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キャラクター詳細 — 銀色(ぎんいろ)

儀助(ぎすけ)

ぎすけ
第一章 主人公
儀助
読みぎすけ
立場主人公・山賊
第一章

古代の山垰を根城にする山賊。一人称「俺」。幼少期に村で疱瘡(天然痘)が流行し、父が生き埋めにされた。妹弟と共にぼろ家に閉じ込められて焼かれ、一人だけ生き延びた。以降、人と関わることを避けて流れ着き山賊になった。

色街から逃げてきた名無しの少女を匿い、朱の糸で髪を結い、銀の糸のお伽話を語り聞かせる日々を送る。口数が少なく感情を直接表さないが、少女への確かな情がある。

セリフ
  • 「それを持っているだけで、どんな願い事も叶うそうだ」「すげえだろ?」「ま、ただのお伽話さ」(銀の糸お伽話)
  • 「『あやめ』なんてどーだ?」(死んだ少女に名前を贈る場面)

冬に少女が高熱で死亡する。儀助は雪の渓川に墓を掘り、季節外れに咲いた一輪のあやめを見て「『あやめ』なんてどーだ?」と初めて名前を贈る。同時に自分も「儀助」と初めて名乗る——物語を通じて名前を持たない「俺」だった男が、少女に名前を贈った瞬間に自分の名も得る。第一章は固定エンドで少女の死は変えられない。以降の儀助の行方は語られない。

名無しの少女(あやめ)

なまえのないしょうじょ
第一章 ヒロイン
名無しの少女(あやめ)
名前名無しの少女(後に「あやめ」)
立場ヒロイン
第一章
CV綾川りの

色街育ちで、右足の腱を切られて逢津の垰に逃げてきた少女。誰にも名前をつけてもらえないまま育った。第五章「錆」でこずえが赤子に「あやめ」と名付けたが、その後の経緯で名前は持たないまま成長した。白い顔。足が不自由。儀助朱の糸で髪を結う。

セリフ
  • 「…誰も気付かなくてもいいの。…弱々しくてもね…光っていたんだよ…こんな、わたしでもね…確かに…確かに生きていたんだよ…」(死の直前の独白)

冬に高熱で死亡。死の直前に上記の独白を残す。死後に儀助から「あやめ」という名を初めて贈られる。少女が生前に自分の名前を聞くことは叶わなかった。この「死後の命名」が、本作の「あやめ」転生モチーフの起点となる。第五章「錆」と第一章を並べると、この少女はこずえが託した赤子あやめと同一人物であることが示唆される。

こずえ

こずえ
第五章「錆」主人公
読みこずえ
立場主人公
第五章(回想)
CV間瀬洋子

第五章「錆」の主人公。一人称「私」。CV:間瀬洋子(完全版)。旱魃の村で親に捨てられ、姉と二人で生き延びようとした少女。姉が身売りで養っていたが梅毒で死亡。こずえも幼くして身売りを余儀なくされ、街で力尽きる。

街で事切れる直前、街人に「この赤子の名前は?」と問われ、最後の力で「あやめ」と答えて死ぬ。この赤子が第一章の名無しの少女として育つ。こずえが赤子に贈った「あやめ」という名が、作品全体を貫くモチーフの源流となる。固定エンドのみ。

久世頼人(くぜ よりひと)

くぜ よりひと
第二章 主人公
久世頼人
読みくぜ よりひと
立場主人公・貴族
第二章

久世家の末弟。一人称「俺」。貴族ながら誠実な性格。領地調査の名目で鷺宮神社に逗留するが、実際は久世家が探していた「銀の弦の琴」の調査が目的。神主・周防一輔と接触し、巫女・狭霧と出会う。秘密の任務を帯びながら、狭霧との関係を通じて本来の任務より大切なものに気づく。

グッドルートでは狭霧人柱として捧げられることを阻止し、己の血を用いて銀の弦の琴を奏で雨を呼ぶ。人柱を不要にし、狭霧と里に留まることを選ぶ。この二人の子孫が第五章の「久世」家として続く——第五章主人公・久世頼人の直系の子孫。バッドルートでは狭霧を背負って逃げようとするが村人に塞がれ、共に穴に埋まる。

狭霧(さぎり)

さぎり
第二章 ヒロイン
狭霧
読みさぎり
立場ヒロイン・巫女
第二章
CV藤野らん

鷺宮神社の巫女。CV:藤野らん(完全版)。幼い頃に身寄りなく神社に預けられ、周防一輔が神主として育てた。穏やかで献身的な性格。

「こうやって、舞い散る桜の下にいたかったのです」(初登場)

幼少期に隣村の干ばつで人柱として捧げられかけたことがある。神主・周防一輔は世話役である一方で、狭霧を次の人柱にする役目を担っていた——これが周防と狭霧の複雑な関係の核心。グッドルートでは頼人の血の捧げ物によって人柱の役目から解放され、頼人と里に留まる。二人の子孫が第五章の久世家となる。

佐々井夕奈(ささい ゆうな)/ 通称「ねーちん」

ささい ゆうな
第三章 ヒロイン・姉
佐々井夕奈
読みささい あさな
立場主人公兼ヒロイン
第三章
CV綾川りの

佐々井亭を一人で切り盛りする有能な姉。CV:藤沢智子(完全版)。表向きは穏やかで頼れる存在として描かれる。常連客・志朗との関係も自然な流れに見える。

セリフ
  • 「朝奈、お店の営業時間中は『店長』でしょ?」(日常シーン)

妹・朝奈への深い「家族独占欲」を内に秘めていた。朝奈と志朗の距離が縮まることを察知すると、積み重なっていた独占欲が引き金を引く——表面の穏やかさが崩れ、人格が変容する。デスエンドでは志朗を刺殺。グッドエンドでは朝奈・志朗の関係を受け入れ、三人で店を続ける。2005年頃にヤンデレという概念が広まった際、「2000年に既にこういうキャラがいた」として再評価が起き、ニコニコ大百科に「時代がねーちんに追いついた!」という記事が立てられた。ヤンデレキャラの先駆例として現在も参照される。

佐々井朝奈(ささい あさな)

ささい あさな
第三章 主人公兼ヒロイン
佐々井朝奈
読みささい ゆうな(ねーちん)
立場ヒロイン・姉
第三章
CV藤沢智子

佐々井亭の妹。一人称「あたし」——本作唯一の女性主人公視点。CV:綾川りの(完全版)。元気で素直な行動力がある。亡き母あやめが遺した白石の銀首飾りを大切にしている。

セリフ
  • 「お姉ちゃんの相手はあたしがちゃーんと探してあげるから」(志朗への台詞)

志朗への恋心を自覚し、姉・夕奈の変容に揺れる。グッドルートでは姉と和解し三人で店を続ける。デスルートでは姉に志朗を奪われ一人残される。また朝奈の「母あやめ」は既に他界しており、遺した銀首飾りが銀の糸モチーフの第三章における変形として機能する——直接的な「銀の糸」は登場しないが、亡き母の形見の首飾りという形で引き継がれている。

吉備大井跡(きびのたいら)

きびのたいら
第四章(古代)主人公
読みきびのたいら
立場主人公・帰化人
第四章(古代)

大陸帰化人の血を引く五行博士。一人称「俺」。陰陽五行の知識を持つ知識人(吉備氏の出自)。久世家から銀糸創成を依頼される——代価は創成者の命。

セリフ
  • 「…一花咲かせる、というのさ」(銀糸創成を決意して)
  • 「…お前も花なのだよ」(妻あやめへ)

命を賭けての銀糸創成。しかし村娘あやめと出会い祝言を挙げ初夜を迎えた大井跡は、妻への未練を断ち切れなかった。「死にたくない」という迷いが代価の純度を下げ、糸は銀でなくに染まる。命は落とすが完全な銀の糸は完成しない。古代パートは固定——グッドエンドでもバッドエンドでも大井跡の結末は変わらない。第四章古代パートの結末は選択肢によって変えられない。

三井真也(みつい しんや)

みつい しんや
第四章(現代)主人公
三井真也
読みみつい しんや
立場主人公・大学生
第四章(現代)

引っ越したばかりの大学生。一人称「俺」。カウンセラーから「失声症の女性とは距離を取れ」と言われるが、ホワイトボードで会話する喫茶店員・銀子への気持ちを断ち切れない。

グッドルートでは銀子への想いを告白する。銀子から「自分の声で好きって言いたいから…」という返答をホワイトボード越しに受け取る。True Endでは同じ喫茶店で銀子が声で「三井さんが好きです」と言える姿が描かれる——第四章グッドエンドでは声が出なかった銀子が、True Endで初めて声を出せるようになる。バッドルートでは銀子と別れる。

篠崎あやめ(しのさき あやめ)/ 通称「銀子」

しのさき あやめ
第四章(現代)ヒロイン / True End
篠崎あやめ(銀子)
読みしのさき あやめ(銀子)
立場ヒロイン・喫茶店員
第四章(現代)
CV狩奈まえ

喫茶店のウェイトレス。CV:狩奈まえ(完全版)。事故後の心因性失声症により声が出ない。ホワイトボードを使って会話する。三井との交流を通じて「自分の声で好きと言いたい」という意志を持つ。

セリフ
  • 「自分の声で好きって言いたいから…」(三井の告白への返答、ホワイトボード)
  • 「私の中の線が消えても、大切にしているボード。…今もあの人に向けられている…」(True End)

第四章グッドエンドでは「自分の声で好きって言いたいから」とホワイトボードで返答し、リハビリを誓う。True Endでは声を取り戻し「三井さんが好きです」と自分の声で言える姿が描かれる。銀子(現代あやめ)は「あやめ」転生示唆の最終形——第五章「錆」の赤子から始まる「あやめ」の連鎖が、声を取り戻した現代の喫茶店員で締まる。

石切いすな(いしきり いすな)

いしきり いすな
第五章「錆」ヒロイン
読みいしきり いすな
立場ヒロイン・皇族姫
第五章
CV夏海萌

皇族の姫。CV:夏海萌(完全版)。強い意志と誇りを持つ。久世と共に銀糸を取り戻す旅に出る。

セリフ
  • 「忘れ物を捜しに行くだけです…それが約束ですから」(久世死後)
  • 「それが私に課せられた業ですから…いつの日か私の使命と、全てに終わりがくる日まで…ずっと…」(千年放浪ED独白)

旅の途中で久世が戦闘の負傷により死亡する。久世の遺言「代価を払うからこそ価値がある」を胸に、鷺宮神社銀の弦の琴を献納して海を渡る。以後、千年以上の放浪の旅を続ける。本章は固定エンドのみ。いすなの旅の結末は明かされないまま余韻として置かれる。

久世(次代)

くぜ
第五章「錆」主人公
読みくぜ
立場主人公・領主
第五章(頼人の子孫)

地方領主。一人称「俺」。第二章の頼人狭霧の子孫。石切いすなと共に銀糸を取り戻す旅に出る。

セリフ
  • 「やはりいかなる願いも…代価を払うからこそ価値があるのではないだろうか?」(瀕死の床での遺言)

旅の途中で戦闘の負傷を受け瀕死となり、上記の遺言を残して死亡する。久世の死がいすなの千年放浪の旅の出発点となる。久世は第二章の頼人の直系の子孫であるため、頼人がグッドエンドで「代価を払って狭霧と里に留まった」という選択の果実が、数百年後に久世という形で引き継がれているとも読める。


その他の登場人物・補足キャラ

鍋島志朗

なべしま しろう
第三章 主人公 陸軍将校

第三章「朝奈夕奈」の主人公の一人。一人称「俺」。近代帝国期の陸軍軍人で、佐々井亭に下宿する常連客として描かれる。誠実な性格で、姉妹それぞれと真っ当な距離を保とうとするが、朝奈との恋愛感情が深まるにつれ、姉夕奈の独占欲を刺激する立場になる。グッドエンドでは三人で店を続けるが、デスエンドでは夕奈に刺殺される——本作で唯一、主人公が物語内で死亡する分岐を持つキャラ。

「店長、今夜は遅くなりますか」— 第三章、佐々井亭での日常会話

周防一輔

すおう かずすけ
第二章 鷺宮神社神主

鷺宮神社の神主。10年前に身寄りなく預けられた狭霧を巫女として育てた世話役だが、本来の役目は彼女を次代の人柱として捧げることだった——保護者の顔と祭祀官の顔を二重に背負う複雑な立場のキャラ。狭霧への情と神社の役目との間で葛藤を抱える。頼人を表向きは領地調査の客人として受け入れつつ、人柱の準備も並行して進めていく。

「世話焼きな所もありますが、悪い娘ではありませんのでな…」— 第二章、頼人に狭霧を紹介する場面

あやめ(古代)

あやめ
第四章 古代パート ヒロイン CV: 春野ゆきね

第四章「銀色」古代パートのヒロイン。村娘で、大井跡と祝言を挙げ初夜を迎える。大井跡が銀糸創成のために翌日命を落とすことを互いに知った状態で結ばれる、という重い前提を背負う立場。穏やかで控えめな性格だが、夫の覚悟を理解した上で「最後の一夜」を共に過ごす精神の強さを持つ。本作の連鎖する「あやめ」の名のひとつ——古代の祝言初夜の場面で大井跡が「…お前も花なのだよ」と告げる場面が、後の章の銀子(篠崎あやめ)まで続く名の系譜の中継点となる。

「…はい」— 第四章古代、祝言初夜の応答

篠崎仁志(マスター)

しのさき ひとし
第四章 現代 喫茶店オーナー

篠崎あやめ(銀子)の父。喫茶店「マスター」として店を切り盛りしており、娘を見守る父親兼オーナーとして登場する。失声症を抱える娘に近づく三井に対しては、警戒と信頼の間で揺れる立場。直接的な台詞は多くないが、現代パートの空気感——銀子の沈黙を受け止め続けてきた家族——を支える背景キャラとして機能する。

「うちの娘を、よろしくお願いします」— 第四章現代、三井への会話

姉(こずえの姉)

あね
第五章「錆」 CV: 春野ゆきね

第五章「錆」前半に登場する、こずえの姉。旱魃の村で親に捨てられた姉妹のうち、年上として妹こずえを養うために身売りを選んだ女性。妹を生かすために自身を代価として差し出した、本作のテーゼ「代価を払うからこそ価値がある」の最初期の体現者の一人。最終的に梅毒で死亡し、こずえもまた身売りを余儀なくされる悲劇の連鎖の起点となる。直接の台詞は少ないが、第五章前半の沈鬱なトーンを決定づける存在。


おまけシーンのキャラクター

雪希

ゆき
おまけ「雪希海編」 妹系ヒロイン

本編とは独立したおまけシナリオ「雪希海編」のヒロイン。健二の妹で、海水浴を中心とした明るい日常シーンの中心人物。本編の重い空気からは完全に切り離された、夏の海・水着・兄妹のじゃれ合いという軽やかな枠で描かれる、サービス的な短編キャラ。本編との物語上の接続は持たない。

健二

けんじ
おまけ「雪希海編」 雪希の兄

「雪希海編」に登場する雪希の兄。海辺の日常シーンを共にする男性キャラとして配置される。本編の主人公連とは無関係の、おまけ枠専用キャラ。

ほたる

ほたる
巻頭おまけ「バニーH」 CV: 間瀬洋子

本編開始前に置かれている巻頭おまけ「バニーH」シーンの追加キャラ。三井銀子とともに登場するが、本編の文脈とは完全に切り離されたサービスシーン専用の存在。バニーガール衣装での合意プレイという演出のためだけに配置されており、第四章現代パートの銀子の真摯な人物像とは対照的なファンサービス枠キャラ。