ストーリー詳細 — 誰彼 -たそがれ-
共通序章から各エンドまでのストーリーを解説します。 ▼詳細を読む はネタバレを含みます。 プレイ済み設定をするとアコーディオンがデフォルトで展開されます。
共通序章
平成1X年夏。島神県鏡間市依代町の岩場。女子高生の三井寺月代と砧夕霧が潮遊びをしていると、岩場の古い社の地下石棺に降りてしまう。そこで御堂という男が棺の蓋を開き、眠っていた男・坂神蝉丸に剣を突き立てる場面に遭遇する。
蝉丸は目覚め、御堂と戦闘。女子高生たちを逃がした後、石原麗子の診療所に担ぎ込まれる。新聞を見た蝉丸は「平成」という元号に愕然とする——自分が昭和19年から50年間、石棺の中で眠らされていたことを、その場で初めて認識する。
覆製身である老蝉丸の坂神邸に匿われた蝉丸は、月代・夕霧・桑嶋高子・麗子たちとの共同生活を始めながら、御堂・岩切花枝という敵の動向を探る。夜は感覚が鋭く昼は鈍るという仙命樹の特性が日常の随所に滲み出る。
松林での御堂戦で夕霧が強化兵の返り血を浴びて催淫状態となる事件、麗子が診療所を単独で守り岩切を撃退する場面——麗子が只者でないことの暴露——、そして「神渡の北村を訪ねろ」と囁く光岡悟の登場。共通序章はこれらの伏線を積み重ね、各展開の分岐点へと向かう。
紅い絆 トゥルーエンド
月代が主役になる前半の積み重ねが結実する章。「蝉丸を護りたい」という月代の感情が物語の核を動かす。
御堂が月代を誘拐し、海底地下施設に幽閉する。蝉丸は単身突入。施設の奥で、岩切が瀕死の状態で仙命樹の「声」を聞き、「ここに、わたしたちの母がいる。4億年前にこの星に生まれた命の根源が」と語りながら自決する。この場面で仙命樹が地球生命の源泉であるという世界観の核心が明かされる。
御堂が地下中央の「生命の樹」から真仙命樹を摂取し、肥大化する。蝉丸は一度敗北しかけるが、月代が跋扈の剣・鳳凰を届けることで逆転する。「きっとこの剣なら蝉丸を護れるって思ったの。蝉丸のこと、死んじゃヤだって思ってたら、急に剣が光り出して、どんどん勇気が出てきたの」——月代の愛が剣を発動させた決定的瞬間。
オリエントホテルでの決着。犬飼が全てを告白する中、覆製身きよみが犬飼を庇って絶命する。月代は蝉丸に「あたし……初めて、男の人、好きになったの」と告白。蝉丸は「しかし、お前は月代だ。この気持ちは月代に対する思いに他ならない」と——月代を覆製身ではなく月代として愛することを告げ、二人は結ばれる。
エンディング:蝉丸は坂神邸に残ることを選ぶ。本作唯一の「旅立たないエンド」。月代の告白に応え、蝉丸は不老不死の宿命に逆らって留まる。
永遠の樹 ノーマルエンド
紅い絆と同一の物語を辿りながら、末端の分岐で蝉丸が旅立つ結末になる。
紅い絆と同じ経緯を経て、終盤の分岐で「別れ版」に入る。月代との別れは前日に済ませており、翌朝月代は見送りに来ない。「お別れは昨日済ませた」という言葉だけが残る。
エンディング:蝉丸は静かに坂神邸を出て旅立つ。不老不死の者が愛する者の元を去るという宿命を、月代との関係にも繰り返す結末。
不老不死を ノーマルエンド
老蝉丸の陰謀と不老不死の倫理が主題の章。高子の言葉が事件の核心を突く。
踵骨腱(アキレス腱)の超回復を高子に目撃させ、蝉丸が強化兵としての正体を告白することでこの展開に入る。高子は秘密を守る協力者となり、蝉丸の戦いを支える。
中盤から老蝉丸への疑念が深まる。地下施設で老蝉丸が強化兵コントロール装置を使って御堂・岩切・光岡を再起動させた黒幕だったことが判明する。「わしの身体には仙命樹は根付いていなかったのだっ!! なにがお前と違うというのだ!?」と絶叫する老蝉丸に、高子が「永遠に生きてどうなるんですか!?」「年をとらない人間が、同じ土地に居続けることはできないのですから」と叱咤する。
老蝉丸が銃を下ろし、改心する。事件が収束し、蝉丸は旅立つ決意を告げる。高子は「別れたくありませんっ」と告白し、一夜を共にする。
エンディング:「俺は時代を越えて生きる」と告げ、翌朝旅立つ。高子は月代・夕霧・老蝉丸と共に見送る。
四人心中エンド トゥルー扱い
蝉丸ときよみの50年の因縁に決着をつける、最も重く純粋な章。
光岡の「神渡の北村を訪ねろ」に従い、「北村」=杜若裕司と接触。裕司からきよみの生存を告げられ、50年間守り続けた事実を知る。蝉丸は「奴らと戦う」を選択し、光岡との影花藤幻流の決闘へと向かう。
光岡は「俺の剣には六七式菌は付いていない。そう見せただけだ。だが、俺は死ぬ。どのみち俺の死は決まっていた」と告白し、「坂神……きよみは……お前が護れ……末永く……」と遺言を残して自己犠牲を選ぶ。
光岡の死後、きよみが意識を取り戻す。「だめえええぇぇぇっ!!!!」と叫んで光岡の死を阻止しようとするが間に合わない。きよみは蝉丸に「わたしを狂わせてください。蝉丸さんの血で」と求め、仙命樹宿主同士の交わりで結ばれる。
エンディング:翌日、書き置きが発見される。蝉丸・きよみ・裕司・光岡の四人が遺書を残し、共に死を選ぶ。「先立つ不幸を、お許しください」。
引継ぎエンド ノーマルエンド
光岡が旅立ち、蝉丸がきよみを引き継いで生きる結末。
四人心中エンドと同じ経緯を辿った後、光岡が「旅立つ」選択をする版。光岡のテロメア異常短縮による余命の短さが示唆されながら、蝉丸は裕司の元できよみを引き継ぐ日常が始まる。
エンディング:蝉丸が裕司からきよみを引き継ぎ、共に暮らし始める。「俺がお前を護る」という静かな決意。月代がときどき訪ねてくる、新しい関係が構築される。
渡米エンド ノーマルエンド
仙命樹の真の起源が語られる、世界観の最深部に触れる章。
麗子が御堂・岩切から高子を守り、岩切に「安宅みや」と呼ばれる流れで麗子の章に入る。麗子が診療所を単独で守る戦闘力が本格的に描かれる。
御堂と岩切が高子を人質にし、麗子が御堂の片腕を切り落として撃退。麗子は高子を催淫状態から解くため、女同士の愛撫で鎮静させる。光岡が麗子を訪問し、仙命樹の起源——4億年前にこの星から逃れようとして石化した太古の「物」の末裔——が語られる。
エンディング:麗子の特異性質の細菌研究がアメリカで認められ、渡米が決まる。「顔を知る者が消えるまで半世紀は日本に戻らない」と告げ、蝉丸との再会を約して別離。麗子の正体「安宅みや」は確定しないまま幕を閉じる。
バッドエンド一覧 ×11
本作のバッドエンドは全10件。御堂・岩切との戦闘敗北が中心で、蝉丸の「強化兵としての限界」を多面的に描いている。
序盤。蝉丸が単独で行動した場面で御堂に先手を取られ、狙撃によって致命傷を受ける。仙命樹が再生を試みるが間に合わない。本作で最初に到達できるバッドエンドで、「御堂を侮ると即死する」という警告として機能する。
海中での再戦で岩切に両手首・両足首先を切り落とされる。仙命樹も手足先端は復元できず、強化兵としての命運が尽きる。麗子に「一生手足が不自由なままよ?」と告げられ、戦いから退く不完全燃焼なエンド。強化兵の再生限界——末端部位は戻らない——が明言される唯一の場面。
夕霧が催淫状態になった松林での御堂戦で、判断が遅れた蝉丸が御堂に捕捉される。引きつけられた状態のまま嬲り殺しにされる。序盤の御堂の残虐さが最も直接的に描かれる場面。
生命の樹の根を喰らって肥大化した御堂に、片腕を落とされた状態で挑む。速度と自重を兼ね備えた打撃で全身を破壊される。「真の仙命樹、か。俺はこの、圧倒的な力の前に屈するしかない」という諦念の独白で終幕。月代が跋扈の剣を届けた紅い絆と対をなす——届かなかった場合の結末。
濡れた洞窟に誘い込まれ、「ここは水中と同じだ」という岩切の術中にはまる。「ほほほっ、どうした坂神。無様だな」と嘲られながら全身を切り刻まれ、血液量と仙命樹の密度が枯渇して意識が遠のく。陸上でも高い岩切の機動力が最も恐ろしく描かれる場面。
月代が泳いで助けに来なかった場合の分岐。岩場の海面から足首をつかまれ、「首と胴を切り離すとどうなるか、気にはならんか?」と脅される中、無酸素状態で完全に抵抗を封じられて敗北する。
北村邸への侵入が失敗し、警察に逮捕される。裕司と接触できないまま事件が進行し、きよみへの道が閉ざされる。戦闘ではなく「選択ミスによる詰み」の構造を持つ、本作唯一の非戦闘系バッドエンド。
洞窟で岩切に左手首の血を口元に注がれ、強化兵同士の催淫作用を受ける。「この血は盟約だ」と岩切が宣言。蝉丸は理性を失い、「俺はこの女が欲しかった。そのすべてを、俺のもので汚したかった」という独白とともに獣と化す。事件が解決しないまま発情に呑まれて朽ち果てる暗転エンド。
蝉丸が日中に単独で岩場調査に向かうと、御堂に陽光下の能力低下を読まれ、予想外の位置から両腕両足の関節を撃ち抜かれる。6時間以上の治癒を強いられる間に坂神邸が危険にさらされる可能性を独白して終わる。死ではなく「戦力喪失の屈辱」として描かれる点が特徴。
月代が犬飼に誘拐された状況で、蝉丸が裕司を引き渡す選択を取った場合。裕司が殺害され、きよみもその場で消される。覆製きよみが勝ち誇って姿を消し、蝉丸は空虚な夏の残りを過ごす悲しいエンド。