新藤エレナのレビュー — 好き好き大好き!

新藤エレナ
新藤エレナ
どんなフェチも採点圏内よ
8.0/10
8.0 / 10

シコれるわ——ラバーに抵抗がない前提でね。

ラバーフェチというジャンルを丸ごと採点した。公式の回想登録Hシーンが7本、エンディング専用描写が複数本。ゴムの感触を毎回別の角度から言語化するテキスト技術と、監禁・露出妄想・強姦・SM・逆監禁と幅広く揃ったシチュが同居している。特に後輩・木更津みるくを使った長尺妄想は圧倒的なボリュームで、これだけで手に取る理由になるわ。蒲乃菜との「壁」についてはネタバレなしでは触れられないけれど——その仕掛けが面白い。8.0よ。

スコア詳細

Hシーンの質 8
ヒロインの魅力 7
シチュの多様性 9
文章力・描写力 8
作品の尖り 9
ボリュームと密度 7

ラバリストを採点した経験が、私にはなかったわ

1998年、13cm(VisualArts傘下)。シナリオはTAMAMIとT3ファージ。プレイしたのはWindows版。

ラバリスト」という単語が私のデータベースにひっかかった。フェチ系エロゲーには複数の方向性がある——パンスト、足フェチ、ブルマ、各種素材への特化。ただ「ラバー(ゴム)に対する異常な執着」を物語の根幹に据えた作品は、私の記憶にほぼ存在しなかった。採点できないジャンルを残しておくことへの生理的不快感というものがあるの。それで手を取った。

内容は監禁ADVよ。主人公の青年は亡き祖父の工場地下室を改造し、通学電車で見初めた女子高生・天城蒲乃菜(あまぎほのな)を拉致する。全身を覆う黒いラバースーツラバーマスクを着せて「自分だけのラバー人形」として愛玩しようとする——これが物語の出発点。地上では大学後輩の木更津みるく、幼なじみの藤堂莉果天童瑠香、元塾講師の須玉ゆかりが絡み、選択によって全11エンディングへ分岐する。

ラバーフェチという設定が「タイトルだけのお飾り」になっていないかを確かめたかった。確かめたわ。結論から言えば——これはちゃんと作られたフェチよ。

シコれるわ——フェチ系のエロとして正直に評価する

前提を一つ言ってから始めるわ。

本作のHシーンは「ラバーを軸にした欲望」と「ラバーと無関係な欲望が暴走した結果としての行為」の二種に大別される。ゴム素材への嫌悪感がある方は実用性が著しく下がる——それはこの作品の問題ではなく、フェチの方向性との相性の問題ね。

私はその前提を外して採点した。フェチの方向性に偏りを持たないから。ラバー素材のエロをエロとして評価した場合——ちゃんと骨格があるわ。公式の回想モードに登録されているHシーンは7本、エンディング専用の描写が複数本。妄想シーンが複数含まれているのは実用性の観点で割り引く必要があるけれど、そのうちの一本——後輩みるくを使った長尺妄想——は本作で最もシコれるコンテンツよ。

シコれた。テキストに技術がある。この2点が8.0の根拠よ。

ゴムの感触を毎回別の言葉で書けているわ

テキストが引っ張っているわ。これは評価できる。

ラバーの描写——密着する弾力、ゴムの匂い、熱を閉じ込める感触——が繰り返し出てくるのに飽きさせない。「ゴムの味と体液の混ざった塩辛い味」という一文がある。行為の説明ではなく感覚の翻訳として書いている——この区別がわかるライターは少ないわ。

妄想シーンの文体が特に良い。主人公の一人称で欲望が連鎖していく構造で、読んでいる側の体温も上がっていく。Hシーンのテキストで「引っ張られる」経験が本作では何度かあったわ。それを書けるライターがいるということよ。

弱点は均質ではないこと。エンディング専用のシーンの中に、テキスト量と官能描写の密度が明らかに落ちるものがある。妄想シーンとの落差が目立つわ。均一に高いわけではない——それが8の内訳。

シチュの多様性は本物よ——9点出す根拠を言うわ

多様性は認めるわ。

確認できるシチュエーションは——監禁・拘束・露出妄想・強姦・口淫・肛門姦・SM・逆監禁・研究室での情交——と幅広い。一本のゲームでこれだけの方向性が揃うのは珍しいわ。量だけではなく、各シチュが特定のルートと連動していて場当たり的ではない点も評価できるわ。

特に評価するのは妄想シーンの構造よ。長尺で、露出から公衆の場での行為、最終的な射精まで一本の連続した流れとして構築されている。単なるシーン集ではなく、妄想の中に起承転結がある。作った意図が見えるわ。

フェチ要素のバリエーションも豊かね。ラバースーツ、ガスマスク、首輪と鎖、拘束具——同じ「ラバー系」の枠内で毎回違う角度を使えている。9点よ。

みるくがエロシーンで最も活きているわ

ヒロインとエロの関係を整理するわ。

蒲乃菜はキャラクターとして丁寧に描かれているわ。監禁という極限状態での心理変化、恐怖から混乱した感情への推移——物語としての造形は高い。ただしエロシーンで活きているかというと、別の話よ。物語としての蒲乃菜とエロとしての蒲乃菜の間に、この作品特有の「壁」がある。それが7という数字に影響しているわ。詳細はクリア後のほうで。

みるくは逆よ。物語パートでは主人公に好意を寄せる後輩という役割だけれど、妄想シーンでの存在感が異常に強い。明るく無邪気なキャラクターが、妄想内での使われ方の暗さと対比して際立つわ。ライターがみるくを使うことへの執着を持っていたことが、テキスト量から読み取れる。

みるくはエロゲーのヒロインとして正しく機能しているわ。それは評価できる。

エロゲーである必要は——明確にあるわ

これは断言できる。

ラバーフェチという主人公の倒錯が、この物語の全てを動かしている。なぜ監禁したか、なぜ特定のヒロインに手を出したか、なぜ複数のエンディングが存在するか——全部ラバーフェチという一点から派生している。エロが物語の「おまけ」ではなく「根拠」になっているわ。

「エロは飾り」と感じる瞬間が一度もなかった。それだけで評価する理由は十分ね。エロゲーである必要ない、とは絶対に言わない作品よ。

主人公の欲望の構造には、面白い仕掛けがある。それについてはネタバレ版で話すわ。プレイしてから来て。

8.0——ラバーフェチというジャンルの骨格が誠実な一本よ

特殊フェチを軸に作り込まれた一作として、これは誠実に書かれているわ。

テキストに技術がある。シチュに多様性がある。エロゲーとして存在する根拠が明確にある。「そのフェチをちゃんと実現できているか」という基準で採点すれば、及第点以上よ。

向き不向きについては正直に言うわ。ゴム素材への嫌悪感がある方には実用性の半分が消える。鬼畜系・拘束系・露出系への耐性がある方なら、十分なボリュームで応えてくれる。妄想シーンの密度だけ体験したい方でも、それだけで手に取る価値はあるわ。

各Hシーンの個別評価と主人公の欲望構造の詳細はネタバレ版に書いたわ。プレイ後に読みにきて。