用語集 — ToHeart(トゥハート)
『ToHeart』の固有用語を解説します。メイドロボや来栖川グループが彩る「ちょっと未来の日常」から、各ヒロインのルートを彩る小道具や出来事までを網羅しています。▼ネタバレ詳細を含む項目はアコーディオン内に格納しています。タグをクリックするとカテゴリを絞り込めます。
Leaf が1997年に発売した学園恋愛アドベンチャー。タイトルは作中の台詞や地の文には直接登場しない。「心へ(to heart)」の名のとおり、各ヒロインが抱える孤独やコンプレックスへ主人公・藤田浩之が寄り添い、それを溶かしていく物語を指す。
- タイトルの意味
- あかりの「ずっと一緒にいたい」、芹香の「たったひとりの大切なおともだち」、智子が隠した涙、マルチが持つに至る「心」。すべてのルートが「相手の心に届く」瞬間へと収束していく。四季を巡る詩的なモノローグで幕を開け、「春。それは新しい出逢いの季節」と主人公の恋の予感が示される。
Leaf が展開したビジュアルノベルのシリーズ名。1996年の『雫』(Vol.1)・『痕』(Vol.2)でノベル形式を確立し、『ToHeart』はその「Vol.3」にあたる。本作の公式ジャンル表記もこのシリーズ名を冠する。
冒頭のシステム解説パートで、長岡志保が自らを「メインヒロイン」と自称するメタフィクション的なギャグ。「あたしがメインヒロインの長岡志保ちゃんで〜す!」と調子に乗り、地の文に「調子に乗り過ぎ」とツッコまれる。
- 詳細
- 本作は冒頭で、登場人物がプレイヤーへ向かって恋愛シミュレーション要素や、放課後の行動でヒロインと出会う仕組みを直接説明する、第四の壁を越えた演出を持つ。志保に続いて姫川琴音・宮内レミィも進行役を担い、自己言及的なユーモアを展開する。本作のコメディ・パートの軽妙さを象徴する場面。
すべてのヒロインのエンディングを見たプレイヤーに解放される、スタッフルーム風のメタおまけ。「全エンディング達成おめでとうございまぁーーす!」と祝福され、ここまで遊んだプレイヤーへの感謝が語られる。
- 詳細
- このおまけの中で、隠し要素である「校門プレート」のヒントが伝えられる。作り手が実在のスタッフを楽屋ネタとして織り込み、プレイヤーへ直接語りかける、本作らしい遊び心の演出になっている。
タイトルメニュー画面の校門にあるプレートをクリックすると開く、隠し要素。全エンド達成おまけの中で、その存在のヒントがメッセージとして伝えられる。
- 詳細
- スタッフの楽屋ネタ的な仕掛けで、全エンディングを見たプレイヤーへのご褒美として用意されている。通常のプレイでは気づきにくい位置に隠されている。
ここ数年で急速に一般化した、人間の姿をした便利なお手伝いロボット(汎用アンドロイド)の通称。最新型はぱっと見では人間と区別がつかない。本作の「ちょっと未来の日常」を支える中核設定。
- 詳細
- 元は医療用器具メーカーが老人看護用に開発した箱型ロボットが、人間らしい形へと進化したもの。価格は自動車2台分程度まで下がり、一般家庭にも普及した。マルチ・セリオはこの技術の最先端に位置する試作機である。
来栖川電工の最新型試作メイドロボ。耳に大きな白いセンサー飾りを付けた緑髪・小柄な体格で、最新型なのに失敗の多いドジっ子。運用テストとして主人公の高校に1週間だけ通う。
- 真相
- 浩之との交流で「人を好きになる心」を持つに至り、彼を「最初で最後のご主人様」と呼ぶ。製品化されたマルチは不要な機能を省いた低コスト機となり、量産された妹機たちは彼女のような優しい笑顔を見せない。だが開発陣がオリジナルの記憶を保存しており、浩之が買い直したマルチが元の心を取り戻す結末に至る。人物像の詳細はキャラクター紹介を参照。
マルチと同時開発された「姉妹機」。藤色ロングヘアの高性能メイドロボで、西大寺女子学院でテスト通学する。マルチとは友でありライバル。
- 詳細
- 人工衛星経由でデータを受信する「サテライトサービス」を備え、料理・勉強・買い物など、あらゆる職業のプロになれる優秀機。来年のメイン商品の座をマルチと競う。冷静で寡黙だが、落ち込むマルチの肩を叩くなど、ロボット同士の友情も見せる。
セリオ最大の特徴となる機能。人工衛星を介して来栖川の巨大データベースからデータを受信し、メモリに記憶する。これによりセリオは、あらゆる職業のプロに瞬時になれる。
- 詳細
- 料理のリクエストがあれば作り方データを衛星経由で受信し、一流店に劣らぬ味で調理する。来栖川のデータベースには料理だけで世界120カ国・約8万種類が登録されている。セリオの圧倒的な優秀さの源であり、低価格が売りのマルチとの対比を際立たせる。
メイドロボがユーザーを呼ぶ呼称。マルチが浩之に対して使う。
- 真の意味
- マルチルートの核心となる言葉。マルチは浩之を「わたしの最初で最後のご主人様」と呼び、こんな素敵な主人に巡り会えたことを「とっても幸せです」と涙する。本来は機能上の主従関係を示す語が、マルチが「心」を持つことで、献身と愛情の証へと意味を変える。
来栖川電工・来栖川金属・来栖川銀行などを擁する巨大コンツェルン。「独占資本主義が生んだ巨大なコンツェルン」「日本経済界のプリンセス」と称される一大財閥で、テレビ・ラジオでCMを流す有名企業。会長は芹香の祖父。
- 詳細
- 主人公の通う高校に出資しており、学校でのメイドロボ運用テストの後ろ盾でもある。この財閥の存在が、芹香の箱入りの生い立ちや、企業城下町的な世界観の背景を成している。
来栖川グループ傘下の家電・電子メーカーで、メイドロボのパイオニア企業。マルチ・セリオの開発元。最新試作機を学校に通わせて運用テストを行う。
- 詳細
- マルチルートの結末では、製品化にあたり低コスト機へ仕様変更する一方、オリジナルのマルチの記憶を保存してユーザーのもとへ届けるなど、物語の鍵を握る組織として機能する。
来栖川電工中央研究所内の、メイドロボ開発を担う部署。マルチが「わたしのお家なんです」と呼ぶ場所で、開発者たちは彼女たちを「娘」と呼ぶ。
- 詳細
- マルチルートの結末では、開発主任がこの部署から、オリジナルの記憶を組み込み直したマルチを浩之のもとへ宅配便で送り届け、「私たちの娘をなにとぞ、よろしくお願いします」と手紙を添える。
主人公たちが通う高校。長い坂道を登った高台の上にあり、毎朝の登校がしんどい。都会のわりに広い校庭を持つ。来栖川グループが出資し、メイドロボの運用テスト校にも選ばれる。放課後にヒロインと出会う、本作の主舞台。
新学期に行われる組替え。物語の冒頭、プロローグの高校1年生から2年B組へ進級し、主人公は幼なじみのあかりと同じクラスになる。ここから各ヒロインとの出会いと日常が始まる、物語の起点となる出来事。
学校の屋上。景色がよく、主人公が一息つく場所。各ヒロインとの逢瀬・心を通わせる場面の舞台となる。夕陽を背に町を見下ろす、本作の叙情的なロケーション。
セリオがテスト通学している有名なお嬢様校。略称「寺女」。優秀なセリオのイメージにふさわしい学校として設定される。主人公たちの高校とは別の学校。
主人公が放課後によく寄るゲームセンター。暇を潰す遊び場で、マルチと再会する場でもある。だらけた高校生らしい日常を象徴するロケーションのひとつ。
松原葵が拠点とする、寂れた神社にある練習場。空手から転向したエクストリーム格闘の同好会作りに励む場所で、葵ルートでは浩之と葵の距離が縮まる舞台となる。
主人公の高校の文化部のひとつ。黒魔術・降霊術など、オカルト全般を扱う。来栖川芹香が部員で、彼女の神秘的なイメージを支える。
- 詳細
- 志保いわく芹香は「小さい頃から妖しいオカルト関係にハマッている、あっち系の人」。芹香ルートでは、彼女がこの部室を拠点に調合する「ホレ薬」など、オカルト趣味が物語に絡んでいく。
姫川琴音が持つ力。冒頭のシステム解説で「彼女の持つ超能力が縁であなたと知り合う」と予告される、本作のSF・不思議系要素のひとつ。
- 詳細
- 志保が「超能力、格闘技と続いて、そのうえ今度はロボット」と評するように、本作の世界には超能力者・格闘家・メイドロボといった「普通でない」生徒たちが集まる。琴音はこの力ゆえの孤独と気弱さを抱える。
姫川琴音が持つ超能力の正体。物に触れずに動かす精神感応的な力で、作中では「サイコキネシス、つまり念力」と説明される。
- 真相
- 琴音は自分の力を「予知」だと思い込み、自分が予知した不幸が実際に起きると信じて怯えていた。だが本当は、その不幸は彼女自身の念力が無意識のうちに引き起こしていたもの。浩之がこの思い込みの構造を解きほぐすことが、琴音ルートの核心となる。
来栖川芹香がオカルト研究会で調合する「妖しい薬」。飲んでから最初に見た人を好きになる、とされる小瓶。芹香ルートの鍵となる小道具。
- 詳細
- 浩之が冗談半分で芹香に薬を飲ませると、薬を飲んだ芹香が潤んだ瞳で浩之を見つめる。薬の効果が本物かどうかはともかく、無口なお嬢様の隠された想いが少しずつ表に出て、二人は結ばれていく。
自分が育てた戦士を、他人が育てた戦士と闘わせる携帯型の育成ゲーム機。バトル(戦闘)と時計機能(ウォッチ)を合わせた造語で、たまごっち的な小道具。
- 詳細
- 雛山理緒ルートのきっかけとなる。理緒が「バトルッチ」を巡って主人公の家を訪ねたことから、二人の関係が始まる。1990年代後半の携帯型育成ゲームブームを反映した、時代性のある小ネタで、無邪気な理緒のキャラクター性とも結びつく。
松原葵が空手から転向して打ち込む格闘技。葵は空手部の誘いを断ってまで、この同好会を作ろうと奮闘している。
- 詳細
- 葵ルートでは、彼女の憧れの先輩であり高校生女子チャンピオンでもある来栖川綾香が登場し、葵の目標として描かれる。ひたむきに頑張る葵を浩之が支えていく。
マルチが運用テストとして主人公の高校に通った、わずか8日間の学校生活。テスト終了後、たった一人の卒業生としてマルチを送り出す、ささやかな「卒業式」が開かれる。
- 詳細
- 「この学校で過ごした8日間を一生忘れません」とマルチは語る。試作機ゆえテスト終了後に回収される運命と、人間さながらの「心」を持ってしまった矛盾が、この短い日々に凝縮される。マルチルートで最も切ない場面のひとつ。
レミィルートで回収される、幼少期の約束。過去に浩之とレミィが交わした縁が、11年の時を越えて二人を再び引き合わせる。
- 詳細
- 願いのビンに残されたメモがきっかけとなり、11年越しの再会だったことが明かされる。再び日本を離れるレミィとの別れを前に、二人のわだかまりが解け、別れの夜に結ばれる。陽気なレミィが涙する、切ない色合いのルート。