キャラクター詳細 — GAOGAO! 2nd. パンドラの森
『GAOGAO! 2nd. パンドラの森』の登場人物を、出自・立場・結末まで含めて解説する。「ネタバレ詳細」を開くと、その人物の真相と最後がどうなるかまで踏み込む。
ジャッキー
| 読み | じゃっきー(ゲーム内の初期設定名。変更可能) |
|---|---|
| 年齢 | 16歳 |
| 立場 | テレスシティ育ち。ルシアのいとこで、幼少期を共に過ごした |
| 一人称 | 「僕」 |
| 関係 | 生まれてすぐ実の両親を亡くし、ルシアの一家に引き取られた。6歳のときに離れ離れになり、以後10年会っていない |
気弱で涙もろく、何かあればすぐ「ごめん」と口にする。臆病なうえ方向音痴で、ルシアからは「犬みたい」「ばかで、一途で、応用がきかなくて」と評される始末である。だが彼女への想いだけは10年を経ても揺るがない。
頼りない少年に見えて、いざという場面では臆病さを押しのける芯を持っている。樹海でルシアを追った理由を問われて返した一言が、その性質をよく表している。
ジャッキー自身が、ルシアの父ジョセフによって人工的に生み出された変異体である。ジョセフは妻ソフィ=クレストの持つ変異遺伝子を用いて、ジャッキーとルシアの二人を作った。いとこ同士として育った関係が、実は同じ研究から出た間柄だったことになる。
さらに彼は、変異体のなかでも稀な共振(アンプリファイア)という能力の持ち主だった。他の変異体と心身で共鳴することで、相手の眠った力を増幅・覚醒させる力である。
物語終盤、ジャッキーはルシア・ナギ・ライラ・リアと共振して新たな力を発現させ、ネバールの罠に囚われたルシアを救出する。ガーディナルとの決着でも、この共振が凶行を押し留めた。臆病で何もできなかった少年が、最後には仲間の力を引き出す側に回るという構図になっている。
最終的にルシア・リア・ナギ・ライラと共に滅菌ゲートを抜け、人間より遥かに長命な「新しい人類」として樹海での生活を始める。
ルシア
| 読み | るしあ |
|---|---|
| 年齢 | 18歳 |
| 立場 | アリストシティで一人暮らし。仕送りを受けながら学校へ通う |
| 一人称 | 「私」 |
| 外見 | 腰まで届く艶やかな長髪 |
表面は刺々しく皮肉屋で、ジャッキーを容赦なく叩く。だがその棘は、過去の傷から心を守るために着けた鎧である。両親を早くに亡くして親戚を転々とし、14歳のときに学校でひどい仕打ちを受けて深く傷つき、長期の入院を経て元の学校には戻れなくなった。以来ずっと一人で暮らしている。
甘いものを「太るから」と口実をつけて避けるような繊細さもあり、辛辣な物言いの裏では常にジャッキーを案じている。
ルシアもまた、父ジョセフが母ソフィの変異遺伝子を用いて人工的に生み出した変異体である。両親の死は事故と聞かされていたが、真相は樹海の獣に殺されたというものだった。
幼い日、彼女は森の施設で家族と暮らしており、その最期を目撃している。記憶に蓋をしたまま育ったが、樹海で焼け落ちた建物と巨大な獣に遭遇したことで封印が解ける。
物語終盤には変異体としての力が覚醒し、リアを嬲るガーディナルを退ける。地下深部ではネバールの罠の囮として人質にされるが、ジャッキーと仲間たちの共振によって救出される。
研究所では、ロイやイリューヌの手で過去の傷をなぞるような苦難を再び受けることになる。それでも折れなかった意志が、彼女という人物の核である。
最後は樹海へ旅立つ5人の一人となる。棘で身を守っていた少女が、過去の傷を越えてジャッキーを受け入れるまでの再生が、この物語のもうひとつの軸になっている。
メグ
| 読み | めぐ |
|---|---|
| 立場 | ルシアの同級生。コンピュータをこよなく愛する天才的なハッカー |
| 一人称 | 「私」 |
| 関係 | 孤立していたルシアを気にかけ、友人として支えてきた |
底抜けに前向きで打たれ強い。プログラムを組み、CGを動かし、音楽まで作るデジタル技術全般の使い手で、難題に直面するほど燃えるたちである。
技術的な問題は天才的に解いてみせる一方、緊迫した対人的な状況は「苦手」と漏らす。ルシアのことが「とっても好き」で、いじめられ孤立していた彼女を守りたいと願っている。リア救出の相談を受けると、閉鎖ネットワークへの侵入も偽造IDカードも厭わずに引き受ける。
研究所のマザーコンピュータに時限式のサイバーウィルスを仕込むなど、頭脳戦で一行を支え続ける。だが潜入中に警備員ロイに捕らえられ、ひどい仕打ちを受けるという凄惨な目に遭う。
それでも彼女は驚くべき速さで立ち直る。そして物語の最後、樹海へ旅立つ一行とは別れてドーム都市に残る道を選ぶ。
この選択が本作の結末に厚みを与えている。変異体ではない「人間」の側から、閉じた社会を内側から少しずつ良くしていく——外へ出た者たちとは別の形で、彼女もまた世界を変えようとする。傷を負わされてなお、その場所を見限らなかった人物である。
リア
| 読み | りあ(ルシアが直感で名付けた) |
|---|---|
| 立場 | 樹海に暮らす、獣の耳と尻尾を持つ少女 |
| 言葉 | 人間の言葉を話さず「みゅう」「みぃ」といった声で意思を伝える |
| 特徴 | 金属製の首輪に「PANDORA」の文字が刻まれている |
無垢で子供のように純真。人懐こく、頬を擦り寄せるといった直接的な仕方で情を示す。飢えと寒さで昏倒したジャッキーを助け、洞窟の住処で乾いた果実と湧き水を与えて二人を看病した。獣のような外見でありながら、その振る舞いは終始慈愛に満ちている。
ルシアが幼い日に見た夢に出てくる「尻尾のある救い手」と重なることが示され、彼女の存在が物語の謎の中心にあることが早い段階で示唆される。ドームへ戻る際、滅菌ゲートで警備ロボットに捕らえられてしまう。
リアは、ルシアの父ジョセフが樹海の研究施設の人工子宮で生み出した、完全な人工の変異体である。両親を持たず、施設で生まれ、そのまま森に残された存在だった。
首輪に刻まれた「PANDORA」は、単なる識別ではなくジョセフが遺した暗号化メッセージを解く合言葉のひとつでもあった。記憶を消されたジャッキーとルシアが真実に到達する鍵を、リアは知らないまま首にかけて森を歩いていたことになる。テレパシー的な感応力を持つことも示唆される。
研究所ではガーディナルに標本として扱われ嬲られるが、ルシアの覚醒によって救われる。最終的に一行と共に、生まれ育った樹海へ帰還する。
ナギ
| 読み | なぎ |
|---|---|
| 立場 | アリストシティ研究所Fセクション307号室で暮らす。所長ガーディナルの「愛娘」とされる |
| 異名 | 「アリストの宝石」 |
| 外見 | 膝あたりまで届く長い銀髪、透けるような白い肌、アメジストのような紫の瞳、赤いリボン |
です・ます調で話す、育ちのよいお嬢様然とした少女。「体が弱い」という理由で研究所の一室から出ずに暮らしてきたため、世間をまったく知らない。研究所で何が行われているかも、警備員ロイの本性も知らないまま、純真に日々を送っている。飼い犬の黒ちゃんが数少ない話し相手である。
ナギは、ジョセフの死後にガーディナルがソフィの保存された卵子を奪って作り出した人工変異体である。「純粋培養された娘」と真相の場面で言い当てられる。体が弱いという説明も、所長の「愛娘」という位置づけも、彼女を手元に囲っておくための方便だった。
脱出行の途中で一行に合流し、共振によって水を操る力が目覚める。世間を知らないまま育った少女が、自分が何者であるかを知り、それを受け入れていく過程が彼女の物語である。
終盤、追い詰められたガーディナルは「愛娘」であるはずのナギに銃口を向ける。慈しんできたと言いながら、その実は所有物としか見ていなかったことが、この一場面で露わになる。
最後は滅菌ゲートを抜けて外の世界を初めて目にする。その一言が、この作品の結末を締めくくっている。
ライラ
| 読み | らいら |
|---|---|
| 立場 | 研究所側で暮らす変異体。イリューヌに世話をされている |
| 一人称 | 「おれ」。口調は「じゃんかよ」「つまんないのぉ」と少年めいて粗野 |
| 特徴 | 獣の耳と尻尾、三日月型の鉤爪。好物はレアで焼いたステーキ |
乱暴で挑発的、暴力を楽しむような奔放さを持つ。ジャッキーに「ルシアパンチより破壊力が強い」と言わしめる一撃の持ち主でもある。
脱走した二人を暗い倉庫で襲うが、なぜか本気を出さずわざと見逃す。イリューヌに諭されてしぶしぶ引き下がるその振る舞いが、彼女が単純な敵ではないことを早くから匂わせている。
ライラもまた、ガーディナルがソフィの変異遺伝子から作り出した人工変異体であり、数少ない「成功した」個体の一人である。出自をたどればルシアたちと同じ源から来ていた。
研究所側から離反してジャッキーたちの味方となり、脱出行を戦力として支える。共振の理屈——ジャッキーが増幅器であり、繋がりを通じて変異体の力が目覚めること——を仲間に説明する役回りも担った。悪辣な加害を重ねたロイを最終的に叩きのめすのも彼女である。
やんちゃな言動の裏で、彼女は得たばかりの幸福が失われることに怯えている。その弱さの吐露が、この人物にもうひとつの奥行きを与えている。
最後は一行と共に樹海へ旅立つ。
イリューヌ・ハウエル
| 読み | いりゅーぬ・はうえる |
|---|---|
| 立場 | アリストシティ研究所の女性研究員。所長ガーディナルの助手 |
| 関係 | ジョセフ・ミズハラのかつての研究仲間であり、恋人でもあった |
| 外見 | 美しいが、冷たい印象を与える |
感情を表に出さず、終始冷徹に振る舞う。第3実験室で所長と共にジャッキーたちの前に現れ、氷のような態度で対峙する。研究所ではライラの世話をする保護者的な立場でもあり、暴れる彼女を一言で制する場面もある。
その正体と真意は長く伏せられたまま、物語の謎の一部として置かれている。
イリューヌはジョセフの元恋人であり、彼が妻ソフィと共に森へ去った過去を今も抱えている。真相の場面では語り手にあたり、ジョセフが遺した暗号化ディスクと、その合言葉である SOFIE と PANDORA を巡って世界の真実を一行に伝える。ジャッキーの能力に名を与えるのも彼女である。
拘束したジャッキーとルシアを薬物を用いて尋問するなど、序盤から中盤にかけては明確な加害者として振る舞う。人を思い通りに操ろうとする自らの研究が、ガーディナルの野心と地続きであることへの葛藤を抱えた人物でもあった。
最終的にガーディナルを裏切り、一行の脱出を助ける。所長がナギに銃を向けた際にはライフルで打ち据えた。そして自らは樹海へは行かず、ドーム都市に残ることを選ぶ。人を操る研究に手を染めた罪を自覚し、ジョセフの遺志を継いで内側から世界を少しでも良くしていくという道である。加害者でありながら物語の要でもあるという、複雑な陰影を持って描かれている。
ヴォルフガング・ガーディナル
| 読み | う゛ぉるふがんぐ・がーでぃなる |
|---|---|
| 立場 | アリストシティ研究所の所長。変異体研究の責任者 |
| 外見 | 30〜40代。鷹のように鋭い目 |
| 関係 | ナギを「愛娘」と称して手元に置いている |
冷徹で合理主義的な科学者。第3実験室でジャッキーたちの前に現れ、リアを研究標本として「積極的に活用する」と言い放つ。記憶を取り戻した二人を危険視して再度の消去を命じようとするなど、権力者として一切の躊躇を見せない。
ガーディナルは、ジョセフの死後に保存されていたソフィの卵子を奪い、そこからナギとライラを作り出していた。他人の研究を簒奪し、その成果を「愛娘」と呼んで囲い込んでいたことになる。クラブHT1が既に絶滅していること、ドーム都市が管理のための虚構であることも承知のうえで、その体制を利用してきた。
終盤、ネバールの罠にルシアを囚えて囮にする。追い詰められると発狂し、ナギに銃口を向ける。
イリューヌのライフルに阻まれ、揉み合いの末に銃口を自らへ向けたところで、5人の共振が彼の手を制する。引き金は本人の意思に反して自分自身を撃った。傷はかすり傷で済んだものの、その衝撃で精神は完全に破綻する。
撃たれて死ぬのではなく、正気を失って退場するという幕引きになっている。
その他の登場人物
自家用車を持つ研究所の警備員で、粗野で下卑た人物。序盤では「マフィアのボス」を自称してジャッキーとルシアを騙し、ハイウェイを外れて樹海のジャンク置き場へ連れ込む。二人が森へ逃げ込むきっかけを作る、物語の発端にあたる人物である。研究所ではリアを閉じ込める檻の番をしており、その立場を使ってルシアに理不尽を強い、捕らえたメグにもひどい仕打ちを重ねる。作中屈指の悪辣な加害者だが、ナギの前では本性を隠して「いい方」と信じ込ませているという二面性を持つ。最終的にはライラに叩きのめされて無力化される。
故人。かつてアリストシティ研究所に勤めていた変異体研究の研究者で、イリューヌのかつての恋人でもある。妻ソフィと共に樹海の奥に秘密の研究施設を築き、そこで暮らしていた。ジャッキーとルシアを人工的に生み、人工子宮でリアを作り出した張本人である。だが研究の過程で「知能は高いが凶暴で制御不能な怪物」を誤って生み出してしまい、それに追われて森の施設を捨てた。その獣がソフィを、そしてジョセフ自身をも殺すことになる。彼が遺した暗号化メッセージ——合言葉 SOFIE と PANDORA で解錠される——が、クラブHT1の絶滅・ドーム都市の虚構・変異体は新しい人類であるという世界の真相を一行に伝える。パンドラの箱を開けた当人でありながら、最後に残したのは子らへの祈りだった。「ルシア、ジャッキー・・・おまえたちの幸せを祈っているよ・・・」
故人。ジョセフの妻。生まれつき変異遺伝子の保因者であり、その卵子は変異体の子を生む性質を持っていた。ジョセフはこの性質を用いてジャッキーとルシアを人工的に生んでいる。彼女の名「SOFIE」は、ジョセフが遺したメッセージの合言葉のひとつとなった。樹海の施設で巨大な獣に襲われて命を落とし、さらに死後にはガーディナルが保存されていた卵子を奪い、そこからナギとライラを作り出している。本人は回想と言及の中にしか現れないが、物語に登場する変異体のほとんどが彼女に由来しているという意味で、すべての起点にいる人物である。
ナギが研究所内で飼っている犬。あちこちの匂いを嗅ぎまわり、机に片足を上げるなど、犬らしい仕草を見せる。囲われた生活を送るナギにとっては数少ない話し相手であり、閉じた部屋の中でのささやかな慰めになっている。
冒頭、ジャッキーが乗るモービルで向かいの席に座っていた女性。詮索好きで世話好きな性分で、「一人旅なの、坊や?」と話しかけ、10年ぶりの再会を「楽しみね」と励ましてくれる。終盤にも再登場し、旅の始まりと終わりに顔を出す役回りになっている。
図書館前などでジャッキーたちに「樹海トリップ」——樹海を通ると記憶を失うという現象——について語る人物。ヒヨコのピーちゃんを連れている。獣耳の少女を見たという話には「コミケに行けばいっぱいいる」と取り合わない。記憶を消された二人が自分たちの体験を噂話として片づけそうになる、その受け皿にあたる存在である。
ジャッキーを育てた人物。電話越しに、ルシアの過去と、10年前に二人が強制的に引き離された経緯、そこに記憶の抑制が絡んでいたことを語る。直接姿を見せることはないが、調査の行き詰まりを解く手がかりを与える役割を担っている。