キャラクター詳細 — 12RIVEN -the Ψcliminal of integral-
12RIVEN -the Ψcliminal of integral- の全キャラクターネタバレ詳解。W主人公・雅堂錬丸(A世界側)と三嶋鳴海(現世界側)を軸に、各キャラクターの「真相・ネタバレ全含み」は ▼ネタバレ詳細 ボタンで展開できます。
真稲家の三姉弟妹(相関の核)
本作の血縁の中心にあるのは真稲家の三姉弟妹です。長女は鳴海(旧名・真稲鳴海/A世界の女性「マイナ」)。その実の弟がメイ(真名「鳴」)、実の妹がミュウ(真名「海」)。メイとミュウは真稲夫妻がレトロウイルスNRM66から生み出した2体のオリジナルΨクロンであり、同時に鳴海と血を分けた弟妹でもあります。両親は長女『鳴海』の名から一字ずつ取り、弟に『鳴(メイ)』、妹に『海(ミュウ)』と名付けました。
一方、チサト(伊野瀬チサト)は遺伝子操作で作られた24体Ψクロンの12番目『μ』で、妹ミュウを複製した「スペア」。オメガ(伊野瀬オメガ=現世界の誕吾)は24番目『ω』。この二人はチサト・オメガとも鳴海の血縁ではなく、Ψクロンとして作られた存在です。鳴海が一時チサトを妹ミュウだと思い込む取り違えの仕掛けが物語に組み込まれています。
| 読み | がどう れんまる(Gadou Renmaru) |
|---|---|
| 立場 | 主人公(A世界側視点)・高校生・ミュウの幼なじみ |
| 関係 | ミュウとは8年前の小学校の同級生。自転車の乗り方を教えた仲 |
| CV | 高橋直純 |
| 外見 | 皮肉屋の少年。考え込む時に左の耳たぶを右手の指先で摘まむ癖 |
本作W主人公の一人で、時の止まったA世界側を進む視点人物。2012年5月20日正午、「ミュウが殺される」という差出人不明のメールに導かれて廃ホテルインテグラル最上階へ駆けつける。展望ラウンジから転落した直後、人が一人もいない「時の止まった世界」に放り込まれ、ミュウ・マイナと共に行動することになる。口先では冷たいことを言うが情に厚く、いざという時は身を挺してミュウを守る一途さを持つ。
錬丸は本来のΨクロンではなく、ミュウからΨ(サイ)の力が流れ込む形で後天的に異能に触れる担い手。ミュウの力に同調する接点として物語の因果に組み込まれる。
最終的役割は本作の核心:霧寺メイのマインド・フュージョンを媒介に、約20年前に停滞している幼い鳴海の自我=マイナの世界へ潜行する。泣きじゃくる幼いマイナに語りかけ、物語冒頭の運命のメール(各アドレスへ送られるあのメール)を発信させることで、全編が因果のループ(integral=積分)として閉じる仕掛けの鍵を握る。
グッドルートではミュウと結ばれ、感謝の合言葉「ありんちょす」を交わす。
| 読み | みしま なるみ(Mishima Narumi) |
|---|---|
| 立場 | 主人公(現世界側視点)・公安第12課のエージェント |
| 能力 | CPS(完全記憶・再現能力)の持ち主 |
| CV | 佐藤利奈 |
| 外見 | 軽口・皮肉屋。上司「ボス」と漫才のような掛け合いをする |
本作W主人公の一人で、通常の時間が流れる現世界側を進む視点人物。後輩・真琴からの「Lv6」の緊急メールを受け、廃ホテルへ単独で先行。霧寺に銃と警察手帳を奪われ屈辱を味わう。以後、相棒・大手町と共に「第弐エクリプス計画」「エクリプティックシンドローム」の謎を追う。CPSは見聞きしたものすべてを完璧に記憶しCGとして精密に再現できる能力で、それが物語の中核に組み込まれている。
最大の真相のひとつ:A世界の女性「マイナ」は鳴海自身である。作中で霧寺メイが「お前が三嶋家に養子として引き取られる前の苗字は『マイナ(真稲)』だ」「お前の昔のフルネームは『真稲鳴海』だった」と明かす。マイナ=旧姓時代の真稲鳴海であり、約20年前の交通事故で自我と識閾下が乖離し、その乖離した自我が、約20年後(2012年)の真稲鳴海=三嶋鳴海の脳内でA世界をシミュレートしている存在として描かれる。「真稲鳴海」と「三嶋鳴海」は養子縁組で改姓した同一人物。マイナ自身は「今、私は27歳」と述べる。
出生の真相(真稲家の三姉弟妹):鳴海は真稲家の長女。実の弟妹は、真稲夫妻がレトロウイルスNRM66から生み出した2体のオリジナルΨクロン――弟のメイ(真名「鳴」=後の霧寺冥)と、妹のミュウ(真名「海」)である。両親は長女・鳴海の名から一字ずつ取り、二人を『鳴(メイ)』『海(ミュウ)』と名付けた。NRM66という名は鳴海の名『NaRuMi』の子音(NRM)に由来し、鳴海が幼少期に父のPCでRNA配列を再現したことが、全Ψクロン誕生と因果ループの核(integral)となっている。メイの「俺達兄妹はお前――鳴海によって生み出されたようなもん」という台詞は、この意味と血縁の弟妹であることの両方を指す。
取り違えの仕掛け:鳴海は捜査の途中、チサトを妹ミュウだと思い込んでいた時期がある。オリジナルの海(ミュウ)と、それを複製した12番目クローン『μ』(チサト)がよく似ていたためで、後に「伊野瀬チサトじゃなかった」「私が勝手に彼女をミュウだと思い込んでいた」と真相に気づく。CPSの完全記憶能力は、Ψクロンの脳内映像(ディビジョン)を抽出・データ化するために利用された過去を持つ。両親(真稲夫妻)は鳴海が10歳の頃に亡くなり、弟妹とは離散した。
顛末:第弐エクリプス計画阻止後、責任を問われ処分を受けつつも戦い続けると誓う。終章で公安6課の新設特殊部隊「Speciale」への配属を命じられる。
| 読み | みゅう(Myu)/真名「海」・登録名「高江ミュウ」 |
|---|---|
| 立場 | メインヒロイン格の少女。真稲家の末妹のオリジナルΨクロン「海」 |
| 関係 | 錬丸の8年前の同級生。メイの実妹・鳴海の実妹 |
| CV | 野中藍 |
| 外見 | 明るく天真爛漫。「5月の太陽みたいに」笑う。携帯を持たない |
ヒロイン格の少女。真名は『海(ミュウ)』で、両親が長女・鳴海の名の一字から名付けた。高校での登録名は「高江ミュウ」。物語冒頭、インテグラル最上階で霧寺に襲われ重傷を負い、錬丸に救われてA世界を共に旅する。ずけずけと毒舌を吐くが根は純真で、記憶力・観察力に優れる。「前にいたところでは『サイ』って呼ばれてたけどね」と自らの出自の一端を明かす。
正体は真稲夫妻が生み出したオリジナルΨクロン『海』。真稲家の三姉弟妹の末妹で、鳴海の実の妹、メイ(鳴)の実の妹にあたる。極秘研究機関で、兄・メイと共に幼少期から人体実験を受けて育った被験者で、研究員たちに見捨てられまいと必死に愛想を振りまいて生きてきた。「私達Ψクロンは、超能力と言われるものはほとんど使える」と語り、瞬間移動や精神感応(身体接触で脳内イメージを相手へ流し込む力)など多種の超能力を扱う。錬丸へΨを流入させる接点でもある。
二重ミュウ(スペア):遺伝子操作で作られた24体Ψクロンの12番目『μ』(=チサト)は、このミュウを複製するために作られた「スペア」であり、レトロウイルスNRM66はミュウの体内から発見されて24個の受精卵に植えられた。よく似た二人ゆえに、鳴海が一時チサトをミュウだと取り違える仕掛けが物語に組み込まれている。
顛末:現世界では誕吾(タンゴ/=オメガ)に銃撃される運命だが、その場でメイがトラブル弾でミュウを射線から退避させて救う(続けてメイはオメガを狙撃する)。最終的に錬丸が歴史へ介入して「撃たれなかった歴史」を上書きすることで、ミュウは救われる。グッドルートでは錬丸と結ばれる。
| 読み | まいな(Maina) |
|---|---|
| 立場 | A世界で助けを待っていたメガネの女性・錬丸とミュウの同行者 |
| 関係 | 正体は鳴海の旧名「真稲鳴海」=鳴海自身 |
| CV | 佐藤利奈(三嶋鳴海と兼役) |
| 外見 | 穏やかで涙もろく母性的。世界の仕組みを教える案内役 |
A世界で、誰もいない警察署で「助けに来てくれる人」を待ち続けていた女性。錬丸・ミュウと出会って感泣し、以後A世界の同行者として状況を整理し、知的な補足を行う案内役を務める。CVが三嶋鳴海と同じ佐藤利奈の兼役であることは、その正体を暗示している。
正体は鳴海自身。本名は「真稲鳴海(まいな なるみ)」。「マイナ」という呼び名はこの旧姓「真稲」が由来で、鳴海は三嶋家へ養子に入る前は「真稲鳴海」だった。霧寺メイが「お前が三嶋家に養子として引き取られる前の苗字は『マイナ(真稲)』だ」と明かす。具体的には、約20年前の事故で乖離した鳴海の自我(識閾下)が、約20年後(2012年)の真稲鳴海=三嶋鳴海の脳内でA世界をシミュレートしている存在。マイナ自身が「彼女の名前は『真稲鳴海』――そう……私の事です」と明言し、乖離間隔は約20年(「今、私は27歳」と述べる)。
志村クラブの実体:現主宰「慎久郎」は実体のないRSDの幻影であり、それを背後で操っているのがマイナ。未来データに基づく「御託宣(予言)」で信者を増やしていた。物語のクライマックスで錬丸が潜行し、泣きじゃくる幼いマイナ(過去の鳴海)に語りかけ「いつか必ず会いに行く」と約束。彼女に運命のメールを各アドレスへ送るよう託すことで、物語冒頭へと因果がつながる。錬丸は歴史を上書きするが、鳴海の旧自我であるマイナ自身は現世界へ帰還できないという切ない帰結を残す。
| 読み | きりてら めい(Kiritera Mei)/真名「鳴」 |
|---|---|
| 立場 | Ψクリミナルのリーダー[表向き]・リブロクの制服 |
| 関係 | 真稲家の弟のオリジナルΨクロン『鳴』。ミュウの実兄・鳴海の実弟 |
| CV | 松風雅也 |
| 外見 | シルバーフォックスのような髪、切れ長の狐目。冷笑的 |
物語冒頭ではミュウを殺そうとする冷酷な「対立者」として登場し、瞬間移動や驚異的な再生能力でΨバトルを繰り広げる。真名は『鳴(メイ)』で、両親(真稲夫妻)が長女・鳴海の名から一字を取って名付けた。「霧寺冥(きりてら めい)」は施設解放後に引き取られた霧寺家の戸籍・名簿上の表向きの名(鳴海が押収写真の下に確認する氏名もこの戸籍名)。冷笑的でぶっきらぼうだが、内に深い苦悩と優しさを抱える。感謝の合言葉「ありんちょす」の発案者(オリジナル)でもある。
正体は真稲夫妻が生み出したオリジナルΨクロン『鳴』。真稲家の三姉弟妹の一員で、鳴海の実の弟、ミュウ(海)の実の兄にあたる。幼少期、ミュウと共に研究機関でΨクロンとして実験を受け、施設解放後、リミナリティと密接な「霧寺家」に引き取られ霧寺姓を名乗る。当初は「Ψクリミナル」のリーダーに見えるが、実際は組織リミナリティに謀られ監視下で動かされていた被害者で、本心は妹ミュウを守るためにあえて悪役を演じていた。「俺達兄妹はお前(鳴海)によって生み出されたようなもん」という台詞は、鳴海が幼少期に再現したレトロウイルスのシークエンスからΨクロンが生まれたという意味であり、同時に血を分けた弟妹であることを指す。
ミュウを撃ったのはメイではない:戦いの中で、ミュウが「錬丸が助けに来てくれる」と言ったことに嫉妬し、メイがミュウを一度激しく痛めつけてしまう場面はある(後にマイナが真意を解説)。しかし現世界の狙撃シーンでは逆に、メイはトラブル弾でミュウを射線から退避させて救い、続けてオメガを狙撃した。「ミュウを救ったのは、錬丸くんであって、メイじゃない」という台詞のとおり最終的に救う主体は錬丸だが、その場でミュウとオメガの間に割って入り、ミュウと錬丸を守ったのはメイである。
顛末:終盤は協力者に転じ、「マインド・フュージョン」で錬丸・ミュウの自我を現世界へ帰還させ、命を救う。自らは媒体役に徹し、過去の鳴海の自我との直接対面は避ける。Ψ能力使用時は首輪に電流が流れる拘束を受けていた(研究員・伊野瀬の管理下)。
| 読み | いのせ オメガ(Inose Omega) |
|---|---|
| 立場 | ∫(インテグラル)ルートの視点人物・記憶が約5分しか持たない少年 |
| 関係 | 24体Ψクロンの24番目『ω』・チサトと戸籍上の双子。鳴海の血縁ではない |
| CV | 高橋直純(雅堂錬丸と兼役) |
| 外見 | リブロクの制服を着たメガネの少年。臆病だが素直 |
手術中の手術室に錯乱状態で飛び込んできたところを鳴海・大手町に保護される少年。記憶が「約5分しか持たない」健忘(前向性健忘+全生活史健忘)を抱え、自分が誰かも分からない。この記憶障害は、作中で実在のコルサコフ症候群と対比され(大手町いわく「ホウキで自分の足跡を消しながら、後ろ向きで歩いてるようなもんだ」)、それより特殊な状態として描かれる。オメガ自身はそれを「崩れゆく吊り橋の末端から、常に追い駆けられているようなもの」と喩える。チサトの身を案じて手術室へ突入した。以後、鳴海の捜査に同行する“怖がりな相棒”ポジションを務める。∫(インテグラル)ルートの視点人物の核となる。
記憶障害は、流行病「Ecliptic Syndrome(患者の通称は「エクリプシー」)」によるものの疑いが濃厚。
正体:遺伝子操作で作られた24体Ψクロンの24番目『ω(オメガ)』にあたる存在として明示される。すなわちA世界でミラージュ隊員として現れる誕吾(タンゴ)と同一人物であり、現世界ではミュウを銃撃しようとする人物として現れる。チサトとは戸籍上の双子(別々の卵子・精子から作られたクローン同士)で、チサトを「お姉ちゃん」と慕う。チサト・オメガとも鳴海の血縁ではなく、Ψクロンとして作られた存在である。物語終盤まで記憶を取り戻せないまま、正体は完全には断定されず謎を残す(マルチエンディング構造ゆえの含み)。
| 読み | いのせ ちさと(Inose Chisato) |
|---|---|
| 立場 | リブロクの生徒・Ψの使い手 |
| 関係 | 24体Ψクロンの12番目『μ』=ミュウのスペア(複製)。オメガと戸籍上の双子。鳴海の血縁ではない |
| CV | 清水愛 |
| 外見 | 青い髪。凛とした正義感の持ち主。左手薬指に銀の指輪 |
リブロク(理文学園第六高校)の生徒の少女で、Ψの使い手。物語冒頭、霧寺に襲われる錬丸・ミュウ・鳴海を救おうと霧寺の前に立ちはだかり、激しいΨバトルの末に銃撃される。以後、大学病院ICUで生死の境を彷徨う。
正体は遺伝子操作で作られた24体Ψクロンの12番目『μ(ミュー)』。ヒロインのミュウ(オリジナルΨクロン「海」)を複製するために作られた「スペア」であり、鳴海の血縁ではない。「12番目の子供――『μ(ミュー)』――お前がな」「言うなれば、お前はただのスペアみたいなもんだ」と語られ、オリジナルであるミュウを憎む過去(「お前さえいなければ」)を抱える。オリジナルのミュウとよく似ているため、鳴海は一時チサトをミュウだと思い込む取り違えの仕掛けがある(「伊野瀬チサトじゃなかった」「私が勝手に彼女をミュウだと思い込んでいた」)。
名前の由来「チサト草」:スペアとして作られた彼女には、もともと名前すら与えられなかった。施設裏の、実験用ネズミの死骸が埋められた一角にひっそり咲く雑草の花をいつも眺めていたところ、ミュウが不憫に思ってその花を届け続け、やがてメイが「今日からお前の事は、この花の名前で呼ぶ事にする」と花を髪に挿し、彼女を「チサト」と名付けた。丈夫すぎて雑草と呼ばれ価値がないとされる花は、複製として作られた彼女自身の暗喩になっている。
血縁関係:オメガ(ω・24番目)とは戸籍上の双子とされるが、これは別々の卵子・精子から作られたクローン同士の関係。左手薬指に銀の指輪をしており、「将来を約束しあった相手」がいる(大手町が示唆)。
顛末:霧寺の銃撃による重傷で意識不明となる。ある時間軸では命を落とし、鳴海の墓参り描写もある。鳴海は「貴方の正体についても、結局、分からないままだった」と述べ、チサトの正体は最後まで明確化されない側面を残す。
| 読み | ゆきづみ まこと(Yukizumi Makoto) |
|---|---|
| 立場 | 公安第12課所属・鳴海の後輩・起点メールの差出人 |
| 関係 | 鳴海を「先輩」と慕う。星空を一緒に見る約束をしていた |
| CV | 木川絵理子 |
| 外見 | 直接の登場は少なく、回想と捜査対象として物語を駆動する |
公安第12課所属で、鳴海の大学時代からの後輩。物語の発端となる「Lv6」の緊急メールを鳴海へ送った人物。リミナリティと「第弐エクリプス計画」を阻止する極秘任務を単独で背負っていた。星空やヴィーナス・トランジット(金星の日面通過)を鳴海と一緒に見る約束をしていた責任感の強い人物。地下スイートで自殺を図り、発見される。
正体:リミナリティの密偵として公安12課に潜入していた。ただし本心は理想社会を信じての行動だった。自殺未遂後、言葉も記憶も失うエクリプシー状態となる(流行病に侵されていた)。
メールに残した「いつか再び、逢えることを信じて」「ボイジャーは孤独なんかじゃなかった」というモールス信号が、終章で鳴海の心に届く余韻として描かれる。
| 読み | おおてまち(Ootemachi) |
|---|---|
| 立場 | 表向きは公安第12課のエージェント・鳴海の相棒 |
| 関係 | 鳴海の元恋人。好物はジャムパン |
| CV | 諏訪部順一 |
| 外見 | 飄々として摑みどころがないが洞察は鋭い思想家肌 |
公安第12課のエージェントで、鳴海の5年先輩(入庁は2002年4月1日)にあたるが、過去の弱みを握られて鳴海にあごで使われている。知識より「本質を見抜くインスピレーション」を重んじる思想家肌。趣味・特技はフリーダイビングで、息継ぎなしで50mプールを往復するほどの潜水の名手。毒物劇物取扱責任者・甲種危険物取扱者・発破技師などの資格を持ち、爆破や毒物にも通じた工作員肌の一面をのぞかせる。研修期間中にはカルト教団による一般市民の拉致事件を解決した実績を持つ。ボスの命で鳴海と共同捜査を行い、リミナリティ・エクリプティックシンドローム・志村クラブなどの情報を提示して現世界編の謎解きを牽引する。
真の所属は公安第6課(Ψを用いて諜報する謎のセクション)。A世界のマイナと接触した隊員の一人で、終盤の特殊部隊Specialeの母体にあたる立場。志村クラブとの繋がりを疑われ、一時は鳴海から調査対象者扱いされる。
鳴海との関係:かつて交際していた元恋人で、「かつての鳴海の自我」に想いを寄せている。「オレはもう、お前の彼氏でもパートナーでもないしな」という台詞でその関係が示される。
| 読み | ぼす(Boss)/三嶋課長 |
|---|---|
| 立場 | 公安第12課の課長・鳴海らの直属の上司 |
| 関係 | 鳴海の養父(血縁なし)。両親を失った鳴海を引き取り育てた |
| CV | 大塚明夫 |
| 外見 | 鳴海と皮肉の応酬を交わす間柄 |
公安部公安第12課の課長で、鳴海・大手町・真琴の直属の上司。鳴海とは皮肉の応酬を交わす間柄。鳴海に事件のGOサインを出し、エクリプス計画・リミナリティ・鳴海の出生の真相を段階的に明かすキーパーソン。
鳴海の養父(血縁なし):ボスは鳴海の血縁上の父ではなく、両親を失った鳴海を養子として引き取り育てた養父である(「ボスは私の本当の父親じゃない」)。ボス自身の実子・三嶋ひろし(享年7)が1992年の事故で亡くなっており、その縁から鳴海を引き取った経緯を持つ。
計画の全貌を知る人物:第壱/第弐エクリプス計画、Ψクロンの由来、鳴海の出生の真相を語る。一時は鳴海から黒幕を疑われるが、真琴を救おうとしていた。鳴海の弟妹(メイ・ミュウ)がΨクロン計画の源となったことを把握している当事者でもある。終章で公安6課の新設特殊部隊「Speciale」へ異動し、鳴海に最後の任務として隊員招集を命じる。
その他の登場人物
胸元の名札に「星野遊々」とある少女。現世界ではエクリプティックシンドロームを患い、感情の抜けた“ロボットのような”患者として大学病院に入院している。「雨は空から降ってくる。雨は冷たい」と空虚な詩しか作れず「魂が無い」病の象徴として描かれる。加えて彼女は生後1ヶ月ほどで失明したBサイトの患者でもある。Bサイトとは「見えるはずなのに見えない/見えないはずなのに見える」脳の機能障害で、現実で光を失っている遊々が、A世界では「この世界は、全て見えるから」と言う。現実で見えない者がA世界では全て見えるという逆説が、この人物に重ねられている。一方A世界では一転、組織「ミラージュ」72名を率いる熱血指揮官として勇壮に振る舞う。ディビジョン(神の映像)を見たことが状態の転機になったと説明される。終盤、霧寺から鳴海へ「レトロウイルス(NRM66)の塩基配列データを収めたUSBメモリ」を手渡す伝令役を果たし、「鳴海さんのおかげでこの世界に戻って来れた」と感謝を述べる。
ピンクと白の縞ポロシャツを着た、あどけない少年。「誕生日の誕に、五つの口で誕吾」と名乗る。A世界で錬丸を組織「ミラージュ」へ案内し、組織の成り立ち(人が消えた世界で本能的に集まった72名の集団)を説明する語り部役。正体は遺伝子操作で作られた24体Ψクロンの24番目『ω(オメガ)』=伊野瀬オメガと同一人物。A世界では素朴な少年として、現世界ではミュウを銃撃しようとする人物として現れる。ミュウ銃撃の場面では、霧寺(メイ)がトラブル弾でミュウを射線から退避させたうえで誕吾(オメガ)を狙撃し、結果的にミュウと錬丸が救われる。「ミュウが撃たれる歴史/撃たれない歴史」の分岐に関わる。
A世界の組織「志村クラブ」の主宰として立てられた、威厳ある“賢者”的存在。錬丸に世界の真理(ここは未来であり、不確定なものは存在せず晴天が続く等)を断片的に教え、「ミラージュの隊長へ手紙を届けてほしい」と依頼する。禅問答めいた話法で核心をはぐらかし、「ALL IS VANITY(すべては空しい)」を信条として掲げる。その実体はRSDの幻影であり、背後で操っているのはマイナ。「俺がお前に会ったのは初めてじゃない。何度目かは分からない。恐らく、無限」と語り、本作の“無限ループ/積分”の主題を体現する。手紙の運搬役として構成員・高林を従える。
Ψクロンの子供たち(ミュウ・メイら)を管理・実験していた研究員。冷酷で、子供を「国益」「サンプル」として扱う。ミュウから採血や神経細胞の調査を行い、反抗するメイには首輪の電流で制裁を加える。政府を裏切り、24体のΨクロンをリミナリティに売り渡した裏切り者。「伊野瀬チサト」「オメガ」の姓「伊野瀬」との関連を示唆する名でもあり、Ψクロンたちの出自と深く結びつく人物として、研究機関での非人道的処遇を象徴する。
キャップを被った男。A世界の組織「志村クラブ」の主宰代理・幹部として、慎久郎の手足として動く。錬丸を慎久郎のもとへ案内し、ミラージュ隊長へ届ける手紙を錬丸に託す運搬役を担う。志村クラブと慎久郎の指示系統を錬丸へ繋ぐ、物語進行上の橋渡し役。