ネタバレゾーン — 未プレイの方はご注意ください ← ネタバレなしページに戻る

用語集 — Remember11 -the age of infinity-

Remember11 -the age of infinity- の世界観を構成する固有名詞・概念・施設・引用をまとめた用語集。物語の核心にあたる真相はアコーディオンに格納。プレイ済み設定でネタバレ詳細が展開されます。

転移・核心概念
時空間転移(じくうかんてんい) 転移・核心

こころと悟の意識が33分ごとに入れ替わる現象として序盤は理解される。「なぜ自分が別の場所にいるのか」の問いが物語全体を貫く。

真の意味・真相
意識交換ではなく「半径110mの空間そのものが異なる時間に瞬間移動する」現象。サークル内の物質と人間が転移するが、悟・こころ・αの3つの意識だけが地縛されて残留し、新たに来た空の肉体に憑依する。スフィア(青鷺島・2012年1月)、避難小屋(朱倉岳・2011年1月)、第3地点(穂樽日鉱山・時期不明)の3地点で発生。
サークル 転移・核心

榎本が時空間転移の単位空間として命名した「半径110mの球体」。スフィア・避難小屋・第3地点にそれぞれ存在する。

真の意味・真相
3地点それぞれのサークル内にあるすべての物質と人間がぐるぐるとスライドし続ける。ゆにが丘を飛び降りてスフィアの内部に入れたのも、避難小屋を囲む丘の高さとスフィアの壁の高さがほぼ等しかったため。
33分間ルール(さんじゅうさんぷんかんルール) 転移・核心

悟とこころが互いの肉体に居られる時間が33分間と判明する。序盤では2者間の制限と理解される。

真の意味・真相
3地点間転移(3意識・3肉体の組み合わせ)における各意識の他人肉体滞在時間。「オレの意識がこころ肉体に、こころ意識がオレの肉体に、それぞれ転移していられる時間は33分間に制限されているという定義=33分間ルール」と定義される。
第3の人格α(だいさんのじんかくアルファ) 転移・核心

悟が映像解析で発見する「悟の身体に憑依する第3の意識」。仮称αとされ、その正体は物語の最後まで明かされない。

真の意味・真相
第3地点(穂樽日鉱山)に意識が地縛されている人物。1月14日の榎本殺害(午後6時44分〜午後7時17分)の真犯人。時計台から悟を突き落とした可能性もある。「セルフ編」が未収録のため、本編内では永遠の謎として残る。
セルフ 転移・核心

犬伏景子が阿波墨事件での逮捕直前に呟いた言葉「セルフはどこ?」から登場する謎の語。

真の意味・真相
第3の人格αの別名と推定される。ゲームメニューに「セルフ編の最初から/セルフ編エンド直前から」の項目が存在するが本編未収録。内海が穂鳥を殺害し自殺した現場の血文字「セルフはどこ?」(こころ視点・悟視点)など複数箇所で言及される。犬伏景子のDIDで持つ複数人格のうちαと深く関連した存在。
第3地点(穂樽日鉱山)(だいさんちてん/ほたるびこうざん) 転移・核心

悟が3点間転移を確定する段階で「未知の第3の地点」として認識される。悟もこころも実際に体験した記憶を持てない場所。

真の意味・真相
TIPSの「The Third Area」で「3つめの場所は穂樽日鉱山」と明示される。第3の人格αの意識が地縛されている場所。悟やこころがそこに転移してもα意識が肉体に入るため、2人はその経験を記憶も体験もできない。
装置/時空間転移装置(そうち/じくうかんてんいそうち) 転移・核心

榎本が「装置のおかげさ」と説明する大型のスパコン。スフィアの地下モニタールームに設置されている。

真の意味・真相
半径110mのサークルを2011年朱倉岳・2012年青鷺島・第3地点の間で転移させる量子テレポーテーション装置。発電機・予備電源を備え99.99999999%事故が起こらないとされる。「時間を歪める機能」も備えている。ライプリヒ製薬が開発した。
計画(けいかく) 転移・核心

内海が「今さら計画を取り止めるつもりはないから」と呟く謎の言葉として序盤に登場する。

真の意味・真相
悟と榎本が遂行している大きな計画。妹・沙也香の死をきっかけに悟が立案し、ライプリヒ製薬の同僚・榎本と共に時空間転移装置を開発して進めている。具体的内容は本編内で明かされない。
地名・施設
SPHIA/スフィア 地名・施設

「Specified Psychiatric Hospital for Isolation and Aegis(隔離と保護のための特定精神医療施設)」。2007年の刑法改正で新設された特別精神病院。青鷺島に建つ。

真の意味・真相
犬伏景子を収容している。物語後半で地下に時空間転移装置が隠されている真の機能が明らかになる。地下倉庫の奥のモニタールームから施設全体が監視されており、サトル編の全エピソードがここで進行する。
青鷺島(あおさぎじま) 地名・施設

礼文島の西方約5kmの孤島。スフィアが建設されるまでは無人島。飛行場はなく稚内港からの船が唯一の交通手段。

真の意味・真相
2012年1月の青鷺島がサトル編の舞台。半径110mのサークル内のスフィアが2011年1月の朱倉岳と空間転移している。エピローグでスフィアのゲートをくぐると目の前に海岸が広がっている。
朱倉岳(しゅそうだけ) 地名・施設

青森県南八甲田山系に属する山岳。標高1298m。2011年1月11日のHAL18便墜落地点。

真の意味・真相
朱倉岳避難小屋がここにあり、ここが2011年のサークル地点。1月17日午前6時53分にX地点で雪崩が発生する。実は避難小屋を囲む丘の高さとスフィアの壁の高さがほぼ等しく、ゆにはその丘を飛び降りる形でスフィア内部に入れた。
朱倉岳避難小屋(しゅそうだけひなんごや) 地名・施設

こころ編の主舞台。HAL18便の墜落生存者4人(こころ・黄泉木・黛・ゆに)が身を寄せる山小屋。

真の意味・真相
半径110mのサークル内に閉じ込められた空間で、2012年1月の青鷺島と1年単位の時空間転移を繰り返している。地下倉庫には段ボールが積まれ、ピッケルや斧などの道具も存在する。
HAL18便(エイチエーエルじゅうはちびん) 地名・施設

羽田から稚内へ向かう小型旅客機。2011年1月11日午後4時頃、朱倉岳上空で乱気流に巻き込まれて墜落。乗員・乗客31人。

真の意味・真相
物語の起点となる墜落事故。「2011年7月4日付」の偽新聞では31人中30人が死亡し、生存者は楠田ゆに(11)ただ一人と報じられている。これは2012年から戻ってきたゆに自身による意図的な情報操作。
X地点(エックスちてん) 地名・施設

避難小屋から東1kmの地点。7月4日付新聞で「3人の遺体が発見された場所」とされる。こころが歴史を変えるために目指す目的地。

真の意味・真相
2011年1月17日午前6時53分の雪崩発生地点。サトル編グッドエンドで悟が朱倉岳に転移したスフィアから走り出し、ここで雪崩に呑まれかけた4人を救出する。
時計台(とけいだい) 地名・施設

スフィアの上にそびえる高さ約15mの塔。悟が物語冒頭に登り、何者かに背後から襲われて落下する。

真の意味・真相
犯人は本編で確定しない(屋上にカメラ未設置)。第3の人格αが関与した可能性が高い。エピローグでこの時計台の鐘が12時を告げて物語が終わる。螺旋階段はウワバミの背鱗のように描写される。
モニタールーム 地名・施設

スフィア地下倉庫の隠し扉の奥にある監視ルーム。榎本の作業場。

真の意味・真相
各個室・リビング・キッチン・地下倉庫・玄関前・ゲート前・バスケットボールコート等の隠しカメラ映像が映る。時空間転移装置(スパコン)とコンソールパネルが並ぶ、物語の核心にある部屋。
阿波墨市(あわずみし) 地名・施設

北海道の架空の市。阿波墨市立病院がある。2009年1月14日の無差別殺傷事件の現場となった街。

科学・技術
量子テレポーテーション(りょうしテレポーテーション) 科学・技術

物体の情報(量子情報)を別の場所に転送し再構築する技術。時空間転移装置の理論基盤として榎本が解説する。

真の意味・真相
EPRペアを用いて人間や物体の量子情報を粒子に分解して転送する技術。ライプリヒ製薬が開発した。榎本がアリスとボブの例えで解説する。実際の量子テレポーテーションは情報の転送のみで物質転送は不可能だが、作中では大きく拡張された技術となっている。
EPRペア(イーピーアールペア) 科学・技術

アインシュタイン・ポドルスキー・ローゼンの3人が提唱した量子論の概念。一度の操作で同時に発生した双子の粒子。

真の意味・真相
双子の粒子は不思議な運命を共有し、どんなに離れていても一方を観測すれば他方に影響が瞬時に伝わる(光速超え)。量子テレポーテーションの基礎概念として榎本の解説の核心をなす。
量子コンピューター(りょうしコンピューター) 科学・技術

量子ビット(キュービット)を使った超高速コンピューター。時空間転移装置の演算基盤として機能する。

補足
1つの素子で2つの状態の重ね合わせを作って、その両方の状態を計算に使う。10素子あれば1回に1024通りの計算が可能。スフィア地下のモニタールームに設置されたスパコンがこの技術を用いている。
アリスとボブ 科学・技術

暗号業界での慣例。情報の送信者をアリス、受信者をボブと呼ぶ。傍受者はイヴ(Eve)。榎本の量子テレポーテーション解説で使われる。

補足
1993年発表の量子テレポーテーション論文で用いられたことが発端。榎本がサークル・装置・3地点間転移を悟に解説する場面で「アリスとボブの例えで説明する」と前置きする。
ベル測定/ユニタリ変換(ベルそくてい/ユニタリへんかん) 科学・技術

量子テレポーテーションの主要操作。アリスとボブの間で行われる量子情報の送受信操作として榎本が解説する。

心理学・医学
DID/解離性同一性障害(ディーアイディー/かいりせいどういつせいしょうがい) 心理学・医学

多重人格症の正式病名。1994年のDSM-Ⅳから「解離性同一性障害」と改名された。生来の人格とは別に複数の人格が生まれてしまう病気。

真の意味・真相
原因は諸説あるが、自我の発達が未発達な12歳未満のときに虐待などを受けることが主な理由とされる。本作では犬伏景子・優希堂沙也香(享年10歳)が患っていたとされ、こころは「自分が悟のDID人格」だと一時期信じる。
海馬(かいば) 心理学・医学

脳の古皮質に属する部位。欲求・本能・自律神経の制御を行う「記憶の製造工場」。海馬がないと5分前のことも覚えていられない。

補足
情報の必要性を判断し脳の他の部分に記憶を蓄える。「年を取ったから物忘れをする」のではなく、たくさんの記憶がある大人は必要な情報を選び出すのに時間がかかるだけ。悟の記憶喪失を考察する際の基礎概念として機能する。
記憶移植(きおくいしょく) 心理学・医学

記憶喪失と区別される概念。記憶喪失はもともとの記憶の一部が欠落した状態、記憶移植はゼロの状態に他人の記憶を埋め込んだ状態。

真の意味・真相
悟の記憶喪失は実際には「記憶移植」かもしれないという疑念が示される。これも本編では確定しない謎の一つとして残される。
刑法第39条(けいほうだいさんじゅうきゅうじょう) 心理学・医学

心神喪失者の行為は罰しない、心神耗弱者の行為はその刑を減軽するとする法律。犬伏景子が無罪となった法的根拠。

補足
DIDによる犯行は本人の意思が介在しない(別人格が行った)とされ、司法鑑定で心神喪失と認定されて無罪になる。本作の物語構造(DID・空間転移による無自覚な犯罪)の倫理的問いを支える概念。
境界性人格障害(きょうかいせいじんかくしょうがい) 心理学・医学

別名ボーダーライン。10項目のうち5つ以上当てはまる人格障害。「絶望を愛し希望を恐れる」とTIPSで説明される。

真の意味・真相
犬伏景子の人格特性として描写される。DIDと合わせて犬伏景子の心理的背景を形成する概念。
ロールシャッハテスト 心理学・医学

投影法による人格検査。インクのシミ図形を見せて答えさせることで被験者の深層心理を読み取る。

真の意味・真相
本作のBADエンドの一つ「ロール有りBAD」の名称の由来でもある。
明晰夢(めいせきむ) 心理学・医学

夢の中で「自分は今、夢を見ているのだ」と自覚しながら見る夢。

真の意味・真相
こころが「これは明晰夢かもしれない」と疑う場面で登場する。実際には空間転移という現実だが、本人は夢と現実の境界を見失っている。
クローン/クローン法 心理学・医学

遺伝子工学で生まれた遺伝的に親と同じ細胞集団。2010年に人間のクローン受精が解禁された設定の作中世界では、小学生1000人中1〜2人がクローン人間という常識が形成されている。

真の意味・真相
ゆにに「双子説/クローン説」の選択肢が提示される伏線として機能する。ゆに自身は「ぼくは、双子じゃないよ」と否定するが、真相は物語の謎として残される。
哲学・思想
二律背反(にりつはいはん) 哲学・思想

ゆにが機内で説いた世界観「この世界は二律背反するふたつの要素がうまく重なりあって共存してるんだ」。物語全体の構造原理。

真の意味・真相
光と影、陰と陽、雄と雌、虚数と実数、こころと悟、雪山とスフィア、2011年と2012年など、すべて二律背反するふたつが共存している。かごめかごめの「夜明け」と「晩」「鶴」と「亀」「後ろ」と「正面」もすべてこの世界観を象徴する。
ラプラスの悪魔 哲学・思想

フランスの数学者ラプラスが提唱した概念。世界の全状態を正確に知る「悪魔」がいれば過去・未来を完全に予測できる。決定論的世界観の象徴。

真の意味・真相
本作の「歴史は変えられない」「歴史は繰り返される」のテーゼと関連する。ゆにが言う「偶然起きた現象はそっくりそのまま歴史を繰り返してやらなければ絶対に再現し得ない」という言葉はラプラスの悪魔と地続きの世界観。
シュレディンガーの猫 哲学・思想

コペンハーゲン学派の確率論的世界観を批判した例え話。箱の中に閉じ込められた猫は観測するまで生死が決まらない。

真の意味・真相
ゆにの「後ろの正面は、振り返って目を開くまで……決まらない……」という台詞が同じ思想に基づく。かごめかごめの「うしろのしょーめんだーれ?」も観測まで不定という量子論的問いかけ。
胡蝶の夢(こちょうのゆめ) 哲学・思想

荘子の説話。蝶になった夢を見た男が目覚めて「蝶が人間の夢を見ているのではないか」と問う。現実と夢の境界の問い。

真の意味・真相
バッドエンドの一つ「胡蝶の夢2」の名称の由来。夢か現か、空間転移は実在かを問うこころの意識と重なる。
アンドロギュノス 哲学・思想

ギリシャ語で「両性具有者」の意。男女両性を兼ね備えた存在。本作の世界観を象徴するキーワードとしてTIPSで解説される。

真の意味・真相
こころと悟の身体交換、ふたつの空間(雪山・スフィア)の合体、ふたつで一対の二律背反など、本作全体の構造を象徴する。
パラドックス 哲学・思想

論理的に矛盾する命題。時空間転移において「歴史を変えようとした行為が歴史を作った」という構造がパラドックスを生む。

真の意味・真相
7月4日付の偽新聞を持ち込んだ2012年のゆに自身が、こころに雪崩の時刻と地点を教えることで歴史を再現した。「歴史を変えようとした行為が歴史を成立させた」という閉じた因果を形成する。
デウス・エクス・マキナ 哲学・思想

ラテン語で「機械仕掛けの神」の意。演劇や文芸で行き詰まった状況を必然性なく解決する便宜的な役柄。

真の意味・真相
「セルフ編」が未収録のため、第3の人格α=セルフが「機械仕掛けの神」として最終的にすべてを解決する設計だったと推測される。本編では機械仕掛けの神の出番は永遠に来ない。
ユング元型(シャドウ/グレートマザー/オールドワイズマン/ペルソナ/アニマ/アニムス/トリックスター) 哲学・思想

ユング心理学の「元型」(アーキタイプ)。人間の心の深層にある普遍的なイメージ群。本作のキャラクターがそれぞれ対応する。

キャラクター対応
シャドウ=犬伏景子、グレートマザー=内海、オールドワイズマン=黄泉木、ペルソナ=黛、アニマ=こころ、アニムス=悟、トリックスター=ゆに(雪山側)、永遠の少年=黄泉木潤一とゆに(BADエンドのみ)。
ヘカーテ 哲学・思想

ギリシャ神話に登場する「死と氷の女神」。月の女神とも呼ばれる。サトル編4日目の章タイトル副題として使われる。

真の意味・真相
サトル編「Nucleotide/Real」段階で死の予感が高まる時期に対応する章タイトル。榎本殺害が近づくこの時期に、死の女神の名前が冠される。
物品・道具
テラバイトディスク 物品・道具

ゆにが所持するケース入り円盤状の物体。「最近製品化された大容量記憶媒体」とされ、内容物の詳細は最後まで明かされない。

真の意味・真相
ゆに曰く「ぼくはここに書かれてることを全部信じることにしたんだ」。1月17日に救助されるゆにが持って帰り、その後1年経って2012年のゆにが青鷺島に持参し、再び朱倉岳に持ち込む……という2011年と2012年の間を循環し続ける物体。
7月4日付の新聞 物品・道具

こころが避難小屋で偶然発見した「2011年7月4日付」の未来の新聞記事『朱倉岳に男女3人の腐乱死体』。

真の意味・真相
2012年のゆにが朱倉岳に持ち込んだ偽新聞。記事内容は「2011年1月17日午前6時53分にX地点で雪崩発生」「黄泉木・黛・冬川の3人が腐乱死体で発見」「生存者は楠田ゆに(11)のみ」。こころに雪崩の時刻と地点を教えるために置いた。しかしこころは情報を完全に理解する前にX地点に向かい雪崩に呑まれてしまう。
IDカード 物品・道具

悟が時計台屋上の鉄扉を開けるのに使用するカード。「SATORU YUKIDOH/1331 2223 9801」と凸型に刻まれている。

真の意味・真相
スフィア地下のドアやゲートを開けるマスターキー。ライプリヒ製薬研究員としての悟の身分証でもある。
GPS 物品・道具

人工衛星を使って三次元空間の受信者位置を求めるシステム。黄泉木が所持しているが墜落のショックで故障し、デタラメな座標を表示して位置特定に使えない。

ピッケル 物品・道具

バランス支持・足場切り・滑落停止などに用いる登山用具。頭部にブレードとピックを持つ斧形ツール。

真の意味・真相
雪原で「黛が振るったピッケルが空を切る」という描写がSE台本に存在する。BAD分岐での凶器として機能する場面がある。
カモミールティ 物品・道具

黄泉木がこころに最初に淹れたお茶。「賞味期限の保証はできない」「鎮静作用がある」と告げる。倉庫で見つけた保存品。

補足
「飲むんだ、これを」と勧めてくる場面はこころと黄泉木の信頼の最初の一歩。こころと黄泉木の関係が始まる象徴的な品。
業務用裁ちバサミ(ぎょうむようたちバサミ) 物品・道具

阿波墨市立病院無差別殺傷事件の凶器。犬伏景子が使用した。

真の意味・真相
大型の業務用裁ちバサミを分解し、クロスした刃のうち一方だけを用いて凶行に及んだ。もう片方は警察捜索で見つからなかった。
DMT(ジメチルトリプタミン) 物品・道具

幻覚剤の一種。サトル編4日目に「DMTとMAO阻害剤の組み合わせ」がBAD要因として登場する。

真の意味・真相
ジメチルトリプタミン。MAO阻害剤(チラミン)と組み合わせると致死性が増す。サトル編BAD「チラミンとDMTの」の原因となる。
MAO阻害剤(チラミン)(エムエーオーそがいざい/チラミン) 物品・道具

モノアミン酸化酵素阻害剤。抗うつ作用を持つ。DMTと組み合わせると幻覚作用が長く続き、致死的となる。

睡眠薬(レキセニン)(すいみんやく/レキセニン) 物品・道具

ベンゾジアゼピン系抗不安剤。鎮静催眠作用が強い。スフィア1日目に内海から悟に渡される錠剤がこれと推定される。

補足
服用後最高血中濃度は1時間後。作用発現速度はやや速め。血中半減期は6〜20時間。サトル編で悟の身体が自ら睡眠薬を飲んでバスタブに沈み溺れかける場面にも関連する。
バスケットボール 物品・道具

サトル編3日目「Respite(休息)」で4人がフリースロー大会を行う場面で登場する。スフィアにはバスケットボールコートがあり、それもモニタールームのカメラで監視されている。

双子の赤ん坊(ふたごのあかんぼう) 物品・道具

黄泉木夫妻(黄泉木と内海)に2011年8月に生まれる新たな命。二卵性双生児で片方が男の子、片方が女の子。

真の意味・真相
サトル編エピローグで青鷺島の海岸に登場する。2009年1月14日の阿波墨事件で殺された長男・潤一のことを「与えてくれたもの」として位置づけられ、希望の象徴として物語を締める存在。
事件・事故
阿波墨市立病院無差別殺傷事件(あわずみしりつびょういんむさべつさっしょうじけん) 事件・事故

2009年1月14日午前4時、北海道阿波墨市の総合病院で発生した事件。犯人は当時17歳の犬伏景子。死者12名(小学生児童を含む)・重軽傷者19名。

真の意味・真相
凶器は大型業務用裁ちバサミの片刃(もう片方は紛失)。動機不明。逮捕直前の犯人は「セルフはどこ?」と呟いた。司法鑑定でDIDと診断され、刑法第39条1項により無罪。スフィアに軟禁。犠牲者の一人が黄泉木夫妻の長男・潤一。
2011年1月11日(にせんじゅういちねんいちがつじゅういちにち) 事件・事故

物語の起点となる日付。HAL18便が朱倉岳上空で墜落し、スフィアの時計台が落下する。2つの事象が同時発生した日。

補足
「1-1-11」という数字の対称性は二律背反の世界観と呼応する。1・1・11はそれぞれ単体でも素数であり、「11」は作品タイトルの数字とも重なる。
2012年1月11日(にせんじゅうにねんいちがつじゅういちにち) 事件・事故

サトル編の起点。2011年1月11日から1年後。悟がスフィアで目覚める日。2011年の避難小屋と空間転移が始まっている。

沙也香事件(さやかじけん) 事件・事故

2001年頃に起きた悟の妹・沙也香の死に関わる出来事。本編では詳細が明かされない。

真の意味・真相
悟が計画を立案した起点となった出来事。時空間転移装置の開発を目指すことになった動機に深く関わるとされる。具体的な経緯は本編未確定。沙也香もDIDを患っていたとされる。
引用・象徴
かごめかごめ 引用・象徴

機内でゆにとこころが議論する童歌。「夜明けの晩に」と「月夜の晩に」のどちらが正解か。「うしろのしょーめんだーれ?」の問いが物語を貫く。

真の意味・真相
物語の主題曲的存在。「夜明け」と「晩」「鶴」と「亀」「後ろ」と「正面」――どれもふたつで一対になる二律背反の世界観を象徴する。「後ろの正面は振り返るまで決まらない」はシュレディンガー的問いかけ。エピローグで穂鳥が歌う「うしろのしょーめんだーれ?」が物語を締めくくる。
私はカモメ 引用・象徴

世界初の女性宇宙飛行士ワレンチナ・テレシコワがヴォストーク6号で送ったとされる通信。物語冒頭の引用として登場する。

真の意味・真相
実際はロシア語の「チャイカ(カモメ)」がヴォストーク6号のコールサインだっただけで、テレシコワは「こちらカモメ、こちらカモメ」と管制塔に送信しただけ。日本語訳の誤訳が詩的な表現として広まった。
籠女(かごめ) 引用・象徴

「私はカモメ」「私は籠女」とこころが自嘲する独白として登場する。こころ編エピローグのタイトルにもなる。

真の意味・真相
狭い籠(避難小屋・スフィア)の中に閉じ込められた女の子としてのこころ自身の象徴。かごめかごめの「籠の中の鳥」とも重なり、自由を失った存在としての自己認識を示す。
赤受咸青(せきじゅかんせい) 引用・象徴

悟がこころに残したメモに書かれた四字熟語。「赤、ことごとく、青を受ける」の中国の格言。

真の意味・真相
「悟」と「心」は切っても切り離せない関係にある。「悟」は「心」がないとただの「吾(われ)」になってしまう。「心」があるからこそ「吾」は「悟」になれる――というキャラクター名の解釈の暗示。本作のラブストーリー的側面を支える隠喩。悟がこころに最後まで直接教えない。
ダビデとサウル 引用・象徴

物語冒頭、時計台屋上の悟が「ダビデは琴を弾いていた……/サウルの手には槍があった……」と呟く引用。旧約聖書「サムエル記上」のエピソード。

真の意味・真相
サウルが嫉妬と狂気からダビデを槍で殺そうとした故事。悟が誰かに背後から襲われる予兆として機能する。時計台落下の直前に呟かれることで、「殺意を持った者が近くにいる」という布石となっている。
二律背反の対象(各キャラ象徴対) 引用・象徴

物語の構造を貫く二律背反の対応関係。こころ↔悟(アニマ↔アニムス)、2011年↔2012年、雪山↔スフィアがその代表例。

対応一覧
こころ(女・学生・日常)↔悟(男・院生・科学)、2011年(過去)↔2012年(未来)、朱倉岳雪山(自然・死)↔スフィア(施設・人工)、ゆにの正体(双子?クローン?)、かごめかごめの「夜明け」と「晩」、テレシコワの「誤訳」と「真実」など。本作世界のすべてが二律背反で組まれている。
ブロッケンの妖怪 引用・象徴

雪山で霧が立ちこめているとき、太陽の光を背に受けて立つと自分の影が霧に投影されて巨大に見える現象。雪山の幻想的描写に組み込まれる。

ウワバミ(時計台比喩) 引用・象徴

時計台の螺旋階段を悟が登る場面で「巨大なウワバミの背鱗を歩いているようだった」と表現される。大蛇の象徴。

補足
時計台の内部構造を暗示すると同時に、蛇の象徴(誘惑・死・知恵)として物語の雰囲気を醸す。悟がここで背後から襲われて落下するという事件への伏線ともなる。
鳩鳴館大学(はとなりかんだいがく) 引用・象徴

こころ(鳩鳴館女子大学・人文学部社会学科3年)と悟(鳩鳴館大学院・工学部物理工学科量子物理学研究室・修士課程2年)の所属機関。本来は別キャンパスで交わらない2人を結びつける縁。