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用語集 — ミステリート〜不可逆世界の探偵紳士〜

『ミステリート〜不可逆世界の探偵紳士〜』に出てくる組織・場所・事件・資料・呼び名と、ゲームの仕組みを解説します。記述はPC DVD-ROM版(2004年・18禁)の内容に基づきます。PS2版(2006年)以降の移植版では、人物やイベントの変更、音声の追加などが行われています。『不確定世界の探偵紳士』と共通の用語には、前作とのつながりも添えました。▼ネタバレ詳細には事件の真相や人物の正体まで含まれます。タグをクリックするとカテゴリを絞り込めます。

組織
アイドラー 組織

ロンドンに本部を置き、探偵のライセンス発行と格付けを行う国際的な民間団体。正式名は「国際ディテクティブ・ライセンス協会」。等級はクラスAからFまであり、顧問は元インターポール局長のコナー。事務所の監督や表彰、事件の割り振りも行い、沢田いわく「事件解決のヨロズ屋みたいなところもある」。

詳細
本部には会長派・副会長派・顧問派の派閥争いがある。第四話の招待状の人選は「アイドラーのあの者の意向」とされ、決着の後、闇塚(悪行双麻)と水陰は、紅の館への招待が名探偵を一人ずつ吟味する「踏み絵」だったと話す。終幕では顧問のコナー局長が黒幕側の会合に同席し、「日本のクラスA二人は、どうやらあっち側に付くようですな」と言う。組織としての定義そのものは最後まで変わらない。
登場場面
かおる「ひっかけかい? 国際的だが純然たる民間団体。本部はロンドン。」
前作との関係
本作のおよそ1年前を描く『不確定世界の探偵紳士』でも、悪行双麻が所属する組織として出てくる。
会長派・副会長派・顧問派 組織

アイドラー本部の三つの派閥。勢力は「会長派5、副会長派4、顧問派1」で、かおるは少数派の顧問派にいる。副会長のダーネットは、顧問のコナーと親しいかおるを「仲良くするのも、考え物だ」と牽制している。

詳細
第四話でコナーは電話で、水陰について「彼女は副会長派の人間だ。僕と非常に仲が悪い。」と言う。館で水陰は「アイドラーを二分する争いが起きようとしている」と語る。決着の後、館にいたミランダ(になりすましていた由真)は悪行に、サファイアは水陰に、それぞれ「アイドラーの某派閥」への帰属を勧めていたと明かされる。「某派閥」がどこかは名指しされない。顧問のコナーは終幕で黒幕側にいる。
登場場面
かおる「会長派5、副会長派4、顧問派1。」
《ファウスト》 組織

アメリカを主な拠点とする、アイドラーに対抗する探偵組織。ランク制で、依頼と報酬を保証する。第四話に登場する探偵ミランダ・エル・チャイルドが属している。

詳細
館のミランダは、三年前に紅の館の謎を解けなかったことは「《ファウスト》の汚点だから、絶対に公表されない」はずだったと言う。そのミランダは、三年前に整形して本物になりすました風祭由真で、三年間アメリカで《ファウスト》の探偵として暮らしていた。本物のミランダは三年前に殺されていた。
登場場面
かおる「アメリカの《ファウスト》か。」
ゼニス 組織

かおるが追っている「とある組織」の名。コナー局長は「ゼニスを追うのはやめたまえ。君のためにならない」と忠告し、第三話でかおるは東に「ゼニスって、聞いたことは?」と訊ねる。

詳細
第四話、紅の館へ向かう車中でかおるが語る。三百年以上ヨーロッパを中心に活動する殺しの下請けシンジケートで、怨恨や政治的な意図では殺さず、必ず依頼人がいる。かおるの肉親を皆殺しにしており、「物心ついたときには、もう肉親はいなかった」かおるは、「その依頼人と、実行犯を捜し出して、相応の報いを受けさせる」ために追っている。マイによれば、フィーナはゼニスの幹部を一人殺したあと「ゼニスには関わるな」と言った。紅の館の招待状のかおる宛の一文「是非ニースらの守秘を密に語られよ」は、一文字おきに読むと「是ニスの秘密語れ」になる。英字の「Zenith」には「頂点」の意味のルビが振られている。
登場場面
かおる「厳密に言えば、ゼニスは殺しの下請け業者だ。奴らは、怨恨や政治的意図で、人は殺さない。」
前作との関係
『不確定世界の探偵紳士』のPS2版で加わった事件007にも、ゼニスの殺し屋が登場する。
フィーナの組織 組織

殺し屋マイが「フィーナ様(あの方)」と呼んで命令に従う相手と、その配下。マイは「我らの反抗勢力を一掃する」「組織に仇をなす者には、粛正を与えるのが規律」と言う。

詳細
長は堂島蘭子の姿でいる少女で、本名は「エミリィ・クワトロ・フィーナ」。老紳士・綾小路とマイが仕え、七尾芹奈もその側にいる。フィーナは「世の浄化」を行っていると語られる。導入冒頭の客船の一室の会合にも、フィーナと「綾小路どの」が同席していた。第二話の偽の百合原修は玲に「君の父上は、かつて私たちの仲間でね。」と言うが、その「私たち」とフィーナの組織の関係は明かされない。終幕の黒幕側の会合にはフィーナ、コナー局長、ジャスティス、サファイア、七尾芹奈がそろい、綾小路もジャスティスに促されて変装を解く。その直後に話すのはコナー局長で、二人が同じ人物と読める並びだが、はっきりとは語られない。フィーナは「日本組織が、ある男に潰されました。」と言い、コナーは潰した男が「例の館の一件で、ベルギーに滞在していることが判明しましたな。」と応じる。名前は出ないが、悪行双麻を指すと読める。
登場場面
マイ「私にとってルールは一つ、フィーナ様(あの方)の命令のみ。」
前作との関係
日本の組織を潰した「ある男」の話は、『不確定世界の探偵紳士』の結末とつながると読める。
《しあわせ探偵事務所》 組織

アイドラーに加盟する日本の探偵事務所で、雑居ビルの2階にある。かつてクラスAの所長がいて「日本一の探偵事務所」と呼ばれたが、所長が毒島に代わってからは「右肩下がり」で未解決の案件が山積み。七尾芹奈の移籍先で、かおるも偽名「九十九かおる」で研修生として入る。

詳細
元所長はクラスAの悪行双麻。中華街の孔龍の組織を壊滅させたのもこの事務所だと街で言われる。七尾は失踪の前、ここで元所長の行方を密かに調べていた可能性があると報告書に書かれている。第一話の手柄は、深雪が毒島にアイドラーへの提訴を引っ込めさせる代わりにこの事務所へ譲る。第三話の事件は、街では南条探偵事務所との合同捜査で解決したと噂される。第四話の冒頭では東と毒島が南条探偵事務所との合併を持ちかけ、毒島は副所長に退く。最終エンディングの最後の表示「しあわせ・・・ってなに?」も、同じ平仮名で書かれている。
登場場面
香苗「最近でこそ、あまりご勇名を聞きませんけど、由緒ある《しあわせ探偵事務所》なら、きっと解決して下さると。」
前作との関係
『不確定世界の探偵紳士』の主人公・悪行双麻が所長を務めていた事務所。本作で語られる元所長の「伝説」の多くは、前作で描かれた出来事にあたる。
南条探偵事務所 組織

《しあわせ探偵事務所》を辞めた南条深雪が開業したばかりの事務所。6階建てで築2〜3年のマンションの一室にあり、事務所と自宅を兼ねている。開業当初の所員は深雪一人だけ。

詳細
第一話の後、深雪はかおると沢田を引き取り、かおるは元の倉庫を寝室にして居候する。第二話では、かおるが七尾の報告書を強引に読んだことを毒島が本部へ告げ口し、アイドラーから活動停止処分を受けそうになる。第三話のシンポジウムでは、深雪の頼みを受けたかおるが、クラスAとしての過去半年分の解決ポイントをすべてこの事務所に移させた結果、最優秀ディテクティブ・オフィスに選ばれる。第三話の後はマイも同居する。
登場場面
深雪「南条探偵事務所の所長よ。もっか、所員は私一人だけぇ。」
プリューレ商会 組織

パリの古美術商を名乗る会社。深雪がアイドラーのパリ支局の知人から聞いた話では「非合法専門のヨロズ屋で、ヤバい案件に必ず顔を出す、ならず者の会社」。去年パリで起きたルノワール盗難事件(窃盗団とパリ警察が町中で撃ち合った)にも関わったという。

詳細
かおるは「ダミー会社」と見る。第二話でゆりはら教会の遺言の解読を依頼された一社で、所属のマルタ・アルゲリーチが教会に来る。東(《しあわせ探偵事務所》)と組むが、マルタに言わせれば「情報をゲットしたら、お互いに協力しあおうっちゅう話をしただけ」。マルタには別に「本当のクライアント」がいて、目的は《紅の館》の情報だった。そのクライアントは第四話で真道マイカと分かる。
登場場面
深雪「非合法専門のヨロズ屋で、ヤバい案件に必ず顔を出す、ならず者の会社らしいわ。」
綾小路重工 組織

第一話の堂島哲夫の研究に出資しているスポンサー企業。長身の男・如月俊郎はその社員を名乗る。かおるは研究委託の中身を「この手のはまず間違いなく、軍需産業との関わりなんだ」と疑う。

詳細
第一話の資料調べで、かおるは綾小路重工の欧州の子会社が、導入の事件で盗まれていた超小型核反応炉の出どころ(エーワイエイ技研重工)だと思い出し、「オレが関わった案件両方に、綾小路重工が関与してる」と言う。堂島の研究の具体的な中身は作中で示されない。導入の会合にいる「綾小路どの」や老紳士・綾小路と同じ名だが、この企業との関係は語られない。
エーワイエイ技研重工 組織

フランスのコングロマリットの大企業。導入の事件の被害者ジェイムズ・スミスの勤め先で、ここから盗難届けが出されていた。

詳細
盗まれたのは超小型核反応炉。第一話でかおるは、この会社が綾小路重工の欧州の子会社だと気づく(第一話では「エーワイエー技研重工」と表記)。同じ資料調べで、堂島邸の近くでも「10か月くらい前に」発砲事件があったと分かるが、かおるは「関係は薄そうだな」と言い、二つの関係は示されない。
全日本変装協会 組織

街で変装中のかおるに声をかけてくる女性たちが名乗る会。ジプレ、中華街、海の見える丘公園、再開発地区にいて、変装の種類によって話しかけてくる相手が変わる(「違う変装をしてないと、声を掛けても、そっぽ向かれる」)。「五桁の番号合わせ」に使えるヒントを出してくれる。

詳細
会の正体は説明されない。ヒントは、ジプレの女客の「一番右の桁は、7よ。」、中華街の女の数字の暗号、公園の女の英字の暗号(鍵は『KEY』)、再開発地区の女の「左から二桁目よ。」と数当ての計算の四つ。暗号の答えは作中で示されない。スーツケース番号あわせの項も参照。
登場場面
女「うふふーん。私はね、実は全日本変装協会のメンバーなの。この街には、結構メンバーが多いのよ。」
場所・施設
マリア=テレジーア号 場所・施設

導入の舞台となる、フランス国籍の豪華客船。コナー局長の手配で、かおると助手の七尾芹奈がロイヤルスイートに乗っている。ロイヤル・エリア、パーティ会場、カジノ、デッキがある。

詳細
船旅の当日は、かおるがクラスAに昇格した日でもある。旅費はコナー持ちだが、旅行の後に捜査を手伝うという条件付きだった。殺人と同時に無線と操舵機能が故障して遭難するが、コナーは「技師を積んだヘリはすぐに到着する」と言う。導入冒頭では、この船の一室で素性の知れない人々(フィーナと綾小路を含む)が会合を開いている。第二話でかおるはマイに「マリア=テレジーア号以来だ。あの時は逃げられた」と言う。
登場場面
かおる「今現在、このマリア=テレジーア号は遭難中‥‥だったよな。」
堂島邸(からくり屋敷) 場所・施設

第一話の舞台。一年前に科学者・堂島哲夫が買い取った屋敷。呼び鈴が無く(ドアの取っ手を握ると鳴る)、片方100キロほどの重い扉、ルノワールの贋作や甲冑、柱時計、クロスボウの並ぶ玄関ホール、くねくね曲がった廊下がある。書斎には四つの窓とカウンターバーがある。

詳細
書斎の本棚の横に隠し階段があり、屋敷裏の出っ張りの中の螺旋階段を通って地下室へ下りられる。見張りの警官は「からくり屋敷みたいですなぁ」と言う。前の持ち主は「御剣(みつるぎ)」という人物で、「10か月くらい前に、家の近くで発砲事件があった」と資料にあるが、かおるは「関係は薄そうだな」と流す。かおるが外から見上げた二階の窓は書斎の窓で、窓辺に立っていた少女は蘭子だった(その理由は語られない)。事件の後、執事の鈴木は香苗の帰りを待ってこの屋敷に残る。
登場場面
警察官「何でも、隠し部屋が見つかったとか‥‥からくり屋敷みたいですなぁ。」
前作との関係
前の持ち主「御剣」とその屋敷は、『不確定世界の探偵紳士』に出てくる。本作の中では、前作と結び付けて語られることはない。
地下室(堂島邸) 場所・施設

堂島邸の隠し階段の先にある実験室。手術台のような作業台、先端に血のようなものが付いたロボットアーム二基、医学・材料工学・生体医学の専門書、パソコンがある。

詳細
娘の死はここの研究に関係があるのかというかおる子の問いに、執事の鈴木は「‥‥ございます。」と答える。第一話の終盤、かおるはここで如月俊郎を待ち、その正体が怪盗サファイアだと暴き、続けて堂島香苗を犯人と指摘する。パソコンには「グランマ」と署名されたメールが届いていた。
登場場面
かおる「手術台のような作業台があった。ロボットアームが二基、付属していたが、血のようなものが付いていた。」
ゆりはら教会 場所・施設

第二話の舞台となるプロテスタントの教会で、牧師は百合原修。戦前から建ち、教会と自宅がつながっている。1960年まではカトリックで、70年代にプロテスタントに改めた。週末は子供に図書室を開放し、毎週日曜に礼拝がある。大地震のときもほぼ無傷だった。

詳細
地下に第二次大戦中の坑道と、旧軍の石油採掘施設がある。礼拝堂の周りには電線が張り巡らされ、施設を動かすと放電で火が出る仕組みになっていた。電気代は教会と自宅の合計で月30万円と異常に高い。先代牧師も教会で焼死している。第二話の後、街では「南条探偵事務所が解決した」と噂され、第三話で水陰は、この一件は「百合原修の事故死しか結末は無かろう」と言う。
礼拝堂 場所・施設

ゆりはら教会の礼拝堂。前夜の焼死の現場で、赤い絨毯に焦げ跡が残る。ドアノブや取っ手まで木で作られた、徹底した木造。右側の扉の奥は掃除道具の倉庫になっている。

詳細
床の絨毯の下に玲の書き置きがあり、床の継ぎ目の下には地下がある。右側の倉庫には、玲が偽の牧師の遺体を引きずって入れた。記憶が途切れた後の玲が倉庫を開けると、うつ伏せに倒れた一人と、縛られた男が二人いた(名前は出ないが、偽の父の遺体と、捕らえられた沢田・東と読める)。第二話の決着と陪審員裁判の場でもある。
登場場面
かおる「礼拝堂の周りには、ぐるりと電線が張り巡らされている。ちょうどコイルのようにね。」
開かずの扉 場所・施設

ゆりはら教会の地下にある鉄製の扉。鉄のビスが打ち付けてあって人の力では開かず、中から人の息づかいが聞こえる。

詳細
かおるが鍵穴を撃ち壊し、縛られた「星野恵」を助け出す。この「恵」はすぐに、男二人が監禁されているという礼拝堂の倉庫へ案内すると申し出る。礼拝堂で「あそこの、右側の扉です。」と答えたところで、かおるは、名乗っていない自分を「探偵さん」と呼んだことを突いて偽者と見破る。偽の恵の正体は殺し屋マイ。扉の中にいたのが偽者だったと、はっきり言葉にされる場面は無いが、流れからはそう読める。
登場場面
かおる「なんで鉄のビスが、打ち付けてあるんだろう。」
教会の財宝 場所・施設

ゆりはら教会に眠るとされる「宝」。牧師は玲に「教会の宝というのを、聞いたことがあるかね」と探りを入れ、宝探し屋のマルタもその在りかを追っている。

詳細
宝の正体は、教会の地下にある旧軍の重油(石油)採掘施設。ポンプやタンク、制御機械があり、電気が来ていて地熱で暖かい。玲の祖父が戦後の混乱で手に入れたもので、偽の牧師の側は投資者として「この施設は我々のもの」と言う。施設へは、図書室の仕掛けで落とされた先の、第二次大戦中に造られた地下坑道を通って行く(冷たい地下水に浸かった坑道で、拾った六角レンチで水位を下げる仕掛けがある)。施設が動くと礼拝堂の周りの電線に電気が流れ、放電で火が出る。深雪の「宝ってもしかして‥‥石油のこと?」が答えになる。第二話の終わりに蘭子は「油田は枯渇しています。採掘は不可能。」と言う。
登場場面
偽の牧師「君の父親の、そのまたさらに父親がね、この国の旧軍隊で、重油の採掘業務の管理者だった。」
実験心理学研究所(E.P.L) 場所・施設

町はずれ、セントラル街の南西の林道の先にある、宇宙船のような平屋の研究所。「ラボ」とも呼ばれる。副所長の藤道亜紀は百合原玲の担当医。第二話では白衣の男が「研究内容が催眠‥‥」と口を滑らせる。

詳細
地下に閉鎖空間の実験施設を持ち、精神障害が多発したため催眠術を使う実験へ切り換えた。第三話の舞台。事件の後は閉鎖され、街では「所長も副所長も、主任さんも死んだ」と語られる。正式名は『Experimental Psychological Laboratory』。
登場場面
かおる「E.P.Lって書いてある‥‥実験心理学を研究するラボラトリーらしいぜ。」
地下実験施設 場所・施設

実験心理学研究所の地下にある、閉鎖空間を作り出す実験施設。出入口は金庫のような大扉一つだけで、開け閉めは外のパネルか中の制御室で行う。制御室、会議室、仮眠室、副所長の作業場、倉庫、冷凍庫、地下二階へ続く大穴のある工事現場がある。

詳細
第三話で電源が落ちて大扉が開かなくなり、7人が24時間閉じ込められる。加茂は「タイマー式のウィルスで時限発動」と分析する。閉じ込めを仕組んだのは《8人目の監視者》。工事現場の大穴の縁で、かおるはマイとの決闘に勝つ。
登場場面
静「閉鎖空間を作り出す実験施設です。」
紅の館 紅=くれない 場所・施設

第四話の舞台となる、風祭家の山奥の洋館。崖に架かるアスファルトの橋だけで下界とつながる。欧州の古城を移築したような造りだが「建てられたばかりみたい」で、虫が一匹もいない。深雪は外観を見て「紅くないわ」と言う。

詳細
年代物に見せかけて最新の設備と監視カメラがあり、厨房に隠し通路、地下に迷宮がある。食堂は12人分の用意、寝室は四つ。晩餐で男爵が「下界と館とをつなぐ唯一の架け橋は、たった今、無くなった」と告げて橋が消えるが、橋はスイッチで延びる仕組みで、決着の後に闇塚(悪行双麻)が帰ると決めると動き出す。館の登記は五十年前から風祭家。
前作との関係
『不確定世界の探偵紳士』のPS2版で加わった事件007は、本作の第三話と同じ頃の出来事。その最後に悪行双麻のもとへ風祭男爵の招待状が届き、本作の第四話につながる。
迷宮 場所・施設

紅の館の二階廊下の突き当たりから下りる、地下の広大な迷路。真道マイカは「目に頼っては駄目。正解図を頭に思い浮かべ、その通りに進むの」と助言する。

詳細
中に数年経った女性の白骨遺体があり、握っていたメモの署名は「ミランダ・エル・チャイ‥‥」。三年前に殺された本物のミランダだった。館の「ミランダ」は一人で迷宮に入り、「あいつが‥‥殺しに来た!」と襲われる独白を残す(「あいつ」は名指しされない)。かおるは風祭家の童歌とメモのキーで正解の道筋を割り出し、ハンカチを使って道をたどる。床が傾いて落とされた先の最深部に『貴婦人の涙』があり、その2ブロック先に由真の遺体があった。迷宮は犯人に監視されていた。正解の経路そのものは作中で示されない。
登場場面
水陰「降りて見てみたが‥‥かなり広大な迷宮になっている。」
セントラル街 場所・施設

街の中央通り(「中央通り」に「セントラル街」のルビが振られる)。夜も賑わう繁華街で、映画館やバー「ジプレ」がある。

詳細
第二話で七尾芹奈と再会する場所の近く。第四話ではかおるがマイと買い物をし、チンピラ二人をマイが手刀で倒す。かおるは「なら追加命令だ。可能な限り相手を傷つけるな。」と言う。買い物では食材から夕食のメニューを当てさせられる(正解はカルボナーラ・スパゲッティ)。
ジプレ 場所・施設

セントラル街の地下にある洒落たショットバー。強面にサングラスのマスターがいて、元軍人との噂がある。かおるによれば「ジプレというのは女心を意味するらしい」。カクテルを注文できる。

詳細
第二話で七尾芹奈が老紳士・綾小路と一緒にいた店。第三話でかおるはここで優希と飲み、女装したかおるは東に口説かれる。第四話の決着の後、かおるはサファイア(麻生優希)とジプレで数時間飲み明かした夜を思い出す。カシスソーダ、セピア、キールの3杯を注文すると、マスターが預かっている手紙を出してくる(文字化けFAXの項)。客には全日本変装協会の女もいる。
前作との関係
『不確定世界の探偵紳士』では、別のバーテンダー(アッシュ)が店に立っていた。本作の中では、前作と結び付けて語られることはない。
ミレニアムホテル 場所・施設

街のシティホテル。正式には「ネクサス・ミレニアムホテル」で、『NEXUS』は不祥事で手放した元の親会社の名。かおるはアイドラーの経費で1901号室を予約している。喫茶店で第一話の打ち合わせをする。

詳細
第二話でかおるが七尾芹奈と一夜を過ごすのが1901号室。第三話のアイドラーのシンポジウムの会場(3F鳳凰の間)。フロントには「とある女性から」預かったかおる宛のスーツケースがあり、開けられたら中身を渡すと言われている(スーツケース番号あわせの項)。
登場場面
かおる「ホテルの名前だ。ネクサス・ミレニアムホテルと書いてあるぜ。」
中華街 チャイナタウン 場所・施設

街の中華街。入口に牌楼(パイロウ)の門が立ち、深夜営業の店や24時間営業の麻婆の店がある。第二話では、深雪の買い物の使いで訪れる。

詳細
かつては孔龍の組織が仕切っていたが、《しあわせ探偵事務所》に壊滅させられた。有名だった巨大な売春宿「華蝶」も閉店し、女たちは「場所代を徴収されなくなった」と言う。女たちは「日本最後のクラスAが、この街に来てるそうね」「見た目は、ちっちゃな女の子にしか見えないって人でしょ」とも噂する(水陰を指すと読める)。
登場場面
女「いい点は場所代を徴収されなくなったこと。そして華蝶が潰れて、女の子たちがフリーになったこと‥‥。」
孔龍の廃屋/孔龍大中華料理店 場所・施設

中華街にある、閉鎖された孔龍大中華料理店と、荒れた門と五重塔のある廃屋。所有者は孔龍という人物。

詳細
孔龍は中華街の犯罪組織の元締めで、すでに亡くなっている。廃屋は「重要指定(凶悪)案件に指定された事件現場」。第二話で、星野恵を尾行したかおるがここを通る。
登場場面
かおる「所有者の名前は、確か孔龍とか言ったな‥‥大陸系の奴かな?」
前作との関係
孔龍の死と組織の壊滅は、『不確定世界の探偵紳士』で描かれた出来事にあたる。
海の見える丘公園 場所・施設

海を見下ろす丘の公園で、アーチと電話ボックスがある。一年ほど前に幽霊騒ぎがあったと語られる。かおるが麻生優希と出会う場所。

詳細
修道服の恵が「これで、準備は整ったわね」とつぶやく場面がある。第二話の夜、玲はここで黒髪の女性から「八十神かおるを敵だと思いなさい」と言われ、『危険よ、逃げて。かおるさんには注意をして。』と録音するよう勧められる。女性は名乗らないが、その姿(立ち絵)から大人の姿の舞ノ小路水陰と分かる。玲はかおるの正体を知ったうえで、「敢えて」その言葉を録音する。全日本変装協会の女が英字の暗号のヒントを出す場所でもある。
前作との関係
一年前の幽霊騒ぎは、『不確定世界の探偵紳士』で描かれた出来事にあたる。
再開発地区(クズ通り) 場所・施設

再開発を進めていた政治家が収賄で逮捕されて開発が止まり、野ざらしのゴーストタウンになった地区。「クズ通り」とも呼ばれ、夜は街娼が立つ。かつての私立探偵事務所の看板が残る。この先には海御寺邸の跡地と心理学研究所しかない。

詳細
第二話で東はかおるに「伝説」を語る。ここは悪行双麻が「奥さんと決闘した場所」で、拳銃の早撃ちを実弾で行ったという。「ほら、そこに赤黒い跡があるだろう。奥さんの血だ。」。妻は行方不明で、東は「意図的に外したに決まってる」と言う。決闘の時期や理由は語られない。探偵事務所の跡には以前「ちょっとシブい男」がいたといい、夜はその廃ビルに明かりが灯っている。
前作との関係
元所長と妻の決闘は、『不確定世界の探偵紳士』で描かれた出来事にあたる。
海御寺邸 場所・施設

表札に『海御寺』とあるレンガ造りの大きな門だけが残り、その向こうは荒れ地になっている邸宅の跡。門は専用の工具が無いと開かない。

詳細
門の前で、姿の見えない声が『貴方に二つの数字を授けます。百の位は4、十の位は5です。』と告げる。これはホテルのスーツケースの番号あわせのヒント。声の主も、屋敷や一族のことも作中では説明されない。
前作との関係
同じ名の屋敷が『不確定世界の探偵紳士』に出てくる(読みの「かいおんじ」も前作で示される)。
事件
客船の事件(導入) 事件

導入で、客船マリア=テレジーア号の一室でエーワイエイ技研重工の社員ジェイムズ・スミスが殺される事件。受話器を握ったまま、背後から果物ナイフで心臓を一突きされていた。同時に無線機と操舵機能が故障し、船は遭難する。第一発見者はウェイトレスのミシェル・アイスリバー。

詳細
かおるは現場を見ずに、犯人はプロの殺し屋で、第一発見者のウェイトレスも、目の前にいる「チェン警備主任」もその変装だと指摘する。本物のチェン主任には乗船初日に平手打ちされていて面識があり、本物の方が「もうちょっと胸がおっきい」のが決め手だった。女はライターを自決用の爆弾だと言って「痛み分け」を持ちかけ、「マイ」とだけ名乗って海へ飛び込み逃げる(ライターの爆弾はハッタリだった)。スミスは窃盗で国際指名手配されていて、盗まれていたのは超小型核反応炉。かおるは殺し屋を逃した「名誉挽回」としてコナーの依頼を受ける。冒頭の会合で裏切り者とされる「ミスターJ」がスミスと同じ人物かは明言されない。
登場場面
かおる「そ。第一発見者のウェイトレスも、この胸の小さなチェン主任の変装さ。間違いなく。」
からくり屋敷の密室殺人事件 事件

第一話の題名。「ダーク サファイア」名義の脅迫状が届いた堂島家で、当主の科学者・堂島哲夫が書斎で死んでいるのが見つかる。鍵は室内の机の下にあり、合鍵は執事が肌身離さず持っていた。執事の鈴木が犯行を自白し、緊急逮捕される。

詳細
犯人は妻の堂島香苗。茶か菓子に即効性の睡眠薬を入れて夫を眠らせ、生きているうちに釣り糸の密室の仕掛けを施し、発見のとき真っ先に抱き起こして、結婚指輪に仕込んだ細い針で頸髄を刺した。「死後30分以内」という見立てを利用し、警部との電話や沢田との会話をアリバイにした。一撃で殺せるか、呻き声を上げないかという二つの危険には、日頃の肩と首のマッサージで刺す場所を確かめることと、開けた窓から外の電話工事の音を入れることで備えていた。二通の脅迫状は香苗がサファイアの名を騙って作ったもので、密室の仕掛けも解かれることが前提の見せかけだった。誤算は、合鍵を鈴木が夫の命令で持っていたこと。動機は、夫が研究のために娘を実験に使って死なせ、「また作ればいいだろう」と言い放ったこと。鈴木は事情を知っていて、香苗の犯行に気付き、老い先が短いからと罪をかぶった。香苗を疑うきっかけは、二通の脅迫状が同じ時刻に投函されていたこと。かおるは地下室で如月の正体(怪盗サファイア)を暴いて見逃し、香苗を犯人と指摘して自首を勧める。
登場場面
かおる「犯人は、密・室・を・作・っ・て・か・ら殺した。」
人間焼失殺人事件 事件

第二話の題名。ゆりはら教会の礼拝堂で前夜、身元の分からない男性が炎に包まれて死に、警察は事故として扱っている。牧師の娘・百合原玲は血で書かれたメモを持ってかおるに相談し、同じ日に牧師「百合原修」は、先代牧師の遺言の暗号の解読を三つの事務所に依頼する。

詳細
前夜焼け死んだのは本物の牧師・百合原修で、牧師になりすました男がガソリンをかけて焼き殺していた。男は教会の地下で重油が採れること、「我々」が投資者であること、修が非協力的だったことを動機として語る。玲はその場を見ていたが症状のために忘れ、礼拝堂の床に残した自分の書き置きと男の自白で真相を知り、図書室で男を刺し殺す。星野恵に化けていたのは殺し屋マイ。解決の場では、礼拝堂でマイが玲の首を絞めたところで犯人を指摘する段になり、その後に玲の一人称で事件の裏側がまるごと語られる。かおるは即席の陪審員裁判を開き、玲は「無罪」とされる。
登場場面
かおる「ここで起きた焼死は、事故なんかじゃない。何者かの意図で焼死したんだ。これは立派な殺人事件だ。」
催眠殺人事件 事件

第三話の題名。実験心理学研究所の所長・藤道稔を誘拐したという手書きの脅迫状が届き、副所長・主任エンジニア・所長秘書が地下の実験施設に集まる。社長秘書に変装したかおる、東、舞ノ小路水陰、轟木警部も加わったところで施設が閉ざされ、24時間出られなくなる。

詳細
犯人は主任エンジニアの加茂海老蔵(《復讐者》)。論文を盗用した所長と、その手引きをした副所長・藤道亜紀への復讐として、二人を催眠状態に導いて自ら命を絶たせた。全員に後催眠が掛けられているという恐れは加茂が広めたミスリードで、加茂は秘書の山岡静を犯人に仕立てる筋書きも用意していた、とかおるは推理する。所長の誘拐は、はじめ副所長が父の「狂言誘拐(自作自演)」だと謝罪するが、実際には所長は加茂に脅されて脅迫状と手記を書かされていた。閉じ込めと二通目のメールは別人の《8人目の監視者》、殺し屋マイの仕業で、途中から探偵たちと動いていた「轟木警部」はマイの変装だった。加茂は逃げる途中、轟木に化けたマイに懐のナイフで向かって返り討ちにされる。かおるはマイと決闘して勝ち、「オレのモノになるか?」と問う。
登場場面
かおる「この事件はね、男と女の愛憎劇なのさ。」
名探偵集合(紅の館の事件) 事件

第四話の題名。紅の館の当主を名乗る風祭男爵から招待状が届き、かおる・深雪・マイが山奥の館へ向かう。晩餐で男爵は殺人事件の解明を依頼し、『貴婦人の涙』を見つけたとき解放されると告げた直後、銃声とともに倒れる。変装を取ると、男爵はメイドの天草由那だった。橋は消え、検死のあいだに遺体も消える。

詳細
大人の姿の水陰が、弾痕は前もって作られていたこと、由那の心臓停止は確かだが凶器は銃弾ではないこと、ミランダの検死は「偽りだ」ということを言い当てる。由那は薬で仮死状態を演じていた。由那の本名は風祭由那で、館にいたミランダは、三年前に本物のミランダを殺し、整形でなりすましていた妹の風祭由真だった。姉妹はミランダの地位を使って探偵を選び、館へ招いた。宝を売ってアメリカへ戻ろうとした由真を、由那は殺していた(「殺したわ。それがなに。」)。水陰と闇塚が由那を追い詰めて断罪したのは、三年前のミランダ殺し。闇塚弥平の正体は悪行双麻、怪盗サファイアの正体は麻生優希と明かされ、かおるはサファイアに偽物の『貴婦人の涙』を渡す。館への招待は、名探偵を一人ずつ吟味する「踏み絵」だったと総括される。
登場場面
闇塚「三代目・風祭男爵。」/水陰「それとも、天草由那と呼んだ方が、いいかもしれぬがな。」
ゆりはら教会の焼死事件 事件

ゆりはら教会で昔から繰り返されてきた焼死。前夜の件を除いても、40年代に2人、50年代に3人など計8人が焼け死んでおり、70年以降は起きていなかった。先代牧師も教会で焼死している。

詳細
かおるは、教会の電気代が異常に高いこと、配線だらけの建築図面、プロテスタントに改宗した途端に炎の事件が止んだこと、礼拝堂が全部木製であることを結びつけ、礼拝堂に張り巡らされた電線が生む電磁波の放電が過去の焼死に関わると示す(放電と光り物の項)。そして「過去にも8人、昨日の夜に死んだ身元不明の人間、そして今晩死んだ百合原修、合計10人の死は、全てこの教会の遺産に関係がある」と言う。過去の一件ずつの状況は語られない。
登場場面
沢田「全部で、ひー、ふー、みー‥‥この間の事故を除いても、8人があの教会で焼死してることになるよ。」
三年前の一件 事件

第四話の館で語られる三年前の出来事。「ワンナイト・ディテクティブ」と呼ばれる探偵ミランダ・エル・チャイルドが紅の館の『貴婦人の涙』の謎に挑み、解けなかったことを水陰に暴露される。

詳細
三年前、風祭家の末裔である姉・由那と妹・由真は、ミランダに『貴婦人の涙』の探索を依頼した。水陰と闇塚は、サファイアと真道マイカから接触を受けて宝の価値を知ったことで、姉妹の方針が変わったと推理する。由那は「ミランダ・チャイルドを殺したのは由真よ!」と言い、成功報酬をつり上げたミランダを由真が不意を突いて殺したとする。水陰は「彼女が宝を見つける前に始末をしてしまった」と言う。死を追及されないよう、由真は整形してミランダになりすまし、三年間アメリカで暮らした。本物のミランダは迷宮の中で謎を解いたと書き残したメモを握ったまま、白骨で見つかる。かおるは「ミランダ・エル・チャイルドの殺害までは、立証のしようがなかった」と言う。
登場場面
闇塚「三年前、風祭家の末裔である君らは、凄腕の探偵ミランダ・エル・チャイルドへ、『貴婦人の涙』の探索を依頼した。」
消えた死体 事件

第四話の晩餐で撃たれた「男爵」の遺体が、ミランダが厨房で検死して冷凍庫にしまおうとしたとき、いつの間にか消えていた出来事。

詳細
男爵に扮した天草由那は、薬を使って仮死状態を演出し、死んだふりをしていた。死亡を確認して検死をした「ミランダ」は由那の妹・由真のなりすましで、水陰はその検死を「偽りだ」と言う。水陰とマイカは、館が敷地に比べて内部が狭すぎると指摘しており、ミランダが厨房の外に出ていないことから、水陰は厨房の先に通じる場所があると推論する。厨房の隠し通路の先で、水陰と闇塚が由那を追い詰める。
登場場面
由那「死んだふりをするのが罪なのかしら。薬を使って仮死状態を演出するのが、拳銃を突き付けるに値する行為だった?」
現代のジャック・ザ・リッパー 事件

イギリスを恐怖に陥れた殺人犯の呼び名。導入で芹奈は、かおるがこれを「たったの2日間で逮捕」したことを誇り、それがかおるのクラスA昇格につながった。

詳細
最年少のクラスAが逮捕したと、BBCや日本のBSで報道された(沢田は、目の前の九十九かおるが本人とは知らずに話す)。かおるは「そのかわり、他の連中からは妬まれ、恨まれ、脅迫状まで届く始末だ。」と返す。コナーの言う「1週間前には、迷宮入り寸前だった連続殺人魔を逮捕した」が同じ事件かは明言されない。
登場場面
芹奈「そんなことありません。イギリスを恐怖のどん底に叩き込んだ、現代のジャック・ザ・リッパーを、たったの2日間で逮捕ですもの。」
ウィリアム公の事件 事件

かおるが探偵を志したきっかけとして優希に語る、十年近く前の事件。英国の貴族ウィリアム公(女性)の別荘の婚約パーティで、公が十メートル以上ある一本杉の上でナイフで刺された姿で見つかり、200カラットを超えるホープ・ダイアが消えた。

詳細
木の根の跡に気づいた幼いかおるは相手にされず、そこへ来た「キザな英国紳士」ジャスティスが一時間で解決した。実行犯は十歳にも満たない公の孫娘、主犯は公の姉。かおるは彼に気に入られ、探偵の哲学を教わった。
登場場面
かおる(回想)「奴はオレよりも早く、オレよりも正確に、そしてオレよりも深く事態を洞察していた。」
ロンドン郊外の事件 事件

導入より1年半以上前、ロンドン郊外の屋敷で七尾芹奈の家族が殺された事件。当時クラスBだったかおるが芹奈を支え、引き取って住み込みのアシスタントにした。かおるはこの事件を、探偵としての経歴の「唯一の汚点」と呼ぶ。

詳細
芹奈自身も、家族の遺体のそばで一晩中暴行を受けていた。家族を殺した者は捕まらないままだったが、終幕の芹奈の手記で、芹奈がその女性を自らの手で殺め、エミリィ先生(フィーナ)がその遺体を解剖して見せて「応報」を説いたことが明かされる。フィーナは「私は七尾に力を貸してあげただけです。」と言う。家族の続柄は、導入でのかおるの説明(両親と弟)と手記(父と母と妹)とで食い違う。
登場場面
かおる「オレの探偵としての経歴の、唯一の汚点‥‥それがあの事件だった。」
陪審員裁判(国際法廷) 事件

第二話の終わりに、かおるが礼拝堂でその場の人々を陪審員にして開く即席の裁判。陪審員の国籍がばらばらなので「国際法廷」と呼ばれる。

詳細
被告は偽の父を刺した百合原玲、裁判官はかおる、陪審員はマルタ(フランス)、マイ(ドイツ)、隠れていた堂島蘭子(国籍不明。マイは「フィーナ様」と呼ぶ)。マイは動機を聞いてもなお玲を殺すつもりでいたが、マルタが「無罪や」、蘭子が「無罪(ノット ギルティ)」、マイも「わかったわ‥‥無罪」と答え、かおるは「民の声は、神の声。百合原玲、君は釈放だ」と告げる。第三話で水陰はこの一件を「遵法精神に反する」と批判し、かおる自身も「オレが判事と検事を兼任した」と心の中で認めている。
登場場面
かおる「そうかい? 民は民が裁く。この原則に例外は無いぜ。」
論文盗用 事件

実験心理学研究所の人間関係の根にある出来事。加茂によれば、所長の論文が『サイコロジー』という雑誌に載ってから、所長のもとに「論文を寄稿するな、さもなければ殺す」というメールが来ていた。

詳細
秘書の山岡静の証言では、所長は加茂の論文を盗用しており、それは加茂と付き合っていた亜紀が、加茂の研究を逐一父に伝えていた「手引き」によるものだった。静は加茂の恋人で、盗用を立証するために所長の秘書・愛人になり、所長と亜紀の密談を聞いた。これが第三話の動機になる。亜紀が加茂に近づいた理由については静の言葉が二通りあり(盗用のためとは思っていなかった/父の依頼で研究を奪うために近づいた)、どちらが事実かは決まらない。
登場場面
加茂「先月、サイコロジーって雑誌に、所長の論文が寄稿されてさ。」
日本アイドラー支部シンポジウム 事件

成績上位の探偵と事務所を表彰する、アイドラー日本支部の催し。会場はミレニアムホテル3Fの鳳凰の間で、「最優秀ディテクティブ」と「最優秀ディテクティブ・オフィス」が選ばれる。

詳細
第三話の冒頭、深雪の頼みで、かおるはV系の女装で出席する。受付で仮発行のクラスDのライセンスの後に本物のクラスAのライセンスを見せ、自分の過去半年分の解決案件のポイントを全部南条探偵事務所へ移させる。量の多さにためらう受付を、そばにいた小さな女の子(水陰)が後押しする。集計のやり直しで最優秀ディテクティブ・オフィスは南条探偵事務所に決まり、《しあわせ探偵事務所》の5年連続受賞が止まる。最優秀ディテクティブは舞ノ小路水陰。水陰はポイントの量と事務所の顔ぶれから「初めまして、かな。八十神かおるどの。」と正体を言い当てる。
登場場面
マイクの声「……最優秀ディテクティブ・オフィスは、南条探偵事務所に決定致しました。」
電話工事 事件

第一話の事件の時刻に、堂島邸の外の電柱の上で行われていた電話の工事。かおる子が「最近、電話の調子が悪かったとか」「修理を依頼しました?」と訊くと、執事の鈴木は黙り込む。

詳細
犯人・香苗の「二つ目の保険」。頸髄を刺すとき夫が呻き声をあげる万一に備え、開けた窓から工事の雑音を室内に入れていた。鈴木が香苗の指示で工事を頼んだのかは明言されない。
登場場面
深雪「あの時刻に、外でしていた電話工事ね! 彼女が依頼したんだわ。」
アイテム・資料
超小型核反応炉 アイテム・資料

導入で、フランスのエーワイエイ技研重工から盗まれ、盗難届けが出されていた物。導入の被害者スミスが関わっていたとされ、アイドラー本部の副会長の命令で船内が捜索される。

詳細
第一話の資料調べで、かおるは「超小型核反応炉さ。燃料があればすぐに小型核爆弾が作れる。」と言い、エーワイエイが堂島のスポンサー・綾小路重工の欧州の子会社であることから「オレが関わった案件両方に、綾小路重工が関与してる」と気づく。盗まれた炉の行方は作中で語られない。
登場場面
コナー局長「ま、盗られたのは超小型核反応炉、なんだけどね。」
H&K P7M13 アイテム・資料

かおるが脇に吊っているドイツ製の拳銃。かおるは「利便性と殺傷能力に優れている」と言う。グリップを握ると安全装置が外れる。コナーを通じて携帯の許可を得ている。

詳細
第二話の夜、図書室で偽の恵に奪われるが、マルタが「くすねて来た」と取り返してくれる。その後、礼拝堂で「パチパチって‥‥花火みたいな音がするな。」と火花を出して燃えてしまう。深雪が図書室の本棚の仕掛けを動かして地下の施設が稼働し、礼拝堂の周りの電線が放電を起こしたためだった。かおるは、動くか分からなくなった銃をマイとの交渉に使い、足下に置く。
登場場面
かおる「オレの拳銃H&Kが、燃えちまった。」
グランマのメール アイテム・資料

第一話、堂島邸の地下室のパソコンに届いていたメール。全文は「客船のJには、内通者あり。/神の僕か、学徒を探られよ。/さすればお嬢様もお喜びになる。/グランマ」。

詳細
導入冒頭の客船の一室の会合にいた「ミセス・グランマ」と、一同が裏切り者とみなす「ミスターJ」に呼応する。その会合にはフィーナと綾小路も同席していた。「神の僕か、学徒」「お嬢様」が誰を指すのか、堂島とどういう関係なのかは作中で説明されない。
金色の髪飾り アイテム・資料

七尾芹奈が「憧れの方からの、大切な贈り物」と言って大事にしている、金色の葉をかたどった髪飾り。贈ったのはかおる。

詳細
第二話、星野恵と車の中で話す女を、かおるが芹奈だと見抜く証拠になる。この場面は調べメニューの動詞が「撃つ」だけになり、二人の顔・髪・胸のバラ・リボンなどの中から「髪飾り」を選ぶと、かおるが気づく。ジプレで再会した芹奈もこれを着けている。
登場場面
かおる「(そう‥‥アイツがいつも使っていた、あの髪飾りだ‥‥。)」
脅迫状(堂島家) アイテム・資料

第一話で堂島家に届いた「ダーク サファイア」名義の二通の脅迫状。一通目はワープロ打ちの文語調で「魂の叫びをきくがよい/屋敷にいる女人の命を奪いに参上」、二通目は新聞の切り抜きで「どうじま てつお の けんきゅう/やめ させろ」と迫る。どちらも同じ朝に投函された。

詳細
本物のサファイアが出したのは、この二通より「ずいぶん前に」届いた別の一通(第三の脅迫状)だけで、今回の二通は堂島香苗がサファイアの名を騙って作ったものだった。香苗は最初の脅迫状を見てサファイアに罪を着せる計画を思いつき、「警察が全く動かないから、二通目はより直接的な脅迫文にしましたわ‥‥。」と認める。かおるは香苗の前では書式の違いから差出人は別だと言いつつ、沢田には「オレは同一人物が、あえて書式を変えて、二通の脅迫状を送ったと思う」と明かしていた。
登場場面
かおる「サファイアが出したのは最初の一通さ。後の二通の脅迫状は、別の人物が、サファイアの名を騙って捏造した。」
第三の脅迫状 アイテム・資料

第一話でかおる子が執事の鈴木に「ずいぶん前に、あったのではありませんか?」と訊き、鈴木が「ございます。」と答える、今回の二通より前に堂島家に届いていたもう一通の脅迫状。

詳細
書いたのは、如月俊郎に変装していた怪盗サファイア。香苗によれば、内容は香苗がヨーロッパから持ち帰った宝石『貴婦人の口元』に関することだったが、香苗はすでに宝石商を通じて処分していた。サファイアは「この家にそれが無いことが判明した」と言って去る。文面そのものは作中で示されない。
登場場面
かおる「貴方は、この二通の脅迫状よりも前に届いた‥‥第三の脅迫状を書いている。」
頸髄の傷 頸髄=けいずい アイテム・資料

第一話の被害者・堂島哲夫の後頭部、首の部分の脊髄(頸髄)にあった小さな傷。細い物で一突きされたもので、安全ピン程度でもできるうえ、寝ているか気絶している相手なら確実だという。堂島の亡き娘も頸髄の損傷で亡くなっている。

詳細
凶器は堂島香苗の結婚指輪に仕込まれた細い針。香苗は発見のとき夫を抱き起こして刺した。日頃から夫の肩や首をマッサージして、刺す場所を何度も確かめていた。事件の後、香苗の左手から指輪は消えている。
登場場面
かおる「凶器は、結婚指輪に仕込まれた細い針ニードル。」
写真立てとガラス片 アイテム・資料

堂島哲夫の書斎の机にあった、堂島と香苗と亡き娘の家族写真の写真立て。事件の前は無傷で、事件の後はヒビが入り、その後なくなっている。かおるはヒビの破片を採取していた。

詳細
香苗が犯行中に割って指を傷つけ、片づけたもの。血の付いたガラス片が決め手になり、深雪が証人になる。割った理由を香苗は「主人のあの言葉を、あの場で思い出して、カッとなって写真を反射的に手で振り払ってしまったわ‥‥それが敗因ね。」と認める。
登場場面
かおる「殺人前は普通の写真だった。だが殺人発生後はヒビが入っていた。そして今は無くなっている。」
スペアキー(書斎) アイテム・資料

堂島哲夫の書斎の合鍵。書斎から返事が無いとき、香苗は、念のために作った合鍵がリビングの鍵の掛かった棚にしまってあると言う。

詳細
執事の鈴木が「私がスペアキーを肌身離さず持っております。」と明かし、それは主人の命令だったと言う。香苗は「そんなっ! 聞いてないわっ!」と動揺する。書斎の鍵は室内の机の下にあったため、合鍵を持つ鈴木が疑われ、身代わりに自白する。香苗にとってはこれが計画の誤算だった。
クロスボウ(ボウガン) アイテム・資料

堂島邸の玄関ホールやリビングのあちこちに飾られている武器。香苗はスイス独立とウィリアム・テルの話をし、かおるは「実は結構危険な武器なんだぜ」と言う。

詳細
第一話の終盤、地下室でかおるが如月に「君の胸元を狙う、危ない凶器を教えておこう」と言い、階段の陰でボウガンを構える香苗を指し示す。香苗は「サファイアを殺して、罪をなすりつけようとした」ことを認め、かおるは「貴方は不審者を見つけて、ボウガンで威嚇した。偶然、発射された矢は幸いにも当たらなかった。」という形にして自首を勧める。
『山の梺』 梺=ふもと アイテム・資料

第一話の終わりに堂島蘭子が暗誦する詩。作者は草薙守(くさなぎ まもる)という詩人だと語られる。山の農家で、年老いた娘が親の世話を続けていく話を歌う。

詳細
詩人についての説明は作中に無い。
前作との関係
同じ詩が『不確定世界の探偵紳士』でも、同じ屋敷で別の人物によって暗誦される。本作の中では、前作と結び付けて語られることはない。
血染めのメモ アイテム・資料

百合原玲が握っていた、自分の血で書かれたメモ『神 ロウソク さいだん 地 殺した』。事件の夜、ICレコーダーが止まっていた時間に書かれたもので、玲は気がつくとこれを握っていた。

詳細
レコーダーを奪われた玲が、指を切って自分宛てに残したもの。神・ロウソク・祭壇は礼拝堂を、「地」は床(赤い絨毯の下の書き置き)を指す。
登場場面
かおる「この『神 ロウソク さいだん 地 殺した』‥‥君自身、これらのワードから何を考える?」
絨毯の下の書き置き アイテム・資料

ゆりはら教会の礼拝堂の床に隠されていたもの。かおるは「礼拝堂の床には二つの秘密。一つは恐ろしい事実」と言う。

詳細
礼拝堂の赤い絨毯の右側の下に、玲が書いた文字。「たったいま私の父は殺された。焼かれて殺された。恵さんも捕まった。父の偽者に騙されないで。」と、偽者の特徴と復讐の決意が書かれている。玲は記憶が途切れた後、血染めのメモを読み解いてこれを見つけ、図書室で偽の父と対決する。かおるも第二話の夜に絨毯をめくり、床の継ぎ目の下に地下があることを突き止める。
書斎の机のメモ アイテム・資料

第二話、玲の一人称の語りに出てくるメモ。夜、自室で目を覚ました玲が一階に下りると父の書斎に明かりがついていて、机の上に「誰かの字で」書かれた「倉庫の人間は処理――」というメモが置かれていた。玲には意味が分からない。

詳細
玲はそのあと礼拝堂の倉庫を開け、うつ伏せに倒れた一人と、縛られて口をテープでふさがれた男二人を見る。奥の扉が開く音で外へ逃げ、麻生優希と戻ると誰もいない。うつ伏せの一人は玲自身が運び込んだ偽の父の遺体、縛られた二人は捕らえられた沢田と東と読めるが、名前は出ない。メモの書き手と、三人を移した者は明かされない。
ICレコーダー アイテム・資料

百合原玲が記憶の代わりに使う、小さな携帯用の録音機。会った人の特徴を吹き込み、検索して聞き返す。耳に入れた無線イヤフォンがマイクを兼ね、録音容量は30時間分。記憶が途切れる10分前と1分前に警告音を鳴らす。

詳細
事件の夜、玲はレコーダーを奪われ、スイッチを切られていた。依頼の後、玲は恵の電話(「いつ殺すの?」)を立ち聞きして、『星野恵に気を付けて。私を騙そうとしてる‥‥彼女は。』と録音していたが、その理由を覚えていない。夜には公園の女性の助言で、『危険よ、逃げて。かおるさんには注意をして。』と「敢えて」録音する。
登場場面
亜紀「あの娘の記憶をとどめておくのは、ICレコーダーと、日記帳だけ。」
先代牧師の遺言 アイテム・資料

星野恵が図書室の蔵書整理中に見つけたとされる暗号文。新約聖書の『ユダからの手紙』の引用と「変な数式」でできている。牧師「百合原修」は、南条・しあわせ・プリューレ商会の三つに同時に解読を依頼し、当日中に解けば提示額の3倍(深雪の交渉で4倍)の報酬を払うと言う。

詳細
数式は「文章番号-何文字目」の組で、例示の「5-10.6-2.2-12.5-3」は「ミカエル」。一枚目は「ひとつ みっつ よっつ いつつ ふたつ」と読めて本棚のローマ数字を示すが、これは誤り。二枚目の「別解」は五十音表の縦横の番号で、「わたしゆりはらおさむはころされるいちさんごによん」(私、百合原修は、殺される。いち、さん、ご、に、よん)と読め、こちらが正解。当日中の解決に高い報酬を出したのは、偽の牧師が長く周りをごまかせないためだった、とかおるは推理する。事件の後、南条探偵事務所には約束どおり4倍の報酬が振り込まれる。
登場場面
かおる「「5-10」は5つめの文章の10文字目に該当し、同様に「6-2」は6つめの文章の2文字目‥‥。」
本棚のローマ数字 アイテム・資料

ゆりはら教会の図書室(ちょっとした図書館ほどの蔵書がある部屋)の本棚に描かれたローマ数字と、「変なボタン」。遺言の暗号とつながっている。

詳細
遺言の「別解」の順に深雪がボタンを押すと、一冊の本《紅の館》が出てきて仕掛けが作動し、かおると深雪は地下坑道へ落とされる。この本は、マルタが追っていた《紅の館》の情報で、かおるは事件の解決後に渡すと約束していた。マルタは第二話の終わりに「図書室に置きっぱだったから、ありがたーく頂戴したわ」と持ち去る。図書室は、玲が偽の父を刺し殺し、駆けつけたかおるを辞書で殴って気絶させた場所でもある。
登場場面
かおる「‥‥《紅くれないの館》って書いてあるな。」
指輪のワイヤー アイテム・資料

殺し屋マイの武器。はめた指輪から細いワイヤーが伸びる。

詳細
第二話では本物の星野恵の首を絞めるのに使う。第三話の決闘では、かおるの喉を締め上げる(「細いワイヤーがオレのノドに食い込む。」)。第四話のサファイアとの勝負では使わない。
登場場面
かおる「(指輪から伸びてるワイヤーがクセモノだ。)」
七尾芹奈の調査報告書 アイテム・資料

南条深雪が作った、七尾芹奈の失踪についての報告書。七尾は「能動的に消息を絶った可能性が高い」とし、根拠に身辺整理や所員への言動、英国のクラスA[Yasogami]に「離別ともとれる書面を残していること」を挙げる。

詳細
七尾が元所長・悪行双麻の行方を密かに調べていた可能性も記すが、50ページのはずが数ページで途切れている。第二話でかおるは女子高生の姿で「七尾芹奈さんのハトコ」を名乗り、アイドラーの規約の情報開示義務を盾にこれを読む。証拠として挙げられた書面の行方は語られない。
前作との関係
『不確定世界の探偵紳士』の麻衣子のシナリオで読める「調査報告書 その2」は、本作でかおるが読む報告書と同じ文である。
三つの文書 アイテム・資料

第三話の研究所の事件に出てくる三つの文書。一通目は所長の誘拐を告げ、所属長たちに地下室へ集まるよう命じる手書きの脅迫状。二通目は制御室のくず入れにあったメール『名探偵を名乗る愚か者よ。この地下がそなたの墓地となるであろう。』。三通目は「復讐者からの手紙」と題された手書きのメモ。

詳細
一通目と三通目は所長の筆跡で、加茂が所長を脅して書かせたもの。二通目だけが《8人目の監視者》によるもの。一通目が所長本人の筆跡だったため、副所長の亜紀は父の狂言誘拐として謝罪するが、狂言ではなかった。
登場場面
かおる「一通目と三通目が《復讐者》によるもの、そして二通目が《8人目の監視者》によるものだからだ。」
復讐者からの手紙 アイテム・資料

第三話、地下施設に閉じ込められた後、ロッカーから見つかった所長・藤道稔の遺体が手に握っていた手書きのメモ。「諸君らがこの手記を見ているとき、諸君ら全員がある後催眠にかかっていることだろう」「あるきっかけは、諸君らを冷徹なる殺人鬼へと変貌させるだろう」と書き、「私は、私自身の復讐心を忘れ去っている」「私自身も、後催眠から逃れることはできない」と結ぶ。

詳細
所長の筆跡で、加茂が所長を脅して書かせたもの。全員に後催眠が掛けられているという文面は、加茂が広めたミスリードだった。発見の場で、かおるは「(恐ろしく狡猾なヤツだ‥‥悪魔のような。)」と心の中でつぶやく。
登場場面
水陰「何か、手に握り込んでいる。」「手書きのメモだな‥‥。」
ナイフコレクション アイテム・資料

研究所の所長・藤道稔が集めていたナイフの収集品。副所長・亜紀の作業場に飾られていて、亜紀は「父が好きだったもので‥‥」と言う。かおるは面会のとき一本を手に取る。

詳細
亜紀の死に使われた一本は、かおるが先に触っていたものだった。「オレの指紋の上に、加茂、お前の指紋が付いてるだろうね」が決め手になる。解決の場では、加茂が「自衛のため」と身に隠していた刃物も持ち出され、「武器は意味が無い」と言っていた加茂自身の言葉と食い違う。
招待状(紅の館) アイテム・資料

「紅の館 男爵 風祭八右衛門」の名で名探偵たちに届く招待状。第二話で南条探偵事務所にメールで届き、かおるは各文の最初の文字をつなげて「殺人へのご招待」と読み解く。第三話でもメールが届き、第四話で本状が届く。

詳細
本状は三枚。1枚目は殺人が起きるという招待、2枚目は各探偵にしか分からない言葉(かおる宛は「是非ニースらの守秘を密に語られよ」で、一文字おきに読むと「是ニスの秘密語れ」)、3枚目は参加者名簿(舞ノ小路水陰、闇塚、ミランダ・チャイルド、真道マイカ、八十神かおる、悪行双麻)。人選は「アイドラーのあの者の意向」とされ、決着の後、同じような招待状が世界各地の名探偵に送られていて、名探偵を吟味する「踏み絵」だったと語られる。実際に館へ招いたのは、男爵に変装した天草由那(風祭由那)と、ミランダになりすましていた妹の由真。
登場場面
かおる「オレ宛に『是非ニースらの守秘を密に語られよ』ってあるだろ。」
前作との関係
『不確定世界の探偵紳士』のPS2版で加わった事件007の最後で、悪行双麻のもとにもこの招待状が届く。
貴婦人の宝 アイテム・資料

風祭家に伝わるという五点の宝、『貴婦人の口元』『貴婦人の首飾り』『貴婦人の涙』『貴婦人の花』『貴婦人の眼』。第四話で男爵は、宝の悪用を父が恐れていたこと、一つに集まるとき「巨大な災いをもたらす」ことを語る。第一話でも、香苗の口から『貴婦人の口元』の名が出る。

詳細
初代の風祭八右衛門が造った工芸品・装飾品で、技術は東欧的だと闇塚は言い、「各々の宝は、大した価値のあるものではない。『貴婦人の首飾り』とて、クズダイヤをまぶした石ころだ。」とも言う。五点の行方は次のとおり。『貴婦人の口元』は堂島香苗がヨーロッパから持ち帰って宝石商を通じて処分し、怪盗サファイアに先んじて真道マイカが買い取った。『貴婦人の首飾り』はサファイアが欧州でベルギーの富豪から盗んだもので、闇塚は「祖父の形見」だという小さな女の子の依頼でこれを追っている(取り返されたかは語られない)。『貴婦人の眼』もサファイアが持っている。『貴婦人の花』は終幕の会合で、マイの件の詫びとしてフィーナからサファイアに渡る。『貴婦人の涙』は紅の館の迷宮の最深部にあった(貴婦人の涙の項)。
登場場面
風祭男爵「貴婦人の宝と呼ばれる各々の宝‥‥『貴婦人の口元』『貴婦人の首飾り』『貴婦人の涙』『貴婦人の花』『貴婦人の眼』。」
貴婦人の涙 アイテム・資料

貴婦人の宝の一つで、紅の館のどこかに隠されているという。男爵は「各々方は、『貴婦人の涙』を見つけたとき、初めて解放されるであろう」と告げる。

詳細
迷宮の最深部にある、「本当に涙みたい」な青い宝石。三年前、由那と由真はミランダにこれの探索を依頼し、由真は見つけて売るつもりだった。由真の遺体は、その「2ブロック先」に倒れていた。かおるは由那に、法の裁きがあるまで預かると言う。決闘の後、サファイアに「この宝はくれてやる。」と青い宝石を渡すが、それはニセ物だった。
登場場面
かおる「本物は、オレの上着のポケットに入ってる。内緒だけどね。」
偽りの貴婦人 アイテム・資料

紅の館の六枚の貴婦人の肖像画のうち、一枚が「偽り」だという謎。食堂の絵には「我はこの中の一人に偽りの貴婦人がいることに気付く」、執務室の経済学の本の穴の文字には「偽りの貴婦人を除外し、奥から順に参られよ。我と最後の晩餐を過ごされたい」とある。

詳細
偽りの一枚を除いて奥から順に絵のボタンを押し、最後に食堂で押すと、二階廊下の突き当たりに地下への階段が現れる。どの絵が偽りなのかは言葉では明かされない(かおるは「実はもう偽りの貴婦人は特定している」と言うだけ)。
登場場面
水陰「六人の貴婦人の中から、偽りの貴婦人を除いた、とある。」
童歌 わらべうた アイテム・資料

風祭家に伝わる歌で、館のミランダが教えてくれる。「ある数字、十を掛けると、無くなった。/百をかけると、死んじゃった。/一歩進むと、二歩下がり、/三歩進むと、普通の歩み。/私は貴方、貴方も私。/代々伝わる宝物、この手で奥に隠された。」

詳細
迷宮の正解の道順を示す暗号の文面で、本物のミランダのメモに書かれたキーと組み合わせて解く。かおるの説明では、縦に一から五の漢数字、横に「いろはに」を割り振り、童歌を「、」と「。」で区切ってそのまま書く。解いた文章が答えで、地下ではその文字を書くように進む。迷宮の入り口で西を向いていることも手がかりになる。解いた文章そのものは作中に示されない。
登場場面
かおる「ただし、縦に一~五の漢数字、横に「いろはに」を割り振るのさ。」
ミランダのメモ/執務室の紙 アイテム・資料

紅の館の執務室の右の引き出しから見つかる紙「一は2/五ろ11/一は1/二に1/くれない」。数字と「いろはに」が組になって並んでいる。

詳細
迷宮の白骨遺体(本物のミランダ)が握っていたメモには、「力が尽きる前に、このメモを記載する。」「私はこの迷宮の謎を解いた。」「だが、この事実を風祭家の人間に知らせる訳にはいかぬ。」「風祭家の童歌を唄うがよい。キーは下記に記す。」とキーが記され、「私の無念を晴らして欲しい。私は、ミランダ・エル・チャイ‥‥」で途切れている。メモの文面は二つの場面に出てきて、キーの最初の一組の表記が食い違っている。執務室の紙の読み方も作中では説明されない。
登場場面
かおる「第二話で解いた暗号と同じ要領さ。ただあれは、五十音に数字の座標を単純に割り振ったが、今回はちょっと応用が必要だ。」
晩餐の弾痕 アイテム・資料

紅の館の食堂の壁に残った着弾跡。ミランダの検死報告では、弾は男爵の胸から背中へ貫通し、後ろの壁の「鹿の頭の下、お皿の横」に当たった。入射角はほぼ水平。館で拳銃を持っているのは闇塚とかおるだけ。

詳細
身長150cmほどの由那には着弾位置が高すぎる、というかおるの疑問に、大人の姿の水陰は「弾痕が、あのときに出来たものならな」と答え、椅子の背もたれの穴と皿の横の弾は最初からあったと言い切る。「穴の周りに焦げた跡がない。匂いすらしないとはどういうことか。幾ばくか時間が経過してから、弾丸を抜き出したのだ。」。続けて「凶器は銃弾ではなかった」と言う。
七尾芹奈の手記 アイテム・資料

最終エンディングで示される、七尾芹奈の心の内を綴った独白。「し‥あ‥わ‥せ・・・って‥な‥に?」の表示で終わる。

詳細
芹奈は家族を殺した女性を自ら殺め、エミリィ先生(エミリィ・クワトロ・フィーナ)がその遺体を解剖して見せて「応報」を説いた。「申し遅れましたが、あと一年で、私は他界するそうです。」と余命を告げられた芹奈は、五つの願い(私から家族を奪った人間に報いを/美味しいものを沢山食べる/人に感謝されたい/可愛い服を沢山着る/彼と愛し合いたい)を書き、一以外はすべて「彼」としたいことだと気づく。残った「一」と「五」は両立せず、「そして私は選びました。頬を涙が流れました。」。どちらを選んだのか、「彼」が誰なのかは書かれない(「彼」はかおると読める)。その後、芹奈の「百合原玲は来るでしょうか。」にフィーナが「必ず来ますよ。ウフフ。」と答えるように読めるやりとりが続く。
登場場面
「エミリィ・クワトロ・フィーナとともに歩みましょう。」
文字化けFAX アイテム・資料

アイドラーのロンドン本部から《しあわせ探偵事務所》に届いた、数字の並ぶFAX「アイドラー 11.12.45#.91#/21.32.33.35#.41#.34.62#.11.22#.93」。所員は文字化けだと思っている。

詳細
第一話でコナーはかおるに、殺し屋の手配写真の在りかは極秘事項なので「君が優秀な成績を残したら、後でFAXをしておくよ。無論、エンコードされているから、復元しておきたまえ」と言っていた。第一話を高い評価で終えると『コナー局長のFAX』案件が加わる。バー「ジプレ」でカシスソーダ、セピア、キールの3杯を注文すると、マスターが預かっている手紙(「本宅から離れ、/一人寂しく暮らす者は、/東に三歩進み、/北へ一歩進む。/そこで朝の太陽へ向かう者には、/祝福が必ず訪れるだろう。」)を出してくれる。案件のゴールは街のある地点の壁に貼られた写真で、マイのグラビア写真が手に入る(手紙の文面とゴールの地点との対応は作中で説明されない)。FAXの数字の読み方は作中で示されない(当サイトの読みでは、十の位を五十音の行、一の位を段、「#」を濁点・半濁点・長音とみなすと「あいどらー/かしすそーだ せぴあ きーる」となり、この3杯の注文と合う。公式の答えではない)。
登場場面
所員の男「全部のFAXは、一定期間保管義務があるんだよねぇ‥‥でも、こんな文字化けFAX、保管が必要かなぁ?」
概念・用語
クラスAディテクティブ 概念・用語

アイドラーの最上位の等級。世界に31人しかおらず、その全員が現役。「スモーのヨコヅナのようなもの」で、Bへの降格は無い。かおるは導入の船旅の当日に昇格したばかりの31人目で、最年少。「凄腕の探偵」「最高ランク」という意味のルビが振られることもある。

詳細
日本のクラスAは二人だけで、舞ノ小路水陰と、消息を絶った《しあわせ探偵事務所》の元所長・悪行双麻。イギリスのクラスAは六人で世界最多、かおるは「その中で、六番目さ」と言う。年鑑に経歴は載るが、かおるの写真は載っていない。かおるが日本でクラスDを名乗るのは、コナーの「クラスDとして捜査を進め、だがオレが目立ったり解決しちゃいけない」という条件に従うため。
登場場面
深雪「世界で一番若い、31番目のクラスAディテクティブ。八十神かおる。」
ライセンス・クラス 概念・用語

アイドラーの探偵ライセンスの等級(クラスB〜F)。クラスBは「国際ライセンス」、クラスDは「独立開業できる」最低の等級で、警察から優先的に情報をもらえる。クラスE以下は捜査に必要な情報がほとんどもらえず、クラスFは「一般教養があれば、誰でも取れる」。昇格には定員がある。

詳細
作中の人物の等級は、クラスBが毒島武雄とエマ(かおるのロンドンの友人)、クラスCが南条深雪と東西、クラスDが七尾芹奈とかおるの偽の身分「九十九かおる」、クラスEが沢田軽太郎、クラスFが麻生優希。かおるの「クラスD」は、コナーが仮に支給したライセンスの名義。
登場場面
毒島「クラスBはね、国際ライセンスなのよ。うふふーん。おめでたいでしょ?」
ダブルA 概念・用語

アイドラーで、クラスAのさらに上に設置が検討されている等級。導入でコナー局長は、かおるに「初のダブルAが君ということも十分あり得る」と言う。

詳細
終幕の黒幕側の会合で、コナーは「さすがは、史上初のダブルAクラスに昇格したジャスティス殿だ。」と言う。最初のダブルAは、かおるではなく師匠のジャスティスだった。
アイドラーの規約 概念・用語

アイドラーが所属探偵と事務所に課す決まり。「死亡または行方不明者の血縁には、情報開示を義務づけ」「最低5年、捜査資料の保管義務」などがあり、違反した事務所には本部の査察やペナルティ、活動停止処分がある。

詳細
第二話でかおるは、女子高生の姿で「七尾芹奈さんのハトコ」を名乗り、情報開示義務を盾に七尾の調査報告書を読む。これを毒島が本部へ告げ口し、南条探偵事務所に活動停止処分が下されそうになる。
登場場面
かおる「アイドラーの規約には、死亡または行方不明者の血縁には、情報開示を義務づけていますよね。」
事案355 概念・用語

アイドラーへの緊急申請。「アイドラーをフル活用できる代わりに、高いリスクを申請者に要求する」もので、官公庁も動かせる。

詳細
第二話でかおるは、取り寄せに一週間かかるというゆりはら教会の建築図面を今晩中に手に入れるため、南条所長の名前で申請させる。届いた図面から、礼拝堂の周りに電線がコイルのように張り巡らされていることが分かる。
登場場面
沢田「事案355は申請しておいたよ。いちおう、南条所長の名前で。」
踏み絵 概念・用語

第四話の決着のあと、館を去る前の闇塚弥平と舞ノ小路水陰の会話に出る言葉。紅の館への招待が何のためだったのかを言い表す。

詳細
水陰は、同じような招待状が世界各地の名探偵に送られていて、「名探偵を集めて、一人一人吟味していくのが、連中の目的であろう」と言う。館でミランダ(由真)は悪行に「アイドラーへの帰属」、それも「某派閥」への帰属を勧め、水陰には「あの怪盗」(サファイア)から同じ誘いが来ていた。風祭家は「いいように利用された」。「連中」「某派閥」が誰なのかは名指しされない。直後の黒幕側の会合では「誰が敵で、誰がそうでないのか、判明はした。」と話される。
登場場面
悪行「結局、オレたちは踏み絵を踏まされたって訳か。」
英国紳士 概念・用語

日系イギリス人のかおるが、自分の振る舞いを律するときに持ち出す言葉。女性の胸に目が行きそうになると「英国紳士が、あまり注視すべき場所じゃない」と言い、「英国紳士は、ティーを一日に10杯は飲む」とも言う。周りもからかって使う。

詳細
終盤の迷宮で、マイに相手をさせると言うかおるに、サファイアは「女を盾にするなんて、英国紳士とは思えないわね」と言う。決着の後、サファイアの「優しいんだね。」に、かおるは「英国紳士だからな。」と答える。師匠のジャスティスも、回想で「キザな英国紳士」と呼ばれている。題名の「探偵紳士」という語そのものは作中に出てこない。
登場場面
かおる「(こう見えても、オレは大英帝国の紳士なんだぜ‥‥。)」
この世に悪がはびこる限り 概念・用語

かおるの口癖。「この世に悪がはびこる限り、探偵稼業が必要なのさ」と、探偵という仕事が要る理由を言う。助手の芹奈も同じ言葉を口にする。推理の根拠を示すときの「初歩的なことだ」も、かおるの決まり文句。

詳細
第一話の地下室でかおるがこう言うと、サファイアは「悪がはびこる場所では、注意するわね」と返す。第二話も、この言葉で締めくくられる。
登場場面
芹奈「はい。この世に悪がはびこる限り、探偵稼業は必要ですから。」
唯一の汚点 概念・用語

かおるが、七尾芹奈の家族が殺された過去の事件を指して言う言葉。「オレの探偵としての経歴の、唯一の汚点‥‥それがあの事件だった」。

詳細
終幕の黒幕側の会合で、師匠のジャスティスはかおるを「洞察ができぬ男だ。私の唯一の汚点だよ」と評する。同じ言葉が、かおるとその師匠の双方から出る。
変装 概念・用語

かおるの特技(「特技」「いつもの」という意味のルビが振られる)。顔の知られたクラスAであることを隠すため、神代かおる子の名で女装して捜査することが多い。どこへ出張するときも変装道具を持ち歩き、コナーは「キミの変装はもう、芸術と言っていい」と言う。変装を解くことを「メイクダウン」と呼ぶ。

詳細
変装の種類は、清楚なお嬢様(第一話)、女子高生(第二話)、ビジュアル系・パンクルック・社長秘書(第三話)など。第四話では変装しない。見破った人物は、麻生優希、深雪(沢田から聞き出して最初から知っていた)、マルタ(「オレの変装を一発で見抜いたのは、マルタ、君が初めてだ」)、東、水陰。一方で、導入の殺し屋マイ、第一話の如月俊郎(サファイア)、第二話の星野恵(マイ)、第三話の途中からの轟木警部(マイ)、第四話の風祭男爵(由那)とミランダ(整形した由真)も、変装やなりすましの人物だった。
登場場面
かおる「オレの変装特技は遊びじゃありません。真面目な捜査方法の一つです。」
推論絶対化時間 概念・用語

第四話で闇塚弥平が説明する、舞ノ小路水陰の特別な時間帯の呼び名。闇塚は「水陰プレディクト・リーゾニング・コンプリート・フェノメノン」とも名付けている。

詳細
水陰は苦しみながら大人の姿に変わり、その間の推理・推論は必ず真実になる。長くて数時間で、終われば「少々切れる女の子」に戻る。本人は「ただ統計的にみて、推理推論の的中率が100%を下回らないだけだ」と言い、自分の意志で起こせるものではない。第三話の研究所の一件で力を隠していたことを、水陰はかおるに謝る。この状態の水陰が、晩餐の弾痕が前もって作られていたこと、凶器は銃弾ではないこと、ミランダの検死が偽りであることを言い当て、厨房の隠し通路の先で犯人を追い詰める。第二話で玲に電話をかけ、海の見える丘公園で会う黒髪の女性も、その姿から大人の水陰と分かる。
登場場面
闇塚「水陰プレディクト・リーゾニング・コンプリート・フェノメノン‥‥。推論絶対化時間という。」
応報 概念・用語

罪にはそれに見合う罰を返すという考え方(「やり返し」「仕返し」という意味のルビが振られる)。第三話の解決で、かおるは犯人に「刑罰は応報が原則さ」と言う。

詳細
第二話の裏側では、偽の父を刺した百合原玲に堂島蘭子が「行政に代わって刑を執行したに過ぎない」と言い、刑罰の目的は被害者の「応報感情」を満たすことだと説いて、自分の元へ誘う(「いつまでも待ちましょう。貴女は必ず私の元へ来るのだから。」)。終幕の七尾芹奈の手記でも、エミリィ先生(フィーナ)が「罰とはなんでしょうか。」「応報のことです。」と問い、「あなたの肉親を殺めた人間を、応報に従って殺めるのは当然のことです」と説く。
登場場面
かおる「刑罰は応報やり返しが原則さ。だが少しやりすぎだぜ。」
世の浄化 概念・用語

第四話でかおるがマイに、フィーナの目的として問いただす言葉。「フィーナは、世の浄化を行っていると、そう言ったな」。

詳細
マイの過去の独白では、マイを殺し屋に育てた「あの女」が「フィーナ様は、それらを浄化するために、行動している」と言った。七尾芹奈の手記では、家族の仇を殺めた芹奈にエミリィ先生が「私の手は血にまみれました。」「まみれていません。」「むしろ浄化されたと言ってよいでしょう」と語る。
登場場面
かおる「で、お前はフィーナの組織に入って、世の浄化をできたのかい。」
裏切りは万死に値する/神罰 概念・用語

導入の冒頭、客船マリア=テレジーア号の一室に集まった素性の知れない人々の会合で語られる言葉。一同は、警察に保護を求めた「ミスターJ」を裏切り者とみなし、その帰りを待っている。

詳細
会合にいるのは、パリ警察の元警部だという髭の男、名門貴族出身と紹介されるミス・ケイト、ドクター・ドウジマ、「闇の世界では有名なご婦人」ミセス・グランマ、そしてフィーナと「綾小路どの」。男が「裏切りは万死に値する。この誓いはミスターJであっても同じこと。」と言い、フィーナが「その者には、神罰が下されましょう。」と言った直後、女性の悲鳴が上がる。この男は綾小路と読める位置にいるが、名前は示されない。ミスターJが導入の被害者ジェイムズ・スミスと同じ人物か、悲鳴の主は誰かは明かされない。
登場場面
男「紳士淑女諸君我が同胞よ。裏切りは万死に値する。この誓いはミスターJであっても同じこと。」
能動的行方不明 概念・用語

自分の意思で消息を絶つこと。南条深雪の報告書は、七尾芹奈が「能動的に消息を絶った可能性が高い」とする。

詳細
七尾は第二話でかおると再会し、「私は、自分で決めて、ここにいるんです」と言って戻ることを拒む。終幕ではフィーナの側にいる。
登場場面
かおる「能動的行方不明。つまり自分でどっかに行った。」
偶然は必然 概念・用語

導入の事件でかおるが、現場を見ずに示す推理の考え方。殺人と無線の故障と操舵機能の故障が同時に起きたことを「偶然、偶然、偶然。3つ重なると、偶然は必然になる」とし、遭難という「よりインパクトの強い」出来事で考えを逸らすのは「マインド・コントロールの初歩」だと言う。

詳細
ここから、かおるは犯人をプロの殺し屋と見て、第一発見者のウェイトレスと目の前の「チェン警備主任」が同じ人物の変装だと指摘する。
登場場面
かおる「偶然、偶然、偶然。3つ重なると、偶然は必然になるとは思わないかい?」
前向性健忘 概念・用語

百合原玲の症状。発病してからの新しい記憶を約40分しか保てず、それを過ぎると覚えたことをすべて忘れる。発病前(中学生以前)の記憶ははっきりしている。人の顔はICレコーダーに特徴を吹き込んで覚える。担当医の藤道亜紀は、この症状には治療法が無いと言う。

詳細
父の百合原修は「中学のときに事故で大やけどを負った。顔を整形して」と録音していたため、玲は整形後の父の顔を知らず、父になりすました男を見分けられなかった。発病後に知り合った星野恵も見分けられない。偽の父は玲の目の前で本物を焼き殺したあと、「通報を遅らせたら、すぐに忘れたようだがね」とこの症状を利用した。
登場場面
亜紀「あの娘は中学生以前の記憶は全て持っている。けどそれ以後の記憶は全くといって無い。」
<境界時間> 概念・用語

百合原玲が、記憶の保てる時間(約40分)の限りに達して記憶が途切れる時点を呼ぶ名。ICレコーダーが10分前に長い警告音、1分前に短い警告音を鳴らす。

詳細
玲の一人称で語られる第二話の裏側は、「<境界時間>を過ぎたのだ。」で始まる。偽の父を刺して遺体を倉庫へ運んだ直後に境界時間が来て、玲はそのことをすべて忘れる。
登場場面
玲「<境界時間>と呼んでいます。記憶が途切れることを。」
後催眠 概念・用語

催眠中に与えた暗示が、目が覚めた後に何かの《きっかけ》で発動する現象。実験心理学研究所の所長・藤道稔の研究テーマで、論文で最近注目された。第三話の冒頭、何者かに催眠をかけられた所長は「サインに‥‥気を付けろ。このサインに触れれば、誰もが‥‥」と言い残す。

詳細
地下に閉じ込められた全員に後催眠が掛けられていて、きっかけ次第で殺人が起きうるという恐れは、犯人の加茂海老蔵が必要以上に広めたミスリードだった。所長と副所長の死は、通常の催眠状態に導いて凶器を持たせ、動作を指示したもの。かおるへの襲撃も、後催眠を装った演技だった。「後催眠に有用な命令というのは、少ないプロセスの単純行動」という加茂自身の説明が、静が襲われた件は後催眠では説明がつかない、という推理に使われる。亜紀が父の論文に見つけた「あれは不可能だったのよ」は、全員に後催眠を掛けるのは不可能だという結論だった、とかおるは推理する。冒頭の「サイン」の中身は特定されない。
登場場面
かおる「オレ達は後催眠というワードに、必要以上に惑わされていたんじゃないか?」
《きっかけ》 概念・用語

後催眠の暗示を発動させる条件。手を叩く音、電話のベル、言葉、身振りなどがそれになりうる。加茂は「音声じゃないかと思う」と言い、きっかけを探す方が近道だと言う。

詳細
全員に後催眠が掛けられているという前提そのものがミスリードだった。解決の場では、加茂が謝罪の場で口にした「後催眠を解くには暗示を解除するキーワードが必要だ」という言葉も、加茂を追い詰める材料になる。
登場場面
加茂「どうすれば、後催眠が発動するのか。その《きっかけ》を探す方が近道さ。」
堂島哲夫の研究 概念・用語

第一話の被害者・堂島哲夫が打ち込んでいた研究。二通目の脅迫状は「どうじま てつお の けんきゅう/やめ させろ」と迫る。資料では堂島は「医学、生体工学に造詣が深い」科学者で、異名は「リッパー哲夫」。研究委託の内容は資料でも分からない。

詳細
香苗の告白で「人間生体工学の研究」と明かされる。「大企業からの融資に気をよくした主人は、人間生体工学の研究にあけくれた。」「ついに彼は娘をおぞましい実験に使ってしまったのよ。」。堂島は娘を犠牲にしたうえで「娘が父親のために協力するのは当たり前のことだ。また作ればいいだろう。おまえの年ではもう無理かな?」と言い、これが第一話の動機になる。執事の鈴木も事情を知っていた。実験の具体的な内容は作中に無い。
トレジャー・ハンター 概念・用語

宝探し屋(「宝探し屋」に「トレジャー・ハンター」のルビが振られる)。依頼が無くても宝を探す点で探偵と違う。プリューレ商会のマルタは「ヨーロッパで古美術商言うたら、トレジャー・ハンターの事に決まってる」と言う。

詳細
第四話の真道マイカも古美術商を名乗り、実態はトレジャー・ハンター。第二話でマルタに依頼していた「本当のクライアント」は、マイカだった。マルタは、かおるの変装を一目で見抜いた理由を、美術商で鍛えた「真贋を見抜く目」だと言う。
登場場面
マルタ「本質は盗掘やからな。いちいち、お国や土地所有者に、断る訳にいかんやろ。」
釣り糸と酒瓶の密室トリック 概念・用語

東が披露する、第一話の書斎の密室の説明。扉の隙間から糸を外へ出してバーボンの酒瓶を吊るし、部屋を出てから扉の下の1センチの隙間に「不自然に大きな輪っか」の付いた鍵を差し込む。瓶が落ちると鍵が室内へ引き込まれ、輪っかが扉にぶつかって結び目が解け、鍵だけが残る。糸はフロロカーボン製の釣り糸だった。

詳細
仕掛けは実際に使われていたが、犯人の香苗は夫がまだ生きているうちに仕掛けていた。密室殺人と思わせて捜査を別の方向へ導くための「でっちあげ(フェイク)」で、解かれることが前提だった。かおるは、真相を引き出すために東にこの偽の解決をさせていた。
登場場面
東「仕掛け自体は、驚くべきほど簡単なものだ。だからこそ盲点と言える。」
格子法 概念・用語

かおるが、遺言の暗号の解き方を呼ぶ名(「二次元格子法」とも)。第二話の図書室で、かおるはマルタに「暗号解読は、二次元格子法を使え」と教え、代わりに建築図面の情報をもらう。

詳細
教えたことでマルタに先を越されるが、マルタ(東と組んでいる)は一枚目の誤った答えを使って失敗する。第四話の迷宮の暗号も、五十音に座標を割り振った第二話の解き方の応用になる。
放電と光り物 概念・用語

ゆりはら教会の礼拝堂が、ドアノブや取っ手まで木で統一されている理由に関わる現象。第二話の夜、かおるの拳銃も礼拝堂で燃えてしまう。

詳細
かおるの説明では、礼拝堂の周りに張り巡らされた電線は地下の施設を動かすためのもので、高い電圧で強い磁界が生まれ、「それはマイクロ電磁波となって礼拝堂の中に渦巻く」。貴金属は電磁波を反射して放電を起こし、放電は火花を伴う。60年代までカトリックだった教会の華やかな装飾(光り物)が、過去の焼死に関わっていた。かおるは、教会の電気代の異常な高さ、配線だらけの建築図面、改宗を境に炎の事件が止んだことを結びつけてこれに気づく。第二話の夜、深雪が図書室の仕掛けを動かして施設が稼働すると、かおるの拳銃が花火のような音を立てて燃えた。
登場場面
かおる「ちょうど馬鹿でかい電子レンジを考えればいい。」
無音殺人術 サイレント・キリング 概念・用語

殺し屋マイが「もっとも得意とする」、音を立てずに相手を仕留める技術。

詳細
第四話のセントラル街で、マイはチンピラ二人を手刀で倒す。かおるは「可能な限り相手を傷つけるな」と命じる。迷宮でのサファイアとの勝負では、サファイアが鉄山靠(てつざんこう)という中国拳法の技を使う。マイは優勢のまま顔への手刀を寸止めし、かおるに目を向けた一瞬の隙に一本背負いで投げられる。
登場場面
マイ「無音殺人術サイレント・キリングは、私のもっとも得意とするところ。」
幕が引かれるまで 概念・用語

第三話で、かおるが工事現場で姿の見えない《8人目》に休戦を申し入れ、受け取ったメモの文句「幕 が 引 か れ る ま で」。

詳細
事件の解決(幕引き)で休戦は終わる(水陰「休戦が終わったのだな。」)。逃げた加茂は、立ちふさがる轟木警部(に化けたマイ)に懐のナイフで向かって「あえなく返り討ちにあい、絶命した‥‥。」。かおるの語りは「その時点で幕は引かれた。轟木警部は解放され、あとはオレとの闘いを残すだけだった。」と続く。
別名・呼び名
九十九かおる 九十九=つくも 別名・呼び名

かおるが日本で名乗る偽名。アイドラー・ロンドン本部推薦のクラスDの新人として《しあわせ探偵事務所》に入る。

詳細
名付けたのはコナー局長。偽名と仮のライセンスを使うのは、クラスAの探偵が派遣されたとなれば反動も大きいためで、コナーは老子にならって「和光同塵」と言う。表向きの任務は、アイドラーの内部では悪行双麻の探索、外部にはクラスD・九十九かおるの研修。第三話のシンポジウムでは、この仮のライセンスの名義で受付をする。
登場場面
コナー局長「八十の次だから、九十九にしたんだけど。」
神代かおる子 神代=かみしろ 別名・呼び名

かおるが女装して捜査するときに使う名前。第一話ではミッション系の「清楚なお嬢様」(趣味は絵画と読書、バッハとブラームスを愛する)、第二話では女子高生、第三話ではビジュアル系・パンクルック・社長秘書に姿を変える。

詳細
顔の知られたクラスAであることを隠すための変装で、第四話では使わない。姿は変わっても、中身はすべてかおる本人。
登場場面
かおる「社長秘書、神代かおる子、華麗に変身完了。」
怪盗サファイア 別名・呼び名

ヨーロッパで活躍し、日本へ来た怪盗。手配番号は9900号で、脅迫状には「ダーク サファイア」と署名する。姿を見た人はおらず、義賊を気取る「怪盗紳士」と呼ばれる。《しあわせ探偵事務所》では名前が「禁句」で、「9900号」と呼ばれている。

詳細
正体は女性で、ルポライターの麻生優希。第一話では如月俊郎に変装して堂島邸に入り込み、盗聴器を仕掛け、香苗が持ち帰った宝石『貴婦人の口元』を探していた(本物のサファイアの脅迫状は「第三の脅迫状」だけ)。かおるは「サファイア(君の)逮捕は現在の仕事リストには無い」と見逃す。第四話では『貴婦人の首飾り』と『貴婦人の眼』を持つ者として名が挙がる。館で丸腰のマイカが足を撃たれたとき、その場で銃を持っていたのはサファイアだけだった。迷宮でマイとの勝負に勝ち、かおるから偽物の『貴婦人の涙』を受け取って去る。館では水陰を「アイドラーの某派閥」へ誘っていた。終幕の黒幕側の会合に出席し、フィーナから『貴婦人の花』を受け取る。
登場場面
深雪「今まで、姿すら見られたことがないサファイアが‥‥女だったなんて!」
前作との関係
『不確定世界の探偵紳士』のPS2版で加わった事件007にも現れ、《貴婦人の宝石》を追っている。
怪盗紳士/義賊 別名・呼び名

怪盗サファイアに付けられた呼び名。かおるは「目下、日本を騒がせてる怪盗紳士」と言い、如月は「あちらで活躍していた時から、義賊を気取ってる」と言う。香苗は最初の脅迫状のとき「殺人などを行わない義賊と思っておりました」と言う。

詳細
「紳士」と呼ばれていたサファイアは女性だった。第一話の地下室で、かおるは如月に「そろそろ、その暑苦しい着ぐるみを脱いだらどうかな。」「君は男ではないのだろう?」と迫る。第四話で足を撃たれたマイカは「噂通りの義賊のようね」と言う。
登場場面
如月「あの脅迫状は、怪盗紳士とやらの矜持プライドに、反するのではないかね?」
ヤング・ディテクティブ 別名・呼び名

若い探偵のこと。第一話の依頼人・堂島香苗は、かおるを繰り返し「若い探偵さん(ヤング・ディテクティブ)」と呼ぶ。作中では探偵のことを「ディテクティブ」と言い、等級や表彰、成績の評価の名にもこの語が使われる。

詳細
香苗は正体を暴かれた場面でも「ヤング・ディテクティブ、私は貴方のことが気に入っていたの」と言う。第二話の終わりには、堂島蘭子もかおるをこう呼ぶ。
登場場面
蘭子「さすがですね、ヤング・ディテクティブ。」
フィーナ 別名・呼び名

殺し屋マイが「フィーナ様」と呼んで命令に従う人物。かおるは「ゴスロリのガキ」と呼ぶ。

詳細
堂島家にいた少女・堂島蘭子と同じ人物で、「蘭子」は「かりそめの名」。本名は「エミリィ・クワトロ・フィーナ」。「世の浄化」を掲げる組織の長で、七尾芹奈を側に置き「応報」を説く。ゼニスの幹部を一人殺したことがあり、マイに「ゼニスには関わるな」と言った。導入冒頭の客船の会合にも同席している。第二話では偽の父を刺した玲の前に現れて自分の元へ誘い、陪審員の一人になる。マイが第二話で玲を殺さなかったことについて、かおるは「フィーナはお前にこういった。自らの意志に従えと」と言う。終幕の会合では、日本の組織が「ある男」に潰されたこと、「例の実験が完了するまでは」アジアにとどまることを語る。
登場場面
フィーナ「その者には、神罰が下されましょう。」
ワンナイト・ディテクティブ 別名・呼び名

《ファウスト》の探偵ミランダ・エル・チャイルドの異名。「事件解決に二日以上を費やしたことが無い」ことから来ている。

詳細
三年前の紅の館の謎だけは解けず、それは公表されなかったと館で暴露される。本物のミランダはその三年前に殺されていて、館の迷宮で白骨で見つかる。館にいた「ミランダ」は、整形して本物になりすました風祭由真だった。
登場場面
闇塚「なるほど、ワンナイトを超えた案件は、公表されなかったというだけか。」
《復讐者》 別名・呼び名

第三話の手記「復讐者からの手紙」の署名。自分の復讐心すら忘れ去っていて、自分にも後催眠がかかっていると書く。

詳細
正体は主任エンジニアの加茂海老蔵。所長の論文盗用と、それを手引きした亜紀への復讐だった。
《8人目の監視者》 別名・呼び名

第三話で、地下に閉じ込められた7人とは別に地下にいるとされる、姿の見えない何者か。水陰は「8人目が‥‥私たちを監視している」と言う。

詳細
閉じ込め、通信の遮断、二通目のメール、轟木警部の監禁はこの人物の仕業だとかおるは推理する。正体は殺し屋マイで、狙いは「名探偵」。途中から探偵たちと行動していた「轟木警部」はマイの変装で、本物の轟木は殴られて縛られ、倉庫に入れられていた。かおるが見破った根拠は、変装を解いた姿を見たことがないはずの轟木が、一目で自分と見抜いたこと。かおるとは「幕が引かれるまで」の休戦を結ぶ。逃げた加茂を殺したのもマイで、加茂がナイフを抜いて向かってきたための返り討ちだった(「正当防衛と言って欲しい。」)。水陰に一服盛った人物と、静の首を絞めた人物ははっきりしない。
登場場面
かおる「姿無き《8人目の監視者》です。」
風祭八右衛門(風祭男爵) かざまつり はちえもん 別名・呼び名

紅の館の当主が代々受け継ぐ名で、招待状の差出人。晩餐に現れた若い男爵は「風祭八右衛門を襲名した、三代目、風祭男爵」と名乗る。真道マイカは、八右衛門は「とっくの昔にお亡くなりになっている」と言う。第一話の頃から、バーの男が「風祭男爵っていう名前には注意しておきたまえ」とささやいている。

詳細
晩餐の男爵は、メイドの天草由那(本名は風祭由那)の変装だった。風祭家の系譜や年数は、語る人物によって説明が揃わない。
登場場面
風祭男爵「では改めて挨拶をしたい。私は風祭八右衛門を襲名した、三代目、風祭男爵である。」
BEM ベム 別名・呼び名

かおるが《しあわせ探偵事務所》の毒島所長に付けたあだ名。東の説明では「Bug Eyed Monsterの省略表記。つまり大目玉で非人間的な、主に宇宙怪物全般」。深雪も「現在の所長(あのベム)」と使う。

ゲームシステム
調査コマンド ゲームシステム

街のマップの地点や人物を選び、「見る」「話す」「取る」「触る」「開ける」「移動する」などを選んで調べる、ゲームの調査の選択肢。対象ごとに応答が用意されている。

詳細
「殴る」「舐める」「もむ」「キス」などへの応答の多くは、かおるの冗談の独白になる。同じ相手に「話す」を繰り返すと場面が先へ進む作りもあり、第一話の地下室では如月や香苗に話しかける回数で推理が進んでいく。暗号の場面では「入力」で答えを打ち込み、「捜査手帳」を開く場面もある。
撃つ(調べメニュー) ゲームシステム

調べメニューの動詞の一つ。人や物に「撃つ」を選ぶと、多くはかおるの冗談の独白や「撃つ相手がいないぜ‥‥。」などの応答になる。

詳細
本作では、推理の決め手を指し示す動詞としても使われる。第二話では、車中の女と星野恵の顔・髪・胸のバラ・髪飾りなどから「撃つ」で決め手を選び、「髪飾り」で芹奈だと気づく(金色の髪飾りの項)。第二話で玲を人質にしたマイと向き合う場面や、第三話のマイとの決戦でも「撃つ」が選べる。第三話では外すと弾が減り、残り一発で拳銃を捨てて決着へ進む。
登場場面
かおる「(そうだ‥‥あの髪飾りに、オレは見覚えがある。)」
チャージ・ポイント ゲームシステム

手掛かりや推理を得るたびに「nポイント・ゲット。現在チャージ・ポイントは(数値)です。」と貯まっていくポイント。満タンになると、犯人の指摘に進める。

詳細
満ちると「チャージMAXのため犯人選択を行って下さい」と表示され、犯人選択の画面に移る。4話とも同じ作りになっている。
犯人選択 ゲームシステム

チャージ・ポイントが満ちると進む、事件の犯人を指摘する場面。画面には「ディテクティブチャージポイントがMAXです。ここで犯人選択を行って下さい。」「人物を選んで確定してください。」と表示され、候補の人物を絵で選ぶ。

詳細
各話の犯人選択の後の流れは次のとおり。第一話は、地下室でかおるが如月の変装を突き、「堂島香苗さん、貴女だ!」と指摘する。第二話は、礼拝堂でマイが玲の首を絞めた場面から犯人選択に入り、その後に玲の一人称の語りで事件の裏側がまるごと示されて、「どうだい、オレのこの推理は。」で結ばれる。第三話は「これから、惨劇の幕を引く。」「加茂 海老蔵さん、藤道稔、並びに藤道亜紀殺害の容疑で逮捕する。」。第四話は、迷宮に落とされた後の犯人の独白「これだけの探偵が、たばになっても駄目だったか‥‥。」から犯人選択に入り、水陰の「そうでもない。」で、闇塚と水陰が「三代目・風祭男爵」を追い詰める。本作にバッドエンドは無い。
案件 ゲームシステム

探偵が扱う事件や依頼のこと。作中では「総合美術館の案件」「ゆりはら教会の案件」のように言う。各話の終わりの評価が高いと、おまけの謎が「『◯◯』案件」として追加される。

詳細
第一話を高い評価で終えると『コナー局長のFAX』案件(予告は「《しあわせ探偵事務所》に注意せよ!」)、第二話では『スーツケース』案件(「ミレニアムホテルに注意せよ!」)が加わる。解くと、それぞれマイのグラビア写真、フィーナとかおるのグラビア写真が手に入る。第三話の高い評価では、案件の代わりに水陰が約束どおり「3人娘のグラビア写真」をくれる。最終エンディングで水陰は「お主はまだ、サブシナリオを一つもクリアしていないようだな」「がんばって解いて、褒美をもらうが良い」と案内する(これらのおまけの謎を指すと読める)。
スーツケース番号あわせ ゲームシステム

ミレニアムホテルのフロントに「とある女性から」預けられた、かおる宛のスーツケース。五桁の番号を合わせて開ける。フロントは「スーツケースを開けられたら、中身をお渡しして良いと言われております。」と言う。

詳細
ヒントは街に散らばっている。海御寺邸の門の声「百の位は4、十の位は5です。」、ジプレの女客「一番右の桁は、7よ。」、全日本変装協会の女たちの数字の暗号・英字の暗号・「左から二桁目よ。」の計算。開けると中には写真が入っていて、フィーナとかおるのグラビア写真が手に入る。預けた「とある女性」が誰かは明かされない。
ディテクティブクラス(評価表示) ゲームシステム

各話の終わりに一字ずつ表示される「貴方のディテクティブクラス」と、A〜Fのランクと評価の言葉。

詳細
評価が高ければ「貴方は最高のディテクティブだ!」と出ておまけの案件が追加され、そうでなければ「貴方はディテクティブとしてはまだまだ!」「より高みを目指せば、新たな事件が増える!」と出る。評価の条件は作中で示されない。第三話の高い評価では水陰の写真が贈られる。話の筋が分かれるエンディングではない。
壁紙(グラビア写真) ゲームシステム

最終エンディングで壁紙に追加されるグラビア写真。「マイのグラビア写真」「フィーナ+かおるのグラビア写真」「水陰、マイ、深雪のグラビア写真」の3種がある。

詳細
3種は各話のおまけの褒美に対応する。マイの写真は『コナー局長のFAX』案件、フィーナとかおるの写真は『スーツケース』案件、水陰・マイ・深雪の写真は第三話の高い評価で水陰が贈る「3人娘のグラビア写真」。スーツケースの件でフロントは「このCGをトップメニューに壁紙表示させる方法もあるそうですが‥‥それは自分で探してみてください。」と言う。