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ストーリー詳細 — GAOGAO! 3rd. ワイルドフォース

本作は三つの宝珠を集めて闇喰いの本拠地へ至るという単線のクエストで、ヒロインごとの分岐は持たない。ここでは落とし穴に落ちる場面から元の世界への帰還までを、時系列に沿って6つの区切りで追う。 ▼詳細を読む はネタバレを含みます。 プレイ済み設定をするとアコーディオンがデフォルトで展開されます。

落とし穴の底 — アンダーグラウンド

狼族の青年ウルフィは、うさぎ族の少女ラビィと共に迷いの森の落とし穴へ落ち、人工の空と太陽を持つ地下世界にたどり着く。

ウルフィの元の世界は、樹海に覆われ、青い空と黄色い太陽を持つ地上である。落ちた先はまるで違った。赤い荒れ地が広がり、頭上にあるのは人工の空と太陽。そこに暮らしていたのは、狼族・うさぎ族・鳥族といった獣の特徴を持つ人々——この世界の言葉でいう変異体だった。

「あたしはラビィ。リーパス=ラビィ。」(ラビィ)

この世界は、闇喰いと呼ばれる凶暴な生物に脅かされていた。闇喰いを率いているのは光喰いという高等な存在で、「火のエンザ」がまず刺客として現れる。旅の途中、二人は光喰いの襲撃を受けた集団の生き残りである鳥娘ニースを助ける。尻尾がなく飛ぶことのできない彼女は、幼い頃から「尻尾のない落ちこぼれ」とからかわれてきた過去を持っていた。

そして、ラビィが「お宝」として持ち歩いていた赤い宝珠から、封印されていた魂が目覚める。

「そして、おれがイリア=リンクス」(イリア)

数百年前に闇喰いと戦った伝説の勇士イリアである。本体はどこかに眠ったままで、当面はラビィの体を借りて活動することになった。一人称は「おれ」、豪快で戦いを好む女戦士は、桁外れの強さで一行を助ける。

ニューアリスト — 勇者と呼ばれて

首都ニューアリストで、神官ロスマリンはウルフィを世界を救う「勇者」と見なす。そして第二神殿で、イリアが数百年ぶりに自分の体を取り戻す。

アンダーグラウンドの中心都市ニューアリストには神殿があり、神官ロスマリンが司っていた。彼女は世界の伝承に通じた知識人で、イリアの伝説をこう語る。

「戦いの女神のようだったと伝えられています。(略)誰も彼女にかなうことはできなかったと」(ロスマリン)

数百年前、イリアは光喰いの長ブルーと戦った。その決着は誰も勝たないまま終わっている。

「二人の戦いは終わったのです。完全な勝者はいませんでした・・・最後まで引き分けだったのです。」(ロスマリン)

実際にはイリアは相討ちの後に敵の策謀で魂を奪われ、赤い宝珠へ封じられていた。本体は第二神殿にコールドスリープされたまま眠っている。その扉には封印がかかっており、解く条件をロスマリンの弟子である巫女シルクが明かす。魔法陣の上に巫女の血が流れたとき、扉が開くという。シルクは自ら役目を引き受け、封印は解かれた。

こうしてイリアは数百年ぶりに自分の体を取り戻す。だが復活した彼女に、宿敵は歪んだ言葉を向けてきた。

「心の底からあなたを愛していますよ・・・あなたをこの手で殺したいくらいにね」(ブルー)

この頃、イリアを目標に決闘を挑む豹族の双子レオナとドーラも現れる。関西弁で威勢よく名乗る二人は、敗れて以降は一行に協力するようになる。

無のアエラ — ミルド村の惨劇

青い宝珠を守るミルド村が、感情のない刺客によって全滅する。村長は娘ミントに宝珠を託して死んだ。

本拠地への鍵は三つあると判明する。ひとつめはラビィの赤い宝珠。ふたつめはミルド村に代々伝わる青い宝珠だった。

だがその村を、光喰いの刺客無のアエラが襲う。村は全滅した。村長は娘ミント=エクウスに宝珠を託し、逃がしてから息絶える。

「なにがあってもこれをあの女に渡してはならない。(略)神に返せないのなら、伝説の勇者に宝を託せ」(ミルド村村長)

アエラを前にしたウルフィは、その目に強い違和感を覚える。

「生きてる奴の瞳とは思えねえな。」(ウルフィ)

この一言が伏線になっている。ミントは山に守られたミアム村へ逃れ、生き延びてウルフィたちに青い宝珠を託した。村と父を一度に失いながら、その分まで生きようとする芯の強さを見せる。

この時期にはもう一人の刺客風のシルフも動き出す。彼女は宿屋夫婦の娘を装って人の側に紛れ込んでいた。

アンブロジア — 魔女エフェメラの想い

ブルーの一撃を受けたイリアが瀕死に陥る。救う手立ては、西の荒れ地の魔女が持つという伝説の果実だけだった。

崖での戦いで、イリアはブルーに斬られる。

「ブルーの剣はイリアの体の胸から腹までをざっくりと斜めに切り裂いていた」(地の文)

この場面ではロスマリンが一族に伝わる空間転送の力で一行をエンザの炎から救い出している。だが瀕死のイリアを癒す手立ては、伝説の果実アンブロジアしかない。それを持つとされるのが、西の荒れ地に住む魔女エフェメラだった。

大蛇スーニャを操る彼女は当初こそ敵対的だったが、やがて胸の内を明かす。かつて愛した相手を、村人に殺されていた。

「ウルフィ・・・あたしのあの人は・・・光喰いだったの・・・」(エフェメラ)

彼女は光喰いが闇喰いから進化した存在であることを知っていた。人が怪物と呼ぶものと、人が呼ぶ人との境目が、この一言で揺らぐ。そしてアンブロジアの正体も明かされる。

「アンブロジアというのはね、『想い』の結晶なんだよ」(エフェメラ)

果実はどこかに実っているのではなかった。エフェメラは自らアンブロジアと化してイリアの命を救い、言葉を残して散る。

「この世界を守ってやってくれ・・・頼んだよ、ウルフィ・・・こんな想いをくれてありがとう・・・」(エフェメラ)

三つめの鍵 — 泉の人魚ティティ

最後の鍵は宝珠ではなかった。第二神殿の地下の泉に、ずっと一人でいた者がいる。

三つめの鍵の在り処を探るため、ロスマリンはラビィを霊媒に立てる儀式を提案する。導かれた先は第二神殿の地下、泉に住む人魚ティティだった。

ティティは、過去のニンゲンの科学者ドクター=ギルバード=フィッツが作った人魚型の生体である。三つの宝珠の光を浴びると尾が足に変わり、本拠地の扉を開く鍵として機能する。彼女は不在の創造主を今も慕い続けていた。

「ティティ、博士のことがだ~い好きなんだ」(ティティ)

ずっと一人で泉にいた彼女を気遣って、ウルフィはこう持ちかける。

「なぁ・・・いっそ・・・人魚には戻らないで首都に行かないか?」(ウルフィ)

それでもティティは鍵としての役目を引き受け、務めを果たしたあとは元の姿に戻って泉へ帰る。別れ際、寂しさをこらえて一行を見送る姿が印象に残る。

三つの鍵が揃い、ウルフィたちは闇喰いの本拠地へ突入する。

ブルー — 誰が世界を動かしていたのか TRUE相当

本拠地の奥で、ブルーはすべてを語る。彼もアエラも作られた存在であり、糸を引いていたのは別にいた。

本拠地の内部では、額に三日月形の傷痕を持つ老いた闇喰い三日月が協力者として現れる。捕らえられていた仲間を救い出し、ウルフィたちは最深部でブルーと対峙した。

そこで明かされる真相は、この世界の見え方をまるごと変えるものだった。まず、感情を持たない刺客アエラの正体。

「アンドロイド・・・わかりやすく言えば、機械人形ですよ」(ブルー)

そしてブルー自身のことである。数百年前、イリアと相討ちになって死にかけた彼は、ニンゲンの手で蘇生させられていた。

「ニンゲンは私の身体を修復し、命をよみがえらせるためにずいぶんな時間と金と貴重な技術を使ったようですよ」(ブルー)
「体の中に爆弾を埋めこまれて脅迫されてるのと同じようなものなんですよ・・・」(ブルー)

体内に埋め込まれた薬剤への依存によって、彼はずっと操られてきた。真の黒幕は、地上を変異体に追われて地下シェルターに潜むニンゲンである。彼らは地下都市を奪還して再び支配するため、闇喰いを兵隊として使っていた。獣人たちを脅かしていた怪物の背後にいたのは、かつてこの世界の主だった側だったことになる。

それでもブルーは、命じられるままではなかった。彼は本拠地の位置をニンゲンに隠し続けていたのである。

「私は・・・ニンゲンよりは・・・変異体の方が好きです・・・」(ブルー)
「どうして変異体と闇喰いは争わなければならないのか・・・。なぜ共存できないのか・・・」(ブルー)

数百年抱えてきた想いも、彼はここで口にする。

「私はずっとあなたに憧れ、愛していた・・・」(ブルー、イリアへ)

決闘でブルーはわざと手加減し、敗れる。ウルフィは引き止めようとした。

「ばかやろう 死なせてたまるかよ。そんな傷くらいで・・・死ぬもんか」(ウルフィ)

だがブルーは炎の中で自ら死を選ぶ。薬に縛られ続ける生よりも、自分の意思で終わることを取ったのだった。

脱出したウルフィたちはラビィやニースと再会する。この危機の中でニースには感情の高ぶりとともに尾羽が生え、念願だった「飛ぶ」ことをついに果たしていた。世界を救ったウルフィは、首都ニューアリストの人々に見送られて元の世界へと旅立つ。エンディングテーマのタイトルは「NEXT」である。

エンディング一覧

本作に分岐ルートはなく、到達する結末はひとつだけである。選択肢由来のゲームオーバーやバッドエンドにあたるテキストも確認できない。

種別エンド名ルート結末概要
TRUE相当 元の世界への帰還 本編(一本道・分岐なし) ブルーを倒したウルフィたちは本拠地から脱出し、仲間と再会する。ニースは尾羽を得て飛べるようになり、世界を救ったウルフィは首都ニューアリストの人々に見送られて元の世界へ旅立つ。エンディングテーマは「NEXT」。

補足 — シリーズ年表における本作の位置

※この項目は GAOGAO! シリーズ他作のネタバレを含みます。本作のみを読みたい方はここで引き返してください。

GAOGAO! シリーズ4作は世界観と時系列がひとつながりで、本作は前2作から数百年後——人類と変異体の立場が逆転したあとの時代にあたる。

  • A.D.1993(第1作) — 生物工学者が遺伝子改造ウィルスによる新生命体の創造を極秘に研究する。彼の死後も研究は財閥へ継承される。
  • A.D.2014 — 事故でウィルスが流出し、全世界へ拡散する。
  • およそ一世紀 — 各地でドーム都市が建設される。人類最初のドームがイジュウインシティと名付けられ、その完成日がドーム紀元の起点となる。
  • D.C.269(第2作) — ドーム内で変異体が生まれ始める。管理体制の嘘が暴かれ、一行は樹海へ脱出する。
  • D.C.281 — 変異体の存在が公表され、人類による迫害の時代へ。だが変異体は増え続け、人類は減少していく。
  • 勢力の反転 — 人類はドーム都市を放棄し、地下シェルターへ逃げ込む。
  • それから数百年(本作・第4作) — 地上では変異体が新しい文明を築き、人類の存在は伝説の彼方となる。

本作の「ニンゲン」は、この年表でシェルターへ逃げ込んだ側にあたる。かつて変異体を作り、研究し、所有物として扱っていた側が、いまや地下に潜んで地上の奪還を狙っている。前2作を経て本作を読むと、闇喰いを兵隊に使うという発想がどこから来ているのかが見えてくる。

首都の名ニューアリストも、第2作の舞台アリストシティを受け継いだものと読める。第4作『カナン ~約束の地~』は本作と主人公・筋が直接つながる続編で、舞台はイジュウインシティ攻略となる。