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キャラクター詳細 — 星空☆ぷらねっと

七年前の事故で夢を封じた今村正樹と、それぞれの痛みを抱えて再会するヒロインたちの詳細プロフィール。各キャラクターの真相・後半の描写・ルート別の結末・原文セリフを収録。瞳の心臓病、佳多奈の覚醒、恭子の弟・卓の真実、蘭子の送り出しエンド、サーシャの正体と王女としての決断、ゆかりの宝くじと火星の誓いを含む全ネタバレ記述。

今村正樹

今村正樹 いまむら まさき 主人公
読みいまむら まさき
役割主人公・物語の語り手
年齢高校2年生(友愛学園2-B)
立場天文部の幽霊部員。元・宇宙飛行士志望。アパートで一人暮らし
外見・一人称一人称は「僕」。男子としては中軽量級の体格で、本人いわく「決して大柄でもない」。制服姿で描写されることが多い

七年前、母・夏樹を燃焼実験事故で喪い、父と妹・朝子を残して田舎へ移った青年。一年半前に再びこの天美市友愛学園へ進学してきた。物腰は穏やかで受け身、自虐とユーモアで内心を覆い隠す癖がある。夢も希望も語らない、半ば抜け殻のような高校生として序盤は描かれる。

かつては宇宙飛行士を志す少年だった。母の死を境にその夢を封印し、悪友の慎太郎以外には友達も作らずにいた。罪悪感の処理は不器用で、母の死、瞳への態度、ある幼なじみへの拒絶を長く引きずっている。行動の起点はいつも「誰かに見つけてもらう」こと。背中を押されて、ようやく一歩を踏み出す。

「つわものどもが夢のあと……か」 — 天美工場跡を訪ねての自嘲
事故の引き金 — 浅はかな好奇心

七年前の事故は、正樹自身が引き金を引いていた。燃焼実験を「見たい」と望んだ正樹は、地理に詳しい佳多奈の手を引いて発射台付近の禁止区域に侵入する。その実験が大爆発を起こし、母・夏樹が命を落とし、佳多奈は額に破片を受けて知性を損なった。「佳多奈の大切な知性を根こそぎ奪い取ったもの。それは、僕の浅はかな好奇心だ」——彼が長く抱え込む原罪の正体である。

「佳多奈の大切な知性を根こそぎ奪い取ったもの。それは、僕の浅はかな好奇心だ」 — 事故の回想
「僕の夢は、宇宙飛行士になった」 — 封じていた子供の頃の夢
夢の再起動 — 誰かに見つけてもらう

母の元同僚で元宇宙飛行士のジョンに「夢、あるか?」「なぜこの街に戻ってきたんだい?」と問われ、SAS(国際航宙科学大学)の存在を知った正樹は、封じてきた宇宙への夢と再び向き合うことになる。瞳が倒れた日、ゆかりの「あたし、ここに行く」の即決、ジョンの墓前での言葉——ヒロインそれぞれが背中を押すたびに、彼は「やってみよう」と踏み出す力を取り戻していく。

「やってみよう……いや、やるんだ……っ!」 — 実家で夢に火がついた瞬間
ルート別の決定打

瞳ルートでは帰省先で小学校時代の作文と絵を見つけ、夢を再起動する。佳多奈ルートでは「対佳多奈方面軍総司令官」に任じられ、クリスマスの病室で泣きながら「どうして……こんなことに……なってんだろうな」と慟哭した直後、佳多奈が「まー兄」と覚醒する。恭子ルートでは大介の木刀襲撃を退け、弘兄の盗聴器が録音した本音を恭子に聞かせる。蘭子ルートではクリスマス・イブの校庭で別れを宣言し、心ない罵倒でわざと傷つけて蘭子をもう一度走らせる。サーシャルートでは体育館の屋上で暗殺者イワンと対峙し、サーシャを庇って銃を撃つ。ゆかりルートでは田舎で発掘した作文をきっかけに、ゆかりと共にSASを志す。

いずれのルートでも、正樹は最終的にSAS国際航宙科学大学へ進み、宇宙飛行士候補生となる。母を奪った「宇宙」を、彼は自らの夢として取り戻す。

「どうして……こんなことに……なってんだろうな」 — 佳多奈の病室で号泣
「来たんだ……宇宙に」「夜明けだ」 — 瞳①合格End・初飛行
「Believe me」 — サーシャEnd・後年のラスト一行

星見瞳

星見瞳 ほしみ ひとみ ヒロイン
星見瞳
読みほしみ ひとみ
役割メインヒロイン・幼なじみ
年齢高校2年生(友愛学園・天文部)
立場正樹の隣室で一人暮らし。子供時代に転校して以来、本編開始時に天美へ戻ってきて再会
外見・一人称一人称は「わたし」。華奢な体型で俊敏。笑顔の描写が突出して多く、「えへへ♪」が口癖。正樹からは「まーくん」と呼ばれる

正樹の子供時代の幼なじみで、天文部の少女。表面的には脳天気でお調子者、「Passion is power」を口癖にする明るさの塊として登場する。幽霊部員だった正樹を半ば強引に天文部へ引き戻し、海合宿も文化祭も体育祭も修学旅行も、ほぼすべてのイベントに付き添う。

子供時代は内気で人見知り、引っ込み思案な少女だった。「友達なんて作ったってしょうがないもん、どうせすぐ転校するし」と言っていた彼女が、いまの明るさを身につけたのには理由がある。寝言でロケット打ち上げ手順を口走るほどの天文知識を秘めているのも、その理由と無関係ではない。

「今度会うときは、笑ってみる」 — 転校前夜、子供時代の正樹との約束
先天性心疾患 — 笑顔の裏の真実

瞳は生まれつきの先天性心疾患を抱えている。体育祭で倒れたのは日射病ではなく心臓発作で、最終的にSAS発表の進学説明会で倒れて入院する。転校後に自分の病気を知った彼女は、「自分がこの世にいる意味なんて、もうないと思った」ほどの絶望を経験していた。その絶望を支えたのが、子供の頃に正樹と交わした「今度会うときは、笑ってみる」という約束だった。彼女の明るさは、痛みの上に意志で築かれたものだった。

「ごめんね、勝手に夢をおしつけて。ごめんね、勝手に好きになって」 — 自分の想いを打ち明ける場面
「わたし、一緒に宇宙には行けないけど、まーくんのことは一生……ううん、二生も三生も好きでいたいから」 — 初体験の夜
宇宙への代理の夢

体育祭で倒れた瞳が漏らした寝言「ワタシハカセイジン、チキュウハワレラガイタダイタ」「Tマイナス四分」は、心の奥で正樹の代わりに宇宙へ行く夢を見ていた証だった。自分は宇宙飛行士になれないと知りながら、誰か(正樹)の夢を後押しするために生きてきた。流れ星に願ったのも「まーくんが宇宙飛行士になれますように」だった。正樹はその真意を知って奮起し、「瞳の見れない分を、すべて僕が見てくる」と誓う。

「えへへ♪ それが、わたしのルーツ」 — 自分の核を語る
ルート別の顛末

瞳ルートのみ二つの結末を持つ。瞳①合格Endでは正樹がSASに現役合格し、空港特急の自由席に土産物満載で潜んでいた瞳がサプライズで見送る。瞳②浪人Endでは正樹が一年浪人し、退院・引っ越しを経た瞳と、卒業式の翌春に天美の「ルーツの場所」で再会する。「もう願いが叶っちゃった」——どちらの結末でも、彼女の願いは正樹の夢として果たされる。

「行ってらっしゃい」 — 空港特急に駆け込み、土産物満載で見送る
「……だいすき……」 — 初体験の後、最後の声

相馬蘭子

相馬蘭子 そうま らんこ ヒロイン
相馬蘭子
読みそうま らんこ
役割ヒロイン・陸上短距離特待生
年齢高校生(友愛学園)
立場中学時代から「凄かった」と評される短距離の俊足。人見知りが激しく、瞳以外とは距離を置く
外見・一人称一人称は「私」。引き締まった、しなやかな四肢を持つアスリート体型。瞳より小柄ぎみ。普段は無表情・控えめだが、走る時はキレイな姿勢で走る

陸上のオーラを纏う短距離特待生。慎太郎には「もう前の相馬ちゃうねん、天狗になってもーたんや」と評されるが、実際は「天狗」ではなく罪悪感に駆られて走り続けている少女である。人見知りが激しく、本当は部屋でじっとしているのが好きなインドア派でもある。

子供の頃は「逃避していた」気弱な子だった。「逃げていた彼女が、今はまっすぐ前を見て走っている」。正樹に対しては最初こそ邪険でぎこちない態度を取るが、次第に「あったかい」「好き」と素直になっていく。

「キミは知ってるだろうけど……私は怖くなって逃げ出した」 — 自分の弱さを正樹に
リレー事件 — 走り続ける罪の理由

蘭子が走り続ける根には、小学校時代のリレー事件がある。怖くて逃げた蘭子のせいで三人だけのリレーは欠場寸前となり、慎太郎が「先生、走る奴おりますわ」と参加表明したものの、正樹はリレーで転倒してしまう。「臆病で、卑怯なの、私」——蘭子はその罪悪感を「走り続けること」で償おうとしてきた。「今村くんが走れって言ったから、私、走り続けたんだよ。だから今村くんは、私のルーツなの」。

「あの時、走れって言ってくれたから。走り続けたんだよ」 — 正樹をルーツと呼ぶ理由
葬式前夜の拒絶 — もう一つの傷

蘭子にはもう一つの傷がある。母・夏樹を喪った正樹の家に、転校直前に押しかけて「私が、今村くんのお母さんに……お母さんの代わりになってあげるから」と告げ、拒絶された記憶である。これが二人の決別の原点になった。この「お母さんの代わりになってあげる」という言葉は、後にH直前にも再演され、彼女の長年の想いの核として響く。

「私が、お母さんの代わりになってあげる」 — 葬式前夜の決定的な拒絶
「ばか……ただ、いっしょにいさせてくれればいいのに……」 — 素直になれない想い
ルート別の顛末 — 送り出しEnd

恋人になった蘭子は、満たされた途端に走ることをやめてしまう。それを見た正樹は、クリスマス・イブの校庭であえて別れを宣言する。「もう男女はイヤだ」「瞳の方が百倍は可愛いよ」——心ない罵倒で蘭子を傷つけ、追いかけさせて自己新を出させる「送り出し作戦」を実行する。陰でストップウォッチを握っていた高倉聡美が「自己新よ、相馬」と告げ、蘭子はSASではなく長丘体育大学付属校の陸上の道へと送り出される。傷つけることでしか走らせられなかった、ビターな結末である。

「こんなとこで、いつまでも甘えてんな、バカ蘭子っ!!」 — 別れ宣言の終盤、本心の叫び
「ねえ、もう、いいよ。陸上、辞める。だってあたし……ずっと、無理してたから……」 — 走ることをやめると告げる

真田恭子

真田恭子 さなだ きょうこ ヒロイン
真田恭子
読みさなだ きょうこ
役割ヒロイン・剣道部主将
年齢高校3年生(友愛学園)
立場真田家末っ子。総体出場の立役者。正樹を「腹違いの末弟」のように庇護してきた
外見・一人称一人称は「私」。ポニーテール。豊満な体型。ぼーっとした表情・気だるげな姿が多く、「お前は」「正樹は」と短く言う癖がある

剣道部主将として近寄りがたい雰囲気を纏う、真田家の末娘。表面的にはマイペースで気だるげ、服やアクセサリーには「なくなったら買えばいい」と無頓着なほど無造作だが、内面は深く愛情深い。「過保護だろう、あいつは」と長兄・誠に評されるほど、庇護欲が異常に強い。

「武道は手段だ。目的じゃない」と告げて剣道を捨てる潔さも併せ持つ。進学する気もなく、いつも姉のような顔で誰かを庇護している彼女が、なぜそこまで庇護にこだわるのか——その理由が、ルートの核心に横たわっている。

「武道は手段だ。目的じゃない」 — 剣道を捨てる潔さ
弟・卓 — 庇護欲の原点

真田家は四人兄妹ではなく五人兄妹だった。長兄・誠兄が「生後すぐには死んだ。破傷風だった。その頃の恭子は、魂が抜けたようだったよ」と明かす。乳児期に亡くなった本当の弟・卓の喪失こそ、恭子の異常なまでの庇護欲の原点である。七年前、母を喪って心を閉ざした正樹を、恭子は廃工場に二日間連れ込んで「逃避行」をしたことがあった。「逃げよう、正樹。流れ星、好きだろ?」——その時から正樹は、彼女にとって卓の身代わりだった。

「逃げよう、正樹。流れ星、好きだろ?」 — 七年前、廃工場での逃避行
婚約破談 — 大介との闘争

恭子には大介という婚約相手が押し付けられていた。大介は七年前、廃工場で見つかった正樹と恭子のうち、恭子だけを連れ帰り正樹を見捨てた人物でもある。「恭子ちゃんは関係ないから。そういうのは、一人でやってよ」——その時の大介への感情は、恭子の中で長く燻り続けた。クリスマス・イブ、大介が木刀で正樹を襲撃するが返り討ちに遭う。その一部始終を次兄・弘兄の盗聴器が録音していた。

「だから、その身代わりが必要だったと言ってるんだよ!!」 — 大介に向けた正樹の本音(盗聴器に録音される)
ルート別の顛末 — 身代わりEnd

弘兄の盗聴器に録音された正樹の本音を、夜のアパート前で恭子に聞かせることで、彼女は「弟の身代わりでも構わない」という正樹の本気を受け入れる。婚約は破談となり、長兄・誠が「俺はお前を本当の弟に等しいと思っていたからな。それが、戸籍上でも実現されるよう計らってやっただけだ」と養子手続きを示唆する。クリスマス・イブに二人は結ばれ、恭子は「ああ、二人分」とお茶を入れて笑う。

「触れたい」 — 教室で正樹にキスする前
「ここまで来るのに、何年かかったと思っているんだ?」 — 佳多奈の再退行に激怒する保護者として

藤原佳多奈

藤原佳多奈 ふじわら かたな ヒロイン
藤原佳多奈
読みふじわら かたな
役割ヒロイン・1年生(友愛学園1-G→2-C)
年齢高校1年生
立場自閉症スペクトラム状態。両親は事故で死亡し、長嶋家に引き取られている。学級では名簿登録だけの存在
外見・一人称「日本人形みたいなおとなしそうな女の子」。小柄で「小さくて冷たい」手。無表情がデフォルトで、視線が合いにくく、空間そのものを眺めている

情緒を欠き、虚空を見つめて言葉を返さない少女。保健室で寝起きする日々を送り、養護教諭の朝末先生からは「サーチモード」「クレーン現象」「同一性保持」といった独自の言葉で語られる。「『選んで、決める』この二つができない」と正樹は分析する。シャツが濡れても対応できず、濡れたまま着てしまうほどである。

一方で、数学・記憶力は天才級。授業中ノートを取らない代わりに黒板の内容を完全に再現でき、教授の高度な物理計算を暗算で解く。廊下で正樹にぶつかって「だから日誌と鍵」とオウム返しをする無邪気さの裏に、計り知れない知性が眠っている。

「だから日誌と鍵」 — 言葉のオウム返し
真相 — 事故だけが原因ではない

正樹は長く「自分のせいで佳多奈が自閉症になった」と思い込んでいた。だがジョンから渡された「藤原夫妻の手記」によって、佳多奈がもともと自閉症だったことが判明する。両親はその育成に全力を注いでいた。ただし七年前の燃焼実験事故で前頭前野に破片を受け、力動失語症が重なって症状は深刻化していた。アイン教授が幼児精神科医に症例を送ったところ、「イデオ・サヴァン症候群における極めて珍しい症例」「成長しなおす機会が存在する。不治の病ではない」との見解が返ってくる。

「……お母さんが、積み木を買ってくれたの。けど、それをどうしていいかわからなかったの」 — 両親の記憶
覚醒 — まー兄

文化祭の花火が「あの日」と同じ閃光・轟音となり、佳多奈はパニックを起こして行方不明になる。屋上の給水塔で発見された時、彼女は再び事故直後の状態に「繰り返して」いた。だがクリスマス、病室で泣く正樹の頭を撫でて、佳多奈は「……まー兄」と呼びかける。「その瞳に、燦然と輝く、知性の光が、宿って、いた」。覚醒した佳多奈は「時間ってさ、楽しい時はすぐに過ぎるけど、つまらない時はゆっくりと過ぎるんだ」を学び、「2分、遅れてる」と正樹に時間厳守を求めるようになる。

「……まー兄」 — 覚醒の瞬間
「ずっと、一緒にいて」 — 覚醒後の唯一の願い
空を見ていた理由

覚醒後の佳多奈は屋上で「12万5千7百42日19時間35分」という数字を口走る。それは「宇宙人と話せるようになる日」を逆算した値だと、ジョンと正樹は推測する。アイン教授が「ビッグバン」とだけ呟いて中座した謎も、「佳多奈の脳が、宇宙からの電波を解析していた」可能性の示唆だった。彼女が空を見ていた理由は「コミュニケート」——サーチモードの正体——だったのかもしれない。佳多奈覚醒Endでは、一年後にSAS航宙エキスパートコース候補者選考試験の主席に合格し、「現存する中で、もっとも若い宇宙飛行士候補生」となる。

「12万5千7百42日19時間35分」「この数……何だろう」 — 屋上で口走った数字
「あたたかいの、好きだから。春みたい」 — 覚醒後、正樹の胸に頭を預けて

山本ゆかり

山本ゆかり やまもと ゆかり ヒロイン
山本ゆかり
読みやまもと ゆかり
役割ヒロイン・学園カフェ「迎賓館」の店員
年齢高校1年生(友愛学園・正樹の一年下)
立場正樹の一年下の幼馴染。父がマスターを務める迎賓館のウェイトレス。母は病死し、父と二人暮らし
外見・一人称一人称は「あたし」。均整の取れたプロポーションで、白い肌。短距離走で正樹に勝てるほどの俊足。正樹を「先輩」と呼ぶ

学園カフェ「迎賓館」の看板ウェイトレス。押しが強く明るくちゃっかりした、ノリと勢いの女王。「賭けない?」「あたしの貞操」と冗談で正樹をかき乱す常習犯でありながら、「ちょっと、キたかも」と素直に弱気を見せる瞬間もある。正樹にとって、彼女の「おかえり」は慎太郎以外で初めての帰還の言葉だった。

「あきらめるのってキライだから」を信条とする根性論派。年上の幼なじみである正樹を一途に想い続けてきた。父・マスターと二人暮らしで、その明るさの裏に母を病で亡くした寂しさを抱えている。

「あたし、ここに行く。勉強する。受かればいいのよ、要は」 — SASのパンフを見て即決
宝くじ — 加速する人生

ゆかりの人生は宝くじによって一気にテンポを上げる。まず4等10万円、後に1等1000万円を当てる。その使い道は「宇宙、行こうかと思って。アメリカの会社が、民間の宇宙旅行プラン、始めたって」。修学旅行先の太秦にも「朝一番の新幹線で来ました。宝くじの賞金、使っちゃった」と押しかけてくる。彼女のまっすぐさと行動力は、優柔不断な正樹を引っ張り続ける原動力になる。

「あたしの貞操」 — 海水浴の賭けで冗談
作文の発見 — なろうよ、宇宙飛行士

田舎に押しかけたゆかりは、押し入れから正樹の小学校時代の作文を発見する。「ねぇ。なろうよ、宇宙飛行士。いっしょにさ」——この一言が、正樹の決定的な再起のきっかけになる。封印していた夢を、彼女は明るく「いっしょに」と言い切ることで掘り起こしてみせる。父・マスターを「保護者同伴ならいいでしょ」と連れて田舎に来る押しの強さも、彼女らしい。

「ほら、やっぱり。ねぇ。なろうよ、宇宙飛行士。いっしょにさ」 — 田舎で作文を見つけて
ルート別の顛末 — Mars End

ゆかりMars Endでは、正樹がSASに現役合格した翌年、ゆかりも一年遅れで合格する。「先輩、約束破ったもんね。SAS合格して、日本からいなくなって……ずっと一緒にいるって言ったのに」とエアメールでぼやきながらも、「あたしも必ずそこに行くから。絶対絶対、行くからね」と追いかけてくる。滑走路で再会した二人は、「火星に行くんだよ?」「いつまでも、一緒なんだからね。火星に行くのも……その先も」と、競争のように未来を誓い合う。コミカルで、まっすぐに明るい結末である。

「火星に行くんだよ?」「いつまでも、一緒なんだからね。火星に行くのも……その先も」 — 滑走路での再会
「あたしも必ずそこに行くから。絶対絶対、行くからね」 — エアメールの誓い

サーシャ・ノーブルグ

サーシャ・ノーブルグ — / 仮名「ティーナ・アップフェラー」 ヒロイン
サーシャ・ノーブルグ
読みさーしゃ・のーぶるぐ
役割ヒロイン・留学生(潜入名「ティーナ・アップフェラー」)
正体フスクス王国第二王女。父はルオネル国王、姉はミネリア第一王女
護衛ディネイ・ナカガミ(日系二世・武術の達人)
外見・一人称金髪・碧眼の少女。日本人離れしたすらりと長い脚。日本語が「〜ですです」「〜なのです」と独特。表情豊かで「うふふ」が多い。正樹を「まさきさん」と呼ぶ

友愛学園に「ティーナ・アップフェラー」名義で潜入留学してきた金髪の少女。立ち食いそば屋でたぬきうどんを箸で食べる練習をするなど、天然・無垢・好奇心旺盛な振る舞いで正樹の日常に騒動とともに転がり込んでくる。真田家の花火大会では「室内で花火に火をつける」騒ぎを起こす。

表面の天然ぶりとは裏腹に、内面には強い義務感を抱えている。「自分のために誰かが傷つく」ことを極端に恐れ、「庭師の子供たちが遊んでいるのを、いつも窓から見てました。わたしも一緒に遊びたかった」という孤独な少女時代を語る。その身の上には、序盤では明かされない重い秘密が隠されている。

「政治は気合いです」 — 天然ぶりとユーモア
正体 — フスクス王国第二王女

修学旅行先で京都の現金(フスクス通貨)を使おうとした際、その肖像画がサーシャ自身だったことから、正樹は彼女の正体に気づく。サーシャの本名はサーシャ・ノーブルグ。バルト海の島国フスクス王国の第二王女である。護衛のディネイ・ナカガミは表向き主従関係だが、実際にはサーシャを実娘のように案じている。「身分が、あの子を苦しめています。友達もおらず、本当の自分も知らず、ただ敷かれたレールの上を歩くだけの人生に何の意味があるのでしょうか」——ディネイの言葉が、王女の孤独を代弁する。

「わたし、サーシャ・ノーブルグと申しますです」 — 正体露見の場面
屋上の襲撃 — 暗殺者イワン

文化祭、体育館の屋上で、潜入していたイワン(本名ミハイェル/第一王女ミネリア派の暗殺者)がサーシャを襲撃する。護衛のディネイは重傷を負いながらもイワンを撃退し、最後にイワンは屋上から飛び降りる。正樹はサーシャを庇って銃を撃った。「いつも……誰かが傷つくのです。そんなのは、いや、です」——自分の身分ゆえに人が傷つくことに、サーシャは深く苦しむ。

「いつも……誰かが傷つくのです。そんなのは、いや、です」 — 屋上で
ルート別の顛末 — Believe me End

父・ルオネル国王の急逝と帰国命令を受け、サーシャは正樹と「かけおち」して田舎に隠れる。だがディネイが「内乱が起こるかも知れないということです」と告げに来たことで、サーシャは「国に戻って国を変える」決意を固める。後年、彼女は女王に即位し、君主制を廃止して民主制へ移行させる。SAS設立にも巨額の援助を主導する。数年後の記者会見では「私は婚約するつもりはありません。心に決めた人がいますから……とてもやさしい……あなたと同じ日本の方です」と公の場で正樹への愛を宣言する。そして女王退位後、「もー王女じゃないのです。普通の人」となってそば屋で正樹と再会し、「Believe me」の誓いとともに抱き合う。最も時間軸の長い、大河的なハッピーエンドである。

「……NOです。私は婚約するつもりはありません。心に決めた人がいますから……」 — 記者会見での愛の宣言
「もー王女じゃないのです。普通の人。だから……よろしくお願いしますです!」 — 再会の挨拶

その他の登場人物

ジョン・ウィリアムズ

じょん・うぃりあむず 母の元同僚・元NASA宇宙飛行士

元NASA宇宙飛行士で、母・夏樹の元同僚。いまは天美宇宙電波観測所のアイン教授のもとで「雑用」をしている。SAS(国際航宙科学大学)の設立メンバーでもある。日本語が達者で物腰は穏やか、ユーモアが効いており、ブルマと女子高生に異常な執着を持つ大の日本フェチという茶目っ気もある。

子供時代の正樹に「女性には優しくしなきゃダメ」「友達は大切にしなきゃダメ」と教えた人物であり、母代わり・父代わりの存在を兼ねる。三陸技研時代に『はばたき』の火工品成型未完成を警告していたが、事故を防げなかった悔いを背負う。正樹に「夢はあるか?」と問い、SASへの道を示す物語の起点である。佳多奈ルートでは「佳多奈は、もともと自閉症だったんだ」と告げ、正樹を長年の自責から解き放つ。

「マサキ、夢はあるか? なぜ、この街に戻ってきたんだい? つらい記憶のあるこの街に」 — 正樹に夢を問う
「君は佳多奈が、自分のせいで自閉症になったと思っていたのかな? 佳多奈は、もともと自閉症だったんだ」 — 正樹を自責から解き放つ

水島慎太郎

みずしま しんたろう 親友・天文部・関西弁

正樹の親友で天文部所属の関西弁の悪友。物語開始時点で「悪友・水島慎太郎一人だけ」が正樹の親友だった。子供時代はガキ大将で、ナヨナヨしていた正樹を「オンナオトコ」といじめていた過去がある。だが小学校のリレー事件で「先生、走る奴おりますわ。俺と関口と高倉です」と参加表明したことが、正樹との関係修復の原点になった。

今は最大の理解者であり、決定的な場面で「気ぃ落とすなや」「女男だけにはなるなや?」と釘を刺す。文化祭プラネタリウムの脚本を執筆し、瞳から「慎太郎君のシナリオ」と感動される一面も。海外エロ書物を正樹に押し付け、ねずみ爆弾を喰らい、修学旅行では食あたりで強制送還されるなど、定番のコメディリリーフでもある。

「女男だけにはなるなや? それだけや」 — 決定的な場面で正樹に釘を刺す

二ノ宮天子(ミート部長)

にのみや てんこ 天文部部長・攻略不可

友愛学園天文部の部長。「実践フルコンタクト天体観測」を提唱する武闘派で、攻略対象外ながら強い存在感を放つキャラクター。色盲ゆえに「宇宙飛行士になれない」と早くから知った人物であり、それでも天文部を続けている。夢を諦めきれずにいる正樹に対し、自分にはない五体満足を持ちながら夢から逃げる姿を厳しく叱責する。

瞳①合格Endでは一転して正樹を送り出す側に回り、「うむ、いい目だ! 私たちの知らない世界をその目で見てこい。そして話を聞かせろ」と背中を押す。障害を抱えながらも夢を見続ける者の重みを、物語に刻む存在である。

「色盲の私と違って、なんの障害もないお前が! 世の中にはな……平凡にすら達することのできない人間もいるんだ」 — 夢から逃げる正樹への叱責

真田家三兄

さなだ まこと・ひろし・まなぶ 恭子の兄たち

恭子の三人の兄。誠(長兄)は大手貿易会社秘書の理性派で、亡き弟・卓の存在を正樹に明かし、婚約破談に動いて戸籍上の養子手続きを示唆する。「俺はお前を本当の弟に等しいと思っていたからな」と、正樹を真の弟として迎え入れようとする一番の理解者である。弘(次兄)は半アウトローの盗聴器愛好家で、大介への正樹の本音を録音し、恭子に聞かせる重要な役回りを担う。学(三兄)は寮生で、三兄の中では最も常識人。三兄はいずれも正樹を「腹違いの末弟」のように扱う。

「なに、俺はお前を本当の弟に等しいと思っていたからな。それが、戸籍上でも実現されるよう計らってやっただけだ」 — 誠兄の親心

大介

だいすけ 恭子の婚約相手・九曜剣道部

恭子に押し付けられた婚約相手で、九曜剣道部所属。七年前、廃工場で発見された正樹と恭子のうち、恭子だけを連れ帰り正樹を見捨てた人物でもある。「恭子ちゃんは関係ないから。そういうのは、一人でやってよ」というその態度が、恭子の中に長く燻る感情を残した。クリスマス・イブに木刀で正樹を襲撃するが返り討ちに遭い、その本性が露わになる。恭子ルートの障害として機能する人物である。

「所詮てめえは……卓の身代わりなんだよ……」 — 正樹への侮蔑

ディネイ・ナカガミ

でぃねい・なかがみ サーシャの護衛・日系二世

サーシャの護衛を務める日系二世の武術の達人。銃の扱いにも長ける。表向きは主従関係だが、実際にはサーシャを実娘のように案じている。屋上の襲撃ではイワンを撃退してサーシャを守り、かけおち先まで追ってきて「内乱が起こるかも知れない」と告げ、サーシャに帰国を決意させる。王女の幸せを誰よりも願う、サーシャルートの陰の支柱である。

「友達もおらず、本当の自分も知らず、ただ敷かれたレールの上を歩くだけの人生に何の意味があるのでしょうか」 — サーシャを案じる本音

朝末頼子

あさすえ よりこ 養護教諭

友愛学園の養護教諭(27歳)。「飲酒歓迎熱烈愛煙年下趣味」「アンチ癒し」を自任する破天荒な大人で、保健室を「主」として独占し、日本酒を「水」と称して飲んでいる。佳多奈の最大の理解者であり、「サーチモード」「クレーン現象」「同一性保持」といった独自の言葉で彼女を語る。正樹を「対佳多奈方面軍総司令官」に任命し、佳多奈ルートの伴走者となる。

「人と違う世界に生きる藤原は……孤独な存在かもしんないね」 — 佳多奈を見つめて

高倉聡美(カラス)

たかくら さとみ 蘭子のライバル・陸上仲間

中学時代から蘭子と陸上仲間だったライバル。「あんたほど才能ないのに、頑張ってるのに……ずるいじゃん!」と本音を漏らす負けず嫌い。蘭子に長丘体育大学付属校への編入を推薦し、クリスマス・イブの「送り出し」作戦を裏で支援する。ストップウォッチで蘭子の自己新タイムを計測し、「自己新よ、相馬」と告げて蘭子を陸上の道へ引き戻す協力者となる。

「自己新よ、相馬。ブランクあるのに自己新出せるなら、まだ伸びるかもね。あー、むかつく」 — 蘭子を陸上に引き戻す

今村夏樹

いまむら なつき 正樹の母(故人)

正樹の母。三陸技研航空開発事業部・天美工場の化学主任で、国産新型ロケット『SA-2000「はばたき」』プロジェクトのリーダーを務めていた。七年前、地上燃焼実験施設の大爆発事故で命を落とす。「高効率・高出力・高信頼性・国産技術の集大成」を志したが、火工品の成型が未完成のまま既製品を流用していた点をジョンに警告されていた。回想の中で、幼い正樹に宇宙の夢を語りかける温かな母として描かれる。

「火星とかね。月はもう、アームストロング船長達が行ってるけど、火星はまだ誰も行ったことがないのよ」 — 幼い正樹に宇宙の夢を語る

アイン教授

あいんきょうじゅ 天美宇宙電波観測所・天文学者

天美宇宙電波観測所の教授で、ジョンの上司。佳多奈の特殊教育を担当し、その暗算能力に「ふむ、たいしたものだ……」と感嘆する。佳多奈の症例を幼児精神科医に送り、覚醒の可能性を引き出す重要人物。だが彼女の脳の謎について「ビッグバン」とだけ呟いて電話で中座し、続きを最後まで語らない。佳多奈が空に向けていたものの正体を示唆する、謎めいた科学者である。正樹を「航宙科に行けなかったらここに来たまえ。雇ってやろう」とスカウトする一面も。

「……ビッグバン。君はそれに耐えられるだろうか」 — 佳多奈の脳の謎を示唆して

今村朝子

いまむら あさこ 正樹の妹・中学生

正樹の妹。中学生だが「主婦」を自称するほどのしっかり者で、年下なのに兄を世話する立場にある。兄が向こうの学校へ行ってしまうことを寂しがる素直さもあり、田舎に押しかけてきたゆかりやサーシャを一晩で手なずける社交力を見せる。コミカルな家庭描写の要として、正樹の帰る場所を温かく彩る。

「不潔不潔不潔不潔っ、お兄ちゃんってば不潔ーっ!」 — 兄をなじる定番のツッコミ