キャラクター詳細 — 遺作
差出人不明の手紙で旧校舎に呼び集められた九人と、その校舎に潜む用務員・伊頭遺作。脱出を図る主人公・小暮健太、推理で真相を解く榊美由紀、一人ずつ連れ去られていくヒロインたちの詳細プロフィール。各キャラクターの真相・ルート別の顛末・原文セリフを収録。遺作の正体と一年前の殺人、共犯にされた島田陣八の秘密、焼死・生還・恋愛成就へと分かれる結末を含む全ネタバレ記述。
ちびキャラ画像は『遺作』(原作: elf)のキャラクターを基に当サイトで作成した二次的イラストです。原作の著作権は現在の権利者に帰属します。
小暮健太
| 読み | こぐれ けんた |
|---|---|
| 役割 | 主人公(一人称「俺」)。旧校舎に閉じ込められ、脱出を図る側。加害者ではなく、遺作の犯行を目撃・記録する立場 |
| 立場 | 桜蘭学園の生徒。高校最終学年(18歳前後) |
| 属性 | 楽天家・推理小説マニア・パソコンおたく。新聞部の親友・島田陣八とは三年来の仲 |
| 外見 | 桜蘭学園の制服姿。逐語的な容姿描写は乏しく、明るい言動が人物像の核 |
桜蘭学園に通う高校最終学年の生徒。生来の楽天的な性格で好奇心が強く、推理小説とパソコンに親しむ少年である。親友・島田陣八に「学園最後の夏休みに思い出を作ろう」と誘われ、遊園地やプールで仲間たちとひと夏を過ごしていた。猫が極端に苦手で、校内で鳴き声に怯える描写が繰り返される。かつて陣八と組んで理事長室に悪戯を仕掛けて停学になった、悪友的な一面も持つ。
終業式の日、用務員・伊頭遺作の女子生徒への破廉恥な行状を侮辱したことが、後の因縁の起点となる。登校日の夕方五時、差出人不明の手紙で旧校舎五階の音楽室に呼び出され、仲間たちと閉じ込められる。以降は機械油や錆びた鍵、各種の道具を探して仕掛けを解き、五階から下の階へと脱出路を探る探索の主体となる。
「くよくよして扉が開くなら、俺だって思いっきり落ち込むさ。」 — 閉じ込められても保つ楽天的な性格
健太はヒロインのように直接凌辱される側ではなく、視聴覚室の八ミリビデオで仲間が辱められる映像を一人で目撃する立場に置かれる。映像のなかで遺作に名指しで挑発されるが、その内容を誰にも明かさず一人で抱え込む。密かに想い続けてきた相手は浅川琴未であり、彼女が連れ去られたことを知る場面は健太の数少ない感情の露出となる。観察眼と推理力を活かして各階の扉を一つずつ開けていくが、その推理力こそが遺作の計画を狂わせていくことになる。
「俺は生まれつき、猫という動物が苦手なだけだ。」 — 校舎の猫に怯える、健太を象徴する弱点
榊美由紀の推理で陣八が協力者と判明したのち、健太は陣八を問い詰めて全てを告白させ、時計台への真鍮の鍵を受け取る。三階の小さな扉から垂直のハシゴを登って時計台へ至るが、遺作に羽交い締めにされ気絶させられ、柱に裸で縛りつけられる。そして勃起させられた自らの身体を椅子代わりに使われ、その上で美由紀が犯されるという、被害者と加害の道具のあいだに置かれる屈辱を味わう。脱出の成否を分けるのは、健太の機転よりもむしろ美由紀の冷静な作戦である。
生還エンドでは、健太は陵辱の証拠ビデオを警察に渡さず、美由紀とともに焼却する。仲間の名誉を守るためであり、共犯だった陣八の自首も見送る。脱出後の後日談では、多くの仲間が次々と学園を去るなかで美由紀だけが辛うじて普通に話せる相手として残る結末(ED7)、半年後に琴未と相思相愛で結ばれる結末(ED8)、男性不信だった美由紀と結ばれる結末(ED9)へと分岐する。焼死バッド系(ED1・2・3・5)では、脱出に失敗して炎に包まれ、あるいは時計台で捕縛されたまま命を落とす。
「悪いけど、これだけは美由紀の言う通りにできない。」 — 証拠ビデオを焼却し、仲間を守ろうとする決意
伊頭遺作
| 読み | いとう いさく(名「遺作」は作中ルビで確定。姓「伊頭」は本作本文にルビなく、伊頭家シリーズの確定読みに従う) |
|---|---|
| 役割 | 本作の監禁・凌辱の唯一の能動的加害者にして黒幕。九人を旧校舎に集めて閉じ込める |
| 立場 | 桜蘭学園の用務員。約二十年前まで小学校教師(問題を起こし免職) |
| 属性 | 常習性犯罪者。被害妄想とプライドが動機。犯行を八ミリビデオに記録し誇示する |
| 外見 | 白髪混じり。日焼けして赤くひび割れた耳、深いシワの首。潮臭いタオルを巻き、洗っていないジャージとサンダル姿 |
桜蘭学園の用務員。日頃から女子トイレを掃除のフリで覗き、女子の水着や体操着、テニスウェアを盗み、女子生徒に抱きつくなどの問題行動を里香や美緒に証言される、嫌悪の対象である。終業式の日に校舎の出入口で健太・陣八と接触し、その行状を侮辱されたことが因縁の起点となる。
「いつも自分が被害者だ」という被害妄想とプライドを動機とし、女子生徒に侮蔑されたことへの私怨と性欲を行動原理とする。嘲笑的で嗜虐的な物言い(「くっくっく」)を好み、気丈なヒロインの威勢が崩れていくのを楽しむ。閉じ込め後はサンダル履きで旧校舎を徘徊し、ヒロインを一人ずつ連れ去る黒い人影として示唆される。
「くっくっく、この威勢がいつまで続くかねぇ。」 — 気丈なヒロインの屈服を狙う嗜虐的な物言い
遺作は九人を旧校舎に集めて閉じ込め、一人ずつ連れ去って凌辱し、その全てを八ミリビデオに録画する。自分のした事を誰かに見てもらいたいという誇示欲が、この記録への執着の正体である。彼がクビにならず守られてきたのは、理事長(蘇我宗光の父)が学校の金を使い込む不正を握っているためで、何があっても理事長が揉み消すという傲慢な安心感を持っている。陣八を脅迫して手紙配布・盗撮・隠蔽・運搬の協力者に使い、自分は手を汚さずに計画を進める用意周到さを持つ。
「俺が捕まれば、理事長もおしまいだからねぇ。」 — 理事長の不正に守られている根拠
「簡単な事だよ、清純なフリをした雌犬どもの写真を撮ればいい。」 — 陣八に協力を強要する
一年前の美由紀の妹殺害事件で、妹を実際に殺したのは遺作自身である。陣八は妹がもみ合いの末に頭を打って気絶しただけなのを「死んでいる」と思い込まされ、以後人質に取られ続けてきた。時計台で遺作はこの真相を本人の口から明かし、陣八は殺人犯ではなかったと暴露する。さらに健太を呼び込んだことについては、「健太一人だけだと真実味に欠ける」という打算と、その推理力で次々に鍵が開いていくことへの焦りを見せる。
「あんたの脅迫状に書かれていた通り、妹を殺したのは俺さ。」 — 時計台で最大の真相を明かす
「あの馬鹿、気絶してるお前の妹を死んだと思い込んだみたいだぜ。」 — 陣八は殺人犯ではなかったと暴露
遺作の最終計画は、保健室のベッドにガソリンを撒いて旧校舎を放火し、共犯の陣八を含む全員を焼死させ「生徒の肝試し中の失火」に偽装することだった。高島先生は首吊り自殺に偽装するべく連れ去ろうとする。焼死バッド系では、この計画が成就する形で健太や仲間が炎に包まれる。生還エンドでは美由紀の機転で脱出を許し、遺作自身は旧校舎内で変死体となる。時計台のペンキで足を滑らせ転落したことが示唆され、最後は首が折れ曲がった死体を全員が囲む。女を辱める側だった男が、自らの撒いた罠に足を取られて果てる皮肉な末路である。
「お前達はここで肝試しをしてて、ロウソクの火がカーテンに燃え移ったのさ。」 — 放火による焼殺と偽装工作の計画
榊美由紀
| 読み | さかき みゆき |
|---|---|
| 役割 | 探索の相棒にして真相を解く推理役。一年前に妹を殺された遺族 |
| 立場 | 桜蘭学園の生徒。観察眼と推理力に優れる才女(一人称「私」) |
| 属性 | 冷たく潔癖で男性不信。丁寧だが辛辣な物言い。男に対し常に腕で胸を隠す |
| 外見 | 黒いリボンが似合う、後ろで編んだ髪 |
観察眼と推理力に優れた才女。一年前に妹を殺害された遺族で、それゆえ男性不信に陥っており、男に対しては常に腕で胸を隠すような警戒を解かない。冷たく潔癖だが、その辛辣さの裏には真相を知りたいという切実な動機がある。終業式の日に遺作扉で健太と口論し、用務員にちなんだ呼称を嫌う場面が初登場となる。
旧校舎では終始健太と行動を共にし、探索を支える。早い段階から「いかに私達を困らせるか考えてる人が、そう簡単にここから出してくれるはずがない」と遺作の目的を看破するなど、本作の謎解きの頭脳として機能する。妹を殺した犯人を知っているという脅迫状で誘導されてこの校舎に来たが、その手紙の発端は後に明かされる。
「いかに私達を困らせるか考えてる人が、そう簡単にここから出してくれるはずがないじゃない。」 — 遺作の目的を早期に看破する
美由紀は、最初は施錠されていなかった音楽室を、最後に入った陣八がチャイムを合図に扉を開けて遺作が閉めた、黒板の数字や赤ペンキの《怨》の字も陣八の仕業だと、論理的に見抜く。気の置けない仲間を疑う重さを引き受けながら、それでも真実を選ぶ冷静さが彼女の核である。問い詰められた陣八が号泣して全てを告白し、時計台への鍵が健太の手に渡るのは、この推理が起点となっている。
「いいえ、鍵を開けたのが陣八君よ。」 — 陣八が協力者だと見抜く核心の推理
時計台で美由紀は最も残酷に辱められる。柱に縛られ勃起させられた健太の身体を椅子代わりに使われ、その上で強制性交させられたうえ、遺作による肛門性交まで加えられる。そして妹を殺したのが遺作本人だと、最悪の状況で知らされる。それでも美由紀は錯乱せず、遺作を挑発して扉際まで後退させ、隙を見て脱出を図る作戦を組み立てる。被害の只中で頭脳を手放さない強さが、生還ルートの命綱となる。なお妹の死の発端である里香の手紙について、美由紀は「赤川さんに罪はない」と庇う。
「健太君、こんな事が許されていいの?」 — 時計台で全員の裸体拘束を目にして
生還エンドでは、美由紀は健太に深く感謝し、事件後に多くの仲間が去るなかで唯一普通に話せる相手となる。美由紀エンド(ED9)では半年後、男性不信だった彼女が健太と交際する。遊園地デートで二時間かけた手作り弁当を渡し、「私を絶対に離さないって約束して」とキスを交わす。男に怯え続けた少女が、ただ一人の例外を見つけて心を開く結末である。
「健太君は違うわ。……男の人なんて、みんな変な事しか考えてないと思っていたから。」 — 男性不信が解けた告白(ED9)
赤川里香
| 読み | あかがわ りか |
|---|---|
| 役割 | ヒロイン。健太に好意を抱く。事件の発端を作った人物 |
| 立場 | 桜蘭学園の生徒 |
| 属性 | ナイーブで泣き虫だが健気 |
| 外見 | 黄色いリボンで髪を束ねた、メガネをかけた小柄で幼い容貌の少女。十八歳だが小学生のように見えると繰り返される幼さ |
メガネをかけた小柄で幼い容貌の少女。ナイーブで泣き虫だが、プロローグから終始一貫して健太に好意を抱き続ける健気さを持つ。十八歳でありながら小学生のように見えるという幼さが繰り返し強調される。プロローグでは遊園地やプールで健太たちと遊び、旧校舎では高島先生と一緒にいたが、探索中に姿を消す。
「い、いやだぁ。」 — 笑顔を強要されることへの抵抗(ビデオ)
里香は、榊美由紀に馬鹿にされた腹いせという幼い嫉妬から、榊美由紀の名前を騙って伊頭遺作に脅迫まがいの手紙を出していた。美由紀にひどい事をしてほしいという思いで出したこの一通が、遺作の犯行のきっかけとなり、本作の監禁事件全体を呼び起こす発端となる。生還エンドで里香はこれを涙ながらに告白するが、当の美由紀は「赤川さんに罪はない」と彼女を庇う。
「わ、私が遺作さんに手紙を出したの。……榊さんの名前で手紙を出せば、きっと遺作さんは榊さんにひどい事を。」 — 事件の発端を告白する
里香は陣八によって遺作の元へ連れて行かれ、ビデオのなかで凌辱される。「笑え」と笑顔を強要される嗜虐的なシーンや、宗光のペニスを口で奉仕させられる描写が示される。生還後は首に紫色のアザが残り、後日談では事件後に学園を去る一人となる。終盤、錯乱した高島先生に付き添う健気さも見せる。健太への想いを引きずったまま、彼の前から去っていく。
芹沢美緒
| 読み | せりざわ みお |
|---|---|
| 役割 | ヒロイン。自ら囮になって連れ去られる |
| 立場 | 桜蘭学園の生徒(一人称「私」・語尾「〜だぜ」) |
| 属性 | 男勝りで喧嘩好き、義侠心が強い。原チャリ通学・喫煙者 |
| 外見 | 赤いピアスがトレードマーク。野性的で口が悪いが、実は美人で女性的な体型 |
赤いピアスがトレードマークの、男勝りで喧嘩好きな少女。口は悪く野性的だが、実は美人で女性的な体型を持つ。最大の特徴は友達を見捨てられない義侠心の強さで、とりわけ親友・明美を溺愛している。旧校舎では明美と手紙の件を巡って口論するが、その明美が姿を消したことが、彼女を最も危険な行動へと向かわせる。
「ちぇっ、健太は男だからいいよ。私達は遺作の餌食になるのを待つしかないんだぜ。」 — 被害者の性差を嘆く独語
明美が消えた後、美緒は「自分が囮になるしかない」と独語し、遺作を捕まえるつもりで単独行動を取って連れ去られる。その場に赤いピアスを落としており、後に美由紀が回収する。ビデオではナイフ投げで脅されて失禁し、乳房や股間を辱められ「お前は女なんだ」と嬲られる。直接描写は抑制的で、消失と遺留品、そして時計台での裸体発見によって凌辱が示唆される間接的な手法が取られている。
「自分が……囮になるしかないよな。」 — 単独行動を決意する
生還するが、脱出後の美緒は心に深い傷を負って無口になる。時計台で美由紀が落としたピアスを返すと、まるでロボットのように無言でそれを着け直す放心状態が描かれる。あれほど威勢のよかった少女の沈黙が、被害の重さを静かに物語る。後日談(ED7)では退学し、学園を去る一人となる。
幹原明美
| 読み | はたばら あけみ |
|---|---|
| 役割 | ヒロイン。教師・吉沢との不倫の弱みを握られ呼び出される |
| 立場 | 桜蘭学園の生徒。テニス好き |
| 属性 | 明朗活発で気が強い。大人の男が好き |
| 外見 | 白いヘアバンドの明朗活発な少女。スポーツ好きで健康的な色気を持ち、大人びている |
白いヘアバンドが似合う、明朗活発で気の強い少女。テニスを好み、健康的な色気を持つ。大人の男が好みで、教師の吉沢先生と交際している。そのため高島先生とは吉沢を巡って敵対的な関係にある。旧校舎では美緒と手紙の件を巡って口論し、手紙を貰っていないと嘘をつくが、実際は貰っていたことを美緒に追及される。理科実験室にテニスボールを残して姿を消す。
「ちょっとあんた、こんな事をしてどうなるかわかってるの?」 — 拘束された後も保つ強気(ビデオ)
伊頭遺作は、吉沢との不倫の弱みを握る脅迫状で明美を呼び出していた。「吉沢との事を知っている。黙っていて欲しければ登校日五時に旧校舎へ来い」という内容で、明美はこの弱みゆえに一人で校舎へ足を運ぶことになる。気が強く大人びた彼女もまた、隠し事を逆手に取られて罠にかけられた被害者である。
ビデオでは、盗まれたテニスウェアを着せられ、吉沢への嫉妬を込めて遺作に犯される。拘束後も「早くロープを解きなさいよ」と強気を崩さないが、遺作はその威勢がいつまで続くかと嘲笑い、屈服していくさまを楽しむ。生還ルートでは生還するが、ED1(バッド)では給食室で炎に包まれて焼死する分岐が用意されている。なおED8では、事件後も吉沢先生とまだ交際している様子が言及される。
「早くロープを解きなさいよ!!」 — 屈服を狙う遺作に向けて、威勢を維持する
浅川琴未
| 読み | あさかわ ことみ |
|---|---|
| 役割 | ヒロイン。健太が密かに想う相手。最も執拗に凌辱される |
| 立場 | 桜蘭学園の生徒。宗光の幼なじみ(一人称「私」・丁寧語) |
| 属性 | 清楚でおっとり、純情で恥ずかしがり屋。猫が好き |
| 外見 | 黄色いリボンの清楚でおっとりした少女。巨乳設定 |
黄色いリボンが似合う、清楚でおっとりした少女。純情で恥ずかしがり屋、丁寧語で話す。宗光の幼なじみで、変わってしまった彼を母性的に気遣う優しさを持つ。そして健太が密かに想い続けてきた相手でもある。旧校舎では赤面してもじもじしながら教室を出るなど、控えめな所作が印象に残る。美由紀が「陣八君と一緒だと浅川さんが危ない」と警告するが、その不安は的中し、彼女は陣八に追われて姿を消す。
「家に……帰りたい。」 — 凌辱後の放心状態で繰り返すうわ言
琴未は陣八によって遺作の元へ連れて行かれ、ビデオのなかで最も執拗に凌辱される。遺作が「特に気に入っていた女」として処女を奪われ顔射される長大なシーンが描かれる。本人の長台詞は抑制され、放心状態のうわ言として時計台で総括される構成になっている。健太が最も守りたかった相手が最も酷い目に遭うという皮肉が、この作品の救いのなさを象徴する。生還エンドでは、下着が見えることも気にせぬほどの放心状態で発見される。
琴未エンド(ED8)では、半年後に健太と交際する。遊園地や動物園でのデートを重ね、琴未が初めて作った手作り弁当を渡す相思相愛の結末を迎える。密かに想い合っていた二人が、深い傷を越えて結ばれる。残酷な被害の記憶を抱えながらも、それでも互いを選び直したことが、この後日談の核にある。
高島久美
| 読み | たかしま くみ |
|---|---|
| 役割 | ヒロイン。健太たちの担任。序盤に襲われ拘束され、終盤は精神錯乱に陥る |
| 立場 | 桜蘭学園の女性教師(丁寧な口調) |
| 属性 | 清潔感に溢れ恥じらいのある美人。生徒を気遣う |
| 外見 | ピンクのスーツ、長い髪、大きなイヤリング、香水。巨乳設定 |
健太たちの担任の女性教師。ピンクのスーツに身を包んだ、清潔感と恥じらいのある美人で、生徒を気遣う優しさを持つ。明美とは吉沢を巡る確執がある。閉じ込めが判明した直後、様子を見に行こうとして廊下で黒い人影に突き飛ばされ、襲撃者が遺作だと証言する。やがて理科実験室で机にロープで縛られている姿が発見され、健太が接近しようとすると「こっちに来ないで」と必死に制止する。
「い、遺作さん……だった。」 — 襲撃者が遺作だと証言する
高島先生は序盤で遺作に襲われて机に縛られ、ビデオのなかで凌辱される。遺作に操られた宗光と強制性交させられるシーンが描かれ、その動機として、かつてハンカチを捨てられたことへの遺作の逆恨みという私怨が語られる。常に「見下げていた女」への屈辱を与えることに、遺作の歪んだ満足がある。拘束された姿を生徒に見られまいとして健太を制止する場面は、彼女の恥じらいと教師としての矜持がなお残っていることを示す。
「こ、来ないで!! 健太君、お願いだからこっちに来ないで!!」 — 拘束された姿を見せまいとする制止
終盤の高島先生は、ガソリン臭と恐怖に追い詰められて精神錯乱に陥る。健太を陣八と取り違え、「みんなが焼け死んでも私のせいじゃない」「私は一生十字架を背負って生きていく」と繰り返す。遺作の最終計画では、彼女を首吊り自殺に偽装するべく連れ去ろうとする標的にされている。時計台では裸のまま拘束された状態で発見され、放心して「家に……帰るわ」と繰り返す。生還しても深い精神的破壊を受け、後日談(ED7・ED8)では桜蘭学園を辞職して所在不明となる。
「家に……帰るわ。」 — 凌辱後の放心状態で繰り返す
その他の登場人物
健太の三年来の親友で新聞部部長(一人称「僕」)。お茶目でノリがよく軽口を叩くゴシップ好きで、表向きは皆と同様に閉じ込められた被害者として振る舞う。だがその実態は、遺作の脅迫下に置かれた共犯者である。理事長室の盗聴器を外しに行った際に理事長の不正を知ったところを遺作に押さえられ、退学・逮捕をネタに脅迫されて、女子の盗撮・体操着窃盗・手紙配布・《怨》文字書き・里香や琴未の運搬役にされていた。さらに一年前、遺作に命じられて自分の交際相手(=美由紀の妹)を呼び出し、もみ合った末に彼女が気絶したのを「死なせた」と思い込まされ、以後人質に取られ続けてきた。実際の殺害犯は遺作であり、陣八は殺人犯ではなかった。美由紀の推理で正体が露見すると号泣して全てを告白し、健太に時計台への真鍮の鍵を渡す。遺作の最終計画では、共犯の陣八ごと焼き殺して失火に偽装する予定だった。生還エンドでは健太を裏切れず、「すぐ警察に行ってくるよ」と自首を決意する。健太は彼を憎みきれずにいる。
桜蘭学園理事長の息子で、一人だけ白い特別な制服を着る御曹司。傲慢・我侭・嫉妬深く、口癖は「ふん」「庶民」。琴未の幼なじみで彼女に執着する。閉じ込めが判明すると「遺作のやつめ、僕達と知恵比べでもするつもりか」と虚勢を張り、鍵探しに異常に固執して健太を突き飛ばすほど焦る。放送室でロープと猿ぐつわで拘束されていたところを健太に救出される。男性であるため遺作の凌辱対象ではなく「目障りだから」拘束された扱いだが、ビデオのなかでは遺作に操られて自慰を強要され、高島先生との強制性交や里香への口奉仕強要に利用される加害の道具にもされる。生還後も虚勢を張るが「蘇我家始まって以来の恥辱」と精神的に崩壊する。父の不正は知らないまま、ED7では父=理事長が犯罪者となり退学に至る。
榊美由紀の妹で、陣八の隠れた交際相手だった後輩。固有名は作中で明かされない。一年前、陣八に遺作のもとへ連れて行かれる際に抵抗し、もみ合った末に頭を打って気絶する。陣八は「気絶しただけ」と認識していたが、実際の死因はケーブルのような物による窒息死、すなわち遺作による絞殺だった。この事件が陣八を共犯に縛り、美由紀を男性不信に陥らせ、里香の手紙を経て本編の監禁事件全体を呼び起こす根本原因となる。本編には登場せず、回想と真相の暴露のなかで語られる存在である。
桜蘭学園の理事長で、蘇我宗光の父。学校の金を使い込む不正を遺作に握られており、そのために遺作はクビにならず守られ続けてきた。遺作が「俺のアリバイは理事長が何とかしてくれる」と豪語する根拠であり、二人は互いに弱みを握り合う共生関係にある。本編には直接登場しないが、ED7では犯罪者となり、息子・宗光が退学に至る原因となる。遺作の犯行を陰で可能にした、もう一つの不正の象徴である。
幹原明美の交際相手の教師。本編には未登場で、台詞や回想で言及されるのみの存在である。明美との不倫的な関係が遺作に弱みとして握られ、明美を旧校舎へ呼び出す脅迫状の材料に利用される。また高島先生とのあいだに、吉沢を巡る三角関係的な確執がある。ED8では、事件後も明美とまだ交際している様子が言及される。
旧校舎の天井裏で、柱にロープでくくりつけられている猫。美由紀がハシゴで救出する。健太が生まれつき猫を極端に苦手としていることと、「ネズミが猫に鈴をつける」という昔話のモチーフが連動しており、閉じ込められた者たちが館の主に立ち向かう構図を象徴する存在として、物語に静かに織り込まれている。