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ストーリー詳細 — 君が望む永遠

本作は第1部(高校3年の夏・事故まで)と第2部(3年後・遙の覚醒後)に大きく分かれ、第2部から水月・遙・茜・蛍・あゆ・まゆ・愛美 各ヒロインの結末へ分岐するマルチルート構成です。 ▼詳細を読む はネタバレを含みます。 プレイ済み設定をするとアコーディオンがデフォルトで展開されます。

第1部 — 高校三年の夏(事故まで)

白陵柊(白陵大付属柊学園)に通う鳴海孝之は、親友の慎二、水泳部エースの速瀬水月と気楽な日々を送っていた。水月の親友である病弱な少女・涼宮遙と両想いになり、ふたりは小さなおまじないを交わす。だが幸福は長く続かなかった。

物語は高校三年の夏、進学組の孝之と、水泳で実業団・強化指定選手候補にまで嘱望される水月、予備校通いの慎二との賑やかな日常から始まる。孝之は、水月の親友で身体の弱い遙が自分に想いを寄せていることを知り、ぎこちなく距離を縮めていく。やがて二人は結ばれ、「夜空に星が瞬くように」で始まる誓いのおまじないを交わす。

「夜空に星が瞬くように……溶けたこころは離れない……例えこの手が離れても……ふたりがそれを忘れぬ限り……」(遙・孝之)

しかし八月二十七日。水月の誕生日でもあるその日、孝之は遙との待ち合わせに遅刻する。その隙に、遙は交通事故に遭った。奇跡的に一命は取り留めたものの意識は戻らず、遙は長い昏睡に入る。孝之は自分を責め続けることになる。

「約束の時間に遅れさえしなければ……遙は事故に遭わなかった。オレが……遙を殺したんだ」(孝之)

水泳一辺倒だった水月は、この事故を機に自分の人生を見つめ直し、水泳を捨てる。殻に閉じこもった孝之を立ち直らせようと支え続けるうち、二人は互いを必要とし合うようになっていく。

第2部 — 3年後、遙の覚醒

事故から3年。孝之と水月は同棲する恋人同士になっている。書店でアルバイトをする孝之のもとに、遙が昏睡から覚めたという報せが届く。だが覚醒した遙は、事故直前の半月の記憶を失っていた。

3年の月日が流れ、孝之は港陽大への進学を果たせぬままフリーター同然に書店で働き、水月と暮らしている。二人は「遙が目覚めた時には、付き合っていることをちゃんと説明しよう」と約束していた。そんな折、遙の父から電話が入る。

「実は…………遙が目を覚ましました」(お父さん)

喜びと同時に、孝之は激しく動揺する。3年ぶりに目覚めた遙は、しかし事故直前の「半月」の記憶を失っていた。その半月は、孝之の心が遙から水月へ傾き始めた時期にあたる。遙の中では、孝之と水月が付き合う前で時間が止まっているのだ。主治医の香月モトコがその異常を告げる。

「どう考えても不自然だった、この半月の記憶がなくなっているの」(香月モトコ)

孝之には積み重ねた3年間があるが、遙にはそれがない。過去(遙)と現在(水月)の板挟みになった孝之は、どちらを選んでも一方を深く傷つけてしまう。水月は自分の存在が孝之を苦しめていると悟り、身を引こうとする。

「……別れよう?」/「私、孝之の何?」(水月)

誰も悪くないのに、誰かが必ず傷つく。この修羅の分岐点から、物語はプレイヤーの選択で各ヒロインの結末へと枝分かれしていく。

水月ルート MAIN

過去のわだかまりを清算し、水月とともに未来へ歩み出す、もっとも穏当な着地のルート。

孝之は自分の心が現在の恋人・水月とともにあることを認める。慎二もまた、孝之が3年かけて築いたものを捨てないよう強く後押しする。

「あの頃に戻るのは……やめてくれ」「一番傍にいてくれてる人のことを……速瀬を! 大切にしてやって欲しいんだ」(慎二)

身を引こうとした水月も、孝之の想いを受け止めて涙する。二人は同棲を続け、日常の「おかえりなさい」「いってらっしゃい」を積み重ねながら、失われた時間を抱えたまま前へ進んでいく。派生の「水月奴隷ルート」は、この二人の同棲生活の一場面群を描いたもの。遙は親友として、二人を見送る側に回る。穏やかで、しかし過去の痛みを完全には消せない、大人の恋の着地となる。

遙ルート MAIN

止まった時間を抱える遙の傍に留まる道。だが記憶欠落と病状不安が影を落とし、関係は不安定なままとなる。

孝之は遙を選び、その傍に留まる。3年の断絶を越えて再びおまじないを交わす場面は、本作屈指の感情的な山場となる。だが遙は事故直前の記憶を失ったまま、脳波・血圧も不安定で「次に意識を失えば命に関わる」危うい状態にある。

「それでも…………私には孝之君しか……いないの」「ひとりにしないで」「そばにいて…………お願い」(遙)

失われた3年と病状の影が差す、幸福と不安が背中合わせの結末。水月を傷つけた事実も消えない。さらに遙の妹・茜との関係が絡むことで、倫理的に破綻していく分岐も存在する。純粋であるがゆえの遙の健気さが、かえって孝之の罪悪感を深くする、重いルートである。

茜ルート/茜妊娠ルート HEAVY

昏睡した姉を献身的に見舞い続けた妹・茜と結ばれる道。姉への罪の意識を残す苦い着地であり、妊娠が絡む最も重い分岐も用意される。

姉・遙のそばに立ち続けてきた茜は、姉の恋人である孝之に、警戒と淡い想いの板挟みで苦しんでいた。茜ルートでは孝之が遙を離れて茜と結ばれる。だが姉から想い人を奪ったという罪の意識は消えず、「今だけは、このぬくもりを手放さないといけないんだ」と揺れる、苦い着地となる。

「後悔はしません」「私は平気です」(茜)

茜妊娠ルートは本作でも最も重い分岐。妊娠という事態を、茜が全てを背負う覚悟で受け止める。香月モトコが茜に問いかける場面が象徴的だ。

「あなたはもっとつらい思いをするかもしれない…………それでもいいの?」(香月モトコ)

自分の痛みを押し殺して相手を優先する。姉妹に共通する性質が、最も痛切な形で現れる顛末である。

天川蛍ルート 悲恋

病院で孝之を支えた看護婦・天川蛍との悲恋。彼女は重い病を隠して他界し、遺された手紙で想いが明かされる。

遙の見舞いに通う孝之を、明るくおっちょこちょいな看護婦・天川蛍が献身的に支える。彼女は孝之に、へこみが笑顔に見える小さな石を「笑顔のお守り」として手渡す。

「これは……病気が治るおまもりじゃなくて、笑顔のおまもりなんです」(蛍)

だが蛍自身が重い病を抱えていた。彼女はそれを孝之に悟らせまいと笑顔を貫き続ける。孝之が自分の想いを自覚した頃には、蛍は既に他界していた。孝之のもとに届き続けていた手紙。その後半は、蛍に頼まれた同僚の星乃文緒が代筆したものだった。文緒は、想いを言葉にしないまま逝った二人への憤りを叫ぶ。

「好きなのに……言わないなんて。そんなの……私に、わかるわけないじゃないっっ!!」(文緒)

蛍の最後の手紙が、彼女の想いの深さを伝える。孝之は文緒の胸の前で泣き崩れる。

「愛してます。愛してます、鳴海さん。あなただけを………永遠に、愛してます」(蛍・手紙)
「オレ、蛍が………す、好きだぁ………っ!」(孝之)

想いを交わせぬまま死別する、手紙という形でしか想いが残らない悲恋のルートである。

大空寺あゆ/玉野まゆルート 再生

第2部の書店を舞台にした、毒舌お嬢様・あゆと天然後輩・まゆとの明るい恋。重い病院パートと対をなす「再生」の物語。

あゆ専用ルート:孝之を「糞虫」と罵倒する高飛車なあゆだが、その毒舌は素直になれない少女性の裏返しだった。観覧車のシーンで、あゆは恋のライバル・まゆへの劣等感と本気の想いを吐露して泣く。

「まゆまゆには好きになる理由があるのさ。だけど、あたしのは、なんかそういう浮ついたのがあるだけなのよ」(あゆ)

孝之の「誰かを好きになるのに理由なんていらない」という言葉に救われ、二人は同棲する恋人同士になる。相変わらずの毒舌を交わしながらも明るく穏やかな関係を築く。

まゆ専用ルート:おっとりした後輩・まゆには、死別した兄がいて、孝之にその面影を重ねていた。まゆは「兄の代わり」ではなく一人の女性として愛されたいと願う。

「……妹じゃ、いやです」(まゆ)

孝之が「まゆは妹なんかじゃないよ」と応え、二人は初めて結ばれる。兄への想いを昇華し、対等な恋人として歩み出す着地。あゆとまゆの双方に関わる「あゆまゆルート」も存在する。

穂村愛美ルート BAD/倒錯

内気で献身的な愛美の無償の受容に依存し、孝之が自らを壊していく倒錯的なバッド寄りの結末。

水月と遙の板挟みで心が壊れかけた孝之は、病院で出会った内気な愛美と一夜を共にする。愛美は「鳴海さんが、誰を想っていても……いいんです」と、自分が「都合のいい女」であることを受け入れる危うさを持っていた。

「鳴海さんが、誰を想っていても……いいんです。私は……」(愛美)

彼女の無償の受容に、孝之は逃げ込むように依存していく。だが遊園地で幼児に「気持ち悪い」と言われた孝之は、自分が世界にとって異質な存在だと思い詰め、「マナマナだけが認めてくれる人間になればいい」と考えるに至る。そして電話で契約を交わし、身体改造という不可逆な処置に踏み切る。

「もう、キミのそばを離れない。……いや、もう離れられないから」(孝之)

愛の名を借りた、倒錯的で破滅的な着地。孝之が最も暗い方向へ堕ちていくルートである。

エンディング一覧

本作は各ルートが並列に分岐する構成で、明示的な「唯一の正史エンド」は設定されていません。以下は主要な結末の要旨です。

系統 ルート 結末概要
MAIN 水月 過去を認め合い、同棲を続けて未来へ歩み出す。もっとも穏当な着地。
MAIN 遙の傍に留まるが、記憶欠落と病状不安を抱えた不安定な関係。茜が絡み破綻する分岐も。
HEAVY 遙を離れ妹の茜と結ばれる。姉への罪の意識を残す苦い着地。
HEAVY 茜妊娠 妊娠が絡む最も重い顛末。茜が全てを背負う覚悟を示す。
悲恋 天川蛍 蛍は病死。文緒が代筆した手紙で想いを知り、文緒の前で慟哭して想いを告げる。
再生 あゆ 毒舌の下の素直さを引き出し、同棲する恋人に。明るい着地。
再生 まゆ 「妹じゃいや」という想いに応え、初めて結ばれる。
複合 あゆまゆ あゆ・まゆの双方に関わる複合の顛末。
BAD 愛美 「都合のいい女」を受け入れる関係から、孝之が身体改造に踏み切る倒錯的な着地。