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田中穂乃火のレビュー — CROSS†CHANNEL

田中穂乃火
田中穂乃火
感情全開の体当たり派
9.0/10
9.0 / 10

これやってなかったら人生損してたって、本気で思った。

最初はもう、何が何だか分からなかった。投げ出してもよかったはずなのに、気づいたらあたしは画面の前で泣いていた。キャラクターたちが愛おしくて、太一くんがしんどくて、どんどん先が気になって、止まれない。難しい話を解説する自信はないけど、感情だけは保証する。クリアしたあと、しばらく立ち上がれなかった。それが全部です。

スコア詳細

ヒロインの魅力 9
キャラ関係の豊かさ 10
感動的インパクト 10
エンディング設計 9
燃え展開 8
主人公の存在感 9

最初はちょっと混乱した

正直に言います。最初の数時間、あたしは「ちょっと待って」を何回口に出したか分からない。何これ、群青学院って何、この適応係数ってやつは何の話、太一くんなんでこんなに毒舌なの、見里ちゃんの「ぺけくん」ってどういう意味……。脳みそが追いつかなくて、あたしには難しすぎるのかもって何度も思った。

でもね、止められなかったの。意味が分からないのに、なぜか先に進む手が止まらない。太一くんっていう男の子の喋り方が嫌いなはずなのに、なんでか目が離せない。彼が誰かに優しくする一瞬の表情が、毎回ずるかった。気づいたら、あたしはこの群青学院っていう変な学校の空気を、丸ごと呼吸していた。

このキャラたち、ずるすぎる

冬子ちゃんの「ばか太一」が、もう本当にずるい。あんなツンとした顔で言ってるのに、目の奥が全然ツンじゃないの、わかる!? 素直になれないだけの女の子をあんなに丁寧に書かないでほしい。あたしは冬子ちゃんが画面に出てくるたびに「ばか太一じゃないでしょ、ばか冬子でしょ!」って画面に向かって言ってた。完全に変な人。

美希ちゃんの「やだ!」も最高だし、見里ちゃんのほわほわっとした空気もずるいし、曜子先輩は……曜子先輩は反則です。あの人だけ次元が違う。「一心同体」って言葉をあんな顔で言わせないでよ田中ロミオさん。あたしね、ヒロインに優劣つけるの嫌いなんだけど、このゲームに関しては全員に対して別々の感情で泣いた。でしょ!? わかる!? 全員違う波長で刺してくるから、防御不能なの。

あたしが思うCROSS†CHANNEL

最初の数時間がしんどいのは、たぶん本当。あたしも乗り越えるのに時間がかかった。でも、その壁の向こう側にあるものは、他のゲームでは絶対に得られない種類の感情です。だからお願い、序盤で投げないで。太一くんがどんどん透けて見えてくる瞬間まで、あと一歩だけ進んでみてほしい。

クリアしたあと、何日も引きずる作品です。たぶん一生忘れない。あたしはそういう作品に出会えたことを、心の底から感謝してます。やった人と感想を語り合いたい。語り合った夜、たぶんあたしまた泣くと思う。

曜子の失恋で泣いた

「胸、痛いんだ……失恋って……知らなかった……」。このセリフを読んだ瞬間、あたしは本当に画面の前で硬直した。曜子先輩、ずるい。ずるすぎる。あの強くて頭が良くて全部分かってる顔をしてた人が、たった一言、こんなふうに崩れていいの。だめでしょ。あたしの中の何かも一緒に崩れたから、責任とってよ田中ロミオさん。

太一くん曜子先輩の関係って、最初は「相棒」みたいな顔で出てくるじゃないですか。会話の温度が一個だけ違うって言うか、二人だけで通じてる周波数があるって言うか。それを「一心同体」って言葉で固定された時点で、もう逃げ場がなかったの。失恋を「知らなかった」と表現する人の痛みは、知ってた人より深いに決まってる。あたしはあの章をやり終わったあと、しばらくスマホを触れなかった。曜子先輩、本当に大切にされてほしかった。それが全部です。

永遠の放送者に、やられた

真エンドの「生きている人、いますか?」。このセリフで泣いた人、絶対あたしだけじゃないよね。誰もいない世界に向かって放送し続ける太一くんを想像した瞬間、あたしの中で何かが一気に決壊した。届かないかもしれない声を、それでもマイクに向かって出し続ける。あれは祈りです。叫びでもなく、嘆きでもなく、ただの祈り。それが分かった瞬間、もうだめだった。

七香の「ごめんね……それだけしか残してあげられなくて……」も反則だし、桜庭くんの向こうに送られていく場面も反則。「俺たちは親友じゃないか」って言ってくれた人が、ちゃんと本来の場所に帰っていく。それを見送る太一くんの背中を、あたしは一生忘れないと思う。一人ずつ送り出して、最後に残った人が放送ブースに向かう。この構造を考えた人、本当にすごい。あたしはクリアしたあと、布団に潜って声を出して泣きました。それくらい、やられた。