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キャラクター詳細 — Canvas 〜セピア色のモチーフ〜

Canvas 〜セピア色のモチーフ〜の主要登場人物をネタバレ全含みで解説します。各キャラクターの真相・ルート別顛末を収録。

主人公 麻生 大輔 あそう だいすけ

読みあそう だいすけ
役割主人公。撫子学園2年A組。美術部の幽霊部員
学年高校2年
CVなし(ゲーム)/成瀬誠(OVA)
外見スクリプト上の直接描写は少ない。ヒロインからの言及で「結構ハンサム」「足が速い」

絵の才能で特待生扱いを受けながら、何故か絵が描けなくなったスランプを抱える撫子学園2年生。母を小学校時代に亡くし、父の再婚で義妹・を迎えた。ぶっきらぼうで皮肉屋だが、困っている人を放っておけない性格。毎朝、寝坊する隣家の幼馴染・天音あんパンで釣って起こす日課を持つ。「特別扱いされるのが嫌」で、自分の苦しみを抱え込み、「祈り」を否定するスタンスを取っている。

大輔が絵を描けなくなった本当の原因は、幼少期の出来事にある。母が亡くなったあと、隣家の年上の女性・と「絵で賞を取れば離れない」という約束を交わした。けれども児童絵画コンクールで入選を果たせず、悠は引っ越してしまう。母を失ったショックと悠が去ったショックが重なり、大輔は「祈ること」「絵を描くこと」「人を信じること」を同時に諦めた。これが彼のスランプとペシミズムの根である。

各ルートでは、ヒロインそれぞれが異なるアプローチで大輔に「また絵を描く」きっかけを与える。天音は自分の夢ではなく大輔のために祈り、悠は再会と和解を通じて、柚子は挫折への寄り添いを通じて、百合奈は「描かれること」を求めることで、恋は本当の家族になることで、それぞれ大輔の凍った手を動かす。

クライマックスでは「もう一度考え直してみたほうがいいのかもしれない。自分が絵を描いてきた意味ってやつを」と自らに問い直し、「今なら描けるような気がした。大空を舞う、天使の翼が」と再びキャンバスに向かう。

葛藤

  • 「祈ったところで叶わないものは叶わないんだ」
  • 「もう、優しくしないでくれよ」悠に
  • 「自分が自分を一番許せなくなった」

優しさ

  • 「迷惑だなんて、思ったことなんか一度もないさ」
  • 「気にするなって」

再起

  • 「もう一度考え直してみたほうがいいのかもしれない。自分が絵を描いてきた意味ってやつを」
  • 「今なら描けるような気がした。大空を舞う、天使の翼が」

ルート別の顛末

  • 天音END ― 天音の祈りに動かされ、絵を描けるようになる
  • 悠END ― 和解後、「篠宮先生」でも「お姉ちゃん」でもなく一人の女性として向き合う
  • 柚子END ― 柚子のために「天使の翼」を描く
  • 百合奈END ― 百合奈を描くことで呪いを祓う
  • 恋END ― 義妹の枠を超えた本当の家族の関係へ

ヒロイン 橘 天音 たちばな あまね

読みたちばな あまね
役割ヒロイン。大輔の隣家・幼馴染(9年つき合い)。獣医志望
学年高校2年A組
CV倖月美和
外見明るく可愛い系、小柄

大輔の隣家に住む9年来の幼馴染。寝坊魔でドジ、泣き虫で甘えん坊な、絵に描いたような甘え系幼馴染。あんパンが大好物で、学校では飼育ウサギのぴょん吉を世話している。動物好きでネーミングセンスが独特、純粋すぎる感情の持ち主。理数系教科が実は得意で、獣医を志している。毎朝、大輔に起こされる定番場面から物語は始まる。

天音ルートの核心は、川に流される子犬の救出シーンにある。天音が「ただ黙って見てるなんて出来ない」と言い、大輔が川に飛び込んで子犬を救うが落水してしまう。天音は自分のせいだと泣き崩れ、救った子犬には「8」(助けてくれた大輔の名)をつける。

その後、母から「あなたは大輔ちゃんのお荷物だ」と言われて距離を置こうとするが、大輔から「迷惑だなんて思ったことない」と返され、想いを確かめ合う。物語最大の転換点は御薗神社での祈りである。天音は自分の獣医の夢ではなく「8ちゃんがまた絵を描けるように」と大輔のために祈る。「祈り」を否定していた大輔のスタンスを根底から揺さぶる決定的な瞬間となる。

終盤、天音は段ボールを抱えて階段から落ち、足を捻る。天音ENDでは、大輔が再び絵を描けるようになったあと、二人は変わらず一緒にいる。

祈り・献身

  • 「8ちゃんが元気になって、また、絵を描けるようになりますように」
  • 「ずっと、一緒だったもん」

動物・優しさ

  • 「ワンちゃんが流されるのを、ただ黙って見てるなんて、そんなこと私には出来ないもん!」
  • 「この子の名前は8にしようと思うんだけど」

寝起き・甘え

  • 「ん……おふぁよぅ……大輔ちゃん」
  • 「手……引っ張って……起こしてぇ……」

ヒロイン 篠宮 悠 しのみや ゆう

読みしのみや ゆう
役割ヒロイン。教育実習生(日本史専攻)・10年前まで大輔の隣人
学年大輔より10歳ほど年上
CV原西希京
外見教室の男子が指笛で歓迎するほどの美人

大輔の学園に赴任してきた教育実習生。10年前まで大輔の家の隣に住んでいた、10歳上の「お姉ちゃん」枠の存在。穏やかで世話好き、料理上手。学園内では「篠宮先生」、私的には大輔から「お姉ちゃん」と呼び分けられる。夕暮れの街角で大輔と衝突し、10年ぶりに再会するところから関係が動き出す。

悠は大輔が絵を描けなくなった原因に最も深く関わる人物である。大輔の母が亡くなったとき、悠は「私が8ちゃんのお母さんになってあげる」と幼い大輔を支えた。そしてコンクールで「絵で賞を取ったら一緒にいる」と約束したが、約束は果たされず、悠は引っ越してしまった。大輔の凍った手の根に、この別れがある。

台風の夜、悠は大輔の家に泊まり、停電の中で手を繋ぐ。終盤、大輔から「もう優しくしないでくれ」と突き放され、悠は泣き崩れる。和解後は再び大輔の家へ夕食を作りに訪れる。悠ENDでは、教育実習が終わったあとも二人の繋がりは続いていく。

お姉ちゃん

  • 「私が8ちゃんのお母さんになってあげる」
  • 「手の温かい人は心も温かいものなんだよ」

葛藤・和解

  • 「私だけが変わっちゃった、っていうことなんだろうね?」
  • 「うん、私は8ちゃんのお話を聞きたい」

ヒロイン 桜塚 恋 さくらづか こい

読みさくらづか こい
役割ヒロイン。大輔の義妹(父の再婚相手の連れ子)。アイス屋でバイト中
学年高校1年
CV友永朱音
外見「噂通りの美少女」「可愛い顔して口が悪い」、小柄で活発

大輔の父の再婚相手・夢乃の連れ子で、義理の妹となった1年生。男女問わずモテる学年のアイドル的存在で、ツンデレで強気、口が悪い。「私可愛いから」という自意識の高い発言が多い一方、母が世界中を飛び回るため一人暮らしをしている寂しがり屋でもある。幼稚園からの大親友・が心の支え。兄を「お兄ちゃん」と認めたくない一方、心では受け入れている。

強気で毒舌な恋だが、その内面は依存的で繊細である。料理が苦手なはずの恋が、密かに料理本を読み、大輔のために弁当を作る練習をしていたことがによって明かされる。大輔の誕生日に、恋がこっそり絵を贈っていたことも判明する。母を尊敬しつつ寂しさを募らせる姿、ツンの裏に隠した素直な好意が、徐々に表に出てくる。

恋ENDでは、義理の兄妹という枠を越えた本当の関係に至り、藍との関係も整理される。

ツンデレ・毒舌

  • 「私を誰だと思ってるの? 仕事の鬼、恋ちゃんよ」
  • 「だー! 赤面するんじゃない!」
  • 「ちんたら廊下の真ん中歩いてんじゃないわよ」

素直さ・家族

  • 「お兄ちゃんとしては心配なのかしら?」
  • 「ママを幸せにできるなら、私は別に……」

ヒロイン 七城 柚子 ななしろ ゆず

読みななしろ ゆず
役割ヒロイン。大輔の小学校時代の友人。陸上部・ハイジャンプ選手。一人称「ボク」
学年高校1年D組
CV本山友美(DC版 冴原羽音)
外見小柄・低身長、子供っぽい。「あの頃から変わっていない」

大輔の小学校時代の友人で、入学と同時にこの学園へやってきた1年生。陸上部でハイジャンプに打ち込む努力家。元気で人懐っこく、ひたむきだが、結果が出ないことに敏感。大輔を「8くん」と呼ぶのは子供時代から変わらない。小学生の頃は跳び箱の天才と呼ばれ、跳び箱の上に座る姿を見た大輔が「天使さん」とあだ名をつけた。

柚子のルートは「届かない夢」の物語である。彼女はハイジャンプで「天使になりたい」と練習を続けるが、大会選考から漏れ、ついに一度も大会に出られないまま終わってしまう。「ボク、落ちちゃった」「ボク……天使さんになれない」と大輔の胸の中で泣き崩れる。

絵を描けない大輔は「自分が説教できる立場じゃない」と気づき、言葉ではなくただ柚子を抱きしめる。そして体育大会の日、大輔は「大空を舞う、天使の翼」を描き上げて柚子に贈る。柚子ENDでは、その絵が彼女の支えとなる。大輔自身がまた絵を描けるようになる契機でもある。

挫折(クライマックス)

  • 「ボク、落ちちゃった」
  • 「結局、大会に一度も出られなかったよ」
  • 「もう嫌……跳ぶのも嫌、頑張るのも嫌!」
  • 「ボク……天使さんになれない」

信頼・元気

  • 「どんなに遠くからでも、8くんのことを他の誰かと間違えたりすることなんて、絶対にないよ」
  • 「ずっと8くんの側にいたかった」

ヒロイン 君影 百合奈 きみかげ ゆりな

読みきみかげ ゆりな
役割ヒロイン。大輔の1学年上の先輩。「呪われている」と自称する不思議系
学年高校3年B組
CV藤咲かおり
外見華奢、長い黒髪、儚げな雰囲気。「とてとて」と表現される軽い足音

大輔の1学年上の先輩。物静かで丁寧語を話し、神社と花を愛する。身体が弱く体育を見学しており、自分を「不浄」と呼ぶ悲観的な少女。母を早くに亡くしている。花言葉に詳しく、自分の名を「影の百合」になぞらえて、花言葉が「呪い」である黒百合に重ねる。放課後の教室で大輔に「私を、描いてくれませんか?」「貴方も、呪われていますから」と切り出すところから関係が始まる。

百合奈は御薗神社に関わる家系の事情を背負っており、神社の跡取り娘で従姉でもある瑠璃子から「あなたはあまり来ないほうがいい」と聖地から追い返される。母の早逝も重なり、彼女は自らを呪われた、不浄な存在だと確信している。落葉の道で母を失った過去を語る場面が、彼女の影の核心にある。

大輔は花屋で百合奈に花を贈る。クジャクソウ(可憐)・スカビオサ(不幸な愛情)・桔梗(誠実)の三択で、大輔の言葉が百合奈の自己像をどう塗り替えるかが変わる。やがて百合奈は「呪われていますけれど貴方の先輩だと思いますよ」と自己受容を口にする。

百合奈ENDでは、大輔が彼女を描くことそのものが呪いを祓う契機となり、彼女は笑顔を取り戻す。「描かれること」を求めた少女と「描けなくなった」少年が、互いの欠落を埋め合う構造になっている。

呪い・自己規定

  • 「……貴方も、呪われていますから」
  • 「私は不浄のものなのです」
  • 「黒百合の花言葉は『呪い』ですよ」

自己受容(核心)

  • 「呪われていますけれど貴方の先輩だと思いますよ」
  • 「貴方といると、とても穏やかな気持ちになることが出来ます」

その他の登場人物

鷺ノ宮 藍さぎのみや あい

恋の幼稚園からの大親友で、鷺ノ宮財閥の令嬢。ヴァイオリン奏者でイギリスのコンサートに招待される実力を持つ1年生。上品で楚々とした丁寧語を話し、「くすくす」と笑うのが口癖。大輔を「お兄様」と呼び、恋を見守る姉のような立ち位置に立つ。恋が密かに大輔のため弁当を作っていたことを明かす役回りも担う。PC版にはシナリオが存在するものの、イベントCGが未収録の隠しサブシナリオの扱いとなっている。

御薗 瑠璃子みその るりこ

御薗神社の跡取り娘で巫女、百合奈の従姉にあたる先輩。大人びて達観した喋り方をする。百合奈を「君影さん」と呼び、神社へ近づけまいと厳しく接するが、それは百合奈を案じてのこと。大輔と百合奈の関係を察し「優しいのね」と評する。攻略不可のキャラで、百合奈ルートに関わる派生的な立場として登場する(独立したメインルートは持たない)。

塚山つかやま

大輔のA組男子クラスメイト。教育実習生として赴任した悠に最初に質問する役回りで、学園祭では天音に「一緒に回らないか」と告白するも断られる。天音が大輔を想っていることを察しており、「やっぱりな……麻生だろ?」と身を引く、気のいいクラスメイト。物語の日常パートに彩りを添える。