ネタバレゾーン — 星空☆ぷらねっと
このゾーンにはネタバレが含まれます。
正樹が「宇宙へ行きたい」夢を封じた理由・七年前の燃焼実験事故の真相・星見瞳の先天性心疾患とその結末・藤原佳多奈の覚醒・真田恭子の婚約破談・相馬蘭子を陸上へ送り出す決断・サーシャ・ノーブルグの正体と即位・山本ゆかりの一年遅れの合格など、各ルートの結末(送り出し型エンド)を含む本作のすべてのネタバレを掲載しています。未プレイの方はまず作品トップページをご覧ください。
正樹が「宇宙へ行きたい」という夢を封じた理由は?
七年前、母・今村夏樹が技術主任を務めていた工場で起きた燃焼実験事故が原点です。母はこの事故で命を落とし、正樹は故郷・天美市を離れました。さらにこの事故には正樹自身が深く関わっています。実験を「見たい」と望んだ正樹が、地理に詳しい幼馴染・佳多奈の手を引いて発射台付近の禁止区域へ侵入したことが引き金となり、その爆発で佳多奈も深い傷を負いました。母を奪い友を傷つけたものが「宇宙開発」だったため、正樹は自分の夢ごとそれを封印し、夢を語らない幽霊部員になっていたのです。
星空☆ぷらねっとの星見瞳の病気とその結末は?
瞳は先天性心疾患を抱えています。生まれつき心臓に欠損があり、宇宙飛行士には絶対になれないと早くから知っていました。脳天気な明るさはその痛みを覆う仮面で、体育祭で倒れたのは日射病ではなく心臓発作、最終的に進学説明会の場でも倒れて入院します。彼女は自分が叶えられない夢を、子供の頃に「夢を諦めるな」と言ってくれた正樹に託すために生きてきました。瞳ルートには現役合格を地上から見送る「合格エンド」と、一年浪人を経て「ルーツの場所」で再会する「浪人エンド」の二つの結末があります。
星空☆ぷらねっとのサーシャ・ノーブルグの正体は?
留学生「ティーナ・アップフェラー」を名乗っていた金髪の少女の正体は、フスクス王国第二王女サーシャ・ノーブルグです。身分を隠して友愛学園に潜入留学していました。修学旅行先で彼女が使おうとした自国通貨の肖像画が本人だったことから、正樹が正体に気づきます。父・ルオネル国王の急逝後、いったんは正樹とかけおちしますが、最終的に帰国を選び、後年は女王に即位。君主制を廃止して民主化を成し遂げ、SAS設立に巨額の援助を行います。
星空☆ぷらねっとの藤原佳多奈の特性と関係の結末は?
佳多奈はもともと先天的に自閉症スペクトラム(イデオ・サヴァン症候群)で、数学や記憶では天才的な能力を持つ一方、視線が合いにくく言葉を返さない少女でした。さらに七年前の事故で額に破片を受け前頭前野を損傷し、症状が深刻化していました。正樹は彼女に言葉と情緒を取り戻させようと根気強く寄り添います。クリスマス、病室で泣く正樹の頭に佳多奈が手を置き「まー兄」と理知の光を取り戻して呼びかける覚醒の瞬間が訪れます。後年、彼女はSAS航宙エキスパートコースの候補者選考に主席で合格します。
星空☆ぷらねっとの真田恭子の婚約の顛末は?
剣道部主将の恭子には、押し付けられた婚約相手・大介がいました。恭子は破談を狙って奇抜な格好で顔合わせに現れるなどして抵抗します。クリスマス・イブ、大介が木刀で正樹を襲撃しますが返り討ちにあい、その一部始終を次兄・弘が盗聴器に録音していました。録音された正樹の本音「だから、その身代わりが必要だったと言ってるんだよ」を夜のアパート前で聞かされた恭子は、亡き弟・卓の身代わりとしてでも正樹を求める自分の気持ちを受け入れます。婚約は破談となり、長兄・誠の根回しで戸籍上の弟として迎える話まで進みます。
星空☆ぷらねっとの相馬蘭子のルートはどう決着するのか?
蘭子は子供の頃のリレーで怖くて逃げ、走らなかった負い目を抱え続けてきました。さらに正樹の母の葬式前夜に「お母さんの代わりになってあげる」と告げて拒絶された記憶も二人の決別の原点です。正樹を愛し始めた蘭子はやがて走ることをやめてしまいますが、正樹はあえて別れを宣言し、心ない言葉で彼女を突き放してもう一度トラックへ追い立てます。ライバルの高倉聡美がタイムを計り「自己新よ、相馬」と告げ、蘭子は再び走り出して自己新を記録。陸上の名門校へ送り出される、本作らしい送り出し型の結末です。
星空☆ぷらねっとの山本ゆかりのルートはどんな結末か?
一年下の後輩で迎賓館の店員・ゆかりは、SAS進学を本気で目指してジョンに英会話の特訓を受ける一途な努力家です。宝くじで一千万円を当て、その賞金で正樹と民間宇宙旅行を計画するほどの行動力を見せます。田舎の押し入れから正樹の小学校時代の作文を見つけ「なろうよ、宇宙飛行士。いっしょにさ」と背中を押したことが、正樹の決定的な再起のきっかけになります。正樹が現役合格した翌年、ゆかりも一年遅れで合格し、滑走路で「火星まで競争」と笑って再会する明るいエンドです。
星空☆ぷらねっとの各ルートの結末が「送り出し型」と呼ばれるのはなぜ?
本作の多くのエンドは、二人が同じ場所に留まって結ばれるのではなく、互いの夢へ向かって相手を送り出す形で締めくくられるからです。瞳は叶えられない夢を正樹に託して地上から見送り、蘭子は正樹に突き放されてトラックへ戻り、サーシャは祖国を変えるために帰国し、ゆかりは一年遅れで同じ空へ追いつきます。各ヒロインの願いと正樹の「宇宙へ行きたい」という夢が重なり合い、別離が再生や旅立ちへと反転していくのが共通の構図です。
星空☆ぷらねっとのSAS国際航宙科学大学とジョン・ウィリアムズの役割は?
SAS(国際航宙科学大学)は太平洋上に設立される宇宙飛行士養成機関で、全ルートの到達点となる「夢の入口」です。これを正樹に告げるのが、母・夏樹の元同僚で元NASA宇宙飛行士のジョン・ウィリアムズです。彼は天美電波観測所で働きながらSAS設立メンバーを務め、進学説明会で「夢はあるか」「なぜこの街に戻ってきたんだい」と正樹に問いかけ、封じられた夢を揺り起こします。子供の頃の正樹に宇宙への憧れを教えた人物であり、母の死や佳多奈の真相をめぐっても正樹を導く、父代わりの存在です。
星空☆ぷらねっとの七年前の燃焼実験事故の真相は?
母・夏樹がプロジェクトを率いた国産新型ロケット『はばたき』の地上燃焼実験で、施設が大爆発を起こした事故です。火工品の成型が未完成のまま既製品を流用していた点はジョンが事前に警告していましたが、七度目の実機試験で惨事に至りました。この事故で夏樹と佳多奈の両親が亡くなり、現場付近に侵入していた正樹と佳多奈も巻き込まれました。正樹にとっては母を奪い友を傷つけた出来事であり、彼が宇宙の夢を封じる直接の原因です。天美工場跡には夏樹を弔う慰霊碑が建てられ、ジョンが管理しています。
星空☆ぷらねっとのタイトル「星空☆ぷらねっと」の意味は?
星空は、正樹が封じた「宇宙へ行きたい」という夢と、天文部や瞳が見上げ続ける空そのものを指します。ぷらねっと(planet=惑星)は、その先にある宇宙への到達点であり、ヒロインたちが口にする「火星」や「その先」へと続く旅立ちの象徴です。各ヒロインの願いと正樹の夢が重なり、地上から空へ、空から宇宙へと視線が伸びていく物語全体を、星空と惑星という二語が柔らかく束ねたタイトルになっています。
星空☆ぷらねっとに田中ロミオ(山田一)の作家性はどう萌芽しているか?
本作は田中ロミオ(山田一名義)の初期作として語り継がれます。軽妙なコメディと、喪失や障害を正面から描く重いシリアスを同居させる作風が、すでに色濃く表れています。サヴァン症候群のヒロイン・佳多奈の繊細な描写、別離を再生へ反転させる送り出し型のドラマ、誰かに見つけてもらって初めて踏み出す主人公像など、後年の作品にも通じる主題と語り口の原型がここにあります。
星空☆ぷらねっとにバッドエンドがないのはなぜか?
本作には独立したバッドエンドが存在せず、選択を誤った場合もルートが確定する前に物語が静かに終わるだけです。これは、誰かを破滅させて罰する物語ではなく、傷を抱えた人々がそれぞれの夢へ旅立つまでを見届ける作品だからです。喪失から始まりながらも、各ヒロインの願いと正樹の夢が重なって前へ進んでいく一貫した構成が、救いのない結末を必要としていません。別離すら再生として描く本作の温度が、バッドエンドのない構造に表れています。