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キャラクター詳細 — 蒼い海のトリスティア ~発明工房奮闘記~

工房の仲間と街の人々を、序盤の顔と、物語の後半で見えてくる姿に分けて紹介します。▼ネタバレ詳細には結末までの内容が含まれます。このページは2002年のWindows版の内容に基づきます。

ナノカ・フランカ

ナノカ・フランカ なのか・ふらんか 主人公
ナノカ・フランカ
読みなのか・ふらんか
役割主人公。プロスペロ発明工房トリスティア支店の工房士
年齢14歳
CV川澄綾子
外見赤みのある長い髪を高い位置でまとめ、金色の大きなリボンを結ぶ。青緑色の目。白地に青紫の縁取りの服に手袋、長い柄の槌を持つ

プロスペロ流工房術の免許皆伝を持つ14歳の工房士。名工の祖父プロスペロが神経痛で来られず、代役としてトリスティアへ来る。先週まで帝都ジュニア・アカデミーの生徒で、少女の姿のために市長には実力を信じてもらえない。困っている人がいればすぐ手を出し、作れる物から解決を探す。噴水を直す、食材を新しい商品にする、港の機械を改良する。身近な不足を発明に変えることが何より楽しい。研究を優先して平均睡眠は四時間、食費は雑草のサラダや自然薯で切り詰め、周りに体を心配される。

技術への楽観は、自分で試してみる行動力になる一方、危険や相手の気持ちへの鈍さにも出る。巨大な花火を喜び、鮫退治にも乗り出すが、テンザンを壊せば自分の命令を悔やむ。武器を作っても、人を傷つける使い道なら渡さないと依頼人に条件を出す。発明への熱中と、使われた結果を問う意識が同居している。

ナノカが生まれてすぐ、両親は高純度オリハルコンの精製実験の事故で亡くなり、祖父に引き取られた彼女の子守をスツーカが務めた。父が成功させた人造結晶のペンダントを持ち、自分でも結晶を作って両親の墓に返すことが願いである。地下の古代文字の解読から研究を再開し、人工ダイヤ、錬金術、試作の結晶を経て、ラファルーの翻訳を借りて人工の高純度オリハルコンを完成させる展開がある。

観覧車事故は、ナノカに仕事の結果を引き受けることを突きつける。亡父に会いたい少年の願いを取り違えて引き受け、心を救う思い出を作ろうとした観覧車が少年の両足を折る。母親への謝罪は拒まれ、群衆に追われて雨の街へ逃げるが、仲間の言葉を足場に工房へ戻る。のちに事故の原因が請負会社の手抜き工事だったと分かっても、被害への謝罪と少年の回復は別の段階として残る。

友人との関係でも、ナノカは問題を発明だけでは片付けない。大橋で対立したフォーリィには、失踪の後に友人として流星雨を一緒に眺め、そのうえで港湾拡張の計画を作る。経済封鎖を仕掛けたネネには、封鎖の解決より先に壊れた目覚まし時計を直して会いに行く。ネネの告白にはすぐには答えられない。レイグレットの病には薬と機械を段階的に作るが、救う仕事にも届かない場合がある。

後半の大事件では、自治を守る展開で戦場へ行こうとしてスツーカに止められ、頭で対策を作って島を帝国領の外へ動かす。キングドラゴンとの展開では、経歴に傷がつくのを承知で違法な兵器を使って街を守り、仲間の制御核を受け取って審問と復元のために帝都へ帰る。一年後の結末では、スツーカとテンザンと共に工房を片付けて街を去る。

キャラを象徴する台詞
「そんな人たちの暮らす街が、このまま寂れていいはずがないよ」日焼けした働き者の住民を見て、復興を引き受ける理由を語る
「──わたしは失敗はするけど、ウソはつきません!」父に会いたいという少年の願いを取り違えたまま、仕事を引き受ける
「やってみせるよっ。だって、わたしは工房士だもん!」島の航行機能を直す策に応じる
シリアス系
「不可能じゃないっていう証明だけで充分だよ。どれくらいかかるか分からないけど、いつかきっと……」父だけが成功した人造オリハルコンの精製を、自分もやり遂げたいと語る
「今は、わたしが側にいるよ……ラファルーはひとりぼっちじゃないよっ!」古い仲間を失い、孤独を恐れるラファルーを慰める

スツーカ

スツーカ すつーか 保護者・助言役
スツーカ
読みすつーか
役割ナノカに付き添う人造狼。保護者、家庭教師、仕事の補助役
年齢—
CV小杉十郎太
外見灰色の背と白い胸・腹の狼の姿。立った耳、赤みのある目、額に青緑色の三角。両側から金色の細長い部材が伸びる

プロスペロのもとで世界を巡り、ナノカとトリスティアへ来た人造狼。会話も法律の調査も発明の助言もこなし、家事と護衛まで引き受ける。ナノカの突飛な企画には辛辣な小言を言い、資金、食事、法律、製作の危険を先回りして考える。行政法を読むのは、知らないまま法を破るより、心得たうえで動くほうが安全だからだという。発明家ひとりの才能より時代全体の技術水準が成果を支えると教える一方、研究に熱中して食事も入浴も忘れるナノカの生活に、たびたび口を出す。

嗅覚と足跡の読み取りで行方不明者を見つけ、壁の文字を記憶して持ち帰るなど、身体の機能と経験を仕事に生かす。祖父が付けた胃袋のおかげで食事もでき、海水浴では狩りと料理を受け持つ。故障して甘い恋愛指南を始め、ナノカに金床でリセットされる騒ぎもある。

本人は半世紀動いてきたと語る。ナノカの両親が亡くなった後、祖父に引き取られた彼女の子守を務めてきた。人工ダイヤの取引の後に工房が狙撃されると、組織の警告と判断して痕跡を消し、研究をやめさせようとする。ナノカが納得しないと彼女の意思を認め、自ら狙撃者を追い、ネネにはハンプデン家の圧力を頼んで、傷を負いながら帰ってくる。森林公園の魔導士を任されたときは、魔法に耐えて殺意を示し、悲鳴の後に所持品を持ち帰る(魔導士は街を出たと説明され、以後見かけられない)。

観覧車事故では、依頼人にとってナノカは工房士だと責任を問う一方、群衆の攻撃にはテンザンと共に身体を張り、慰める場面ではマメだらけの手を覚えていると努力を認める。少年が完治した後、ナノカはスツーカが自分の身体を保つための修復機械を使ったのではないかと案じる。祖父の帰還命令とナノカの意思がぶつかると、昔の主人より今の主人ナノカに従う。

自治を守る展開では、戦場へ行こうとするナノカを力ずくで止め、頭を使えと諭す。爆弾を口の中の装甲で受け止め、口を傷めながらも生き延びる。キングドラゴンとの展開では、決戦の前夜に眠るテンザンへ、ナノカに償いきれない負債があると語る。理由は語られない。ラファルーを仲間と呼びつつ、古代文明の秘密をすべて聞くことは断る。最後はキングを高空へ誘導して身体を失い、制御核だけがナノカのもとへ戻る。

キャラを象徴する台詞
「その時、完全に無知のまま法律を破るより、心得た上でやったほうがずっと安全だ」街の行政法を読む理由を説く
「ナノカは工房士だ。小娘だろうが半人前だろうが、依頼人にとって工房士なのだ」事故で落ち込むナノカへの厳しさを、ラファルーに問われて
「……ひとりの生徒が、教師にその歳月は無駄ではなかったと感じさせてくれることは本当にあるのだな……」人工の高純度オリハルコンの完成を見て
シリアス系
「ナノカ、とてもそうは見えないが、キミの武器はオツムだろう?」強化した工具で戦場へ向かおうとするナノカを止めて
「われらには、ナノカに償いきれぬ負債がある。ここらでそれを精算する頃合……」決戦の前夜、眠るテンザンに

テンザン

テンザン てんざん 機動城塞兵
テンザン
読みてんざん
役割プロスペロが送った機動城塞兵。工事・運搬・飛行・救助を担う
年齢—
CV—(公式の配役表記なし)
外見幅広い肩を持つ人型の機械。青灰色と白の装甲に金色の縁、赤い頭頂部、胸に青緑色の三角

プロスペロが孫の手伝いのために送った蒼い機動城塞兵。量産のゴーレムとは違う祖父の完全な手作りで、ナノカは機体の値打ちを六千万ベルクと見積もる。今では作れない発掘部品と、長い実戦で整えられた機能を備える。普段は短い軍隊風の返事で命令を受け、海底温泉の基礎工事、重い荷の運搬、聖誕祭の人工雪まで、ナノカの発明を現場へ運ぶ。飛行試験の墜落は地下空洞やビリビリの発見につながり、失敗からも研究の入口を作る。深海へ墨を取りに行けば、限界を訴えずに浸水して戻り、ナノカは無理をさせたと謝って修理する。

ラファルーとの衝突で、ナノカはテンザンに自動ドグラノフ六門が付いていたことを初めて知り、取り外させる。軍用の機体でも、街での働き方はナノカが選ぶ。観覧車事故の後にはスツーカと共に群衆から主人を守る。

自治を守る展開では、帝国軍の砲撃で傷ついたナノカを見て、命令を待たずに戦いを始める。市長をゴーレムから救い、レインボーブリッジで軍団を食い止め、帰還命令にも長い沈黙の後で拒む。従順な機体が主人を守るために命令を拒む転換である。島が動き出すと、今度は命令を受けて自分たちが建てた橋を壊す。最後はナノカを乗せて飛ぶが、秘密で付けた長距離用の装置が失敗し、二人で海へ落ちる。

キングドラゴンとの展開では、ラファルーに精神感応で呼びかけられて死ぬ覚悟の戦いに同行し、重い傷を負って戻る。軍用装甲と大型銃でアーマード・テンザンに改装されるが、原子炉を止めた制御核が冷えすぎて動かない。決戦の劣勢の中、ナノカの呼びかけで再起動して戦況を変え、島へ落ちようとするキングに体当たりして高空へ押し上げる。身体は失われるが、制御核はナノカのもとへ戻る。

シリアス系
「………………………………………………………………………………ノー・サー!!」橋で戦い続けるテンザンが、帰還命令を拒む

フォーリィ・キャラット

フォーリィ・キャラット ふぉーりぃ・きゃらっと 商会会長
フォーリィ・キャラット
読みふぉーりぃ・きゃらっと
役割キャラット商会の会長。行政から任された港を管理する
年齢15歳
CV大野まりな
外見長い紫色の髪、青緑色の目。金色の三角模様の髪飾り、赤と桃色の上衣に白い袖、濃い青灰色の下衣、長く伸びる模様入りの帯

15歳でキャラット商会の会長を務め、船と荷物、融資、宣伝、港の設備に目を配る地元の少女。十一年前のドラゴン襲来で両親を失い、父の跡を継いだと話す。ナノカ宛ての研究道具が荷下ろし中に爆発したため、最初は責任を問いに工房へ乗り込むが、鼠退治の仕事を通じて仲良くなる。率直で行動が速く、反対するときは怒鳴り込む。威力の強い道具を喜ぶ感覚はナノカとそっくりで、船や港の仕事では危険に敏感にナノカを心配する。

報酬を上乗せして研究費を支え、店の不調を見ればナノカを連れて調べに行く。市場に取り残されたルーシーには、両親が戻らなければ自分が育てると言い出す。強気な振る舞いと、置き去りの子供を放っておけない態度は、彼女の中でつながっている。ネネとはナノカをめぐって張り合いながら、海水浴や贋作事件では一緒に動く。

ナノカの大橋は街全体の景気を上げる計画だが、フォーリィにとっては渡船と荷役の仕事を奪うものでもある。生活の基盤を守るために抗議し、ナノカは計画を止めない。貿易祭りの宴では、酔ったナノカに口移しで接吻されて初めてを奪われたと泣く。ナノカは翌日覚えていない。港を広げる資金を投機で得ようとして失敗すると、ナノカの援助を見下されたと受け取って姿を消す。船長によれば、彼女は会長夫婦の拾い子で、五、六歳のときに養父母を失い、周りの大人が幼い会長の頑張りに甘えてきた。森林公園で見つかったフォーリィは、ナノカと流星雨を眺めて和解する。

実の母は帝都の大女優アリスン・ウェストウッドだった。女優になるため、島が帝都の近海に来たときに産んだ娘を置いて去った母は、家伝のニョクマパウダーを使ったシチューと、調味料をくれた少女の名と年齢から娘に気づく。フォーリィは産んでくれた母に感謝しながら、育ての父母と街の人々に大切にされて幸せだったと語り、自分はもうトリスティアの子だとして街に残る。序盤に話した両親の喪失は、養父母の喪失だったことになる。

キングドラゴンが迫ると、いつも強気な会長も恐怖で耳を塞ぎ、商会の者に連れ帰られる。養父母と街を奪った災害の再来である。自治を守る展開ではナノカと地下の扉を開き、出発の見送りでは友達としていつでも戻れと叫ぶ。キングドラゴンとの展開の最後には、港に駆けつけ、ずっと凄いと思っていた、大好きだとナノカに伝える。

笑える・日常系
「あはっ、こういう景気のいい道具って大好き。──あー、なんか楽しみっ」鼠用の地雷を受け取って
キャラを象徴する台詞
「もし……両親が帰ってこなかったら、ルーシーは、あたしが育てる」市場に取り残された少女の行く末を聞いて
「そしてねっ……!いつでも戻って来なさいよ! あたし達はあんたの友達なんだから──っ!!」自治を守った後、街を発つナノカに
甘い・恋愛場面
「あたし……アンタが大好き……!ずっと…ずっと凄いと思ってたのよ……!」キングドラゴンを退けた後、港で

ネネ・ハンプデン

ネネ・ハンプデン ねね・はんぷでん 学友
ネネ・ハンプデン
読みねね・はんぷでん
役割ナノカの学友。ハンプデンズ支店を経営する
年齢12歳
CV野川さくら
外見橙色の短めの髪を左右の緑色のリボンで飾り、青い目。桃色の服に白い縁取り、胸に大きな青緑色のリボン

帝都の名門富豪ハンプデン家の娘。四年前から、年齢や学年を問わない特別クラスでナノカと同級生になった。家の暮らしから離れて自分の生き方を探すため、両親の承諾を得て学院を休み、トリスティアに出したハンプデンズの支店を自ら経営する。丁寧な言葉で話し、家名にふさわしい誇りを持つ。店の料理を侮辱されると、料理を喜んでくれた客の舌を守るために再戦を決める。ナノカが幼い頃にくれた不器用な手作りの目覚まし時計を、今も宝物として使い続けている。

ナノカとの二人きりの時間を何より望み、フォーリィを連れてこられると落胆し、ラファルーが工房に迎えられると嫉妬する。好意をほのめかしても、ナノカの関心は食べ物と発明に向いてしまう。秘密で無制限の資金を出して公共施設の計画を支えるが、グリフェンに恩を売って才能を縛ればいいと勧められると、そんな真似は絶対にしないと拒む。

本家の使者から帰還を求められ、縁談も持ち出される。ナノカは家族と年末年始を過ごす程度のことだと思い、ネネの苦しさに気づかない。ネネはナノカと帝都へ帰るため市長を動かして早期の帰還を勧めさせるが、ナノカは契約が切れても仕事が終わるまで残ると答える。街が好きな人を奪ったと受け止めたネネは、ハンプデン家の名で経済封鎖へ踏み出し、伴侶は自分で選びたい、ナノカが一番なのだと叫んで姿を消す。援助で才能を縛らないと言った本人が、愛情と家の圧力に追われて街を人質に取る変化である。

マリンタワーで再会する展開では、封鎖はもう自分で解いたと話し、直った時計を受け取って友人であることを確かめる。家族の決める縁談から逃れるために移住したことを明かし、相手を自分で選ぶために家族と向き合うと決めて、ナノカに愛を告げる。答えはすぐには求めず、帝都へ帰る。会えない展開では謝罪の手紙だけが届き、街の経済に大きな被害が残る。

自治を守る展開では、ヴァルの頼みを受けて父の政治力で無差別の砲撃を止め、祖父プロスペロから預かった天然の高純度オリハルコンを届ける。経済封鎖で使った家の力を、今度は街を助けるために使い直す。最後はスツーカと船で帝都へ向かい、一生ナノカについていくと語る。

甘い・恋愛場面
「それに、ちいさくてもしっかり、わたくしの為に時を刻んでくれるこの時計……わたくし、本当に大好きなんです」ナノカにもらった手作りの時計を使い続ける理由
「わたくしがいます……!世界中が敵になったって……わたくしは……ネネ・ハンプデンは味方です!」観覧車事故の後、雨の街でナノカを励ます
「そして……あなたが、わたくしの一番なんです!」経済封鎖をめぐる衝突で
キャラを象徴する台詞
「わたくしがもし、自分の店の料理に誇りを持たなければ、その方たちの舌を愚弄することになります!」食通に店の料理を侮辱されて
「貴き者の務め──弱きを助け悪しきをくじき、民の平和を安んずる……ノブレス・オブリージュですわ☆」政治力と結晶を届けて街へ戻ったとき

レイグレット・クタニエ

レイグレット・クタニエ れいぐれっと・くたにえ 司祭長
レイグレット・クタニエ
読みれいぐれっと・くたにえ
役割リュナント神殿の司祭長。ナノカの最初の支援者
年齢—
CV幡宮かのこ
外見桃色がかった長い髪に細い眼鏡、赤紫色の目、宝石を配した額飾り。濃い紫色の長い衣に青い襟と髪のリボン、金色の腰と腕の飾り

リュナント神殿の司祭長。噴水を直すナノカの技を目の当たりにし、街の人々が何を思おうと信じると約束して、職人街の工房をただで貸す。神殿の管理、寄付集め、街角の無料診療を一人でこなす。医術の営業免許は持たず、十一年前の被災者を治療するうちに技術を身につけた。司祭の言葉に冗談や酒、商売と資金繰りの話が混じる。善意だけで金を配ることには反対で、続けられる活動のために現実のお金を大事にする。

生きていれば失敗はいつか笑い話になるとナノカの命を気遣い、才能を金に換えるより、食べ物や清潔な寝具に困らない暮らしを彼女に望む。市長の側近ヴァルとは故郷の旧友で、外資の導入をめぐって口論しても互いを見捨てない。フォーリィとの事故を仲裁し、ルーシーの保護も神殿で引き受ける。蔵書を借りに来るラファルーに、初めて会った気がしないと感じる。

十一年前の襲来のとき、先代の司祭は被災者に神殿の財をすべて投じ、病を得て郷里へ帰った。行政の援助はなく、残されたレイグレットは一人で活動を続けてきた。祖父の名声ではなく、自分が目撃したナノカの才能に、街の最後の希望を託している。

顔色の悪さは九月熱の秘薬でも治らず、やがて全身に広がる血液の病で倒れる。現代の医療では治せず、本人は年を越せないと言う。街の人々には飲み過ぎと夏バテだと話して病を隠し、泣くより笑っていたほうがいいと生き方を語る。ナノカの治療で一度は持ち直すが、観覧車事故の日、帝国人の排斥へ傾く群衆を病身で説き伏せたことで危篤に陥る。支えてきた人が、今度は救われる側になる。

マイクロ治療機が使えた展開では、二日眠って全快し、街を救うために招いた相手が自分の命まで救ったと感謝して仕事へ戻る。後半では議会で、条約より市民が自由かどうかが問題だと抵抗を促し、後継の市長に推されても断る。ドラゴンの危機では住民に行動を呼びかけ、ナノカには一人で背負う義務はないと逃げるよう勧める。天才を信じることと、本人に全責任を負わせることを同じにしない。治療機が使えなかった展開では、ナノカに看取られて息を引き取り、神殿は無人になる。

キャラを象徴する台詞
「ふふっ、……わたしはあなたのファン1号よ☆」噴水を直したナノカに
「……幸運とは慎重な計画と努力についてくるボーナスみたいなものです……無料で手に入ることはぜったいにありません……」治療の改善を幸運と言う医師に
シリアス系
「骨折ったって傷がのこったって、生きてさえいれば、いつか笑い話にもなるでしょ」クレーンの落下で怪我をしたナノカに
「……わたしはただ、彼女が、食料品を気苦労なく買えて、そうしたければ毎日シーツを取り返られるようになればいいの」ナノカの才能を利益にする話を断って
「──私は奇蹟なんて信じない。でも、奇蹟を起せる天才がいることは信じられるわ」キングドラゴンが迫るなかで

ラファルー

ラファルー らふぁるー 守護者
ラファルー
読みらふぁるー
役割工房の居候。古代の遺産を守る守護者
年齢—
CV友永朱音
外見緑色の髪、赤い目、尖った耳、額に三角の飾り。白と紫の短い上着と短パン、手袋、首回りの帯

ハンプデンズの往復船が海底で拾った金属のカプセルに眠っていた、少女の姿の人工の存在。分解されずに工房へ運ばれ、ナノカのお下がりの服を着せられる。目覚めるとナノカの父のペンダントの結晶を求めてスツーカとテンザンを圧倒するが、安全に覆われた結晶だと分かると返す。名前だけを名乗り、大切な役目の記憶を失ったまま居候になる。華奢な腕でテンザンを上回る力を出す。

一人称は「ボク」。ゆっくりと冗談を交えながら相手を観察し、小説を人生経験のシミュレーションとして読む。正体が知られれば今の世の中では実験動物か骨董品扱いだと分かっている。味を感じないのにナノカの料理を褒め、後で分析はできても味覚はないと明かす。水だけで足りる身体だが、食事や夜の泳ぎに誘われると喜ぶ。ナノカを守る使命を持つスツーカをうらやみ、自分にもすてきな使命があってほしいと願う。

ラファルーは、パシアテ文明の人々が遺産をドラゴンから守るために作った不死身の自動人形、トリスティアのガーディアンだった。守護者は四人で、二百年ずつ交代して起動していたため、互いに顔を合わせたことはない。グリーペン、ラープタ、ベルクトゥはすでに失われ、ラファルーは眠っている間に大切な仲間がいなくなることを恐れている。夜歩きは、眠りへの恐怖と悪夢を避けるためでもあった。過去のキングドラゴンとの戦いで戦闘力を失っていたことが、カプセルでの眠りの背景として語られる。

屋根の上でドラゴンの接近を感じ取り、ナノカに作らせたライトで掌から体内にエネルギーを送って本来の力に近づく。十二月の迎撃の準備がない展開では、記憶を取り戻したと言って工房を去り、二度と戻らない。研究が完成しないまま、自分の過去と正体を探す旅に出る展開もある。観覧車を企画する前には、亡父に会いたい少年の心を救う方向をナノカに示し、事故の後には結果から逃げずに受け止めるよう諭す。

キングドラゴンとの展開では、テンザンを連れて死ぬ覚悟の戦いに出て重傷で戻り、正体とキングの生存を明かす。キングは結晶の輝きに惹かれるが、結晶は目印にすぎず、遺産は作らなくても襲われただろうとナノカを責めない。決戦ではテンザンに動力をつないでキングを高空へ押し上げ、最後にはキングを古い友人の一人と呼ぶ。最後の夜に生還して二つの制御核を返し、守護者の役目から自由になって世界を旅すると決め、口づけと告白を残して旅立つ。

キャラを象徴する台詞
「人生経験のシミュレーションさ。ヘタなノンフィクションより、はるかに効果があるね……」夏祭りの人込みを避け、工房で小説を読み続ける理由
「いいかい……?自分自身のやった行動の結果を逃げずに受け止めるんだ」観覧車事故の後、失敗を認めるのを恐れるナノカに
シリアス系
「うん……もし正体がばれたら、今の世界、ボクの社会的地位なんてモルモット並だからね。よくて骨董品……」工房に置いてほしいと頼むとき
「出来得るなら、キミのようなすてきな使命を背負っていることを願いたいものだね……」ナノカを守って帰ったスツーカを見て
甘い・恋愛場面
「フフっ……キミのためになら、ボクは何だって出来そうな気がするよ」耐水水着を着て、ナノカと夜の海で
「……キミが好きだよ。……この世界のだれよりも……なによりも」生還して旅立つ前に

その他の登場人物

プロスペロ・フランカ

ぷろすぺろ・ふらんか ナノカの祖父

名工にして都市プランナー。市長に復興を託されるが、神経痛を理由に孫を代役に立てる。島には来ないまま、手紙、レシピ、流星群の予告、Qへの紹介状と武器で孫を助ける。息子夫婦を実験事故で失った後にナノカを引き取り、子守はスツーカに任せた。接収の危険が迫ると帝都へ帰るよう命じる一方、自治を守る展開では新たに見つけた天然の高純度オリハルコンをネネに託し、島の修理を可能にする。ナノカとスツーカが書いた伝記には創作が混じっている。

ズリアーニ市長

ずりあーに トリスティアの市長

財政と人口の流出に悩み、プロスペロを招いた市長。来たのが少女だったため信用せず、資金のない計画書は捨てるが、援助が付くと塔や砂浜の建設に乗る。観覧車事故ではナノカを責めて群衆に同調する。帝国の接収論には五百年の自治の誇りを語って島の移動の復活を求め、防衛では身体を張る一方、砲撃を避けるためナノカの引き渡しに傾く。自治を守った後には本当に大切なものを忘れていたと詫びる。キングドラゴンとの展開の最後では、復興を自分の功績として祝い、市民に反発される。

「街を守りたい一心で、本当に大切なものは何かを忘れていた。このとおりだ……許して欲しい」ナノカの引き渡しに傾いたことを詫びて

ヴァル・ホイットリ

ゔぁる・ほいっとり 市長の側近

市長の側近で、レイグレットの故郷の旧友。ナノカに一年期限の特例信任証書を出し、市内で働く基盤を作る。外資を入れる方針ではレイグレットとぶつかり、才能に管理者を付けて利益を出す案も持つ。観覧車ではグリフェンの請負会社の技術を危ぶみながら資金を受け、事故の原因が手抜き工事と分かると、自分の判断の責任から逃げない。二月には不正の証拠をそろえてグリフェンを追い出し、接収の危機で姿を消したため疑われるが、実は帝都でネネに救援を求めていた。

アーサー・グリフェン

あーさー・ぐりふぇん 財閥総帥・帝国特使

新興財閥グリフェン・コンツェルンの総帥。投資の視察に来て、住民には親しげに振る舞い、市長には街の衰えを侮る言葉を使う。ナノカの成績や睡眠時間まで調べ、時計修理の試験を課して才能を買おうとする。砂浜、クラン街、大橋、観覧車に資金を出し、神殿から買った絵が贋作だと見抜いたうえでナノカの将来に投資していた。観覧車は彼の意を受けた請負会社の手抜き工事で事故を起こす。追放されると帝国元老院の特使として島の接収を迫り、Eプラントと先史技術を押さえて商圏を世界へ広げようとする。島が帝国領の外へ動くと負けを認める。

「きみの才能に対してだ。才能こそ、世のいかなる権威にもまさる最高のものではないだろうか」初めて工房を訪れ、握手の相手はナノカの才能だと言う
「ふふふ……わしの負けだよ。……ナノカ・フランカ」島が帝国領の外へ動いた後

ミグ

みぐ 祖父の旧知の密貿易商人

プロスペロの旧知の密貿易商人。祖父に頼まれてナノカの暮らしを確かめ、開業祝いにEマテリアルを渡す。人工ダイヤを六万ベルクで、人工の金を七万ベルクで、人工と承知で買い取って研究費を助けるが、金を生みすぎる発明は危険を呼ぶと忠告する。キングドラゴンが迫ると、昔プロスペロに救われた恩を返すため、高価なメガ・ドグラノフ二門を一ベルクで、軍用の装甲を無償で持ってくる。

「ああ……きっとおめえなら、ジイ様とはべつの伝説をつくれるぜ、ナノカ」開業祝いを渡して
「なぁに。──今回は品物より、恩を売っとくさ」高価な武器を安く渡す理由

Q

謎の依頼人

プロスペロの紹介状を持ち、規制された長射程の銃ロング・ドグラノフを注文する男。標的は明かさないが、人を傷つけないと約束し、街に見えない危機が近づいていると警告する。後の改造の依頼では、標的を火を吹く三十メートルのクジラと表現し、改造を納めたナノカに祖父から預かっていた別の銃を渡す。それがドラゴンを撃つナノカ専用の銃になる。正体や肩書きの意味は説明されない。

アリスン・ウェストウッド

ありすん・うぇすとうっど 帝都の大女優

帝都一の大女優で、ネネは大ファン。公演に来たトリスティアで、ハンプデンズの帝都風の接宴料理を残してしまう。お忍びで、十五年前に食べた素朴なシチューの思い出をナノカに話し、再現されたシチューに感激して工房へ寄付に来る。調味料をくれた少女の名と年齢から、女優になる夢のために置いて去った娘がフォーリィだと気づき、母娘として対面する。

グルメバラ・ニューザン

ぐるめばら・にゅーざん 食通

料理記事で知られる食通。ハンプデンズで帝都風を指定しながら模倣と罵り、料理にマヨネーズをかけ、テーブルを返して払わずに帰る。それでも黒いトリスティアカレーには色の正体を当てようと夢中になり、新聞で街だけの珍味として紹介する。後にはウェストウッドのシチューも、侮った後で食べて褒める。未知の味には素直に興味を示す人物である。

ルーシー

るーしー 神殿で保護される少女

市場で母親を待ち続けていた幼い少女。フォーリィが工房へ連れてきて、神殿が保護と両親捜しを引き受ける。ナノカは少女の名と顔を一ベルクのチョコレートに載せる。両親は事業の失敗と借金で金策に出ていたことが分かり、同じ名前の菓子の評判が菓子問屋の融資につながって、少女をイメージキャラクターにする条件で両親が迎えに来る。

ジャック

じゃっく 観覧車に招かれた少年

半年前に漁で亡くなった父に会いたいと工房へ来る少年。父を街一番の漁師と誇っている。ナノカが企画した観覧車の初運転に招かれ、ゴンドラの落下で両足を骨折する。のちに灰色の大きな犬の治療で完治し、頂上で父に似た雲が手を振るのを見たと話して、母を守ると決める。母親は、息子を元気にした観覧車と発明に感謝し、再建を願う。

魔導士

森林公園を占拠する人物

森林公園を占拠し、人を近づけない。スツーカに任せる展開では、魔法が通じず悲鳴の後に所持品を取られ、街を出たと説明されて以後見かけられない。ナノカ自身が出向く展開では、テンザンに結界を破られ、教授料を受け取って退去を約束する。のちにナノカの働き方に感銘を受けて謝りに来て、時代と人を責める生き方を改め、陶器を贈って旅立つ。

「今の時代にあった、新しい魔法を考え出すつもりです」ナノカの仕事ぶりを見て

キャラット商会の船長

商会の船長

失踪したフォーリィを捜して工房へ来る。養父母を失った幼い会長を商会、市場、港の人々で育てながら、本人の頑張りに甘えて責任を負わせてきたと打ち明ける。ナノカが才能の競い合いとして見ていたフォーリィの失敗を、街の生計の問題として捉え直させる。

定食屋の主人(トリスティアーマン)

街の新しいヒーロー

果物屋を襲った強盗に立ち向かう定食屋の主人。家族を養う本業を捨てられないと心配するが、ナノカは人間の能力を補うスーツを渡し、商売を続けながら地域の治安を守る活動ができるようにする。

キングドラゴン

きんぐどらごん 古代の遺産を狙う竜

ラファルーが一万年来の人類の宿敵、最大最強の長命種と呼ぶドラゴン。高純度オリハルコンの輝きを文明復活の目印として感じ取り、古代の遺産を壊しに来る。ラファルーはドラゴン記念碑の骨と同じものだと語り、ドラゴンは滅んだという見方を覆す。決戦ではレッド・ドラゴンとブルー・ドラゴンを伴って現れ、致命傷を負うと巨体ごと島へ落ちようとするが、高空へ押し上げられて爆発する。ラファルーは古い友人とも呼ぶが、その関係の中身は語られない。

グリーペン/ラープタ/ベルクトゥ

ラファルーと同じ守護者

ラファルーが名を挙げる、すでに失われたガーディアンたち。守護者は二百年ずつ交代で起動していたため、互いに顔を合わせたことはなかった。ドラゴン記念碑で仲間の名をつぶやくラファルーの姿を、ナノカは遠くから見ている。