キャラクター詳細 — 下級生2
攻略対象は9名。大山恵比子と井伏オキエは同一人物のため、二つの名義を1枠として扱っています。本作の登場人物には作中でふりがなが振られていないため、読みは記載していません。
ちびキャラ画像は『下級生2』のキャラクターを基に当サイトで作成した二次的イラストです。原作の著作権は現在の権利者に帰属します。
織屋浪馬
| 立場 | 頼津学園3年。視点人物 |
|---|---|
| 所属 | キックボクシング同好会 |
| 一人称 | オレ |
| 備考 | プレイヤーが名前を変更できるが、デフォルト名として「織屋浪馬」が埋め込まれている |
軽口とハッタリで押し通す享楽的な主人公。自己申告は一貫して大仰で、「オレは生まれながらの選ばれた存在だからな。どこにいても光り輝いてしまうのだ」と真顔で言う。思ったことを口に出して自分の首を絞めるのが基本の笑いの型で、失言のあとには必ず物理的な反撃が入る。
格闘技の実力は町にも知れており、柄の悪い相手が名前だけで怯む。ただし暴力の使いどころには自分で線を引いている。
この主人公の芯が最もよく出るのは、教師を襲った相手を殴りかけて止められる場面である。従うが、納得はしていない。
若井みさき「ぼ、暴力はダメよっ!」
主人公「先生がされたことだって暴力だろっ」
若井みさき「でも、暴力に暴力で返してたらきりがないじゃない」
主人公「先生がダメって言ってるから一発で我慢してやるけど、こっちは容赦しないからな」
もうひとつの特徴が、照れると態度が悪くなること。感情を伝える場面では必ず自分で茶化して逃げる。
主人公「なんちゅうか、そういう時はオレが元気を分けてやるからよ、何でも相談してくれ……って言うか、こういうのはオレのキャラじゃねえんだよ!」
主人公「とにかく! お前の側にはいつもオレがいるんだから、一人で落ち込んだりしないで、オレを頼りやがれって言ってんだ!」
卒業後の進路はルートごとに大きく変わる。
- 柴門たまき — 猛勉強して同じ大学へ。同棲する部屋を探している
- 高遠七瀬 — 一年遅れで同じ大学へ進み、弁護士になる。検事の七瀬と法廷で対立する
- 平沢博子 — 澁澤理化学研究所に住み込み、ロボ開発者になる
- 大山恵比子/井伏オキエ — 彼女と同じ大学に合格し、祝いに沖縄へ行く
- 誰とも結ばれず — 修理工場ビッグボデーで働いている。彼女はいない
「オレは生まれながらの選ばれた存在だからな。どこにいても光り輝いてしまうのだ」雨堂刃に「遠くからでも一発でお前だってわかった」と言われて
「いいから笑え。オレは、お前の笑顔が好きなんだよ!」柴門たまきに
「オレとお前は運命共同体。切っても切れない間柄なんだよ」柴門たまきに
「オレの可能性は無限大だからね」横溝ふみに将来を問われて
「おろ? 思ったより知能高いんだ。バカにされたのがわかるなんて」絡んできた男に
「んなもん、お前の生活環境を考えればすぐにわかる」堀出実果に
柴門たまき
| 立場 | 浪馬の幼なじみ。キックボクシング同好会マネージャー |
|---|---|
| 呼び名 | 浪馬 →「タマ」/たまき →「浪馬クン」 |
| 笑い方 | 「あははっ」 |
| 備考 | パッケージのメインヒロイン。物語の開幕を担当する |
世話焼きで、面倒見のよさが行動として描かれる。家からの貰い物を口実に浪馬の部屋へ食料を届けにくる場面が9パターンも用意されており、スイカ、栗ご飯、秋刀魚、手作りのハンバーグとコロッケまである。
口調は終始くだけていて、浪馬を子ども扱いする言い回しを好む。ツッコミ役でありながら、「二人で一緒に銭湯通いってのもロマンチックでいいかも」と天然の受け答えを返すこともある。
◆「彼氏」の描写
たまきには恋人がいる。地の文が「例のカレシ」と呼び、浪馬もそれを知っている。描写は3つの場面に分かれており、いずれも浪馬が別のヒロインとデートしている最中に目撃するという構造を取る。最後の場面はホテルの前で、男が別れを切り出す。
男の声「もうわかってるんだよ。キミが本当に心を許してるのは僕じゃなくてアイツだ」
柴門たまき「でも私はあなたのことが――」
男の声「なんか面倒くさくなってきちゃったからさ、やっぱり終わりにしようよ」
飛び出してきたたまきが浪馬とぶつかり、立ち聞きが露見する。残されたたまきは追いかけろという浪馬の言葉を受け付けない。
柴門たまき「もういい」/「もう、いいの……」
柴門たまき「それに、あの人の言ってたことだってあながち間違いじゃないから」
柴門たまき「悪いけど、私しばらく一人で考えたいの」
事実関係の整理。交際があったこと、それが浪馬に知られていたこと、別れが男の側からの申し出だったことは、いずれも作中に明示されている。一方で性的な行為は一度も直接描かれない。示唆しているのは場所と浪馬の推測の独白だけで、たまき自身は最後まで否定しようとして遮られている。ネット上で語られた「非処女設定」という言い方に対応する明示的な記述は、作中に存在しない。
◆ その後
別れの直後は会話そのものを拒む状態が用意されているが、やがて調子を取り戻す。クリスマスの公園で関係の呼び名が変わり、バレンタインで本命であることが明かされる。
柴門たまき「今の私たち、幼馴染には見えないよね。きっと」
柴門たまき「大好き、だからね」
柴門たまき「それ以外には誰にもあげてないんだよ。 望くんにも刃くんにも、ビッグのおじさんにも……」
主人公「吾郎にもか?」
柴門たまき「うん。お父さんにも渡してない」
◆ 結末
卒業から一年後、二人は同棲する部屋を探している。浪馬は猛勉強してたまきと同じ大学に入学していた。誰とも結ばれない結末では、好感度に応じて三段階に書き分けられる。上の段でも「距離には勝てなかった」、下の段では「詳しいことはなにも知らないのだ」——幼なじみという関係が、そのまま到達点にも限界にもなる。
「友情……だけ?」序盤、浪馬が「友情の証し」と言った直後
「あははっ。心臓がね、破裂しそうなの」
「それ、私の気持ちだから。じっくり味わって食べてね」バレンタイン
「スイカでーす。お母さんの田舎からいっぱい送ってきたの。食べたいでしょ?」
「あははっ。ちゃんと噛んで食べるんだよ」
「久しぶりだよね。こんな風に4人で出かけるのって」「いつまでも仲良しでいたいよね」
高遠七瀬
| 立場 | 頼津学園 自治会副会長。学園祭実行委員 |
|---|---|
| 呼び名 | 浪馬 →「七瀬」/七瀬 →「あなた」 |
| 特徴 | 紅茶の等級を延々と説明できる。評価が容赦なく辛い |
規律の人。罵り合いに発展した部長会を「鎮まりなさい、見苦しい!」の一喝で制圧し、処理は感情ではなく手続きで進める。責任感が強すぎて自分を削っており、執行部で居眠りしている場面では寝言まで仕事である。
知識で武装しており、それを隠さない。美術館では彫刻に触れながら時間をかけて観察したうえで「この彫刻はゴミね」と切り捨てる。
正論を通すために危険へ踏み込む人物でもある。路上喫煙者を注意して3人組に囲まれる場面では、浪馬の地の文が引いている。「あちゃー……言っちまったよアイツ」。
建前が外れるのは酒の場である。引き取り役が浪馬に回るという逆転が起き、そこで自己評価が漏れる。
高遠七瀬「ど~せ、わたしはつまらない女ですよ~……堅っ苦しいし、すぐ怒るし、言うことキツイし……」
高遠七瀬「うふふ♪ でもね~、そんなわたしでも、気にかけてくれる人はいるんだもん」
> もしかしてこれって……オレのことか?
独占欲は静かな形で出る。プリクラを撮る場面で「あなたと一緒に撮りたいだけで、別に誰かに見せびらかしたいわけじゃないから」。告白は花言葉を借りて行われ、クリスマスの植物展示でポインセチアを指す。
高遠七瀬「あなたのせいなんだから」
主人公「へ?」
高遠七瀬「ポインセチア……」
主人公「『私の心は燃えている』……」
高遠七瀬「……うん」
◆ 結末
七瀬は大学で法律を学んで検事になり、影響された浪馬は一年遅れで同じ大学へ進んで弁護士になる。二人は同じ法廷で真正面から対立し、裁判長に「夫婦喧嘩なら帰っておやりなさい!!!」と一喝される。作中で「鬼の織屋」と呼ばれているのは七瀬のほうで、結婚して姓が織屋に変わっている。
エンディング後半では、担当する虐待死事件をきっかけに、七瀬が自分の性格への不安を打ち明ける。「わたしたちに子供ができて、もしもそんな風に死なせてしまったら……って」。浪馬はこれを逃げ道の有無の問題として返し、締めくくりは対等さの確認になる。
> オレが彼女を変えたように、オレも彼女によって変えられてしまった。
> オレには彼女が必要で、彼女にもオレが必要だ。
「代表者たる人間がこんな低俗な争いをしてどうするんですか!?」部長会
「わからないままで思考停止することの方がよっぽど気持ち悪いわ」美術館
「自分の責任くらい、自分で取ります」
「これくらい常識よ」紅茶の等級を説明したあと
「あんなの、お茶じゃないわ。あれをお茶って言ったら本当のお茶に失礼よ」ティーバッグについて
「あら、わたしはそれでも構わないけど」「鬼の織屋」と呼ばれて
若井みさき
| 立場 | 頼津学園の美術教師 |
|---|---|
| 呼び名 | 浪馬 →「みさき先生」/みさき →「キミ」「浪馬くん」 |
| 住居 | 黒猫荘(堀出実果と同じアパート) |
| 笑い方 | 「ふふふ」 |
穏やかで、からかいを笑って返す余裕がある。初登場はソフトボールでホームランを打つ場面で、運動能力は高い。教師と生徒という関係の危うさを本人が繰り返し口にするが、その警戒がすでに形だけになっていることに自分で気づく場面が続く。
◆ 隠し撮り写真の伏線
浪馬が拾った写真から、みさきの過去が示唆される。この伏線は台詞ではなく地の文の反復で仕掛けられている点が特異で、本作でここにしか使われていない手口である。序盤にみさきの体格を評した地の文が、写真を見る場面で一字一句そのまま再利用される。
> 素人のコスプレ……ではないだろうな。モデルさんのスタイルが良すぎるし、コスチュームの出来もいい。
> 今のセリフ、どっかで言ったことあるような……。
> も、もしかしてこれって、みさき先生なんじゃないか?
◆ ストーカー事件
「オタクちゃん」と呼ばれる人物が、みさきに看護婦の衣装を着せて撮影しようとする。浪馬が割って入り、カメラのフィルムを露光させて片を付ける。直後、みさきは浪馬を止める。暴力を否定するのがこの人物の芯である。
若井みさき「でも、暴力に暴力で返してたらきりがないじゃない」
◆ 誰とも結ばれない結末での扱い
9人のなかで、みさきだけが構造的に異質である。他の8人が距離の問題として書かれるのに対し、みさきは第三者の作為によって物語から退場させられる。
> 教師を辞めさせて欲しいと。……結局、みさき先生は戻ってこなかった。
> 噂では地元の名士の息子と見合い結婚をしたらしい。
> なんでも父親が倒れたというのは実は狂言で、見合いをさせるために、先生を騙しておびき寄せたと言うのだ。
> ……現実として、今オレのそばには『若井みさき』という女性は存在しない。
「私たちが二人きりで出かけたりしたのは事実だから」
「どこで誰が聞き耳を立ててるかわからないんだから」
「ち、近づかないで。それ以上近づいたら大きな声を出すわよ」ストーカーに
「象が踏んでも大丈夫ってやつ?」
「こうやってプカプカ浮かんでボーっとするのもプールの楽しみ方の一つ。そうは思えない?」
「んもう、何度も同じネタを使わないで」
沢村香月
| 立場 | 頼津学園に来た教育実習生(大学生) |
|---|---|
| 呼び名 | 浪馬 →「香月さん」「香月ちゃん」「沢村センセ」/香月 →「織屋くん」 |
| 指導役 | 志藤晴人 |
| 口癖 | 「……あぅ~」(困ったとき) |
実年齢より幼く見えることが、この人物の基幹設定であり、繰り返しネタにされる。浪馬は初対面で教育実習生だと信じず、「小学生が教育実習に来るなんてことは、ほぼ確実にありえないんだよな?」と友人に確認する始末である。
街を歩けば補導されかけ、そのやりとりだけで丸ごとひとつの場面になっている。身分証を出しても通じない。
甲高い声のオバサン「見た目に決まってるザマス! この子は、例え右斜め45度から見たって中学生ザマス!」
主人公「いや、まあ。それは認めるけど」
沢村香月「……あぅ~」
甲高い声のオバサン「顔写真の箇所に猫の写真が貼ってあるなんて、偽物に決まってるザマス!」
沢村香月「そ、それは友達が貼ったシールで、剥がせばちゃんと私の顔がー……」
中身も年相応に見えないというのが一貫した書き方で、教師としての自覚を欠いて指導教員に叱られる。雨に喜んで鼻歌を歌い、待ち時間にしりとりを始め、負けそうになると判定を自分に有利にする。
志藤晴人「それが何だ? 没収するはずのお菓子を、生徒と一緒になって食べてたなんて、まったく……」
沢村香月「で、でも新製品だったんですよ?」
攻略ヒントで香月に与えられた言い換えは「ちっちゃなおねえさん」。ヒント機構では学園の生徒が「女の子」、年長の3名が「おねえさん/女性」と呼び分けられているなか、香月だけがこの矛盾した呼ばれ方をしている。ヒントの語彙まで、この人物の基幹設定に合わせて作られている。
「せっかくだから待ってる間、しりとりでもしない?」
「あ~あ、残念。返せなかったからそっちの負けね」しりとりの判定
「短い期間ではありますけれど、精一杯頑張りますので、よろしくお願いします」着任の挨拶
白井夕璃
| 立場 | 頼津学園の新入生 |
|---|---|
| 所属 | 吹奏楽部(クラリネット) |
| 呼び名 | 浪馬 →「夕璃チャン」/夕璃 →「先輩」「浪馬先輩」 |
| 笑い方 | 「クスクスッ」(一貫して固定) |
礼儀正しく、常体を使わない。語尾は「です」「ます」「ハイ」で統一されている。浪馬の軽口には乗らず、素で受け止めてから固まる——クラリネットを別の楽器と言い間違えられる場面が、この人物の反応の型をよく示している。
気遣いが先に出る人物でもある。おぶられている場面でも「先輩こそ大丈夫ですか? わたし、重くないですか?」と気にする。そして「言いかけてやめる」型を与えられている。
白井夕璃「あのですね。その……先輩って、わたしのこと……」
主人公「……」
白井夕璃「い、いえ、やっぱりいいです。忘れてください」
◆ 撮影の仕事
中盤、夕璃が関わっているカラオケビデオの撮影に浪馬が駆り出される。役者として使われる理由は身も蓋もない。
白井夕璃「クスッ。監督さん言ってました。これで役者ひとり分の経費が浮くって」
監督「聞いてるわよ、夕璃ちゃんから。キックボクシング、やってるんでしょ?」
◆ 学年差
浪馬が卒業していく側であることが、このルートでは最初から時間切れとして効いている。終盤に出てくるのは、学年差そのものへの嘆きである。
白井夕璃「あと2年……いえ、せめて1年早く生まれていれば、もっともっと先輩と一緒の学園生活を送れたのに……」
白井夕璃「先輩、もう一回頼津学園に入学しませんか?」
「きっと、先輩と一緒だからなんですね」プールが楽しい理由として
「申し訳ありません先輩。なんだか追い返すみたいで」部活動中の私語を注意されて
「クスクスッ、これはクラリネットです」
「オーボエの方が知らない人、多いと思いますけど?」
「クスクス、おかしな先輩」
横溝ふみ
| 立場 | 頼津学園の図書室司書 |
|---|---|
| 呼び名 | 浪馬 →「ふみさん」/ふみ →「お前」「浪馬」 |
| 外見・特徴 | 眼鏡。本作のヒロインで唯一の喫煙者 |
| 素養 | 学生時代は天文部。ビリヤードの手本を見せる側 |
一人称は「私」だが、語尾は「〜だ」「〜だぞ」で相手を「お前」と呼ぶ。罵倒が挨拶がわりになっており、浪馬の下品な物言いにも動じず説教で返す。星の話をするときだけ声が弾む。
◆ 年齢という主題
ふみは自分から年の話をするが、他人から言われると態度が変わる。それを浪馬の地の文が拾う。
主人公「ダメだってば。そんなに若くないんだから、あんまり無理しちゃ――」
横溝ふみ「……むっ……」
> 普段は自分から年の話をするくせに……。
> 人からされるとむかつく……ってことなのか?
不安は、浪馬との差として言語化される。彼が「オレの可能性は無限大だからね」と軽く返した直後に、対比が最も鮮明になる。
横溝ふみ「可能性は無限大か……確かにお前はまだ若い。いくらでも可能性がある。だが、私は……」
主人公「ふみさん?」
横溝ふみ「ん? あ、いや……なんでもない」
浪馬の助言への応答が、この人物の立ち位置を要約している。
主人公「そういう時は自分に素直になればいいと思うよ?」
横溝ふみ「自分に素直に……か。ふふ、お前もたまにはいいことを言うんだな」
横溝ふみ「それが出来れば、どんなに簡単なことか……」
◆ 動機を問い質す
ふみは浪馬の動機を正面から問い質す場面を持つ。3通りの答えが用意されているが、どれを選んでもふみは信じる側に立つ。
横溝ふみ「いや、信じよう」
横溝ふみ「もしお前が噂どおりのヤツだったとしても、わざわざ嫌いな相手を誘ったりはしないだろうからな」
横溝ふみ「まあな。もし、お前が本気になってしまっていたら、と思ってな」
デート中に浪馬が上の空になった際、9人のなかで唯一はっきりと咎めるのもふみである。
横溝ふみ「……そういうことは、一緒に居る相手に対してマナー違反じゃないのか?」
横溝ふみ「なにかは知らないが、今の私よりも大事なことがあるんじゃないのか?」
「先の事を考えていたら、ちょっと不安になっただけだ」
「興味があるのは健全だがな。悪いことは言わない……一度、今の生き方を考えたほうがいいぞ、お前」
「だから急げと言ったんだ、バカ」
「見てわからんか? 甲斐性なしめ」
「たまに、吸いたくなる時があるんだ。考え事をしてる時とかな」
堀出実果
| 立場 | 路上でギターを弾いている。学校には行っていない |
|---|---|
| 住居・職場 | 黒猫荘に住み、修理工場ビッグボデーで働く |
| 呼び名 | 浪馬 →「実果」/実果 →「浪馬さん」 |
| 話し方 | 一人称「オレ」、語尾は「〜ッス」。笑い方は「キヒヒヒヒ」 |
本作のヒロインで最も口が悪い。羞恥心の欠如がこの人物の中心にあり、それが繰り返し笑いとして機能して、たしなめる側にまわるのがいつも浪馬という逆転を生む。
初登場は、浪馬が実果の「最初の客」になる場面である。
堀出実果「ひょっとして……お客さん……ッスか?」
主人公「え? あ、ああ。まあ、そうなるのかな」
堀出実果「うわぁ、やったぁ! 初めてのお客さんッス!」
労働を心から肯定するのも特徴で、ビッグボデーで働いたあと「働いたときの汗って、最高ッスね!」と言い切る。
◆ 中身が最もよく出る場面
野良猫に餌をやるとき、実果は順番を守らせようとして猫相手に本気で交渉する。弱いものを優先するという原則が、この人物にははっきりある。
堀出実果「だぁ~かぁ~らぁ~! いっつも、チビのが先だって言ってるだろ? オマエらは後なの!」
堀出実果「文句があるなら食うな! つうか、オマエらは自分でエサとれるだろ?」
> なんか、会話が成立してないか?
堀出実果「そうそう。しっかり食べて、他のヤツらにも負けないくらい大きくならなきゃな」
「ロレンス」という犬を散歩させてもいるが、自分の飼い犬ではない。攻略ヒントで実果に与えられた言い換えは「ノラ猫のような女の子」で、餌をやる側の彼女自身が野良に喩えられている。
「気持ちよく汗かいて、おまけにお金までもらえるんだから、もう最高ッス!」
「ここにいるッスよ」「上半身ハダカになる女がどこにいる」と言われて
「まったく……この程度で恥ずかしがるなんて、子供みたいッスよ?」
「向こうが堂々としてるんだから、こっちも堂々としてあげないと可哀相じゃないッスか」動物園で大声の実況をとがめられて
「あっ、ひょっとして、ロレンスにジェラシーッスか? それ、ヒトとしてどうなんスかね?」
大山恵比子/井伏オキエ
| 立場 | 他校の生徒。全寮制の学校に通っている |
|---|---|
| 関係 | 大山恵比子=井伏オキエ。太っている状態が本来の姿、痩せている状態で名乗るのが「井伏オキエ」 |
| 呼び名 | 浪馬 →「えびす」(恵比子)/「オキエちゃん」(オキエ)/本人 →「浪馬さん」 |
| エンディング | 専用エンドは1本のみ。痩せた状態で結ばれる |
両名義に共通して、口調は丁寧で笑い方は「うふふ」。自己評価が低く、それを隠そうとして言いかけたことを飲み込む癖がある。
◆ 二人は同一人物である
「条件によって入れ替わるキャラクター」と紹介されることもあるが、作中では同一人物として描かれている。痩せているあいだは別名を名乗り、初対面のふりまでする。
井伏オキエ「うふふ、ごめんなさい。実は私たち、初対面なんです」
実装の上でも、二つの名義には会話・デート・プレゼント・電話の一式がそれぞれ用意されており、事実上2ルートとして走る。ただし合流点はただ一つで、専用エンディングは1本しかない。ストーリーイベントも恵比子名義の側にしか存在しない。
◆ 正体が知れる場面
主人公「往生際の悪いヤツだな、オマエ。ここまできといて、まだオレから逃げるってのか?」
大山恵比子「ダメーーーっ!!!」
バサッ。
主人公「えび……す……?」
大山恵比子「それで、自分でも知らないうちに、太りだして……」
大山恵比子「食事、ノド、通らなかったのに、体重だけ、どんどん、元に戻って……」
主人公「こんなにって、元の姿に戻っただけだろう?」
大山恵比子「……せっかく、可愛くなれたのに、こんな……」
大山恵比子「でも、でも痩せた私を知ってる人に、会えるわけないじゃないですかぁっ!!!」
◆ ヒント機構が裏づけている
ふるかわインストラクターがオキエを指すときの言い換えは「誰かを思い出させる女の子」。さらに正体が知れる場面に対応するヒントには、他の8人には一度も使われない形容が付く。
「吐息も凍る季節に、彼女の家を訪れると、誰かを思い出させる女の子の、衝撃的な思い出が作れそう」
◆ 結末
大学合格祝いの沖縄旅行。地の文は「恵比子」、話者名は「井伏オキエ」という混在した書かれ方をしている。一方が他方を救うのではなく、互いに相手の目標を担当し合う形で書かれているのが、このルートの構造である。
> オレが恵比子のダイエットを指導してやるかわりに、恵比子はオレの勉強を見てくれた。
> オレの成績が上がればあがるほど、恵比子のスタイルがよくなる。
主人公「うん。何かこう、いい感じに曲線が出てきてるよな」
井伏オキエ「えっ!? 私、また太ってきてますかっ!?」
「私も……私も本当は、隠れて努力を続けていることがあるんです」「……やっぱり……言えない……」
「……うん。今ならきっと……」宝石店の指輪を見つめて
「またダイエットして、必ず痩せますから!」恵比子名義で繰り返される
「見てみて。可愛いですよー、ホラ」「ふくふくですよ、ふくふくー」
「や、やだ、からかわないでくださいよー」
平沢博子
| 立場 | 頼津学園2年D組。澁澤理化学研究所でロボット開発 |
|---|---|
| 呼び名 | 浪馬 →「博子ちゃん」/博子 →「織屋先輩」「先輩」 |
| 家族 | 祖父・澁澤寅彦(博士/ドク)、助手兼家政婦の亜希子、人語を話す黒猫ハルミ |
| 備考 | 台詞量・場面数ともにヒロイン中最大。専用のロボット開発の一連が用意されている |
感情の起伏が表に出ない。語尾は「です」「ます」で、応答が短く、社交をすぐ切り上げる。クラスメイトのドラマの話題を「わかりません」「興味ありませんから」「……まだ何か?」で三段に断ち切る場面が、その書かれ方をよく示している。
浪馬は「実験の手伝い」として研究所へ呼び込まれる。これがルートの入口で、そこに待っているのが本作で最も特異な家庭環境である。
怪しげなじいさん「なるほどな、確かにいい体格をしておる。実験材料にはもってこいじゃな」
黒猫「しっかしガタイはともかく、顔はどうにか十人並みってとこか。ふふん。俺の方がよっぽど、いい男だぜ」
> ……やっぱり、このしゃべる猫か? 最初にツッコまないといけないのは。
博子は家族に対しては明確に統制側に立つ。「おじいちゃん、勝手に話を進めないでくれる? 先輩が戸惑ってるでしょう」。家族紹介でのハルミの扱いは、この家での序列をそのまま表している。
ハルミ「おいおい博子、それだけか? もっと他に言うことがあるだろ。ん?」
平沢博子「見てのとおり、オスの黒猫です」
◆ ロボット開発
開発対象は「Denx9300シリーズ・ロボ太郎壱号機」。用途の説明が要領を得ないのが定型のやりとりになっている。
平沢博子「はい。侵入者を撃退します」
主人公「子守りでもするとか?」
平沢博子「はい。そのために、にらめっこ機能が付いてます」
平沢博子「おまけに、トーンも貼れればベタも塗れます」
主人公「……」
平沢博子「他に何か質問は?」
主人公「……いえ、何もないです」
開発が成立しない側の分岐もあり、訪ねても手伝いが要らない日に発生する。「今日は祖父の方に急ぎの仕事が入りまして」。子守り機能がある理由は、のちに博子自身の口から明かされる。
平沢博子「元々、あの子に、ロボ太郎に、子守り機能があるのも、そのつもり、でしたから」
◆ 結末
卒業後、浪馬は澁澤理化学研究所に住み込み、ハルミですらも認めるいっぱしのロボ開発者になる。物語は二人の共作「新ロボ壱号・試作型ロボ太郎」の初起動の日で閉じる。9本のなかで、主人公の進路がヒロイン側の世界に完全に取り込まれるのはこのルートだけである。
「わかりません」「興味ありませんから」「……まだ何か?」クラスメイトとの会話
「ですから、ロボ太郎です」「コイツって何者なの」と聞かれて
「すいません、先輩。手伝ってもらうのはあくまで私の方で、祖父は関係ありませんから」
「どうかしたのは先輩の方だと思います。先ほどから、何かに気を取られていたようですが」デート中に上の空の浪馬へ
その他の登場人物
浪馬の古くからの友人で、たまき・砂吹望を加えた4人でつるむ関係が繰り返し描かれる。軽口の応酬が関係の基本で、「変なやつがフラフラしてると思ったら、やっぱりお前だったか」から会話が始まる。会話・電話・導入・終幕の一式が用意されており、ヒロインに準じた実装を持つ数少ない人物のひとり。連絡が雑で、名乗らずに電話をかけてくる。
一人称は「僕」。雨堂とは対照的に穏やかだが、釣りへの執着が常軌を逸している。プールでも釣りをしており、監視員の相手をさせている。「魚たちには年中行事は関係ないから」と、正月でも竿を出す。浪馬に「出たな釣り人A」と茶化されると「Aはいらないってば」と返す。彼も専用の会話・電話系統を持つ。
浪馬を「織屋」と呼んで絡んでくるが、たいてい用件がない。「やってるか、織屋」「なにを?」「なにかをだ」。呼び止めておいて「いや、別に何でもない」で終わることもある。浪馬の反応は一貫して逃げ腰で、「げげっ」と声が出る。一方で沢村香月の指導役でもあり、実習生としての自覚を説く場面では真っ当な教師として書かれている。
何でも直す修理工場ビッグボデーの主。堀出実果の雇い主で、汗をかいて働く実果を「わかってるじゃねえか!」と真っ直ぐ認める。そして、誰とも結ばれない結末では浪馬の雇い主になる。「おーい、浪馬! そろそろ休憩にすんべ」——本作でもっとも長いエンディングは、この声かけから始まる。ヒロインに混じって男性がひとりエンディングの枠に立つ、という語られ方をするのはこの人物である。
スポーツクラブ「ヒューマンネイチャー」のインストラクター。レッスンを受けると攻略のヒントを出してくれるが、固有名詞をいっさい使わない謎かけ形式で、152種類のヒントが確認できる。「桜の花咲く季節に、獣たちがたくさんいる場所でデートすると、昔馴染みの女の子と、バイオレンスチックな思い出が作れそう」——季節・場所・人物のすべてが言い換えられており、解読はプレイヤーの仕事になる。物語そのものには関与しない。
ふるかわインストラクターに付き添う二人組。ヒントは必ず「ふるかわインストラクター」→「ふたりの助手」の対で構成されるが、助手の発話は毎回「……」だけである。無言の相槌が定型として実装されている。
澁澤理化学研究所の主。サングラスとヒゲ。初対面の浪馬を見て「確かにいい体格をしておる。実験材料にはもってこいじゃな」と言い放つ。送り出しの言葉も「安心せい。死んだらわしが生き返らせてやる」で、孫の博子に「もう、いいって言ってるでしょ」とたしなめられる側に回っている。
澁澤理化学研究所の助手であり家政婦。博子を「お嬢様」と呼ぶ。カタカナ混じりの独特な発話が特徴で、「初めましテ」「ハイ」「少々お待ちくだサイ」「頑張ってくだサイ、お嬢様」といった調子で話す。
人語を話すオスの黒猫。初対面の浪馬を値踏みして「俺の方がよっぽど、いい男だぜ」と言い、地の文に「ていうか、なぜ猫がオレを馬鹿にしてる?」と突っ込まれる。博子の家族紹介では「見てのとおり、オスの黒猫です」の一言で片づけられ、本猫が抗議している。博子ルートの結末では、浪馬をロボ開発者として認める役どころに回る。
柴門家に関わる人物。料理をする描写があり(「吾郎ががんばってくれたのはいいんだけど、ちょっと作りすぎちゃって」)、浪馬は誕生日まで把握している。バレンタインの場面でたまきが「吾郎にもか?」という問いに「うん。お父さんにも渡してない」と答えているため、たまきの父である可能性が高いが、そう断定できる台詞は作中にない。
名前は与えられていない。登場するのは別れの場面ただ一つで、台詞数もごくわずかである。「キミが本当に心を許してるのは僕じゃなくてアイツだ」と告げて自分から関係を終わらせ、飛び出してきたたまきと浪馬を並べて見るなり「そういうことだったんだ」と勝手に結論づけて去る。たまきの否定は最後まで言い切らせてもらえない。
若井みさきに看護婦の衣装を着せて撮影しようとする人物。「大事にしてたナースちゃんの写真、なくしちゃったんだよお」という動機で押しかけてくる。浪馬に踏み込まれ、カメラのフィルムを露光させられて終わる。この事件は、みさきの過去を示唆する隠し撮り写真の伏線と対になっている。
白井夕璃が関わっているカラオケビデオの撮影を仕切る人物。浪馬を役者として起用する理由は経費削減だが、本人は「見せ場はいっぱい用意してあるから、好きなだけ夕璃ちゃんにかっこいいところを見せてあげるのね」と、まったく別の口実を用意してくる。
恵比子の実家に関わる場面で登場する。正体が知れる一連の場面は恵比子の家が舞台であり、そこへ至る導線に母の存在が置かれている。
高遠七瀬の家庭側の場面で登場する。規律に厳しい七瀬の背景として置かれた人物。
香月が「智香ちゃん」と呼ぶ小学生の少女。香月ルートの日常会話にたびたび話題として登場し、香月は「変なこと考えちゃダメだよ? 智香ちゃん、まだ小学生なんだからね」と浪馬に釘を刺し続ける。晴れ着の場面など、実際に同席することもある。
頼津学園の保健室にいる人物。浪馬が怪我や不調で運び込まれる場面で顔を出す、学園側の常連のひとり。
美術館に入り浸っている自称・芸術通。浪馬を見るなり「もしかして、キミもここの館長を狙ってるのかい?」「言っておくけど、先に目をつけたのは僕だからね。抜け駆けは許さないよ」と一方的に張り合ってくる。そのうえで「芸術の何たるかを教えてあげようと思ってね」と講釈を始める。
浪馬の顔色を見るなり「なにかお悩みを抱えてはおられませんか?」と切り込んでくる。「ここは常の世とは隔離された癒しの場」と前置きし、「わたくしも伝説のバーテンと呼ばれた男です」と自称して恋愛相談に乗ってくれる。