ストーリー詳細 — トゥルーラブストーリー3
本作は、中学3年の始業の日から3月15日の卒業式までの1年間を、主人公・関谷朋貴として過ごす恋愛シミュレーション。主人公から告白できる相手は6人で、ほかに、始業の直後から差出人『まゆみ』の手紙を送ってくる隠しキャラクターがいる。主人公からの告白はどれも断られる形で終わり、卒業式の日に相手のほうから関谷のもとへ来る場面が7人分ある。誰とも結ばれない場合は、友人たちか双子の姉と帰る。以下は物語の流れに沿ってまとめたもので、実際のゲームでは毎日の行き先や会話の選び方によって出会う場面が変わる。 ▼詳細を読む はネタバレを含みます。 プレイ済み設定をするとアコーディオンがデフォルトで展開されます。
序章 — 3年1組の始業の日
関谷朋貴は、中学3年生になる。始業の日のクラス分けで、中学に入学した頃から想い続けている蒼月たかねと同じ3年1組になった。双子の姉のかなめは5組。悪友の久保田実は同じ1組、三宮太一は5組で、かなめは3人をまとめて「3バカ」と呼ぶ。
始業の日の朝、関谷の独白はこう始まる。
「おれには好きな女の子がいる。」「中学に入学した頃から好きな女の子。」(関谷の独白)
独白は「だから、今のところ彼女と接近することがおれの最重要事項なのである。」「そう、高校受験や卒業なんかより、重要なのである。」と続く。クラス分けの掲示には「あった! 蒼月たかねは1組!」。かなめは「わたし、5組っ!」と自分の組を見つけ、顔をそろえた関谷・久保田・三宮を「新学期早々、3バカが揃ったね~」とからかう。
関谷は元野球部だが、練習中のケガで部活を辞めている(「今はなんともないんだけど、練習で怪我しちゃったんだ」)。かなめとは誕生日も同じ11月2日の双子で、「二卵性だから、見分けがつかないほどそっくりってわけじゃない」。始業の日には、かなめの友人の、美術部の佐伯梢、ソフトボール部の紺野遊季、水泳部の工藤翼子とも廊下で顔を合わせる。
学校の名前は台詞や地の文には出てこず、エンディング曲の曲名『美空中学校校歌』にだけ現れる。学校には室内プールと、中庭の温室があり、昼は給食ではなく食堂で食べる。
中学最後の1年 — 行事と受験、会話とデート
日々の中心は、校内での会話と下校。話題を選んで相手の反応をうかがう会話モードで親しくなれば、下校の別れ際に日曜のデートへ誘える。そのあいだにも体育祭から高校受験まで行事が続き、実力テストの成績と志望校選びが1年を通して重なっていく。
会話と下校。会話モードでは、学校のこと・進路のこと・部活のこと・恋愛のことなどの話題を選び、ほめる、見つめる、手をにぎる、プレゼントを渡す、デートに誘う、を使い分ける。反応は「バッチリだっ!」から「はずしてしまったようだ…。」までの段階で示され、どきどきさせすぎれば「どきどきし過ぎて帰っちゃった。」、退屈させれば「つまらなくて帰っちゃった。」で会話が終わる。話題の一覧には、共通の話題のほかに、蒼月なら「お昼の放送のこと」「温室でのこと」、工藤なら「プール掃除のこと」「猫が苦手なこと」のように、その人だけの話題が並ぶ。紺野や工藤、かなめ、久保田が会話や下校に割り込んでくることもある。
デート。下校の別れ際に「日曜日、駅前10時」と約束し、当日は40分前・時間ぴったり・15分遅刻のどれかで待ち合わせ場所に着く。行き先は相手によって違い、水族館・遊園地・動物園・映画・ショッピング・公園・プール・スケートなど。帰りには商店街・公園・河原・神社のどこかへ寄り、相手が「もう少しだけ」と引き留める日もある。クリスマスのデートでは、買っておいた品を渡し、ライトアップの場所で雪を見る版がある。
行事。身体測定・体育祭・3回の進路相談・中間試験と期末試験・実力テストが続き、夏休みには8月3日の海水浴、神社のお祭り、河原の花火大会がある。2学期は文化祭と、京都への4泊5日の修学旅行、マラソン大会。11月2日は関谷とかなめの誕生日で、クリスマスにはかなめが関谷家でクリスマスパーティを開く。大晦日はかなめと年越しそばを食べ、元旦は初詣へ出かける。3学期は願書の締め切り、学校ではチョコレートが禁止されているバレンタイン、そして高校受験。先生が出てくる場面は、辻村先生と佐久間先生の2通りで書かれている。
受験。関谷は志望校を「公立進学高校」「公立高校」「私立高校」から選ぶ。相手が女子高を受けると知れば「同じ高校へは通えない…」、共学なら「おれも同じ高校へ行ければ、まだ…」と関谷は思う。
双子の姉。かなめは関谷と女子たちをつなぐ役回りで、かなめの部屋を訪ねると、学校での関谷の評判を教えてくれる。蒼月の兄の蒼月圭吾に憧れていて、海水浴の帰りに関谷に見抜かれると「…やっぱり、わかっちゃう?」「いいの、圭吾さんには憧れてるだけだから…」と答える。その海水浴で関谷と蒼月を二人きりにしたのもかなめで、わざと遅れて戻っていたと明かして「かわいい弟のためだもん」。文化祭では、バレー部の後輩の小野寺まどかに頼まれて女の子バンド『萌』のボーカルを務める。修学旅行で好きな子を訊かれる場面で「かなめ」を選ぶと、関谷は「じょ、冗談だよ…」とごまかす。
6人それぞれの1年
1年のあいだに、6人はそれぞれ、進路の迷いや、口にできずにいたことを関谷に見せていく。幼なじみの柳瀬里佳とは小6の出来事から口をきいておらず、隣の家(叔父の家)には転入生の本条笑が暮らしている。
蒼月たかね。出会い方は何通りかあるが、蒼月はどれでも関谷をかなめの兄だと思い込んでいて、関谷が弟だと訂正する。体育祭で活躍した関谷をお昼の放送のゲストに招き、緊張する関谷のおでこに「リラックスできるおまじない。うちのお母さんが教えてくれたのよ」。海水浴の夕方には関谷に好きな人がいるかを訊きかけ、戻ってきたかなめたちに遮られる。夕陽の河原では、本格的な放送部のある私立の女子校を受けるかもしれないことと、「わたしね、将来、アナウンサーになりたいんだ」という夢を打ち明ける。蒼月たかねファンクラブの会長は、近づく関谷に「キミとたかねさんは住む世界が違うのだよ」と警告しに来る。進路相談では「結局、私立の進学女子にしちゃった」。
佐伯梢。背が低いのを気にしている美術部員で、図書室で転んだ佐伯を関谷が手伝い、1年生と勘違いする出会いもある。紺野とは幼稚園からの親友。受験が近づくと「みんないっしょに同じ高校へ行けたら…なんて、思うけど…そんなの無理よね」と不安を漏らし、関谷の励ましに「ありがとう。なんだか、関谷君と話してたら、安心して来ちゃった」。毎年だれに渡すか決めずに編むマフラーを関谷にあげようかと言い、クリスマスにはフォトフレームを贈る。志望は「公立の女子校を受けようと思ってるの」。
紺野遊季。双子の片割れを見に来て関谷を「弟くん」と呼び、練習中のソフトボールを関谷の頭に当ててしまう。拾った財布の中身を一割抜いて「お礼はもうもらったからいいわよ」、自転車のチェーンを直してもらえば礼にパンをくれ、雨の日は相合傘で「くっついて歩かないとお互い濡れちゃうでしょ?」。工藤に、関谷のことを「いい線いってる」と言っていたとばらされ、慌てて冗談だと言う。部活を引退すると受験の不安を漏らし(「高校行くのやめちゃおっかな?」)、バレンタインには「ひとつ多く買っちゃったからよ」「か、勘違いしないでよね」とチョコを渡す版がある。志望は公立高校で、理由は「電車通学を、してみたかった」。
工藤翼子。ネクタイ姿の水泳部員(「あたしの身体は、リボンを受け付けない体質なのだ」)。関谷の取れかかったボタンを見つけると、付けるのではなく「ほ~ら、取れた。はい」と取ってしまう(「こう見えても、あたしはそういうのが全然できない人なのだっ!」)。成績は良くないが、みんなと同じ高校へ行くために勉強を始め、「梢や遊季って、成績いいから、あたしは何倍もやらなくちゃ」と寝不足になる。最初の進路相談で「志望校を言ったら、『おまえの今の成績じゃ無理だ』ってさ」と言われても、公立進学高校を目指して勉強を続ける。河原が好きで、デートの帰りに「もう少しだけ、歩こうよ…ね」と引き留める。
柳瀬里佳。関谷・かなめの幼なじみで、小学生の頃は3人いつも一緒だった。学校帰りにお金を出し合ってカラーひよこを買い、裏山で内緒で飼ったこともある。けれど小6のバレンタインの件から、関谷とは2年以上口をきいていない。夏休みのニワトリ係で組まされ、逃げたニワトリを一緒に捕まえた後、関谷の「とりあえず、休戦にしないか?」で休戦する。水族館の隣の店をめぐる賭けで日曜に出かけると隣は駐車場になっていて、関谷がホワイトデーの件を持ち出すと、里佳は「あれはもとはと言えばあなたが悪いんじゃないっ!」と関谷の頬を叩く。
小6のバレンタイン、里佳が渡そうとしたチョコを、冷やかされた関谷は照れ隠しで投げ捨て、里佳は泣いた。関谷はチョコを拾っておいて、1か月後のホワイトデーにキャンデーを渡して謝るつもりだったが、里佳がそのキャンデーを投げ捨てた。真相を聞いた関谷が謝っても「今後、わたしに話しかけないでっ!」と拒まれるが、最後は冷やかした張本人の久保田が二人を呼び、経緯を話して言い切る。
「つまり、あの時、おまえたちふたりは、好き合ってたってことさ!」「悪いのは、おもしろ半分に冷やかしたいわゆるひとつのこの俺様だっ!」(久保田)
関谷の「悪かったな…あの時」に、里佳は「あんな言い方されたら、怒ってるのがバカらしくなっちゃうじゃない…」と応え、二人は「2年半ぶりに本当の意味で仲直りした」。そのあと里佳がひよこの話を振り、関谷がどうなったかを覚えていないと知ると、「…そっか。朋貴は忘れちゃったのか…」と話を切る。文化祭のダンスパーティに誘えば、「ななな、なんで、わたしなのよ?」と照れながら承諾する。
本条笑。関谷のクラスに来た転入生で、叔父の家が関谷家の隣にあり、二人の部屋は窓越しに向かい合っている。叔父夫婦の旅行中にかなめが夕食に招き、3人で初詣に行って、次の日曜に3人で遊園地へ行く約束をする。当日はかなめが風邪をひき、関谷と二人で出かけることになる。帰りの公園で、本条は関谷に尋ねる。
「…どうして関谷くんは、わたしにやさしくしてくれるの?」(本条)
その後、本条は関谷を避けるようになる。放課後に追いかけると泣き出し、幼い頃に両親を事故で亡くして親戚に引き取られたこと、「いろいろあって、親戚を転々としちゃった…」ことを話す。
「わたし、人からやさしくされると、また…ううん、怖いの」「だから、関谷くんから逃げたの…」(本条)
翌日から表面上は元に戻るが、関谷は(…結局、表面的に取り繕っただけで、なにも解決してないじゃないか…)と感じ、本条への想いに気づく。
差出人『まゆみ』の手紙
3年生になってから、関谷の下駄箱に、のちには家のポストに、差出人『まゆみ』の手紙が届き続ける。
手紙には、関谷のテストの結果、体育祭、マラソン大会、修学旅行のこと、デートを見かけたこと(『付き合ってるんですか?』)までが書かれていて、関谷は(なんで、こんなに詳しいんだ?)と思う。誕生日には『お誕生日おめでとうございます。』のカードが、バレンタインにはチョコレートが、元旦には年賀状が届くこともある。
関谷が久保田に「この学校の『まゆみ』って名前の女子を知ってるか?」と訊くと、久保田は「『まゆみ』か…苗字は?」と訊き返したうえで、「去年の3年生にはいたけど、今はいないな、そういう名前の子は」と答える。差出人が誰なのかは、卒業式の日まで分からない。
最後の手紙には、「話したいことがあるから、卒業式の後、河原で待ってると書いてあった。」
告白 — 放課後の待ち伏せ
想いを固めた関谷は、朝に告白を決め、放課後に相手が通りそうな場所で待ち伏せる。告白できる相手は6人で、1回のプレイで告白するのは、朝に決めた1人だけ。誰が相手でも、その場では断られる形で終わる。
朝、関谷は(今日、蒼月さんに告白するぞっ!)のように心を決める。人の少ない放課後、教室・昇降口・中庭・放送室・美術室・グラウンド・プール・体育館・図書室のどこかで待ち伏せるが、授業中から上の空で先生に注意され、待っても相手が来ない(「来ないな…」)日や、かなめ・久保田・三宮に見つかって(かなめ「あれ? なにしてんの?」)取りやめになる日もある。
相手に会えれば想いを伝えるが、6人の答えはどれも断りの形をとる。
- 蒼月たかね:「わたしも関谷くんのことは嫌いじゃない…だけど…」「今は受験のことで頭がいっぱいで…」
- 佐伯梢:「あの…私…関谷君が私のこと…。そんな…だって私…」と戸惑い、「今は受験のことで手いっぱいで…。」
- 紺野遊季:「朋貴の気持ちはすごくうれしいけど…」「今までみたいに友だちじゃダメかな?」
- 工藤翼子:「関谷クンのことは…その…好きだよ」と言いながら、「あたし、つき合うって、どうすればいいのかわからないし…」
- 柳瀬里佳:「好きだったわ。あの時は…」「小6のバレンタインよ」「さっきの言葉、どうしてあの時言ってくれなかったの?」
- 本条笑:「わたしなんか…ダメだから…」。本条だけは受験を理由に挙げない。
「走り去る彼女の後ろ姿を見ておれは悟った。おれが勝手に盛り上がっていただけだってことを。」「…なんてこった。告白なんかするんじゃなかった…。」(地の文)
本条のときは、「そして、それが本条さんをまた苦しめるだけの結果になってしまったこと…。」と続く。蒼月への告白には、二人の会話が校内放送で学校中に流れてしまう版もあり、久保田は「事故だろ、事故。まあ、気にするなって」、三宮は「よしっ、今日は、朋貴をなぐさめる会をやろうぜ」と声をかける。ファンクラブの会長は、告白に失敗したことが学校中に知られていると関谷をあざける。
卒業式の日 — 最後の登校とタイムカプセル
3月15日、卒業式。関谷はかなめと最後の登校をし、式の後、卒業記念にタイムカプセルを埋める。
朝の道で、かなめは関谷に話す。
「いつかは、わたしも朋貴も結婚して別々になっちゃうでしょ?」「今までみたいに、ずっといっしょってわけにはいかないもんね…」(かなめ)
高校受験の結果は、この日にまとめて語られる。関谷は選んだ志望校に合格し、工藤については「工藤さんは、見事『公立進学高校』に合格した。やっぱり、みんなびっくり。」。生徒会長の二階堂時子は推薦で早くに私立進学女子高校の合格を決めていて、久保田と、久保田の幼なじみの和泉結由子は同じ公立高校へ進む。三宮は「みんな別々の学校だもんな」と言い、久保田は「学校が違うだけだろ?もう会えないわけじゃあるまいし」と返す。
式の後、グラウンドの隅にタイムカプセルを埋める。中には、15年後の自分にあてた手紙「15年後のわたしへ」が入る。作中にある手紙は8通で、本条とかなめを除く6人は、追伸に「彼」へ気持ちを伝える決意を書いている。
- 蒼月たかね:「わたしは今の自分の気持ちを正直に彼に伝えます。」「もう遅いかもしれないけど、最後だと思うから…。」
- 佐伯梢:「身長は伸びたかな?」。追伸に「今度、わたしの気持ちを彼にちゃんと伝えます。」
- 紺野遊季:「心残りがひとつあるんだけど、わたしならわかるよね?」「卒業式の後、なんとかするつもり。悔いは残したくないからね。」
- 工藤翼子:「後悔したくないので、彼に自分の気持ちを正直に伝えたいと思います。」
- 柳瀬里佳:「変な意地を張らずに、素直になるって決めました。」
- 本条笑:追伸は無く、「未来のわたしは心から笑ってる?」
- 真弓千鶴:「話すのが苦手なわたしには手紙が一番合ってると思うから。」。追伸に「昨日、彼に最後の手紙を出しました。」
- かなめ:追伸は無く、「双子の弟のことも気になるなぁ~。」「今もいっしょなのかなぁ~。」
タイムカプセルを埋めた後、久保田が関谷に声をかける。
「あとで、裏の河原へ来いよ」(久保田)
卒業式の後には、二階堂の呼びかけでみんなが集まるパーティもある(「卒業式の後、二階堂さんの呼びかけに集まったみんなでパーティッ!!」)。
裏の河原で — 6人それぞれの言葉 結ばれる
久保田は、関谷と相手を別々に、同じ裏の河原へ呼び出していた(卒業式の日の呼び出し)。工藤だけは、自分から久保田に頼んで関谷を呼び出す。多くは、以前の告白を断った相手のほうから本心を明かす。手紙の差出人の真弓千鶴は、次の項のとおり自分の手紙で関谷を呼び出す。
蒼月たかね。「関谷くんがわたしのことを好きって言ってくれた時…」「すごくうれしかった…。本当よ」「だけど、すごく怖かったの…」と、断った理由を話す。
「関谷くんといっしょにいると、他のことがどうでもよく思える自分がすごく怖かった…」(蒼月)
関谷が「おれの言葉が蒼月さんを苦しめてたなんて思わなかった…」と詫びると、蒼月は「わたしの正直な気持ちを言います」「わたしは、あなたが好きです」。関谷の「おれが…おれが蒼月さんを好きな気持ちは今も変わらないから…」に、「これからはずっといっしょね」と応える。関谷はこれとよく似た場面を夢でも見る(夢の中の蒼月「関谷くんのこと、ずっと、ずっと好きだったの」。かなめに起こされて終わる)。
佐伯梢。関谷が先に「今でも、佐伯さんのことが好きって気持ち、変わらないから…」と告げる。佐伯は「関谷君が告白してくれた時も今と同じ気持ちだった」と明かし、関谷が同じ気持ちだったのが「夢みたいだったから」「思わずあんなこと言っちゃって…」「あの後、すっごく後悔して…」と話して、「…うん、喜んで」。
紺野遊季。「朋貴がわたしに告白したのは、今でも有効なのかってこと」と確かめ、「もし、有効なら、あの時の言葉をもう一度言ってくれない?」。関谷の「…おれ、紺野さんのこと好きだから、だから、おれとつき合って欲しい…」に「いいわよ」と答える。あのときは「朋貴は友だちで、恋愛感情なんかないってね」と思っていたが、「でも、あの後、わかったの」「わたしはあなたが好き、大好き」。最後に「本当の返事が遅くなっちゃってごめんね」と言う。
工藤翼子。「あたしが、久保田クンに頼んだんだ」。工藤は「受験が終わって…わかったんだ…」「あたしは、関谷クンが好き…」「あの時は…自分でも気づいてなくて、あんなこと言っちゃったけど…」と告げる。関谷の「おれの気持ちは、今もあの時と変わらないから」に「こんなあたしでもずっといっしょにいてくれる?」と尋ね、関谷は「ふたりでゆっくり考えればいいよ」と応える。
柳瀬里佳。関谷が先に「今でも里佳のこと…好きだから…」と言う。里佳は「その言葉は、今、わたしが言おうと思ったのに、先に言っちゃうなんて…」「素直になるって決めたから…」「わたし、あなたのこと…あなたのこと…好きよ」と告げ、「ごめん。わたし、ずっと素直じゃなかった…」と詫びる。「わたしの負けね」と言う里佳に、関谷は「勝ったも負けたもないよ」。
本条笑。「わ、わたし…帰るね…」と帰りかけた本条を、関谷が「また、逃げるの?」と引き止める。関谷の「本条さんって、いつも笑顔だけど、おれには泣いてるように見える…」に、本条は「今まで…普通に生活して来たあなたには…わたしの気持ちは…わかるわけ…ないわ…」と突き放す。
「わからなくていいと思う…」「だけど…わからないからこそ、励ましたり、元気づけたりできると思うんだ…」(関谷)
本条は「…わたし、今までだれかを好きになることなんてなかった…」「嫌われないようにすることだけ考えてた…」と打ち明け、「わたし、関谷くんなら、好きになれそうな気がする…」と応える。「わたし、心から笑えるようになるかな?」と言う本条に、関谷は「おれがしてみせるよ」。
どの場面も最後は、隠れて見ていた仲間の冷やかしで終わる。久保田の「おふたりさん、熱いねぇ~」、三宮の「ヒュー、ヒュー」、かなめの「やったね、朋貴っ!」(佐伯と工藤の場面には紺野も加わる)。
手紙の差出人 — 真弓千鶴 結ばれる
最後の手紙が指定した、卒業式の後の河原。関谷はそこで、手紙の差出人と初めて会う。
待っていた女の子は「わたし、真弓千鶴です」と名乗る。関谷は「え? 真弓って苗字だったの?」と驚き、(そうか、それで実は知らなかったのか…)と、久保田が『まゆみ』を見つけられなかったわけに思い当たる。
自分を「地味で目立たないし…」と言う真弓に、関谷は「思った通りのかわいい子だった」と答える。いつから見ていたのかを尋ねると、答えは「入学式から…ずっと…です…」。
「わたし…入学式で場所がわからなくて迷ってたのを関谷さんに助けてもらって…」「最初は、影から見てるだけでよかったんです…」「でも…3年生になって、思い切って、手紙を書いて…」(真弓)
真弓は「ずっと…好きでした」と告白する。関谷の「いいよ」を断りの意味に取りかけ(「そ、そうですよね…やっぱり、わたしなんか…」)、関谷が「おーい、おれはいいって言ったんだよ」と言い直す。「でも、関谷さんはわたしのことあまり知らないと思うし…」と言う真弓に、関谷は「これから、いっぱい知ればいいよ」、真弓は「はいっ」。ほかの6人と違い、この場面に冷やかしの仲間は現れない。主人公から真弓へ告白する場面は無い。
誰とも結ばれないとき — 帰り道と時間切れ 帰り道
誰とも結ばれないまま卒業式を終えると、学校を出るときの場面は2通りある(卒業式の帰り道)。ほかに、恋が実らないまま時が過ぎる場面もある。
久保田&三宮エンディング。久保田・三宮と3人で帰る。学校が別々になっても「おれたち、ずっと友だちだよな」「そういうこった」と確かめ合い、「さあ、行こうぜっ!」と歩き出す。
かなめエンディング。かなめが「最後だし、朋貴といっしょに帰ろうと思って、探してたんだよ」と関谷を探しに来る。腕を組まれた関谷は「な、なんで腕を組むんだよ?」。告白や恋の成就の台詞は無く、双子の姉と弟として、腕を組んで帰る場面である。
時間切れ。この場面の独白は「うまく行くと思ったのに…。」「恋に破れたおれに残されたものは受験勉強だけであった…。」で、そこから高校受験の前日(「明日はもう、高校受験の日。」)へ移る。
周りの人たちの1年 — 結由子と久保田ほか
ヒロインたちとの話のほかにも、関谷は友人や先輩の恋と悩みにかかわっていく。
結由子と久保田。別の中学に通う久保田の幼なじみの結由子は、校門まで会いに来ては久保田に追い返されている(「今度来たら絶交だって…」)。相談された関谷は作戦を立て、久保田に「おれ、好きな子ができたんだ」「結由ちゃんなんだ」と嘘をついて本音を引き出す。久保田の「結由子のこと好きなのかもしれない…。だけど、いまいちよくわからないんだ」を物陰の結由子に聞かせ、久保田は「お、おまえ、おれをハメたなっ!?」。結由子は「わたしが関谷くんに頼んだの」と打ち明け、二人はうまくいく。受験で結由子は久保田と同じ公立高校を選んで合格し、地の文は「実のためにここまでするんだからよっぽど実のことが好きなんだな。」と結ぶ。結由子には、関谷との告白やエンディングの場面は無い。
二階堂時子。生徒会長の二階堂は、試験で一度関谷に負けてから順位を競ってくる。蒼月の兄の恋人の白石美鈴に家庭教師をしてもらい、先生に合格は五分五分と言われても、私立の進学女子校という志望を変えない。
「一生に一度のことだから、精一杯やって、自分の可能性を試してみたいの」(二階堂)
推薦で早くに合格を決めると、受験が終わったら「みんなでパーっと、パーティしない?」と関谷とかなめを誘い、卒業式の後のパーティを呼びかける。
三宮の憧れ。修学旅行で三宮が佐久間先生を好きだと明かすと、久保田は「ライバルは辻村先生…かな」と言う。佐久間先生は、祭りや文化祭で関谷に「辻村先生、見なかったかしら?」と訊いて回る。
美坂先輩と住田時雨。先輩の美坂綾菜は、好きな人が1か月後に転校すると悩んでいる(「その人、転校しちゃうの…」)。好きな子と離れるならどうするかと訊かれた関谷は、「…思い切って、自分の気持ちを伝えます…」と答える。6組の住田時雨は、久保田によれば「なぜか雨の日しか学校へ来ないんだよ」という生徒で、関谷は一度も話せないまま、「あの日を最後に転校したとのことだ。」
作中で明かされないこと
- 結末の分かれ方:卒業式の日に誰が河原へ来るのか、帰り道が2通りのどちらになるのか、時間切れの場面がどんなときに出るのかは示されない。
- 真弓千鶴の場面が現れる条件:『まゆみ』の差出人と卒業式の日に会えるのがどんなときなのかは示されない。
- 担任の先生:先生が出てくる場面は、辻村先生の版と佐久間先生の版の2通りがあり、どちらになるのかは示されない。
- かなめの進学先:受験の場面では「かなめは私立女子高校を受験する。」とあるが、進路相談では「公立の女子校にした…」、卒業式の日には「そう、かなの進学先は公立女子校。」とあり、作中で食い違っている。
- 校内放送で流れる告白:蒼月への告白が校内放送で流れてしまう版が、どんなときに起きるのかは示されない。
- カラーひよこの行方:里佳は、関谷が覚えていないと知って話を切り、ひよこがどうなったのかは語られない。
- 本条の過去:「いろいろあって、親戚を転々としちゃった…」の中身と、告白の後の「本条さんをまた苦しめる」の「また」が何を指すのかは書かれない。
- 紺野の「本当の」夢と佐伯の「秘密」:佐伯が「遊季って、普段はアイドルデビューするとか言ってるけど、本当は…」と言いかけて止められ、関谷は(紺野さんの本当の夢…。佐伯さんの秘密…。気になる…)と思うが、中身は明かされない。
- 工藤が猫を苦手な理由:「小さい頃に…ちょっとね…」「思い出したく…ない…」と言うだけで、理由は語られない。
- 本条が転入してきた時期:いつ関谷のクラスに来たのかは示されない。
エンディング一覧
| 種別 | 相手 | 呼び出し | 卒業式の日の場面 |
|---|---|---|---|
| 結ばれる | 蒼月たかね | 久保田が二人を別々に呼ぶ | 告白を断った理由を明かし、「わたしは、あなたが好きです」 |
| 結ばれる | 佐伯梢 | 久保田が二人を別々に呼ぶ | 関谷が先に気持ちは変わらないと告げ、佐伯は「…うん、喜んで」 |
| 結ばれる | 紺野遊季 | 久保田が二人を別々に呼ぶ | 以前の告白が今でも有効かを確かめ、言い直させて「わたしはあなたが好き、大好き」 |
| 結ばれる | 工藤翼子 | 工藤が久保田に頼む | 「あたしは、関谷クンが好き…」「こんなあたしでもずっといっしょにいてくれる?」 |
| 結ばれる | 柳瀬里佳 | 久保田が二人を別々に呼ぶ | 関谷が先に「今でも里佳のこと…好きだから…」、里佳は素直になれなかったことを詫びて応える |
| 結ばれる | 本条笑 | 久保田が二人を別々に呼ぶ | 帰りかけたところを「また、逃げるの?」と引き止められ、「わたし、関谷くんなら、好きになれそうな気がする…」 |
| 結ばれる | 真弓千鶴 | 真弓の最後の手紙(卒業式の後、河原で) | 初めて会って名乗り、入学式の日から見ていたと話して「ずっと…好きでした」。冷やかしの場面は無い |
| 帰り道 | 久保田・三宮(久保田&三宮エンディング) | なし | 3人で帰る。「おれたち、ずっと友だちだよな」 |
| 帰り道 | かなめ(かなめエンディング) | なし | かなめが探しに来て、腕を組んで帰る。告白の場面は無い |
| 時間切れ | なし | なし | 「恋に破れたおれに残されたものは受験勉強だけであった…。」から、高校受験の前日へ |
放課後の待ち伏せでの告白は、6人の誰が相手でもその場では断られる形で終わり、それ自体は結末ではない。どの結末になるかの条件は作中では示されない。