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ストーリー詳細 — GAOGAO! 2nd. パンドラの森

本作は枝分かれする攻略ルートを持たない一本道で、選択肢は探索や調査の演出にあたる。ヒロインたちの物語は本筋に並走し、最後はひとつの結末へ収束する。ここでは再会の場面から樹海への旅立ちまでを、時系列に沿って6つの区切りで追う。 ▼詳細を読む はネタバレを含みます。 プレイ済み設定をするとアコーディオンがデフォルトで展開されます。

再会 — アリストシティにて

16歳のジャッキーが、10年ぶりに会ういとこのルシアを訪ねてアリストシティへやってくる。再会したルシアは記憶より遥かに美しく、そして刺々しかった。

ジャッキーは生まれてすぐに実の両親を亡くし、ルシアの一家に引き取られて幼少期を共に過ごした。だが6歳のときにルシアが遠方へ引き取られ、以後10年間離れて暮らしていた。モービルに揺られてアリストシティに降り立った彼を待っていたのは、記憶の中の少女とはまるで違う姿だった。

「あなた・・・ジャッキー?」(ルシア)

第一声からして辛辣で、ルシアは物陰から様子を伺っていたことを隠しもしない。

「会いたくないタイプに成長したジャッキーが現れたら声をかけずに帰っちゃおうかと思ってたの」(ルシア)
「・・・そうやって・・・すぐに謝るところも、すぐに慌てるところも昔のままだわ。しゃんとしなさいよ、男なんでしょ」(ルシア)

この刺は、彼女が身を守るために着けた鎧である。ルシアは14歳のときに学校で受けたひどい仕打ちで深く傷つき、長い入院を経て元の学校には戻れず、アリストシティへ一人で移って暮らしていた。ジャッキーはその経緯を知っており、そばにいてやれなかったことをずっと悔いている。

二人はぎこちないままシティを見て回る。展望台からは樹海が見渡せ、クラブHT1という遠い昔のウィルスの話が語られる。人類はそれから逃れるために自然を捨て、ドーム都市に閉じこもった——というのが、この世界で誰もが教えられている前提だった。展望台の売店では、ルシアの友人でハッカーのメグと知り合う。そして同じ場所で、自家用車を持つ研究所の警備員ロイがドライブに誘ってくる。

樹海 — 獣耳の少女リア

ロイの車は決められた道を外れ、立ち入りを禁じられた樹海のジャンク置き場へ向かう。そこで本性を現した男から逃れた二人は、森の奥で遭難する。

ロイはハイウェイを外れて樹海のジャンク置き場へ二人を連れ込み、そこでルシアに襲いかかる。かろうじて逃げ出した二人は、そのまま森の奥へ迷い込んでしまう。ドームの外は死の世界だと教えられて育った彼らにとって、それは死地へ踏み込むに等しい。だが完璧な闇の中で、ルシアは意外な言葉を漏らす。

「なにが『全ては完璧』よ。ばかみたい。」(ルシア)

飢えと寒さに苛まれ、滝壺の水で喉を潤しながらの彷徨の末、ジャッキーは昏倒する。目を覚ましたとき、二人を助けていたのは獣の耳と尻尾を持つ少女だった。人間の言葉を話さず「みゅう」「みぃ」と鳴くその子は、洞窟の住処で乾いた果実と湧き水を与え、献身的に二人を看病する。ルシアは直感で彼女にリアと名を与えた。首には金属製の首輪があり、「PANDORA」の文字が刻まれている。

なぜジャッキーは自分を追って森へ入ったのか。ルシアの問いに返ってきた答えが、この気弱な少年の芯を示している。

「僕、難しいことわかんないよぉ。でも、あそこでルシアを見失うほうがクラブHT1より怖かったんだもん」(ジャッキー)

やがて三人は森の奥で焼け落ちた建物を見つける。地下には巨大な檻があった。そして——そこに棲みついていた巨大な獣が現れる。煙玉で辛くも逃げ延びるが、その姿を目にした瞬間、ルシアの中で封じられていたものが解ける。

「あいつが殺したのよお」(ルシア)

幼い日、彼女はこの森で家族と暮らしていた。そして両親は、あの獣に殺されたのだった。

消された一週間 — ペンダントが呼び戻すもの

ドームへ帰り着いた二人を待っていたのは、滅菌ゲートでのリア捕獲と、樹海で過ごした一週間そのものの消去だった。

滅菌ゲートで警備ロボットがリアを捕らえ、ジャッキーは昏倒させられる。目覚めた二人からは、森で過ごした一週間の記憶が記憶消去剤によって奪われていた。街には「樹海トリップ」——樹海を通ると記憶を失う現象——という噂が流れており、当人たちですらそれで片づけそうになる。

だが、リアが残していったペンダントに触れた瞬間、すべてが戻ってくる。森での日々も、獣の姿も、両親の最期も。記憶を消すという行為そのものが、消したい何かの存在を証明していた。

二人は図書館や駅前で調査を始め、電話越しにジャッキーの養母から過去の経緯を聞き出す。10年前の引き離しにも、記憶の抑制が絡んでいた。リアを取り戻すため、二人はメグを頼る。閉鎖されたネットワークへのハッキング、偽造IDカードでの侵入——難題であるほど燃えるのが彼女の性分だった。

「困難であればあるほど燃えるし。たちの悪いバグがあればあるほどバグ取りに夢中になっちゃうし」(メグ)

研究所潜入 — ナギとライラ

アリストシティ研究所に忍び込んだ二人は、囲われて暮らす銀髪の少女ナギと、鉤爪を持つ変異体ライラに出会う。そして所長ガーディナルと対面する。

夜のハッキングで潜り込んだFセクションで、二人は307号室に暮らす少女ナギと出会う。膝まで届く銀髪に紫の瞳、「アリストの宝石」と呼ばれる彼女は、所長ガーディナルの「愛娘」とされ、体が弱いという理由で研究所から一歩も出ずに生きてきた。世間を知らない彼女は、研究所で行われていることも、ロイの本性も知らない。

「私、体が弱くて・・・ここを出たら病院に入らないといけないんです」(ナギ)
「あの方はいい方ですよ。よく私の話し相手になってくださって」(ナギ)

檻に囚われたリアを見つけるが、そこにロイが立ちはだかる。彼はリアの解放と引き換えにルシアへ理不尽を強い、駆けつけたメグもまた捕らえられてひどい目に遭う。ロイは制圧されて投獄されるものの、この一件は二人に深い傷を残す。それでもルシアは折れない。

「私は絶対あきらめないんだから。絶対にリアやメグとここから逃げ出してやるわ」(ルシア)

第3実験室で、二人はついに所長ヴォルフガング・ガーディナルと助手イリューヌ・ハウエルに対面する。所長はリアを研究標本として「積極的に活用する」と言い放ち、記憶を取り戻した二人を危険視して再度の消去を命じようとする。その論理は一貫していた。

「全体の平和のためには個々の犠牲などとるに足りないものさ」(ガーディナル)

脱走した先の暗い倉庫で、二人は三日月型の鉤爪を持つ変異体の少女ライラに襲われる。だが彼女はなぜか本気を出さず、わざと見逃す。イリューヌに「もういいわ、部屋に戻りなさい」と諭され、しぶしぶ従うその姿は、単純な敵のものではなかった。

「え~~~っ、手加減したじゃんかよ~。武器をつけてないほうの手で殴ったんだからぁ」(ライラ)

パンドラの箱 — ジョセフが遺したもの

イリューヌの私室で語られるのは、ルシアの父ジョセフの過去だった。そして暗号化されたディスクが、この世界の前提そのものを覆す。

イリューヌは、ジャッキーの伯父にあたるジョセフ・ミズハラのかつての研究仲間であり、恋人でもあった。彼が妻ソフィと共に樹海の奥へ去った日のことを、彼女は今も抱えている。ジョセフが遺した暗号化ディスクは、二つの合言葉——SOFIEPANDORA——で解錠された。妻の名と、リアの首輪に刻まれた文字である。

そこに記録されていたのは、世界の前提を根こそぎ覆す内容だった。

「あれは人災だったのだ・・・ちょっとした事故で凶悪化したウィルスが研究施設から飛び出して、世界中に飛び散った。」(ジョセフの遺したメッセージ)

第一に、クラブHT1は自然の災厄ではなく人災だった。第二に、そのウィルスはとうの昔に絶滅している。樹海の動物たちは免疫を獲得して生き延び、外はとっくに安全になっていた。「外は危険」という前提は、支配する側が人々をドームの内側に留めておくために維持し続けてきた虚構にすぎない。

そして第三に、ジャッキーとルシアの出自である。ジョセフは、妻ソフィが生まれつき持っていた変異遺伝子を用い、人工的な手法で二人を生んだ。さらに森の施設の人工子宮でリアを作り出した。ガーディナルはジョセフの死後、保存されていたソフィの卵子を奪い、そこからナギとライラを生み出していた。全員が同じ源から来た「変異体」——ジョセフの言葉によれば新しい人類である。

ジャッキーが持つ力についても説明が与えられる。

「ジャッキー、おまえは珍しい共振という…『アンプリファイア・・・力の増幅器』」(イリューヌ)

樹海の巨大な獣もまた、ジョセフが研究の過程で誤って生み出してしまった失敗作だった。知能は高いが凶暴で制御がきかず、彼はそれに追われて森の施設を捨てた。そしてその獣が、ソフィを、そしてジョセフ自身をも殺すことになる。パンドラの箱を開けたのは、他ならぬルシアの父だった。

脱出 — 5人が見た「外」 TRUE相当

ライラが離反し、ナギの力が目覚める。地下深部でルシアが囮にされ、5人の共振が新たな力を呼ぶ。そしてゲートの向こうに、誰も見たことのない世界が広がる。

施設からの脱出行が始まる。ナギが合流し、変異体としての力——水を操る力——が共振によって目覚める。研究所側にいたライラも離反して味方につき、戦力として一行を支える。共振の理屈を仲間に説明する役回りも彼女が担った。

地下深部への降下で待っていたのは、研究所が防衛用に開発した粘液生物ネバールの群れだった。ガーディナルはルシアを囮として罠にかける。だがジャッキー・ルシア・ナギ・ライラ・リアの5人の共振が新たな力を発現させ、ネバールを一掃してルシアを救い出す。

追い詰められたガーディナルは正気を失い、「愛娘」と呼んでいたナギに銃口を向ける。

「わしがあんなに大切に慈しんできたのに、おまえはこのわしを捨てようというのか」(ガーディナル)

その凶行を阻んだのは、離反したイリューヌのライフルだった。揉み合いの末、ガーディナルは銃口を自らへ向ける。その瞬間、5人の共振が彼の手を制し、引き金は本人の意思に反して自分自身を撃った。傷はかすり傷で済んだが、精神は完全に破綻する。

「その瞳にはもう現実のものは何も映ってはいなかった。」(地の文)

脱出は成った。だが全員が外へ出るわけではない。メグとイリューヌはドーム都市に残ることを選ぶ。メグは変異体ではない「人間」の側から、この社会を少しずつ良くしていくと決めた。イリューヌは人を操る研究に手を染めた自らの罪を自覚し、ジョセフの遺志を継いで内側から世界を変える道を取る。

そしてジャッキー・ルシア・リア・ナギ・ライラの5人が、滅菌ゲートを抜けて「外」へ出る。生まれて初めて、嘘のない世界を目にした少女の一言が、この物語の到達点である。

「これが『外』なんですね・・・なんだか心が・・・わくわくします」(ナギ)
「樹海はもっと広いんだよ」(ジャッキー)

ジョセフが遺した最後の言葉は、子らへの祈りだった。

「ルシア、ジャッキー・・・おまえたちの幸せを祈っているよ・・・」(ジョセフ)

変異体は人間より遥かに長命であること、そしてドームの内側でも変異体の出生が増えつつあることが示される。閉じた都市の時代が終わり、新しい時代が始まろうとしている——その予感を残して物語は幕を閉じる。刺々しさで身を守っていたルシアが、過去の傷を越えてジャッキーを受け入れるまでの再生の物語でもあった。

「おれたちずーっとこのままでいられるのかどうか・・・それが怖いのかも」(ライラ)

エンディング一覧

本作に枝分かれする攻略ルートはなく、到達する結末はひとつだけである。選択肢由来のゲームオーバーやバッドエンドにあたるテキストも確認できない。作中でエンド名が示されないため、当サイトでは内容にもとづき「樹海への旅立ち」と呼んでいる。

種別 エンド名 ルート 結末概要
TRUE相当 樹海への旅立ち(当サイトによる呼称) 本編(一本道・分岐なし) ガーディナルが自滅した後、ジャッキー・ルシア・リア・ナギ・ライラの5人が滅菌ゲートを抜けて樹海へ旅立つ。メグとイリューヌはドーム都市に残り、内側から世界を変えると誓う。変異体が長命であること、ドーム内でも変異体の出生が増えつつあることが示され、新しい時代の到来を予感させて幕。

補足 — シリーズ年表における本作の位置

※この項目は GAOGAO! シリーズ他作のネタバレを含みます。本作のみを読みたい方はここで引き返してください。

GAOGAO! シリーズ4作は主人公も物語も別個だが、世界観と時系列はひとつながりの年表として連続しており、本作はその中間——ドーム都市の時代にあたる。

第4作『カナン ~約束の地~』の冒頭プロローグには西暦とドーム紀元を併記した年表が置かれており、本作は D.C.269年——ドーム紀元269年に位置づけられている。「樹海のクラブHT1は既に死滅していたが住民には隠蔽されていた」という記述は、本作で暴かれる真相とそのまま一致する。

  • A.D.1993 日本(第1作) — 生物工学者フリッツ・ウォーレンが伊集院財閥の後押しで、ウィルスによる新生命体の創造を極秘に研究する。彼の死後も研究は財閥に継承される。
  • A.D.2014 アメリカ — フロリダの田舎町で些細なミスからバイオハザードが発生。実験段階を遥かに超えたウィルスが風で全世界へ拡散する。これがクラブHT1である。
  • およそ一世紀 — 各地でドーム都市の建設が進む。日本の伊集院財団が主導した人類最初のドームがイジュウインシティと名付けられ、その完成日がドーム紀元の起点となる。本作でも作中の都市名として言及される。
  • D.C.269(本作) — 樹海のクラブHT1は既に死滅しているが住民には隠蔽されている。ドーム内で変異体が生まれ始め、ジャッキーの共振能力が覚醒する。管理体制の嘘が暴かれ、一行は樹海へ脱出する。
  • D.C.281 — 変異体の存在が公表され、人類による迫害の時代へ。だが変異体は増え続け、人類は減少していく。
  • その後の数百年(第3作・第4作) — 人類はドーム都市を放棄して地下へ逃れ、地上では変異体が新たな文明を築く。第4作の舞台はイジュウインシティ攻略である。

第1作のミィが猫娘で「ミィ」としか言えず記憶を失っていたのに対し、本作のリアは獣耳で「みゅう/みぃ」と鳴き、首輪に PANDORA と刻まれている。同じ「変異体」というモチーフが、管理型ドーム都市と人工子宮という設定へ精緻化されていく過程が、この2作を並べると見えてくる。