キャラクター詳細 — Prismaticallization
Prismaticallizationに登場するキャラクター詳細。山荘での繰り返す夏に描かれる人物像と結末。
キャラクター画像はPrismaticallization(SuperLite1500シリーズ)公式サイトより使用。原画:射尾卓弥
主人公
射場 荘司
いば そうじ
| 読み | いば そうじ |
|---|---|
| 役割 | 主人公・視点人物 |
| 年齢 | 18歳(高校3年生・受験生) |
| CV | なし |
| 外見 | 描写少ない。「腑抜け」「冴えない」と自他共に評される。 |
受験を控えた高校3年生。物事を斜に構え、雑学で場を煙に巻く癖があるが、内面では「自分は本当に必要な人間なのか」と常に自問している。幼馴染の柊明美に強引に誘われて山荘へやってきた。
山荘の木の幹に刻まれた小さな十字の傷を一目見て「これはふたつの時点で付けられた傷だ」と樹液の染み具合から推理する。林の中で草加武則と出会い、「過去が変えられることが判った」「同様に、時間が、それに差し込む。するとプリズムのように、様々に見える」と告げられ、半透明にきらめく鉱石(プリズム)を渡される。
みゆが失踪する朝、林の中でみゆがプリズムを探していた場所に落ちていた鉱石を拾い、草加と沢村兄の介入に対抗する。自分が「沢村の兄に似ている——だから腹立たしい。近親憎悪」と内省しながら、しかし「下らないと感じても、それでは何も変わらない」と兄を一蹴する。
最終的に「ただ単に、自分で踏み出せば良かったんだ。それだけのことだったのさ」という確信に辿り着く。各ヒロインルートでは、その踏み出し方がそれぞれ異なる形で描かれる。
代表的な台詞
- 「これは時間をおいて付けられている。これは樹液の染み具合から判る」(木の幹の傷を分析して)
- 「ただ単に、自分で踏み出せば良かったんだ。それだけのことだったのさ」(大学夢シーン・荘司の核心)
- 「俺は、いつも訊きたいのだ。自分は、本当に必要な人間なのか。しかし言えない」(みゆの前でのモノローグ)
- 「ハメられたよ……」(ツインベッドの真相を悟って)
- 「ジャンケンではグーを出してはいけない。危険だ」(初対面のみゆへ)
ヒロイン
柊 明美
ひいらぎ あけみ
| 読み | ひいらぎ あけみ |
|---|---|
| 役割 | 幼馴染・ヒロイン |
| 年齢 | 18歳前後(高校3年生・受験生) |
| CV | なし |
| 外見 | 描写少ない。アクションは「ゲシ!」「ぼふっ」など打撃音が多い。 |
射場家の隣に住む八年来の幼馴染。世話焼きで明朗だが内面は不安定。荘司を蹴ったり帳面で叩いたりしながら、何かを言いたがっている。「友達、かな?」という自問が物語序盤の核をなす。
山荘を持ちかけた本当の動機は、荘司の見る夢の中の手紙に書かれている——「自分に自信が無くなって。だから、確かめたくなって。あたしなんかでも、大事にしてくれる人はいるんじゃないか……知りたかったんだ。だから、荘司に。……ずるいんだ、あたしは」。過去に面識のなかった大学生・草加武則に告白して断られた経験を持つ。
山荘の言い伝え「三度呼べ」を荘司に語り、「問と答が同じ……それを呼べる時点で、もう手に入れてる」という逆説を残す。これが物語全体の「捜し物は、すでに持っている」というテーマを予示する。
明美ルートでは、みゆ失踪の翌朝に「……ま、とにかく、ごめん。それに、ありがと」と告げ、互いが「先に進んでいる」ことを認め合い、友人より少し先の関係を再定義する。
代表的な台詞
- 「人、物、そして想い……」(山荘の失せ物伝承を語る)
- 「問と答が同じ……それを呼べる時点で、もう手に入れてる」(「三度呼べ」の謎解き)
- 「叱って欲しいんだよ。馬鹿なコトするな、って」(夢シーン・明美の手紙)
- 「……ま、とにかく、ごめん。それに、ありがと」(みゆ失踪翌朝・和解)
- 「友達、かな?」(自己紹介で荘司との関係を答える)
ヒロイン
鳴川 澄香
なるかわ すみか
| 読み | なるかわ すみか |
|---|---|
| 役割 | 先客のヒロイン |
| 年齢 | 16歳前後(高校1年生) |
| CV | なし |
| 外見 | 身振りが大きく、「地団駄を踏む」「胸を叩きむせる」などアクティブな動作描写が多い。 |
沢村雪乃の「親友」になりたくて山荘に誘った高校一年生。初対面の荘司に即座に「先輩!」と呼び方を決め、「秘めた想いを抱いた者同士!協力し合いましょう!」と勝手な共闘を申し込む押しの強い体育会系。
押しの強さの源泉は「不安からの行動」。雪乃が兄の連絡不通で帰ろうとした夜に「冗談止めてよ、ブラコン!」と激昂して雪乃を泣かせ、直後に「……私……最低だ……」と一人で泣く。翌朝、荘司に「私……他人から嫌われるのが、やなんです……」「私……独りなのって、耐えられないんです……怖くって、寂しくって、泣きたくなって……」と本音を吐露する。
荘司はこれに対し「信頼に近いかもしれない。他者に対する、依存ではない、信託」と説き、「みんなは、私を嫌いになったりしない。当然だ!……って思えばいいと!」と転換させる。澄香ルートは、この「不安からの行動」が「信頼からの行動」へと変わる瞬間で結ばれる。
クライマックスでは荘司から草加に奪ったプリズムを投げ渡され「澄香!走れ!」と草加から逃がされる重要な役割を担う。
代表的な台詞
- 「秘めた想いを抱いた者同士!協力し合いましょう!先輩!!」(初日・荘司を誤解して)
- 「男と女の間に友情はありえません!それは愛情です!」(断言)
- 「私……他人から嫌われるのが、やなんです……」(翌朝の本音吐露)
- 「みんなは、私を嫌いになったりしない。当然だ!……って思えばいいと!」(信頼獲得の宣言)
- 「先輩を信用していいわけですよね!?当然!」(澄香ルートの到達点)
ヒロイン
沢村 雪乃
さわむら ゆきの
| 読み | さわむら ゆきの |
|---|---|
| 役割 | 先客のヒロイン |
| 年齢 | 16歳前後(高校1年生) |
| CV | なし |
| 外見 | 長い黒髪。日焼けに弱く貧血気味。バドミントン中に倒れる場面がある。 |
内気な読書家で、澄香に「親友」と慕われている。愛読書は『不思議の国のアリス』(三冊目)、兄から贈られた『夏への扉』、夏に読み返す『真夏の夜の夢』。「私、世の中に無駄なことって無いような気がします」という確信が彼女の芯。
雪乃が山荘に来た本当の理由は「家でぶらぶらしている私が近くにいると、受験中の兄が気になる」というもの。しかし実際の兄は妹への歪んだ執着を持つ男で、雪乃の行動を「見張っていた。ずっと」と告白しながら山荘まで追跡してくる。
雪乃ルートで兄が現れ「この世には、無駄なものが多すぎる。必要なのは、雪乃だけだ」と宣言した時、雪乃は「私は……世の中に無駄なことって、無いと思う」と序盤の言葉をそのまま返して決定的な拒絶を宣言する。「お兄ちゃんのことは大事だと思うけど……それでも私には、澄香ちゃんや、他にも、大事な人や、ものが、いっぱいあるから」。
後日談として、兄が「邪魔してこいと」雪乃をスーパーの袋を持って荘司の家に送り込む嫌がらせを実行するが、荘司はそれが「現実への復讐の傑作」だと笑い出す。
代表的な台詞
- 「私、世の中に無駄なことって無いような気がします」(荘司との最初の会話)
- 「役に立っているのなら、無駄じゃないのじゃないですか?」(荘司の自嘲的雑学に対し)
- 「私は……世の中に無駄なことって、無いと思う」(兄への決定的な拒絶)
- 「お兄ちゃんのことは大事だと思うけど……それでも私には、澄香ちゃんや、他にも、大事な人や、ものが、いっぱいあるから」(雪乃の宣言)
- 「『でなければ、ここへ来たりはしなかったさ』……かな?」(チェシャ猫の台詞を即座に引用)
ヒロイン
木ノ下 さより
きのした さより
| 読み | きのした さより |
|---|---|
| 役割 | 山荘の娘・ヒロイン |
| 年齢 | もうすぐ24歳(射場より5歳上) |
| CV | なし |
| 外見 | 年齢を気にしている。「腰回りにお肉も着いてきてるし」と自己評。 |
山荘のホスト役。父(木ノ下氏)と二人でペンションの真似事を細々と切り盛りしている。「荘司ちゃん」と昔の愛称で迎えるが、荘司はほとんど彼女を覚えていない。「正直者」で嘘のつけない性格。
物語の核心となる秘密を抱えている。みゆの父・琴原耕一は、さよりの実妹の夫であり(義理の弟にあたる)、さよりへの想いを残したまま家族を捨てて蒸発した。さよりもまた、幼少期からずっとこの男に想いを抱え続けてきた。
クライマックスでみゆに「その人が、父を取ったんです」と告発された時、さよりは沈黙の後にこう答える——「馬鹿にしないで。わたしが何をしたっていうの。……何もしていない。できるわけ無いじゃない。それが……あの人を苦しめたとしても……でも、それで逃げるのは、弱い男よ。わたしは、そんな男に惚れちゃった。馬鹿みたい。……でも、そのことに後悔は無いの。人を好きになるのに、理由なんて無いから」。そしてみゆを抱きしめる。
さよりルートでは一年後に荘司が山荘を再訪。さよりは「もう後が無いから。早く、素敵な旦那様を見つけなきゃ」「ここに泊まってくれる殿方は、みんな候補さんよ、荘司ちゃん」と冗談半分で求婚をほのめかす。
代表的な台詞
- 「あの子は……人を嫌いだなんて、言える子じゃないの。そういうことを拒絶してるのよ。人を嫌いにならないように、人を好きにならないように……ずっと」(みゆの本質を語る)
- 「人を好きになるのに、理由なんて無いから」(みゆへの告白・自己定義)
- 「……荘司ちゃん、寂しくないのかな」(夜空のベンチ)
- 「飴玉あげた事って覚えてる?……うん。甘露飴なんだけど」(過去の小さな記憶)
- 「でも、それで逃げるのは、弱い男よ。わたしは、そんな男に惚れちゃった。馬鹿みたい」(みゆへの決定的な告白)
ヒロイン
みゆ
みゆ
| 読み | みゆ(フルネーム:琴原みゆ) |
|---|---|
| 役割 | さよりの従姉妹・ヒロイン |
| 年齢 | 小学生(推定) |
| CV | なし |
| 外見 | 「身体は小さい」。紺色の水着。表情の動きが少ない少女。 |
山荘の夏の手伝いに来たさよりの従姉妹。寡黙で人見知りだが、初対面の荘司を「お兄ちゃん」と呼ぶ。時計を見つめ、木の幹に手を伸ばすなど不思議な行動を繰り返す。実際の料理をほぼひとりで担当している。
離人症(デペルソナリザシオン)を患い、「実在感、現実感、充実感、重量感、所属感……」「エポケーの結果に、コギトが残る。……でも私には、何も残らない」と訴える。荘司との夜の哲学談義だけが彼女の心を開かせる。
みゆの父・琴原耕一は義理の姉にあたるさよりへの想いを残したまま家族を捨てて蒸発した。みゆはそれを察し、さよりを「父を奪った人」として憎みつつ、父を呼び戻すためプリズムを用いた時間操作に手を染める。林の中で地面を這ってプリズムを探していた。
クライマックスでさよりが「人を好きになるのに、理由なんて無いから」と本心を語りみゆを抱きしめた後、琴原は一度だけ「みゆ、行こう」と現れるが、みゆは「お母さんがいないなら、私は行かない」と毅然と拒絶。琴原は「私に、親の資格は無いんだよ」と言い残して再び去り、みゆは幼い子供のように泣く。
みゆルートでは、琴原の再失踪・母の放任を経て、みゆは荘司の家に同居人として収まる。毎朝「お兄ちゃん……おはよう。朝御飯、できています」と朝食を運ぶ少女になる。
代表的な台詞
- 「実在感、現実感、充実感、重量感、所属感……」(離人症状の自己診断)
- 「エポケーの結果に、コギトが残る。……だから、自分がある。……でも私には、何も残らない」(デカルトへの異議)
- 「その人が、父を取ったんです」「その人が、母から、わたしから、父を取ったんです」(さよりへの告発)
- 「お母さんがいないなら、私は行かない」(父・琴原への拒絶)
- 「お兄ちゃん……おはよう。朝御飯、できています」(みゆルートEND朝食シーン)
その他の登場人物
「林の中の男」として物語序盤から現れる大学生。「過去が変えられることが判った」「同様に、時間が、それに差し込む。するとプリズムのように、様々に見える」とプリズムの意味を荘司に告げる。過去に柊明美から告白されて断った相手。世界変革を企て、みゆに協力を求めるが計画は頓挫する。荘司の卑屈さをさらに一段煮詰めた鏡像的な存在として機能する。「俺には、想う相手がいるからと。……それは変わらない。変わったのは、俺だ」と短く語る。
みゆの父。木ノ下さよりの実妹の夫(義理の弟)。さよりへの想いを抱えたまま「ある日突然蒸発」した中年男。物語終盤に一度だけ姿を現し「みゆ、行こう」と娘を誘うが、みゆの拒絶を受けて「私に、親の資格は無いんだよ」と言い残し再び去る。「時間の感覚を捉えられない人間は、社会に不適応な代わりに……時間が混乱しても、その影響を受けない」と荘司に語る。みゆとの類似を荘司は感じる。
雪乃の兄。受験を「下らないから、止めてきた」と放棄し、妹への歪んだ執着から「この世には、無駄なものが多すぎる。必要なのは、雪乃だけだ」と宣言する。プリズムを用いた世界変革を企み山荘まで追跡してくるが、雪乃の「私は……世の中に無駄なことって、無いと思う」という一言で決定的に敗北する。荘司に「こいつは俺に似ている。だから腹立たしい。近親憎悪」と内心で認識される。後日談では雪乃に「射場さんを邪魔してこい」とスーパーの袋を持参させるという奇妙な「復讐」を実行。
山荘を営むさよりの父。物語中ほぼ不在で、琴原耕一を探しに出ている。一年後の再訪シーンでようやく登場が示唆される(さより「今度は、うちのお父さんもいるわよ」)。家族的な繋がりを重視する人物として荘司に評される。