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用語集 — CLANNAD

CLANNADの固有名詞・設定用語を解説。学園編・After Story・幻想世界の用語を収録。

概念・世界観
CLANNAD くらなど 概念・世界観
ゲームタイトルそのもの。語感だけが提示され、本編中で訳語の説明はされない。Kanon・AIRに続くKey第三作の主題語として、全シナリオを静かに貫いている。

ゲール語で「家族」を意味する語。岡崎家・古河家・坂上家・伊吹姉妹・芳野と公子・有紀寧と不良たち・美佐枝と志麻の猫——血の繋がりを越えた「家族と呼べる関係」を作っていく過程が全編の主題であり、タイトルそのものがその答えになっている。

幻想世界 げんそうせかい 概念・世界観
プロローグで断片的に挿入される、誰もいない廃れた世界の描写。少女とロボットの「僕」が二人きりで旅をしている、もうひとつの世界。

朋也のいる現実世界と並行して存在する、もうひとつの世界。「この世界の意志」が宿り、町に生きる人々の想いから生まれた光がここに集まっていく。各章の合間に短く挟まれ、True Endで現実世界と接続して全モチーフが収束する。

光の玉 ひかりのたま 概念・世界観
学校の大樹にまつわる「願いを叶える光」という伝承。誰かが幸せになった時、町のどこかで小さく生まれて世界を巡るとされる。

町の人々が幸せを得た瞬間に生まれ、世界を巡る光。各ヒロインルートを越えてゆくたびに少しずつ集まっていき、最終的に朋也の中で結実してTrue Endの奇跡を成立させる。タイトル画面に集積されてゆく演出と一体になった、本作の中核を成す機構そのもの。

この世界の意志 このせかいのいし 概念・世界観
幻想世界に佇む謎の少女。荒野に立ち尽くす姿だけが繰り返し描かれ、ロボットの「僕」の唯一の対話相手として存在する。

幻想世界そのものの想念が形を取った存在。汐の魂、そして朋也が抱えてきた喪失と希望の総体と重ね合わされる。終盤に向けて少女とロボットの正体が読み解かれてゆき、True Endでは現実世界の家族と一つの像に重なる。

After Story あふたーすとーりー 概念・世界観
学園編の各ルートをクリアした後に解放される、後日談の長編シナリオ。卒業後の朋也と渚を中心に、社会人としての時間が描かれる。

渚との結婚生活、就職、出産、喪失、そして再生までを描く社会人編。本作の評価がここで決まると言われるほどの長尺と密度を持ち、雪原の旅と汐の発熱、True Endの奇跡へと至る長い時間がここに収められている。

ロボット ろぼっと 概念・世界観
幻想世界で「僕」が宿る身体。廃材から組み立てられた人形のような姿で、少女と二人きりで荒れた世界を歩いていく。

幻想世界に唯一存在する「僕」の体。語り手として全編に挿入され、少女との対話を通して世界の意味を少しずつ読み解いてゆく。終盤でその魂の正体が明かされ、ロボットの身体が選ばれていた理由までもが回収される。

朋也の光 ともやのひかり 概念・世界観
終盤に語られる、朋也の中に灯る光。これまで関わってきた人々の想いと、彼が積み重ねてきた選択の総体として描かれる。

これまで集めてきた光の玉が朋也の意志となり、渚と汐を死から救う奇跡として結実する。True Endのクライマックスで、家族を取り戻すための最後の力として用いられる。本作のすべてのモチーフが、この一点で収束する。

この町が好きか このまちがすきか 概念・世界観
渚が校門前で誰にともなく呟いていた問いかけ。朋也との出会いの最初の言葉として置かれ、その後も折に触れて繰り返される。

朋也と渚の関係を貫くテーマ。失われていくものを抱えながらも「それでも好きでいられるか」を問い続ける、作品全体の主題を担う一文。学園編の出会いから雪原の旅まで、形を変えて変奏され続ける。

Light らいと 概念・世界観
英題に近い概念呼称。本編内で直接の用語として明示はされないが、「光」のモチーフ全般を指す総称として読み取れる。

挿入歌・伝承・演出を貫く「光」のモチーフの総称。光の玉、朋也の光、町に降りる光、幻想世界に差す光が、すべて同じ意味の網のうえに重なってゆく。本作を語るときの主題語として外から呼ばれることも多い。

舞台・施設
大きなクスノキ おおきなくすのき 舞台・施設
坂の上の高校の敷地に立つ印象的な大樹。校庭の真ん中に枝を広げ、生徒たちの待ち合わせや雑談の場として日常的に登場する。

「光の玉が集まる場所」として伝承される樹。朋也と渚が出会う坂の上にあり、町の象徴として機能する。演劇部のミーティング場所、決意を語る場、別れの場として何度も繰り返し登場し、終盤では幻想世界の風景とも重ねられる。

古河パン ふるかわぱん 舞台・施設
渚の実家が営む小さな町のパン屋。早苗が試作する変わり種パンがショーケースに並んでおり、客足はあまり多くない。

早苗の風変わりなパンが看板。客は少ないが、朋也が居場所を得ていく家庭そのものとして機能する。食卓・会議・打ち合わせなど、ほぼ全章で訪れる中心的な舞台で、After Storyに入っても朋也と渚を支え続ける場所であり続ける。

旧校舎 きゅうこうしゃ 舞台・施設
本校舎の隣に残されている、寂れた木造の校舎。渚が一人で演劇の練習をしているところを朋也が見つける場所でもある。

風子が幽霊として現れる場所であり、光の玉伝承の語り場でもある、本作の超常的要素の入口。風子ルートと有紀寧ルートの中心舞台になり、お店ごっこの会場や、星型の彫像の制作現場として繰り返し登場する。

演劇部 えんげきぶ 舞台・施設
渚が入りたがっている、廃部状態のままになっている部活。部員はおらず、活動実績もないまま長らく放置されている。

かつて渚の母・早苗が在籍した部。創立者祭での舞台復活が渚の最大の目標であり、朋也との関係を進めていく軸になる。部員集めの過程で各ヒロインや他の登場人物と関わってゆき、学園編のあらゆる線がここに集まる構造になっている。

岡崎家 おかざきけ 舞台・施設
朋也と父・直幸が暮らす家。母は故人で、父と二人きりの生活が続いている。朋也が嫌っていて、できるだけ寄り付かない場所として描かれる。

母を交通事故で失い、父・直幸がアルコールと賭け事に沈んでいる家庭。父との確執は、After Storyの祖母エピソードを経て少しずつ和解へ向かう。序盤は逃げ場のない場所として、終盤は朋也が父を許す舞台として、対照的な意味を持って描かれる。

イベント
創立者祭 そうりつしゃさい イベント
学校の創立を記念する祭。生徒会主催で行われる学校行事で、出店や催し物が校庭と校舎を埋める。

渚が演劇を上演する目標の場であり、学園編の各ルートの結節点として機能する学校行事。渚ルートの最大の見せ場であると同時に、智代ルートでは生徒会長としての腕の見せ所として、別の意味で重要な役を担う。

伊吹公子の結婚式 いぶききみこのけっこんしき イベント
風子の姉・公子が挙げる結婚式。風子が誰彼かまわず「ぜひ出席してほしい」と頼んで回るのが、彼女のルートの動機になっている。

風子ルートの最終目標。風子の存在そのものが「結婚式を見届けるために残された想い」であることが終盤で明かされ、式当日の出席という小さな願いが、風子という存在の理由そのものへと繋がっていく構造になっている。

雪原の旅 せつげんのたび イベント
After Story終盤、朋也が娘の汐と二人で出る旅。日常から離れた雪の景色のなかを、父子が手をつないで歩く時間が描かれる。

渚を失った朋也が、父を続ける覚悟を取り戻すための旅。雪の中で汐が発熱し、抱きかかえて運ぶ父の腕の中で、ふたつの命がTrue Endの奇跡へと接続してゆく。After Story最終盤の最大の山場として置かれ、本作で最も静かで最も切実な時間が流れる。

アイテム・象徴
だんご大家族 だんごだいかぞく アイテム・象徴
渚が大好きなだんご型のキャラクターたち。同名の歌をしょっちゅう口ずさんでいて、グッズもいろいろ集めているらしい。

渚の精神世界そのものを表すモチーフ。家族で輪を作るだんごたちの歌は、本作の主題「家族」を象徴する挿入歌に直結している。渚の鼻歌、雑談、グッズ、エンディング歌として全編に絶え間なく登場し、CLANNADという作品の表情そのものを担う。

ボタン ぼたん アイテム・象徴
渚が抱えている小さなぬいぐるみ。実はイノシシで、「ぷひー」という鳴き声があちこちで挟まれては、場面の空気を和ませていく。

渚と一緒に映ることが多い相棒キャラ。ギャグシーンの締めや、雑談の合いの手として配置され、笑いと和みを担う。シリアスな空気が続く章でも、ふっとボタンが顔を出すことで、CLANNAD特有のテンポが保たれる。

星型の彫像 ほしがたのちょうぞう アイテム・象徴
風子が学校中で配り続けている、手のひらに乗るほどの木彫り。形は星——というよりヒトデに近く、本人もそう作っていることを認めている。

ヒトデを模した手彫りの像。姉の結婚式に出席してもらうためのお祝いの印として、本来は姿が見えないはずの風子が一つひとつ削っては配り続けている。風子ルート全編で繰り返し配布されるアイテムで、笑いと切なさの両面を担う。

はこ アイテム・象徴
ことみが「両親の遺品」と信じ続けている、空の小さな箱。手のひらに乗るほどのサイズで、中には何も入っていないように見える。

ことみの両親が、出張から戻る時の娘への土産として荷物に入れた箱。事故で長く失われていたものが、町の人々の協力で時を越えて届けられる。ことみルートのクライマックスを動かす象徴的アイテムで、家族の不在と回復をひとつの小箱に凝縮した存在になっている。

トモヤの腕 ともやのうで アイテム・象徴
朋也が体を動かす場面でふと痛める右腕。怪我の経緯ははっきり語られないまま、ふとした拍子に痛みが走るという描写が断続的に挿入される。

父・直幸との諍いで負った古傷。朋也がバスケットボールの夢を絶たれた原因であり、父子関係の傷の象徴として機能する。ふとした拍子に痛みが走る描写があるたび、朋也が抱えてきた過去そのものが読者に思い出されていく。

医療・病気
骨肉腫 こつにくしゅ 医療・病気
椋の想い人・柊勝平が抱える重い病。放置すれば命に関わり、当時の標準的な治療として足の切断を選ばざるをえない、と医師から告げられる。

放置すれば転移する癌。藤林椋ルートの中心となる課題で、勝平本人の決断と、椋の覚悟が同時に試される。椋が勝平のために医学書を読み漁り、新しい術式を探し続ける長い時間が、ルートの背骨を支えている。

急速冷凍術 きゅうそくれいとうじゅつ 医療・病気
椋が必死で調べた、骨肉腫の新しい治療法。患部を超低温で処理することで、足を切らずに済む可能性があるとされる術式。

液体窒素を使う、足を残せる可能性のある新しい術式。勝平にとっての希望の光となり、椋ルートのクライマックスで採用される。椋が独学で文献を読み込み、勝平に向けて差し出す「自分にできる唯一のこと」として、ルート全体の救いの装置になっている。

汐の発熱 しおのはつねつ 医療・病気
After Storyで娘の汐が出す、原因のはっきりしない高熱。普通の風邪とは違う引きずり方をする発熱として描写される。

渚を死に至らせたものと同じ、この町に住む者の体に時折現れる病。雪原の旅と重なってAfter Story終盤の最大の試練となり、朋也の光・光の玉・幻想世界のモチーフがすべて結ばれてゆくTrue Endの引き金になる。

人物・組織
岡崎直幸 おかざきなおゆき 人物・組織
朋也の父。妻を亡くしてからは仕事も続かず、酒と賭け事に流されて生きている男。朋也とは顔を合わせれば諍いになる関係が長く続いている。

妻を交通事故で失い、息子に怪我を負わせて以来、朋也を「朋也くん」と他人行儀に呼ぶようになった人。序盤は岡崎家の停滞そのものを象徴する存在として置かれ、After Storyの祖母エピソードを通じて、朋也が父を赦す対象として描き直されてゆく。

美佐枝(志麻) みさえ/しま 人物・組織
男子寮の寮母を務めている女性。春原をジャイアントスイングで投げ飛ばす怪力の主で、序盤からギャグの中心として登場する。

かつて志麻という少年に想いを寄せられていた女性。美佐枝ルートでは、光の玉の一部が一匹の猫の姿になって美佐枝の元へ帰ってくる、という切ない初恋譚が静かに語られる。ギャグ要員としての顔と、長く果たされなかった想いを抱えた語り手としての顔が、ひとりの中で繋がっている。

上坂面 こうさかつら 人物・組織
智代ルートで対立する生徒会長候補の生徒。生徒会選挙を巡って智代と論戦を交わすライバル役として登場する。

智代と会長の座を争う相手。校則改革を巡って智代と渡り合い、智代の覚悟と政治的な手腕を試す存在として機能する。智代ルート中盤の対立軸として配置され、智代がただの不良少女ではない、と読者に納得させる役割を担う。

芳野祐介のバンド よしのゆうすけのばんど 人物・組織
有紀寧と関わる不良グループの兄貴分・芳野祐介の昔話として持ち出される話題。彼が以前バンドをやっていたらしい、という断片的な噂が周囲を流れる。

芳野は元プロミュージシャン。栄光と挫折を経て町に戻り、伊吹公子(伊吹先生)に支えられて再起する、という長い再起の物語が背景に置かれている。有紀寧ルートで詳細が語られ、After Storyでは朋也の同僚として再登場し、もう一度違う角度から人物像が深まる。

お店ごっこ おみせごっこ 人物・組織
有紀寧の資料室で開かれている、子供じみた集まり。客役と店員役に分かれて、ありもしない商品を売り買いする変わった遊びとして描かれる。

有紀寧と不良たちが客と店員に分かれて行う遊び。表向きは子供じみたごっこ遊びだが、居場所のない者たちにとっての避難所として機能している。有紀寧ルートの中心となる場であり、不良たちが彼女に惹かれる理由そのものをかたちにした空間になっている。

春原電気 すのはらでんき 人物・組織
春原陽平の家業として、雑談中に時折持ち出される屋号。本人がいるところで持ち出されると、決まっていじりの種になっていく。

春原家にまつわる家業の呼称。陽平が地元に戻らない理由の背景として軽く言及される程度で、本筋を動かすほどの重さは与えられていない。ギャグの一部として春原本人がいじられる場面の小道具として、繰り返し顔を出す呼称になっている。

光の球の伝承 ひかりのたまのでんしょう 人物・組織
旧校舎で有紀寧が語る、町を巡る光についての昔話。誰かが幸せになる時、町のどこかに小さな光が生まれるのだという、おとぎ話めいた語り。

「光の玉」の作中における最初の説明シーン。有紀寧の口を借りて、奇跡の機構が観念として読者の前に提示される場面で、序盤の謎として置かれた伝承が、物語の後半で意味を回収されてゆく。CLANNAD全体を貫く光のモチーフへの入口として機能する。

古河塾 ふるかわじゅく 人物・組織
秋生が将来開きたいと冗談めかして語る、学習塾の構想。古河家の二階を使うのだという計画を、酒の席で得意げに披露することがある。

古河家の二階を使った学習塾の構想。秋生の責任感と、家族を支えていきたいという意志を示すモチーフとして繰り返し言及される。実現はしないままだが、酒の席のネタとして繰り返されることそのものが、彼の人柄を表す装置になっている。