遺作
| タイトル | 遺作(いさく / ISAKU) |
|---|---|
| ブランド | elf(エルフ) |
| 発売日 | 1995年8月25日(PC-98版) ※Windows版1997年・リニューアル版1999年・Mac版2000年・DMM DL版2007年 |
| プラットフォーム | PC-9801(MS-DOS)/ Windows / Macintosh |
| レーティング | 18禁 |
| ジャンル | 鬼畜系サスペンスアドベンチャー |
| シナリオ | 蛭田昌人 |
| 原画 | 横田守(本作をもってelf退社) |
| ボイス | なし(PC-98版)/ 主人公以外フルボイス(Windows・Mac版)※声優名非公開 |
| シリーズ | 伊頭家シリーズ(おやぢシリーズ)第1作(→臭作→鬼作) |
| ルート数 | フロア探索型・キャラ別ルートなし。全9エンディング(焼死バッド・捕縛・生還・後日談ビター・琴未/美由紀の恋愛成就) |
あらすじ
主人公・小暮健太は、桜蘭学園に通う高校最終学年の生徒。楽天的で好奇心が強く、推理小説とパソコンに親しむ少年である。親友の島田陣八に「学園最後の夏休みに思い出を作ろう」と誘われ、ひと夏を仲間たちと過ごしていた。
ある登校日の夕方5時、健太は差出人不明の手紙で、普段は使われていない旧校舎の最上階に呼び出される。昭和初期に建てられた焦げ茶色の木造校舎には、健太のほかにも何人もの生徒と担任教師が、それぞれ別々の手紙で同じ部屋に集められていた。全員が揃った直後、鳴るはずのない校舎のチャイムが鳴り響き、扉に鍵がかけられる。窓という窓には外から板が打ちつけられ、出入口は施錠されている。閉じ込められたと気づいた一同に、得体の知れない恐怖が走る。
校舎の中には、館の主のように徘徊する何者かの気配がある。健太は機械油や錆びた鍵、各種の道具を探し、仕掛けを解いて各階の扉を一つずつ開けながら、上の階から下の階へと脱出路を探っていく。だが、健太が階を上下するあいだに、仲間が一人、また一人と姿を消していく。閉ざされた校舎と、脱出の試みと、館の主の脅威。冒頭に置かれた「誰も定められた運命から逃れる事はできない」という一文が、この夏の行方を静かに示している。鍵とアイテムを集めて密室を解き明かす、フロア探索型の鬼畜系サスペンスアドベンチャーである。
キャラクター
ちびキャラ画像は『遺作』(原作: elf)のキャラクターを基に当サイトで作成した二次的イラストです。原作の著作権は現在の権利者に帰属します。
桜蘭学園の生徒。楽天的で好奇心が強く、推理小説マニアでパソコンおたく。閉じ込められた旧校舎で鍵を探し脱出を図る。
桜蘭学園の用務員。タオルを巻いたジャージ姿で校舎を徘徊する異様な存在。本作の脅威の中心となる人物。
メガネをかけた小柄で幼い容貌の少女。ナイーブで泣き虫だが健気で、健太に好意を寄せている。
赤いピアスがトレードマークの男勝りな少女。口は悪いが義侠心が強く、親友の明美を溺愛している。
白いヘアバンドの明朗活発な少女。テニス好きで健康的な色気を持ち、気が強く大人びた性格。
黒いリボンが似合う冷たく潔癖な才女。観察眼と推理力に優れ、終始健太と行動を共にし探索を支える。
黄色いリボンの清楚でおっとりした少女。純情で恥ずかしがり屋。健太が密かに想いを寄せる相手。
健太たちの担任の女性教師。ピンクのスーツに長い髪、清潔感と恥じらいのある美人。生徒を気遣う。
健太の3年来の親友で新聞部部長。お茶目でノリがよく、ゴシップ好き。「夏の思い出を作ろう」と健太を誘う。
学園理事長の息子で、一人だけ白い制服を着る御曹司。傲慢で我侭。琴未の幼なじみで彼女に執着する。
用語集
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FAQ
各ルートの結末・キャラクターの正体に関する設問はネタバレゾーンのFAQに分離しています。
遺作とはどんなゲーム?
1995年8月25日にelf(エルフ)がPC-98向けに発売した18禁の「鬼畜系サスペンスアドベンチャー」です。桜蘭学園の旧校舎に閉じ込められた主人公・小暮健太が、館の主のように徘徊する用務員・遺作の脅威から、鍵やアイテムを集めて脱出を図るフロア探索型のADVです。シナリオは蛭田昌人、原画は横田守が担当しています。後にWindows版・Mac版・DMMダウンロード版が発売されました。
伊頭家シリーズとは?(臭作・鬼作との関係)
『遺作』はelfの「伊頭家シリーズ」(おやぢシリーズ)の第1作にあたります。続編として『臭作』(1998年)、『鬼作』(2001年)が発売され、三作で一つのシリーズを成しています。タイトルの「遺・臭・鬼」という命名や、それぞれ異なる狂気の方向性がシリーズファンの間で語り草になっています。シリーズ内で『遺作』は謎解き・脱出のゲーム性が最も強い作品として位置づけられています。
どんな舞台設定?
舞台は桜蘭学園(おうらんがくえん)の旧校舎です。昭和初期に建てられた焦げ茶色の木造5階建てで、窓には外から板が打ちつけられ、各階の扉は施錠されています。ある登校日の夕方5時、9人が差出人不明の手紙で最上階の音楽室に集められ、チャイムを合図に閉じ込められます。プレイヤーはこの密室化した旧校舎を、上の階から下の階へと探索していきます。
主人公は誰?どんな人物?
主人公は桜蘭学園の高校最終学年の生徒・小暮健太(こぐれ けんた)です。一人称は「俺」。生来の楽天的な性格で好奇心が強く、推理小説マニアでパソコンおたくという設定で、その観察眼と推理力が旧校舎の謎解きに活きてきます。閉じ込められても冷静さと前向きさを保ち、仲間が頼る存在になります。なお主人公は加害者ではなく、脱出を図る側として描かれます。
攻略の流れは?(フロア探索)
本作はキャラ別の恋愛ルート分岐ではなく、旧校舎を上の階から下の階へ降りていく一本道の探索進行が中心です。各階の施錠された扉を、機械油や錆びた鍵、形状記憶合金の鍵などのアイテムと仕掛けを解いて一つずつ開けていきます。会話の選択肢や行動順序によって展開が変化し、最終的な結末が複数に枝分かれするマルチエンド構造になっています。PC-98版では同梱の暗号表(マニュアルプロテクト)が攻略に必要でした。
エンディングは何種類?
スクリプト上では全9種類のエンディングが確認できます。脱出に失敗する焼死バッド、時計台で捕縛される結末、旧校舎から生還する結末、生還後に喪失が続くビターな後日談、そして半年後に琴未・美由紀それぞれと結ばれる恋愛成就エンドへと枝分かれします。各結末の具体的な内容や到達条件はネタバレを含むため、ネタバレゾーンで扱っています。
鬼畜系の先駆けとされる理由は?
『遺作』は1995年当時、恋愛アドベンチャーが主流だったアダルトゲーム市場において、「閉鎖空間からの脱出」と「鬼畜系」を組み合わせた異色のジャンルを確立した作品として広く知られています。クリーチャーではなく学園の用務員という「どこにでもいる人間」を脅威の源泉に据えた点や、謎解きと物語を融合させたゲーム設計が、後続の鬼畜系アダルトゲーム全般の礎を築いたと評価されています(一般的な作品史上の位置づけによる説明です)。
スタッフは誰?原画・シナリオは?
シナリオ・ゲームデザインはelf創業者の一人である蛭田昌人が担当しました。蛭田は同級生シリーズやドラゴンナイトシリーズなどでも知られ、マルチシナリオをいち早く取り入れた先駆者として評価されています。原画はアニメーター・キャラクターデザイナーの横田守が担当し、本作をもってelfの仕事から撤退しました。タイトルの「遺作」が横田にとっても実質的な「遺作」となったと語られることがあります。
「遺作」というタイトルの由来は?
「遺作」はelfの社屋移転前、最後の作品という意味で命名されたとされています。発売前に雑誌広告へタイトルのみが大きく掲載された際、文字通り「遺作(死者の残した作品)」と受け取られ、「elfが倒産・解散したのではないか」という憶測がプレイヤー間に広まったというエピソードが語り継がれています。
版による違いは?
PC-98版(1995年)を皮切りに、Windows版(1997年)、Windowsリニューアル版(1999年)、Mac版(2000年)、DMMダウンロード版(2007年)と複数の版が発売されてきた。PC-98版にはボイスがなく、Windows版・Mac版では主人公以外がフルボイス化されている(声優名は非公開)。