺師・添田と決別した真純が司と結ばれ、長い年月を連れ添う家庭を築く。
NORMAL 共通(無関係エンド) 火災後、誰とも結ばれなかった司が一人で焼け跡に立つ寂寥の結末。
BAD 共通(戦闘エンド) 寛がマフィアとの戦闘で瀕死を負い、高屋敷家が崩壊。家族計画は瓦解する。