ストーリー詳細 — ONE〜輝く季節へ〜
共通ルートから各ヒロインルートへの分岐が起点。ヒロインごとに「浩平が世界から消えていく」クライマックスと、1年後の帰還エンドが描かれる。
▼ 詳細を読む はネタバレを含む核心部分です。プレイ済み設定をするとアコーディオンがデフォルトで展開されます。
折原浩平は幼少期に妹・折原みさおを病で喪い、精神的に崩れた母から離されて叔母・由起子の家に預けられた。7歳の浩平は新しい町で毎日泣き伏せるしかなかった。
そこへ現れた少女が語りかける:
「永遠はあるよ」
「ずっと、わたしがいっしょに居てあげるよ、これからは」
言って、ちょんとぼくの口に、その女の子は口をあてた。
永遠の盟約。
永遠の盟約だ。
この少女=永遠の少女は、浩平の心が悲しみから逃げるために生み出した「えいえん」の体現者。盟約によって浩平は以後、心を通わせた相手がいるほど「永遠の世界」へ引き戻される引力を抱えることになる。
叔母の家に預けられた折原浩平は、幼なじみの長森瑞佳に毎朝叩き起こされ、転校生の七瀬留美と喧嘩から始まる仲になり、図書室の屋上で中途失明の先輩川名みさきと出会い、不思議な少女椎名繭・演劇部の上月澪・雨の空き地に佇む里村茜と出会っていく。
軽口の合間に浩平の口から「えいえん」という言葉がふと出るが、本人もその出典を意識していない。
「だよもん星人」命名エピソードなど日常描写が積み重なり、各ヒロインへの分岐点が近づいていく。
クリスマスの屋上で、休学中の病弱な同級生・氷上シュンが浩平に語りかける:
「家族に大病を患ったひとがいないかい」
「物語はフィクションじゃない、現実なんだよ」
「キミはこれから違う世界へと向かおうとしているね」
これが浩平の「永遠への消失」がすでに始まっていることを示す、物語唯一のメタ的警告。浩平は意味を理解しないまま別れる。
住井に煽られた浩平が「クリスマスの教室で長森を別の男に手を出させる」という最低の試みを実行するが、最後の瞬間に止めて蛍光灯をつける。長森は「わたしは…浩平でないとダメなんだ」と告げ、二人は距離を縮めていく。風邪をひいた浩平を看病する中でHシーンへ至る。
「お菓子の国の盟約」会話で浩平は自分の運命を悟る。長森が「いなくなるんだよ」と答えた直後、浩平は信号機を渡りかけて消えようとする。
長森「捕まえたっ…」
長森「やっと捕まえたっ…」
長森「浩平っ、捕まえたよっ」
長森「また逃げられないように、知らん顔してたんだよっ」
背後から抱きしめた長森が浩平を引き戻す。1年間、浩平が吹き込んだウサギのぬいぐるみに話しかけ続けて孤独を埋めていた長森が、始業式の朝に浩平の告白を受けて「うん…いいよっ」と答える。これが本作の最終句。
剣道部時代の「面を被って違う人生を生きていた」後悔を告白した七瀬は、浩平によって「乙女に憧れる自分」を肯定される。「最初のセックスは男の子の部屋がいい」発言から誤解を経て、浩平の家での初Hへ至る。翌朝から3日間の「長森に勝つ起こし役チャレンジ」を敢行し3日目チャイムと同時に成功する。
GOODルート: 浩平は商店街で七瀬に似合いのドレスを見つけ、貯金を全部叩いて七瀬の家に郵送。「高台公園5時から」と電話だけして、自分は喪服(間に合わせのタキシード)を着て自転車で迎えに行く。石段を駆け降りて:
浩平「ぜー、ぜー…間に合った…おまたせっ、お姫様」
七瀬「格好悪い」
浩平「文句を言うな。これでも精一杯、役作りしているつもりだぞ」
七瀬「そんな威勢のいい王子様もいないっ」
七瀬「んじゃぁ…お乗りください、お姫様」
喪服とドレスの二人乗り自転車が石段を下る。その後浩平は消え、七瀬は広瀬に「ただ時間が止まっているだけなのよ」「あたしだけは、あの時の中にいたいんだよね」と言い続けて1年を過ごす。エピローグは七瀬視点で朝の起こしシーンが反復される。
BADルート: 3月1日、七瀬が浩平を誤解したまま押し通すのではなく誤解を解いてしまうことが引き金になり、帰還の機会が失われる。七瀬は消えた浩平を待つことも叶わないまま終わる。
屋上・図書室での出会いから、浩平はみさき先輩が中途失明者であることに気づく(気づくのは遅い)。卒業式を前に「卒業式をさぼって一緒に公園に行こう」という告白めいた誘いで関係が深まり、公園のアイス購入中にHシーンへ至る。
浩平「オレはずっと先輩の側に居る。何があっても、必ず最後には先輩の側に居る」
GOODルート: 公園のアイスを買いに行った隙に浩平が消滅。1年後、学校の屋上で「ただいま、先輩」「お帰りなさい…浩平君っ!」の再会。
BADルート: 卒業式当日、卒業式に参加しようとした浩平を髭担任が正面入口で阻む。全ての入口を試すも入れず、体育館裏の鉄扉の前で浩平が消滅。永遠の少女が現れて:
「夕焼け、きれい?」
「えいえんはあるよ/ここにあるよ」
復学(元の小学校に戻る)の話が出ている繭との別れの時間を過ごす。冬休みに繭を自分の家に泊め、添い寝からHシーンへ至る。ハンバーガーショップで「てりやきセットを全部買う」と繭が大量注文するが——
GOODルート: バーガーショップで繭がてりやきセットを大量注文している席から浩平が消滅する。繭は一人でバーガーを食べながら涙を流す。
1年後、繭の通う小学校の卒業式に浩平が現れる。繭の日記(「一番好きな思い出:浩平と一緒にハンバーガーを食べたこと」)が読まれた後:
浩平「卒業おめでとう」
浩平「大人になったな」
浩平「おかえり」
雨の路上で子犬を返した直後に繭を抱きしめた「ごめんな、椎名。もう大丈夫だよ。もうひとりでも大丈夫だ」という言葉が伏線として機能し、「おかえり」に接続する。
BADルート: 12月11日、冬休みに繭と過ごす場面で「一個だけならいいか」と誘惑に負けてしまうと、繭との絆が深まりきらない。帰還は起きず、やがて繭も浩平の記憶を失っていく。
言葉を持たずスケッチブックで会話する演劇部後輩・澪と、浩平は「年の離れた妹」として接する。実は浩平と澪は幼少期に公園のブランコで出会っていた。演劇部の公演当日、深夜の体育館でHシーンへ至る。
浩平「澪…オレのこと覚えていてくれたのか…」
GOODルート: 演劇部公演の夜、深夜の体育館で浩平が澪のスケッチブックに「さようなら、澪」と書き残し、中庭の満月の下で消滅。澪は声を失ったまま1年を過ごす。
1年後の学食。またラーメンを他の男子学生にかぶらせてしまった澪——その男子が浩平で、「背中、あったかいの」(澪のスケッチブックのひと言)が帰還の合図。
BADルート: 3月7日、演劇部の公演日に部室へ向かわず屋上へ行ってしまうと、澪との最後の別れが成立しない。帰還は起きず、やがて澪も浩平の記憶を失う。
雨の空き地に一人で佇む茜に浩平は積極的に関わっていく。茜が待つ相手は浩平とは別の「幼少期にどこかへ消えた幼なじみ」だと判明する。浩平は茜の待つ気持ちを理解しながらも「お前は…ふられたんだ」と代弁する。仮病を使ったデートで山葉堂のワッフルを食べ、Hシーンへ至る。
消失が迫った浩平は夕暮れの信号待ちで茜に告げる:
浩平「もうすぐオレはあの雲の向こう側に行くんだから」
浩平「だから、絶対に帰ってくる。その時は笑って許してくれるよな…」
GOODルート: 茜は空き地で「あなたのこと忘れます」と言いながら涙を流す。幼なじみの柚木詩子と話す日々を過ごし、1年後(卒業前)、空き地で詩子と話していた茜の前に浩平が「ただいま」。茜が自宅前に移って「お帰りなさい…浩平」と迎える。
BADルート: 仮病デート中に雨の中消滅、空き地で「さようなら、茜」。雨の空き地に永遠の少女が現れて:
「…誰?」
「えいえんはあるよ/ここにあるよ」
いずれか1つのヒロインルートをクリアした後に解禁される隠しルート。共通ルートで氷上シュンへの分岐を選ぶと、クリスマスの屋上で二人はひと晩語り合う。
シュンは持病により余命が限られており、浩平と同じく「えいえんの世界」に引き込まれる宿命を持つ。恋愛ルートではなく、消えゆく者同士が言葉を交わす友情の物語。
シュンは浩平に語る——えいえんが単なる逃避の場ではなく、愛するものを失った人間が自然と引き寄せられる場所であること。浩平の消失は逃げではなく、幼い日に交わした盟約の帰結だということ。
各ヒロインとの絆を結んだ証がそれぞれのルートに刻まれているなら、シュンとの対話は「消えることを理解する」ための時間だ。浩平はここで初めて、自分の消失を恐怖でなく必然として受け入れる。
シュン「ぼくも、きみと同じ場所へ行くことになっている」
シュン「でも、それは終わりじゃないよ」
シュン「きみが誰かのそばにいた時間は、本物だったんだから」
深夜の屋上で二人は最後の言葉を交わし、浩平は「えいえんの世界」へと静かに向かう。ヒロインとの帰還も再会もない。ただ、自分が何者であるかを知って消えていく——本作で唯一「悲しくない消失」として描かれる結末。
全ルートの真相を集約する章。海と羊と廃墟の夕焼け世界で、浩平は6人のヒロインを順に総括する:
「乙女を夢見ては、失敗ばかりの女の子(→留美)」
「光を失っても笑顔を失わなかった先輩(→みさき)」
「ただ一途に何かを待ち続けているクラスメイト(→茜)」
「言葉なんか喋れなくても精一杯気持ちを伝える後輩(→澪)」
「大人になろうと頑張り始めた泣き虫の子(→繭)」
「そして、そこでも、ずっとそばにいてくれたキミ(→瑞佳)」
そして浩平は結論に至る:
「滅びに向かうからこそ、すべてはかけがえのない瞬間だってことを。こんな永遠なんて、もういらなかった。だからこそ、あのときぼくは絆を求めたはずだったんだ。…オレは。」
各ルートのGOOD/BAD分岐を比較すると、「帰還」が成立するには次の二条件が同時に満たされる必要があると読み取れる。
- えいえんの世界に引き込まれた者が、現世に戻ることを望んでいること
浩平はえいえんを「今」望んでいるのではない。幼少期の喪失体験に根ざした「永遠の盟約」が彼をえいえんへ引き寄せており、それは過去に結ばれた約束の引力である。条件1は「えいえんを求める意志」の有無ではなく、「現世へ帰還する意志」の有無を指す。 - 現世にその者を強く思い続けている者がいること
ヒロインが「待ち続けた」ことが主な根拠。氷上シュンのように友人が思い続けることも、条件2の成立に寄与すると読める。
氷上シュン — シュンは死の直前「残された時間をキミのことを思って過ごす」と告げる(条件2)。その後、浩平のモノローグで「もしオレが、この体を再生させえるような、奇跡が起きたなら…それは氷上との絆の中に生まれた奇跡なのだから」という条件節が続き、直後にシュンの声「やぁ、僕の思いは届いたかい」で幕を閉じる。明示的な帰還シーンはないが、シュンの思いが奇跡(帰還)を起こしたことを強く示唆する構造になっており、友情による条件2が帰還を可能にした実例として読める。
茜の(詩子とは別の)幼馴染 — 茜には詩子とは別の幼馴染がおり、その人物がえいえんに去ったことが示唆される。茜はその人物を覚えている——条件2は満たされていた——にもかかわらず帰還は起きなかった。条件1(帰還する意志)が欠けていた場合の実例として機能する。柚木詩子自体はえいえんとは直接関係しない。
どちらの条件も欠けると帰還は起きない。BADエンドでは浩平が帰還の「きっかけ」となる瞬間を逃すか、ヒロインの記憶が先に失われる形でいずれかが崩れている。
| # | エンド名 | 分類 | 条件 | 結末 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 瑞佳GOOD GOOD | グッドエンド | 1/9「もう一度わざとらしく寝入る」 | 信号機「捕まえたっ」→始業式告白「ずっと前から好きだったんだ、うん…いいよっ」 |
| 2 | 瑞佳BAD BAD | バッドエンド | 1/9「そのままスパッと起きる」 | 帰還の機会となる「捕まえた」の瞬間が訪れない。浩平は戻れず、やがて長森の記憶からも消えていく |
| 3 | 留美GOOD GOOD | グッドエンド | 3/1「誤解のまま押し通す」 | ドレス郵送→高台公園「おまたせっ、お姫様」自転車二人乗り |
| 4 | 留美BAD BAD | バッドエンド | 3/1「誤解をとく」 | 帰還失敗。七瀬は消えた浩平を待つことも叶わない |
| 5 | 繭GOOD GOOD | グッドエンド | 12/11「ダメだ」→最終日「試してみる」 | 1年後、繭の小学校卒業式「おかえり」 |
| 6 | 繭BAD BAD | バッドエンド | 12/11「一個だけならいいか」 | 繭との絆が深まりきらず帰還失敗。やがて繭も浩平の記憶を失う |
| 7 | みさきGOOD GOOD | グッドエンド | 3/3「オレもつきあう」 | 1年後、屋上「ただいま、先輩」「お帰りなさい…浩平君っ!」 |
| 8 | みさきBAD BAD | バッドエンド | 3/3「一人でここにいる」(卒業式を一人でやり過ごす) | 体育館鉄扉前で消滅→永遠少女「夕焼け、きれい?」「えいえんはあるよ」 |
| 9 | 澪GOOD GOOD | グッドエンド | 3/7「演劇部の部室へ」 | 1年後、学食でラーメンをかぶった男子=浩平「背中、あったかいの」 |
| 10 | 澪BAD BAD | バッドエンド | 3/7「屋上へ」(演劇部の部室へ行かない) | 帰還失敗。やがて澪も浩平の記憶を失う |
| 11 | 茜GOOD GOOD | グッドエンド | 3/20「茜の姿を探す」 | 1年後(卒業前)、空き地から自宅前へ「ただいま」「お帰りなさい…浩平」 |
| 12 | 茜BAD BAD | バッドエンド | 3/20「まだ待ち続ける」(永遠の世界で帰還を放棄) | 雨の空き地で消滅→永遠少女「…誰?」「えいえんはあるよ」 |
| 13 | シュンエンド END | 隠しルートエンド | 12/24「探してみる」(いずれか1ルートクリア後に解放) | 屋上でシュンが「えいえん」の正体を語る。シュンは「残された時間をキミのことを思って過ごす」と告げ、その後死去。浩平のモノローグ「奇跡が起きたなら、それは氷上との絆の中に生まれた奇跡」→シュンの声「やぁ、僕の思いは届いたかい」で締める。帰還の明示シーンはないが示唆される。友情エンド |
| 14 | 汎用バッドエンド BAD | バッドエンド | ヒロインルートに進まず共通ルートで浩平が消失 | 誰とも絆を結べぬまま浩平が「えいえんの世界」へ引き込まれる。永遠の少女が現れ「えいえんはあるよ、ここにあるよ」 |