用語集 — 12RIVEN -the Ψcliminal of integral-
12RIVEN -the Ψcliminal of integral- の世界観を構成する固有名詞・能力・組織・計画・引用をまとめた用語集。物語の核心にあたる真相はアコーディオンに格納。プレイ済み設定でネタバレ詳細が展開されます。
瞬間移動・念力・透視・予知などの超能力の総称。ギリシャ文字Ψで表す。霧寺メイが超常の力を見せ、ミュウが「前にいたところでは『サイ』って呼ばれてた」と説明する。
- 真の意味・真相
- 生来の超能力ではなく、「ディビジョン」という脳内映像を見ることで発動する力。遺伝子操作で生まれたΨクロンが本来の使い手で、Ψクリミナルはヘルメット内のRSDでディビジョンを再生して能力を使う。視界を眩ませれば無力化できる。
ミュウが「私達Ψクロンは、超能力と言われるものはほとんど使える」と語る存在。Psi(Ψ)とClone(クローン)を掛けた造語。
- 真の意味・真相
- 第壱エクリプス計画の遺伝子操作の過程で、ごく一部の受精卵だけ書き換えに成功して生まれた超能力者。α・β・γ…ωの24体が作られ、研究機関で実験対象とされた。オメガは最後のω(第24体)、ミュウと霧寺メイも同じΨクロンにあたる。
Ψクロンが能力発動時に脳内で見ている特殊映像。作中で「神の映像」と呼ばれる。
- 真の意味・真相
- Ψクロンの精神感応力でCPS患者(鳴海ら)に流し込まれ、その完全記憶からCGとして抽出・再現された。RSD装置で再生して見ることでΨを起動できる。これを新首都圏電波塔から全世界へ配信するのが第弐エクリプス計画の核となる。名の由来は Dive(潜る)・Divest(脱がせる)・Divide(分ける・分裂させる)・Divine(神の・予言する)の頭3文字「Div」に「vision」を足した造語で、とりわけ Divide(分裂)はタイトル「RIVEN(引き裂かれた)」と響き合う。発動機序は、光刺激で脳内の松果体が激しく興奮しシナプスがスパーク、脳全体がトランス状態に入って自我が識閾下から乖離し、A世界へ落ちるというもの。
網膜走査型表示装置(Retinal Scanning Display)。手術をサポートする表示技術として登場する。
- 真の意味・真相
- Ψクリミナルのヘルメットやゴーグルに仕込まれ、ディビジョンを網膜に直接映してΨを起動させる装置。押収品のヘルメットを調べることで計画の核心が判明する。小型化が未完成のため公安6課では現場投入が見送られている。
鳴海が患う、見聞きしたものすべてを完全に記憶し生涯忘れられない症状。
- 真の意味・真相
- その完全記憶能力が、Ψクロンの脳内映像(ディビジョン)を寸分違わずCG化・抽出するために利用された。鳴海にとっては「つらい過去も忘れられない」呪いでもある。マインド・フュージョンにおけるデータ化もこの能力が支える。
「見えるはずなのに見えない/見えないはずなのに見える」という脳の機能障害。実在の脳科学現象「盲視(blindsight)」がモチーフ。
- 真の意味・真相
- 第一次視覚野が損傷すると、意識の上では見えていないのに置かれた物を正しく言い当てられる状態になる、という脳機能障害。A世界の集団ミラージュの隊長・星野遊々は、生後1ヶ月ほどで失明したBサイトの患者。現実で光を失っている彼女が、A世界では「全て見える」と言う。現実で見えない者がA世界で見えるという逆説を、実在の脳科学モチーフで裏打ちしている。
自我を時空を超えて移動させる手段。物語終盤の核心的な技法として登場する。
- 真の意味・真相
- 終盤、霧寺メイが媒体役を担い、錬丸の自我を過去(マイナの世界)へ潜行させ、また錬丸・ミュウの自我を現世界へ帰還させる。鳴海のCPSがそのデータ化を支える。「俺はあくまでも媒体の役割に徹する」という霧寺の言葉どおり、彼が橋渡し役となる。
街から人が消え、時計と体感時間がねじれる奇妙な世界。「時が止まっているのに自分達は動ける」状態として描かれる。
- 真の意味・真相
- マイナいわく「未来そのものを具現化した世界」。あらゆる可能性が重なり合ったまま共存する未確定の領域で、観測されていないため確率でしか表せない。エクリプシーの自我がここへ落ち込む。錬丸はここで「歴史(ありえた結末)」を選び、現世界へ戻すことで結末を確定させる。
鳴海らが捜査を行う、通常の時間が流れる現実世界。A世界に対する語。
- 真の意味・真相
- A世界と対をなす本来の世界。錬丸はA世界で選んだ「歴史」を、この現世界へ戻ることで初めて確定させる。ふたつの世界の往還が物語の骨格を成す。
ディビジョンに当てられ思考停止・愚民化した者、または脳機能が衰えて自我がA世界へ落ち込んだ者を指す語。Ecliptic Syndrome の患者の通称でもある。
- 真の意味・真相
- ミラージュや志村クラブなど、A世界に落ちたエクリプシーの自我が集団を形成している。現世界で「魂を失った」ように見える患者は、実は自我をA世界に置いている状態として説明される。
大学病院で扱われる、記憶や言葉、感情を失う謎の流行病。患者は“ロボットのよう”になる。通称「エクリプシー」。
- 真の意味・真相
- ディビジョン(エクリプス計画)に起因する症状で、患者の自我はA世界へ落ち込んでいる。真琴・遊々・オメガらが該当する。原因不明の病として描かれていたものが、計画の副作用だったと明かされる。
A世界で錬丸が選び直す「ありえた結末(別の可能性)」を指す語。
- 真の意味・真相
- 例として「ガラスが割れなかった歴史」を見届ける場面がある。新たに選んだ歴史は、現世界へ戻らなければ発現しない。可能性の重なるA世界で結末を確定させる仕掛けであり、「ミュウが撃たれる歴史/撃たれない歴史」の分岐など物語の帰趨を左右する。
ディビジョンと対をなす映像シークエンス。序盤では触れられない。
- 真の意味・真相
- 元の世界(現世界)に戻るために必要となる映像シークエンス。錬丸はこれを見せることで「撃たれなかった歴史」に上書きする。ディビジョンが自我をA世界へ落とす映像なら、コデックスは自我を現世界へ引き戻す対の映像として働く。
Ψクロンを生むレトロウイルスの塩基配列。物語の鍵となるデータ。
- 真の意味・真相
- 名は「NaRuMi(鳴海)」に由来し、鳴海が幼少期に父のPC上でRNA配列を再現したことが全Ψクロン誕生の起点となった。終盤、遊々が霧寺から鳴海へUSBメモリとして手渡す重要データで、物語の因果を閉じる鍵となる。
クロップ社が開発の中心となる「全地球型通信傍受システム」。
- 真の意味・真相
- リミナリティ系企業の通信支配を象徴するシステム。ディビジョンの全世界配信と並んで、世界を掌握する情報インフラとして機能する。
戦闘服とヘルメットで現れ、瞬間移動するミュウを狙う集団。リブロクの校章を付けている。
- 真の意味・真相
- Ψの使い手で構成された実行部隊。リーダーは霧寺メイ。ヘルメット内のRSDでディビジョンを見てΨを起動する。第弐エクリプス計画の実働を担う。語義としては「Ψクロンの出来損ない(不完全なΨクロン)」を指し、タイトルの「Ψcliminal」もこの語(Ψ+criminal)に掛かる。
序盤では表に出てこない、事件の背後にある巨大な影。
- 真の意味・真相
- 世界中の企業・政府を裏で牛耳る秘密結社。ライプリヒ製薬・クロップ社などを傘下に持つ。リブロクの上位に立つ最終的な黒幕で、エクリプス計画を遂行する。
霧寺メイが着る制服の校章で示される進学校。正式名称「理文学園第六高校」。全国に系列校があり、優秀な生徒が第六に集められる。
- 真の意味・真相
- リミナリティ→ライプリヒ製薬の傘下にあり、Ψクリミナルの拠点。一連の事件後に閉鎖される。表向きの進学校の顔の裏に計画の実働拠点を隠していた。
リミナリティ傘下の製薬会社で、リブロクの上位に立つ。
- 真の意味・真相
- エクリプス計画の医薬・生体技術面を担う。Ψクロンやディビジョンに関わる生体技術の中枢を握る企業として物語に関与する。
新電波塔を運営する情報通信企業。
- 真の意味・真相
- ディビジョン全世界配信の拠点であり、全地球型通信傍受システムLATTICEの開発も担う。鳴海編ではそのサーバが計画阻止の標的になる。リミナリティ傘下として情報インフラを掌握する。
序盤では触れられない、Ψクロンの出自に関わる研究機関。綴りはASLOG。
- 真の意味・真相
- Ψクロンを生んだ研究機関。第壱エクリプス計画がここで実施され、24体のΨクロンが作られた。研究員「伊野瀬」が在籍したが、政府を裏切って24体のΨクロンをリミナリティに売り渡した。政府はここからディビジョンを入手している。
鳴海が属する、警視庁地下の政府極秘機関。情報収集・工作活動を担い、存在自体が隠蔽されている。
- 真の意味・真相
- 課長「ボス」は鳴海の出生に関わるキーパーソン。同僚の真琴はリミナリティの密偵として潜入していた。相棒の大手町は表向き12課だが、実体は公安第6課の人間。組織の内側に敵味方が入り混じっている。
序盤では触れられない、Ψを扱う謎のセクション。
- 真の意味・真相
- Ψ(ディビジョン)を用いて諜報活動を行うために設けられたセクション。大手町の真の所属で、隊員はA世界でマイナと接触している。特殊部隊Specialeの母体となる。RSDの小型化が未完成で現場投入は見送り中。
物語終盤に公安6課へ新設される特殊工作部隊。別名「Anti-ECLIPSE team」。
- 真の意味・真相
- 綴り「Speciale」から「A」を取り除いて並べ替えると ECLIPSE が現れる。つまり「エクリプスに対抗(Anti)する」意を込めた Anti-ECLIPSE team のアナグラム。第参エクリプス計画阻止のため鳴海・錬丸・ミュウ・チサトらが招集され、物語を次へ繋ぐ。
A世界で錬丸達が出会う集団。隊長は遊々、メンバーにタンゴ(誕吾)がいる。
- 真の意味・真相
- A世界に落ちたエクリプシーの集団のひとつ。志村クラブと抗争(停戦交渉)している。錬丸達はここに合流して世界の事情を探る。隊長の遊々は現世界では Ecliptic Syndrome の患者だが、A世界では熱血の指揮官という二面性を持つ。
A世界でミラージュと対立する集団。主宰は「慎久郎」。
- 真の意味・真相
- 主宰「慎久郎」は実体のないRSDの幻影で、その背後で操っていたのはマイナ。マイナは未来データに基づく「御託宣(予言)」で信者を増やし、現世界では公安6課がそれを危ぶんで12課(鳴海)に調査させた。信条として「ALL IS VANITY」を掲げる。
6年前に放棄された廃ホテルの最上階の愛称。ミュウ殺害が予告された場所であり、錬丸とミュウが昔から呼ぶ呼び名。
- 真の意味・真相
- ホテルの本名は「LE GRANTIS」。割れたロゴガラスの破片を並べ替えると INTEGRAL となり、余った S を積分記号「∫(インテグラル)」と読ませる仕掛け。「全体・総体・不可欠・欠けるところがない」の意で、タイトル「of integral」に直結する。
新首都圏電波塔。序盤では触れられない。
- 真の意味・真相
- 第弐エクリプス計画で、ここからディビジョンが全世界へ配信される。廃ホテル「インテグラル」と名を同じくしながら、片や計画の発信源、片や物語の起点という対の役割を担う。
序盤では触れられない、一連の計画の最初期にあたる計画。
- 真の意味・真相
- Ψクロンを生んだ最初の計画。研究機関アズロック(ASLOG)で遺伝子操作が行われ、24体のΨクロンが生まれた。作中では「なぜ第弐から数えるのか」という疑問が謎として機能し、その答えとしてこの第壱の存在が明かされる。
起点メールに記された、阻止すべき不穏な計画。「世界は滅びの時を迎える」「時の滅びた世界が始まる」とだけ示される。
- 真の意味・真相
- 通称「人類愚民化計画」。新首都圏電波塔インテグラル・タワーからディビジョンを全世界へ配信し、全人類をエクリプシー(思考停止・愚民化)にする策動。5月22日正午、太陽が頂点に達したときに「時を止める」(作中では21日と思い込まれる)。リミナリティにとっては本番(第参)の予行演習に過ぎない。
序盤では触れられない、リミナリティが本命とする計画。
- 真の意味・真相
- 第弐は予行演習で、第参が本番。実行予定は同年12月22日で、作中では「マヤ暦の終わる日」と結び付けて語られる。これを阻止するため特殊部隊Specialeが招集される。物語終盤で「計画は終わらない」ことが示され、続く戦いを予告する。
5月21日朝の天文現象。ラジオが「世紀のビッグイベント」と騒ぐが、豪雨で観測できなかった。
- 真の意味・真相
- 計画始動の合図に重なる象徴的な天体現象。「エクリプス(蝕)」計画の名にも掛かる。太陽が頂点(正午)に達したとき時が止まる、という第弐エクリプス計画の時刻と結び付く。
志村クラブ会員が信奉する予言。
- 真の意味・真相
- マイナが未来データにアクセスして放つ予言。的中率が驚異的で会員を急増させた。幹部(実は公安6課)が現世界へ送り届けていた。A世界と現世界を結ぶ情報の通り道として機能する。物語の起点となる「運命のメール」もこの予言の一環としてマイナが発信したもので、宛先アドレスは「色-天体@klopsky.jp」という体系(8色×8天体=64通り)を取る。
序盤では触れられない、志村クラブに関わる人物。
- 真の意味・真相
- 志村クラブの主宰代理/幹部。実体のない幻影「慎久郎」を戴く志村クラブにあって、実務を取り仕切る立場にある。
序盤では触れられない特殊な銃弾。「Tranquilizer Rubber Bullet」の略。
- 真の意味・真相
- 殺傷せず相手を一時的に無力化する特殊弾。終盤、誕吾(タンゴ)に撃ち込まれた弾がこれと判明し、結果として錬丸が救われる伏線になる。「撃たれる歴史/撃たれない歴史」の分岐に関わる。
物語全体を貫く閉じた因果の構造。序盤では意識されない。
- 真の意味・真相
- 錬丸が霧寺メイのマインド・フュージョンを媒介に過去へ潜行し、幼い鳴海の自我(=マイナ)の世界で、物語冒頭の運命のメールを発信させる。つまり物語の始まりを物語の終わりが作り出す。全編が「integral(積分/統合)」として閉じるこの構造が、タイトルの根幹を成す。
タイトル「of integral」の語。廃ホテルの愛称であると同時に、数学の積分記号「∫」を指す。
- 真の意味・真相
- 「全体・総体・不可欠・欠けるところがない」の意。錬丸編・鳴海編・∫(インテグラル)ルートという複数視点の断片を一つの真相へ統合(積分)する物語構造そのものを指す。細かな瞬間を積み重ねて全体を導く積分のイメージが、因果のループの構造と重ねられている。
研究施設の裏手に咲く、タンポポのように丈夫でどこにでも咲く雑草の花。
- 真の意味・真相
- 実験用のネズミの死骸が埋められた施設裏の一角に咲く花。名前を持たない廃棄前提の存在だったチサトは、いつもこの花を眺めていた。ミュウが不憫に思って花を「チサト草」と呼び届け続け、やがてメイが「今日からお前の事は、この花の名前で呼ぶ事にする」と花を髪に挿し、彼女を「チサト」と名付けた。丈夫すぎて雑草と呼ばれ価値がないとされる花は、スペア(複製)として作られたチサト自身の暗喩になっている。
物語の起点となる英文メールが引用する、新約聖書「ヨハネの黙示録6章12節(Rev. 6:12)」の一節。
- 真の意味・真相
- 起点のメールは「大地震が起こり、太陽は粗布のように黒くなり、月は全面血のようになる」と蝕を予言する黙示録6章12節の引用で、エクリプス(蝕)計画の宗教的な裏打ちになる。真琴が身を隠したホテルの名は「Rev.」(=Revelation=黙示録の省略形)で、その612号室が待ち合わせ場所。節番号「6:12」が「612号室」へと繋がる仕掛けになっている。
太陽面を金星が黒い影として横切る天文現象(ヴィーナス・トランジット)。約8年周期で訪れる。
- 真の意味・真相
- 前回2004年6月8日、次が2012年6月6日という約8年周期の現象。かつて真琴が鳴海に「次にこれが見られるのは8年後」と語り、「いつか必ずお前のところに行く」と約束を交わす場面と結びつく。金環蝕(計画始動の合図)と対をなす天文モチーフであり、8年越しの再会と喪失の切なさを象徴する。
メールの冒頭に付された緊急符号「トリプルX」として現れる符号。
- 真の意味・真相
- 鳴海と真琴の間で交わされる秘密の通信手段であり、二人だけの合言葉でもある。盗聴・盗撮を警戒して鳴海が真琴の手のひらを指先で叩いて「スパイは誰?」と問う場面や、真琴がテレビのカラーバー音に紛れて「センパイ」「ナルミ」と送る場面などに使われる。冒頭の緊急符号「トリプルX」から一貫して張られる伏線で、真琴が遺す手掛かりの解読にも関わる。
作中で交わされる、感謝を伝える独特の合言葉。
- 真の意味・真相
- 発案者は霧寺メイで、「ありんちょす……俺のオリジナルだ。パクんなよ」と語る。冷笑的な彼の内に隠れた優しさが覗く言葉であり、グッドルートでは錬丸とミュウの間にも引き継がれ、二人を結ぶ符牒となる。
志村クラブ主宰・慎久郎が掲げる信条。「『 ALL IS VANITY 』――それが答えだ」と語る。
- 真の意味・真相
- 慎久郎は実体のないRSDの幻影であり、因果のループを体現する存在。「何度目かは分からない。恐らく、無限」と繰り返しを口にする彼にとって、閉じた円環をなぞり続ける世界はすべてが空しい。無限ループという物語の主題を凝縮した言葉となっている。