用語集 — 車輪の国、向日葵の少女
車輪の国、向日葵の少女の固有設定用語を解説します。▼ネタバレ詳細を含む項目はアコーディオン内に格納されています。タグをクリックするとカテゴリを絞り込めます。
この世界の義務制度を定める国家法。物語冒頭から存在が示される。
- 詳細
- 国家が市民の自由を合法的に剥奪する道具。法月のような特別高等人を頂点とする支配システムの根拠法として機能する。
- 作中での使用
- 第二章冒頭の回想ナレーション「大昔、まだ特別高等法が整備されていなかった時代には……」で歴史的背景とともに提示される。
被更生人を管理・監督するエリート官僚。賢一はその候補生として赴任する。
- 詳細
- 被更生人に対して「生殺与奪」の権限を持つ国家最高権力者的存在。15年の選抜プロセスを経て就任する。法月のように暴力も行使できる。
- 作中での使用
- 法月が候補生の南雲えりを「遅刻」の理由で即座に射殺する場面(第一章冒頭)でその権力の質が一撃で示される。
義務を課されて「更生中」とされる市民の総称。さち・灯花・夏咲の三人が該当する。
- 真の意味
- 「更生」とは名ばかりで、実質的には国家が望まない人間を管理・排除し続けるための制度。義務の内容は表向きの犯罪とほとんど無関係に設定されている。
罰則として課される生活制限。胸のバッジで種別が示される。
- 真の意味
- 「犯罪の罰」ではなく、体制に都合の悪い人間を排除せずに管理し続けるための装置。ヒロインごとの義務の内容が物語の中心的葛藤を形成する。
さちに課された義務。午前7時から午後7時まで強制的に眠らなければならない。
- 真の意味
- 表向きの原因はギャンブルの借金だが、実態はIQ140・受賞画家という国家に都合の悪い天才を社会から排除するための手段。さちが夜だけ活動する生活スタイルの根拠となる。
灯花に課された義務。親権者・母の命令に絶対服従しなければならない。
- 詳細
- 母・大音京子が支配欲の道具として利用し、灯花を心理的に縛り続けている。灯花ルートでは実父・幸喜との和解を通じてこの義務の解除へ向かう。灯花BADでは京子の死によって灯花が退行・自傷状態に陥る。
夏咲に課された義務。通称「恋愛できない義務」。異性との物理的接触が禁じられる。
- 真の意味
- 地主・佐久間孝道による詐欺罪の濡れ衣によって課された不当な義務。夏咲の両親は強制収容所に送られた。賢一との幼なじみ関係が再開しても、すぐには触れ合えない葛藤を生む。
本作に登場する最も重い義務。世界から存在を認められない罰。
- 詳細
- 璃々子に課された義務。誰も璃々子を見てはならず、話しかけてはならず、触れてはならない。違反者は強制収容所へ。肩に太陽紋様のタトゥーが入れられている。
- 作中での使用
- 第三章・第五章で璃々子の実態が段階的に明かされる。「存在しない人」として背景にいながら全ルートの核心を担う。
血縁者・関係者の連帯責任制度。賢一が偽名を使い続ける理由に関わる。
- 詳細
- 賢一が「樋口健」として身を明かせない理由の一つ。父・三郎の革命家としての罪が息子にも及ぶため、偽名「森田賢一」のまま生きなければならない。
民族的少数派。差別は20年前に撤廃されたとされるが、被差別地域に暮らす人々がいる。
- 詳細
- 法律上の差別は解消されたとされるが、被差別地域というスラムに追いやられている実態がある。賢一が7年間潜伏した場所でもあり、守破離の哲学を教えた職人もこの地域の人物。
法月将臣の直属組織。思想警察的機能を持つ。
- 詳細
- 第五章で賢一と法月の最終対立の場面に介入し、実力行使に出る。法月の私兵的機能を持つ組織として機能する。
町の入り口にある夏の風景。賢一と夏咲の幼少時の約束の場所でもある。
- 真の意味
- 革命時に爆弾が投下された場所。夏咲の両親が逮捕され、賢一が洞窟の人々を見捨てた原点的トラウマの地。終盤では希望の象徴として再登場し、ハーレムENDでは全ヒロインとの再会の場となる。
物語の中で繰り返し言及される「逃げ込んだ場所」。賢一の原罪と深く結びつく。
- 詳細
- 父・三郎の革命時、民間人約百人(女・子供・負傷者)が逃げ込んだ場所。健(賢一)は食料調達で外に出た際に戻れず、百人を見捨てた。これが主人公の原罪として全ルートに影を落とす。第四章で全容が明かされる。
異民が暮らすスラム的地域。賢一が七年間潜伏した場所。
- 詳細
- 革命崩壊後に法月に拾われるまでの7年間、賢一が潜伏した場所。この地域の職人から「守破離」の哲学を学んだ。
まなが売られた先の王国。さちENDで再会の舞台となる。
- 詳細
- 法月の策略でまなが「王族」として売られた先。5年後、まなは「アンテリアム・ド・ムァヌー」という王室秘書官としてこの国から帰還し、さちと再会する。
町近郊の山。物語中に言及される地名。
- 詳細
- 賢一が「森田」という姓を名乗っていることとの関係は示唆されるにとどまる。
作品タイトルにもなる中心的象徴。法月は「社会の流転」の比喩として用い、賢一は別の意味を提示する。
- 詳細
- 法月は「万物は流転する。それはまるで、車輪のように」と支配者の論理として使う。賢一はSF小説を引いて反論:「車輪とはある種の拷問器具を指す」「車輪の下にいる人間について考えるべき」——制度に踏み潰される側の視点でタイトルは成立している。
- 作中での使用
- 第二章の賢一vs法月の最重要対話場面で双方が使用する核心語。
修行の三段階を示す概念。被差別地域で賢一が職人から学んだ。
- 詳細
- 「守」=師の教えを守る、「破」=自己流に発展させる、「離」=独自の境地へ。賢一の7年間の放浪と成長を象徴する概念で、特別高等人候補生として体得した実践哲学の根幹を成す。
賢一の口癖「SF小説の話ですが——」で始まる知識披露のパターン。
- 詳細
- 「SF小説の世界では、この国のことを『日本』と呼ぶようです」という枠組みで、現実の日本史・拷問史を「フィクション的に」語る語りの装置。車輪=拷問器具の引用もここから。コメディとして機能しながら、重要な世界観説明も担う。
義務の種別を示す胸のバッジ。被更生人と特別高等人で色・形が異なる。
- 詳細
- 金色のバッジは特別高等人の証。被更生人のバッジは義務の種別ごとに異なるデザインとなっており、一目で身分と課せられた制限がわかるようになっている。
さちが拾った戸籍なしの子供。さちの家の押し入れで寝ていた。
- 詳細
- 法月の策略で南方王国に売られるが、さちENDでは5年後に「アンテリアム・ド・ムァヌー(Anterium de Manu)」という王室秘書官として帰還し、さちと感動の再会を果たす。
賢一の幼なじみで自称・童話作家。独特の言動でコメディリリーフとして機能する。
- 真の意味
- 本名は磯野(いその)。幼少時に洞窟事件で母親を目の前で兵士に処刑された経験を持つ革命の生存者。樋口三郎の崇拝者でもあり、コメディリリーフとして機能しながら革命と過去の証人でもある。
賢一の父。革命家として物語の背景に存在する故人。
- 詳細
- 元特別高等人→体制に反旗を翻した反政府革命家。1年以上の武装蜂起を指導後、法月将臣に殺された。息子・健に向けて記録装置「記憶」を残しており、第五章で賢一がそれを回収する。セピア(磯野)の崇拝対象。
法理学博士の肩書を持つ特別高等人候補生。第一章冒頭に登場する故人。
- 詳細
- 第一章冒頭で「遅刻」を理由に法月将臣によって即座に射殺される。特別高等人の絶大な権力と法月の冷酷さを一撃で示すために登場し、以後は言及のみ。
灯花の母・学校教師。義務「親権者に絶対服従」の執行者として灯花を支配する。
- 詳細
- 支配欲の強いS型の人物。灯花の義務を利用して心理的支配を行う。灯花BADでは死亡し、灯花が退行・自傷状態に陥る原因となる。灯花ENDでは賢一と幸喜の働きにより家族として受け入れる方向へ変化する。
特別高等人の長官格。賢一の師として登場する。杖を常に使用する。
- 詳細
- 樋口三郎(賢一の父)を殺し、璃々子を逮捕した当人。幼い賢一を拾い「森田賢一」という偽名と戸籍を与え、7年かけて後継者候補として育てた。すべては自分の後継者を作るための計算だった。賢一を「車輪」として使い続けようとする体制の化身。
夏咲に義務を課した原因となった地主。
- 詳細
- 夏咲に詐欺罪の濡れ衣を着せ、義務を負わせた黒幕。夏咲の両親も強制収容所へ送った。夏咲ルートで不正を暴く対象として機能する。
父・三郎、義姉・璃々子、弟・健(賢一)から成る家族。
- 詳細
- 父・三郎は革命家として法月に殺された。義姉・璃々子は革命崩壊後に極刑を課された。弟・健(賢一)は法月に拾われ「森田賢一」として生きている。三人は別々の運命を辿りながらも、物語の中で交差していく。
さちが画家として使う筆名。本名と同じ「三ツ廣」。
- 詳細
- 8年前に北島英伊賞を受賞した受賞作品の作者名。現在は義務によって創作活動が制限されているが、さちENDで5年後に世界文化賞を受賞する形で復活する。
さちが8年前に受賞した権威ある芸術賞。天才画家としての過去を示す。
- 詳細
- さちの「失われた可能性」の証として機能する。義務(生活時間制限)によって現在は創作活動が著しく制限されており、IQ140の天才がどれほどのものを奪われているかを示す。