ストーリー詳細 — 繭~雪のナイフ~

1日目の到着から6日目深夜の屋敷炎上まで、共通ルートと各エンドのストーリーを解説します。 ▼詳細を読む はネタバレを含みます。 プレイ済み設定をするとアコーディオンがデフォルトで展開されます。

共通ルート(1〜5日目)

外資系の会社をリストラされた直後の閑馬のもとに、子供の頃に別れたきりの幼なじみ・蝶子から一通の手紙が届く。「お久しぶりですね、私の事覚えていますか? あの場所で待っています、、今もずっと、、蝶子」——半ばやけくその気分でローカル線に揺られ、見知らぬ無人駅に降り立った閑馬を待っていたのは、黒髪のメイド・だった。

山中の呉羽邸では、当主の黄薔薇、秘書の蘭丸、双子のメイド姉妹の苺と、明るくお調子者の千早、控えめで健気な八代、盲目の巫女・と付き人の、屋敷の長男・シャガ、無邪気な少女・雪花、そして蝶子そっくりだが「私は蝶子じゃない」と名乗る無表情の少女・が暮らしていた。

2日目、閑馬は八代の朝のノックでトランクス姿の朝勃ちを見られて大失態。黄薔薇の部屋でフェラチオされ、苺・杏・蘭丸の3Pを覗き、自室の扉前で「白雪姫は林檎を求む」と書かれた血文字メッセージを発見する。3日目、開かずの扉の奥で遙の遺体を発見。4日目、屋敷の住人たちは遙の死に「やはり今回もか」と平然と反応する違和感を見せ、千早が「閑馬の馬鹿馬鹿馬鹿ぁ〜〜〜、平気な訳ないじゃんよぉ」と泣きじゃくる。

5日目朝、千早が閑馬の部屋を訪れて鳩尾にパンチをかましてから「閑馬、、、もう終わらせろよ、約束しろ」と泣きじゃくり「バイバイ」と告げて去る。その後、ホールで磔にされた千早の遺体が発見される。同日地下倉で、柊が真相を告白する——「神降ろしの儀式」「黄薔薇の中身はアザミ」「蝶子と雪花は生贄として殺された」、そしてこの1週間がループしていること。「私達はずっとあなたを迎えて来たのだから」とアザミは囁く。

繭エンド トゥルーエンド

閑馬が幼少期に祠の鏡へ捧げた「魔法を使いたい」という願いを思い出し、その魔法を呉羽の解放に使う章。本作の真ED。

6日目深夜、雪花の第二人格が屋敷の人間を次々と手にかけていく中、閑馬は繭と二人きりで自室にいた。繭は「人は何故願うの? 憎みながら相手を求めあうの? どうして愛しながら自らを犠牲にするの?」と問いかけ、「私の願い……それは……心が欲しい」と初めて自分の願いを口にする。閑馬と肉体関係を結んだ繭は、夢の中で雪花の声を聞かせる——「あれは……、繭じゃないよ……、あれは蝶子だよ」。

蘭丸がエンドルフィン誘発剤を大量服用して雪花と相討つ。屋敷が炎に包まれる中、閑馬は繭とへ向かい、ようやく自分の幼少期の願いを思い出す。「俺の、、、願い、、、1回だけ使える魔法なんだな」「ループの原因は俺だったんだ」。

閑馬は繭にその一度だけの魔法を「この地を呉羽の因習から解放してくれ」と願う。繭は「今の私に出来る、、、全て……この土地の悲しい魂達へ、、そして、、、私によせてくれた思いへの私の精一杯の心、、」と応え、光の玉を放出する。八人の死者の魂が閑馬を巡り、ループの檻が破られる。

エンディング:ループの間決して降らなかった雪が、初めて呉羽の地に舞い降りる。繭は次の純粋な願いを求めて旅立つ。閑馬は「だって、ここは俺の故郷なんだから」と土地に残る決意をする。「あなたの想いに、、泣いてあげる」——繭は一粒の涙を流して去り、強い風に吹かれながら歩く後ろ姿が雪の向こうに消える。

雪花(蝶子)エンド グッドエンド

雪花の中で眠り続けていた蝶子の魂が目覚め、閑馬と最後の対話を交わす章。蝶子の最期の願いと、約束の場所での再会の誓い。

6日目、雪花の第二人格が黄薔薇・シャガ・柊・苺・杏・蘭丸を次々と手にかけていく。「私の閑馬に近づいて……うざったいから殺しちゃった」「待って待って待ち続けて……、疲れちゃったよ」。八代に火を放たれた屋敷が炎上する中、雪花は閑馬の胸にナイフを当てるが震えて刺せず、本来の人格を取り戻す。「ごめん、、ごめんね、、、怖い思いさせちゃったね」と詫び、自ら炎の中に身を投じる。

翌日、閑馬は祠の前に立つ。そこに光の玉となった蝶子が現れ、雪花の口を借りて告白する。「私の願いは、、、閑馬の願いが叶う事だったんだ」「私はあの時ずっと閑馬と私は心が通じていると思っていた」「閑馬は本当に私の為にしてくれたよ」。閑馬は「俺の、、、願い、、、1回だけ使える魔法なんだな」と気づき、繭の力を借りて魔法を行使する。

蝶子は「閑馬、、、愛してるよ、、、この閑馬を想う願いは永遠だから、、、」と告げ、光の玉となって消える。繭は「あなたの想いに、、泣いてあげる」と一粒の涙を流す。雪花の中にあった「雪のように冷たくてナイフのように冷酷なもう一人の私」も閑馬の心に触れて溶けていく。「時間の回廊は壊れたんだね、だからこの次の日から降る雪がこうして降りてきたんだ」。

エンディング:閑馬は「もう一度チャンスを欲しい」と願い、再びローカル線で呉羽邸へ向かう。記憶を持ったままループへ自ら戻り、約束の場所での再会を期す。「ここが約束の場所だからね」——蝶子と閑馬の永遠の祈りが、雪と共に降りてくる。

八代エンド グッドエンド

幼少期に閑馬から花の種をもらった八代が、シャガの呪縛を乗り越えて閑馬と共に呉羽の土地を離れる章。シャガと八代の歪な関係に幕が降りる。

6日目、雪花の第二人格に襲われた八代をシャガが身を挺して庇い、雪花のナイフを受けて絶命する。八代は「シャガ様!!」と叫び、シャガの遺体を抱きしめながら「私もシャガ様と同じ、孤独で自分をどう表現していいか分からなくて、、何も言わない花に自分の勝手な思いを重ねていたんです」と理解する。八代がシャガに無理矢理犯され続けた過去——「あたいはてめぇが力ずくで奪った八代とは違うよ!!」と杏が罵った男——は、最後に八代への不器用な愛情として昇華される。

八代は屋敷の地下から灯油を運び出し、自ら全てに火を放つ。「もう逃げない、私は閑馬さんと一緒にいる」「もう終わりにしましょう。こんな因習も、呉羽も全て灰にしてしまいましょう」。閑馬は八代を抱えて屋敷を脱出する。生き残った柊が丘の上から白いハンカチを振り、雪花の第二人格は炎の中で本来の人格を取り戻して身を投じる。

翌朝、閑馬と八代はローカル線で呉羽の土地を離れる。車窓の外を雪が舞う。八代は閑馬から幼少期にもらった花の種——名前を意図的に調べないでいた白い花——を膝に乗せている。閑馬は子供の頃に「いじめられていた八代を花の種で助けた」自分のことを、ようやく思い出す。

エンディング:「閑馬さん。花の名前、、なんにしようか?」——八代の問いかけで物語は終わる。これから二人で、その花にふさわしい名前を考えていく新しい日々が始まる。柊だけが呉羽の地に残り、白い鳥と共に二人を見送る。

バッドエンド一覧 ×3

本作のバッドエンドは全3件。いずれも6日目深夜の屋敷炎上前後の選択に紐づく。雪花の暴走を止められなかった結末、繭が屋敷に残った結末、八代がシャガに殉じた結末——それぞれが本作の三つの愛のかたちに対応する。

BAD-1雪花心中BAD

6日目祠で、雪花の第二人格を止められなかった結末。「もう、、もう、、正気の時の約束等もうどうでもいいのよ」と告げた雪花が、閑馬の胸にナイフを突き立てる。閑馬は抵抗できず、湖へと突き落とされる。月明かりの下、二人は手を取り合うようなかたちで湖底へ沈んでいく。蝶子が望み続けた「王子様」との結末は、現世での結ばれではなく、冷たい水の底での永遠の同行だった。第二人格の支配が完全に勝った場合の結末。

BAD-2屋敷全焼BAD(繭消失)

序盤と同じ場面から分岐した結末。雪花の暴走に巻き込まれた屋敷が全焼する中、閑馬だけが脱出し、繭が中に残ったまま消える結末。閑馬は鍵がかかった玄関の扉を叩き続けるが、繭は応えない。「もうすぐこの屋敷は炎に包まれる……あなたのせいよ」という繭の冷たい予言だけが残響する。閑馬は茫然と燃え落ちる屋敷を見送り、繭が次の願いに呼ばれて去ったのか、それとも願いを叶える存在として自ら炎に身を委ねたのか、答えを得られないまま朝を迎える。願いを思い出せなかった閑馬の魔法は、誰のためにも使われずに消える。

BAD-3八代焼死BAD

八代ルートで「やっぱり駄目だよね」と八代が選んだ場合の結末。閑馬が手を引いて脱出を促しても、八代はシャガの遺体を膝に乗せたまま動かない。「色々ありましたねシャガ様、、、もう一人になんてしませんよ、、私が一緒にずっと一緒にいますから」「閑馬さんに貰った大切な大切な思い出忘れません」と告げて、灯油の海の中で笑う。閑馬はが開いた黒い穴で湖畔に放り出され、目覚めた頃には屋敷は灰になっている。繭は「八代、、あなたの思いに泣いてあげる、、、」と一粒の涙を流し、雪が降り始める。閑馬は「私の今の精一杯の気持ち。ありがとうございました、、、。大好きでした、、、」という八代の最後の独白だけを胸に、一人で電車に乗る。