キャラクター詳細 — 加奈〜いもうと〜
本ページは加奈〜いもうと〜に登場する全キャラクターを、血縁不在の真実・余命宣告・各ルートでの顛末を含めて掲載しています。「ネタバレ詳細」アコーディオンには結末に関わる情報を格納しています。
藤堂 隆道
| 読み | とうどう たかみち |
|---|---|
| 役割 | 主人公/加奈の兄/大学一年生 |
| 年齢 | 物語進行時 大学一年生(高校卒業を起点に現在時制が進む) |
| CV | なし(Windows初出版) / PSP版での担当は未確定 |
| 外見 | 明確な容姿描写は少ないが、いじめ三人組を制圧できる体格と、後半の引越し屋アルバイトをこなす体力を備える。左手に蜂事件の傷跡が残る |
大学一年生、文芸サークル所属。妹・加奈の送迎と看護に余暇のほぼすべてを費やしてきた絶対的保護者。一人称は「俺」。父の「強い男になりなさい」を生涯のテーマに掲げ、保護対象を守ることでアイデンティティを保つ。真面目で不器用、自分の感情を遠回しにしか表現できない。本人いわく「俺は不器用だからなあ」「俺の弱い心は逃げるしかないんだ」。物事を抱え込む癖があり、悲しい場面で泣きそびれて後で爆発する人間。
高校卒業直前、医師から加奈の余命「半年」を宣告されると同時に、父から「加奈とおまえに……血の繋がりなどありはしない」と養子の真実を告げられる。隆道は両親に激怒し「血の繋がりだけがそんなに大事かよ!」と暴言を吐くが、同時に加奈への独占欲と性愛を抑えきれなくなっていく。「俺の心には、もうとうの昔に加奈が住んでて、これ以上他の誰かが入りこむ隙間なんてなかったんだ」と夕美に向けて告白する一方、加奈の自慰目撃と全裸出迎えに対し最後の理性で「俺たち……兄妹なんだぞ」と拒絶する。家庭内では加奈と一緒に寝、衣装タンスから加奈の下着で自慰し、街帰りに傷の血を吸わせる場面で唇を寄せかけるなど、すでに境界を踏み越えつつある状態。
最後の退院での夕美との別れ、加奈との告白現場目撃、加奈の発作を境に物語が分岐していく。
「俺は加奈に普通に生きて欲しかった!いろいろなものを見て、知って……そういう普通の幸せを……」勇太と殴り合う病院の喫煙所で
「血の繋がりがなかったらよかったんだ。そうしたらこんな迷うことなんてなかった」加奈との和解の場面
「俺は、加奈のことが、好きだ。兄としてだけじゃない。一人の異性として、加奈のことが好きだ」ED1「はじまりのさよなら」加奈への告白
「俺は加奈に、『返事』をしていないから。それは、決して砕けない」ED3「迷路から」
「強くなるということはつらいものだと思った」幼少期、自分の弁当を加奈に渡しながら
「正しいことが、全ての人間を幸せにするわけじゃない。俺が不幸にしたくないのは、たった一人なんだ」ED1「はじまりのさよなら」
「おまえの中にある腎はな、俺のと同じ腎なんだ。だから、おまえがどこにいるか感じることができるんだ。一心同体だ、な?」ED1「はじまりのさよなら」
- ED1「はじまりのさよなら」:加奈と結ばれて同居期間を経るが、加奈自身が「依存して甘えて前に進めなくなる」と書店住み込み就職を選び、隆道は号泣しながら送り出す。「行ってこい、加奈」が最後の対話。
- ED2「追憶」:加奈の死から半年、ペンダント遺言の「愛しています」で再起。夕美は「恋人ではなく、けれど他人ではない」距離で伴走者。
- ED3「迷路から」:加奈死後ほぼ統合失調的な状態に陥り、加奈の幻覚を見続ける。夕美のかつら芝居でようやく正気を取り戻す。「長い悪夢は終わりを告げ、ようやく、俺は自分の時間を歩き始める」。
- ED4「雪」:移植を選ばず、家族と美樹に看取らせる。父から初めて「息子」と呼ばれ「私はおまえを誇りに思う」と肩を抱かれる。鉢植えのウメバチソウが翌春に咲くのを見て区切りをつける。
- ED5「おもいで」:加奈の意思で香奈に肝臓提供。日記を『命を見つめて』として出版し、教職課程と図書館司書資格を取得。秋空を歩きながら背後に加奈の声を聞く。夕美との再会は描かれない。
- ED6「今を生きる」:ED5の流れの先で、大学キャンパスで読書中の夕美と再会。夕美が読んでいたのは『命を見つめて』。「今はもういない人間の意思が、今を生きる俺の指標になっているんだ」で締めくくる。
藤堂 加奈
| 読み | とうどう かな |
|---|---|
| 役割 | 妹/メインヒロイン |
| 年齢 | 物語進行時 16〜18歳(一年遅れで双葉学園に入学) |
| CV | なし(Windows初出版) / 小林沙苗(PSP版) |
| 外見 | 艶やかな黒髪、白く透き通った肌、華奢な体型。ここ一年でようやく女らしいふくらみが発達。黄疸が出ると人前に出ない |
生まれつき慢性糸球体腎炎を抱え、人生の大半を病院で過ごしてきた。週三回の人工透析を子供の頃から継続。一人称「わたし」、隆道のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ。圧倒的に内気で、他人の前ではほとんど発話できない。緊張すると「……(こくん)」「……(ふるふる)」と頷きと首振りで応える特有の表現が頻出する。一方で読書量と知性は突出しており、辞典を頭から読む、進化論・哲学書・古代中国思想書を購入するなど、独学で広範な知識を蓄える。涙腺が弱く些細なことで「ぽろぽろと涙をこぼす」が、肝心のところでは気丈に振る舞う。
加奈は両親の実の娘ではない。父の友人(病弱な男性)が妻に先立たれて引き取った娘で、その友人もガン同然の身体で後を追うように死亡したため藤堂家が養子に迎えた経緯がある。加奈自身も藤堂家のアルバムに自分の幼児期写真がないことから、早い段階で気づいていた(「アルバム……わたしも気づいたから」)。
余命半年と医師から宣告され、多臓器不全・合併症・血小板減少による吐血リスクが進行する。終盤には「胸が痛い」「死ぬんでしょ?」と錯乱し、その流れで初潮を吐血と勘違いするほど精神的に追い詰められる。隆道の自慰行為の音と気配を察知し、自分も自慰してから「お兄ちゃんのこと……ずっと昔から……」と全裸で部屋を訪ねる。伊藤勇太からの告白は「気持ちは嬉しかったけど」と丁重に断り、隆道に「わたしの日記にはね……お兄ちゃんのことばっかり、書いてあるんだ」と打ち明ける。
加奈は密かに臓器提供意思表示カードを書いており、死後にED5・ED6で香奈への肝移植が実現する。日記は『命を見つめて』として出版される。死の数日前に書かれた最後の項目は「アポトーシス」考察、「死は遺伝子の本能」考察、聖書からの引用「死ぬ日は生まれた日に優る」、そしてドナー登録宣言で締めくくられる。
「……生きたい」「生きたいよ……もっと」移植を望む「生きたい」告白
「他人同士に生まれるくらいなら、死んだ方がましだもん……」最後の退院での別れ際
「ずっと大好きだったお兄ちゃんと……一緒にいられたから……」日記と本心を打ち明ける夜
「もう……いいよね……頑張ったよね……」ED4「雪」鎮静剤投与前の最後のセリフ
「今日、海を見た。もう恐くない。」日記最終ページの最後の文
「死ぬ日は生まれた日に優る」日記、聖書引用
「死にたくないよおぉぉ……わたしまだ死にたくないよぉぉぉ……」ED2「追憶」ペンダント遺言四つ目
「愛しています」ED2「追憶」ペンダント遺言五つ目・最後
「お兄ちゃん……ホントはキスしてほしかったけど……でも……」最後の退院での別れ際
「今度、生まれてくる時は……お兄ちゃんの家の隣に住んでる幼なじみって設定がいいかな」ED4「雪」夢の中の別れ
「お兄ちゃん……好きだよ……」最後の退院での別れ際
「昨日はできなかったことが、今日はできたりするんだよ」リンゴをむく場面
「ブラコンでいいんだ……遠慮してたら、損するもん」ED1「はじまりのさよなら」
「わたしは……今を精一杯生きているつもりだから」「祈るの。生きることに、後悔しませんようにって」病室での加奈の述懐
- ED1「はじまりのさよなら」:移植成功で生存。隆道と結ばれて同居期間を経た後、書店住み込み就職で家を出て自立する。「兄妹のままじゃ、何にもならないから」と語り、自らの意思で距離を取る。
- ED2「追憶」/ED3「迷路から」:移植失敗で死亡。死の直前にペンダントに五つの遺言を録音し、最後を「愛しています」で締める。ED3では隆道の心に夕美のかつら芝居越しに姿を留め、ED2では一周忌の墓前で隆道に向け遺言を響かせる。
- ED4「雪」:移植を選ばず、家族と美樹に看取られて夜中三時頃に息を引き取る。窓の外には季節外れの雪。「もしわたしが死んだら、雪を降らせてみようかな」の予告通り。鉢植えのウメバチソウは翌春開花。
- ED5「おもいで」/ED6「今を生きる」:ED4と同様に死亡するが、加奈が事前に臓器提供意思表示カードを書いていたことが死後に判明し、肝臓が香奈に移植される。日記は『命を見つめて』として出版され、ED5では隆道の手元で淡々と「秋風の中の声」として残り、ED6では夕美にまで届いて紅葉狩りへの再出発を引き寄せる。
鹿島 夕美
| 読み | かしま ゆうみ |
|---|---|
| 役割 | 隆道の小学校以来の同級生/後の交際相手 |
| 年齢 | 物語進行時 大学生(青心女子大学)。弁護士志望 |
| CV | なし(Windows初出版) / 高野直子(PSP版) |
| 外見 | 「猫科のそれを連想させる瞳」「明朗快活で成績が良く、運動神経も抜群」。クラスでも目立つ整った容姿。大学時代は「ルージュと流行で飾り立てた」が、ED6では化粧が落ち着く |
隆道の小学校以来の同級生。中学・高校とも同じ学校だったが、卒業式まで一度も口を利かなかった。一人称「私/わたし」、隆道のことは「藤堂君」と呼び、ED6でようやく「隆道君」と名前で呼びはじめる。父は加奈の担当医(麻酔科医・院長の鹿島先生)。家庭は裕福で、家には酒屋の母方実家由来でお酒が常にある。折れず曲がらず、ポジティブで押しが強い「夕美のパワー」。「私、努力の人なんだもん」と言い切る一途な人物で、性に対しても率直、下品さに振り切れる一面と急に深く真面目に怒る一面が同居する。
小学校五年生時代の「藤堂君とわたしって結構相性いいかも知んない!」発言から、隆道の片想いが始まる。同時期に手作りの少女人形を隆道の下駄箱に入れて贈ろうとしたが、隆道は焼却炉に捨てた(後の遊園地デートで同一人物作と判明する伏線)。隆道のラブレターは別のクラスメイトに勝手に開封・晒されて玉砕。隆道はこれを十年「夕美の仕業」と誤解し、卒業式でついに夕美が「あの手紙の公開は私がやったことじゃない」「ホンキで好きだったんだよ」と泣きながら謝罪して第二ボタンを所望する。
文芸サークルのコンパで偶然再会し、半ば強引にホテルに連れ込んで主導でフェラチオから挿入まで結ばれる。「私たちって、もしあの時から付き合ってたら、きっと中学生くらいでお初ソーシツしてたと思うのね」と過去十年の損失感を露わにする。家族見舞いに同行して加奈と対面し、その後、最後の退院での加奈との抱擁を目撃して「妹を抱いた身体で、私を抱いたの?」と平手を打って去る。隆道から「俺の心には、もうとうの昔に加奈が住んでて」と振られる。
加奈の死後(ED2/ED3/ED6)、隆道の世話を焼き続ける。ED3では加奈のかつらをかぶって加奈を演じ、隆道に「加奈ちゃん……もう死んだんだよ」と告げて正気に戻させる。ED6では『命を見つめて』を読んで「私が口出しする余地なんてなかった」と理解し、紅葉狩りに隆道を誘う。
「ホンキで好きだったんだよ」卒業式での謝罪
「許してくれなくてもいい。けど……一つだけお願い。それ……ちょうだい」卒業式での第二ボタン要求
「殴る……裏切り者……裏切り者ーっ!」加奈との抱擁を目撃して
「私……隆道君のこと……絶対に見捨てたく……絶対に……」ED3「迷路から」
「加奈ちゃん……もう死んだんだよ」ED3「迷路から」かつら芝居
「私、人間だもん、玩具じゃないもん……だから許さない、許せない……」加奈との抱擁を目撃して
「いくじなし、いくじなし……っ!」ED3「迷路から」
「藤堂君が悪いんだよ……吹っ切ったつもりだったのに……また……」ホテルで結ばれる夜
「藤堂君とわたしって結構相性いいかも知んない!」小学生時代の相性占い・物語の発端
「ずっと藤堂君のこと、見てた……ずっと」遊園地デートでの告白
「私、努力の人なんだもん」遊園地デートでの告白
「これ、読んだよ」「許してやってもいい」「私が口出しする余地なんてなかった」ED6「今を生きる」再会
- ED1「はじまりのさよなら」:明示的には触れられないが、隆道が加奈と結ばれて告白するシーンを目撃した時点で立場はED1ルートからは消える。
- ED2「追憶」:隆道を支えながら微妙な距離を保ち続ける。墓参の運転手として登場し、ペンダント遺言の再生に立ち会う。
- ED3「迷路から」:もっとも能動的に介入。「いくじなし、いくじなし……っ!」と殴り、加奈のかつら芝居で隆道を救出する。
- ED4「雪」:直接の登場なし(ED4は看取り完結)。
- ED5「おもいで」:直接の登場なし。隆道と再会するフラグが立たない結末。
- ED6「今を生きる」:弁護士を目指して大学に通いつつ隆道の様子を見守り、『命を見つめて』を読み終えてから「これから帰り?送っていこうか?」「みんなで紅葉狩り」と隆道を引き寄せて新しい日々へ。「免許取って、車買ったんだ」のチャーミングな自己紹介で十年の屈託を超えた成熟した距離感を提示する。
近藤 美樹
| 読み | こんどう みき |
|---|---|
| 役割 | 加奈の主治看護婦/勤続十年のベテラン |
| 年齢 | 勤続十年のベテラン(蜂事件時の新人時代から) |
| CV | なし(Windows初出版) / ひと美(PSP版) |
| 外見 | 「豊満な白衣の天使」と評される。胸を張って立つ姿が様になる。怪力(幼少期の隆道を男子トイレに連れ込んで採尿を強行する逸話) |
加奈の主治看護婦、勤続十年のベテラン。加奈とは小学生時代(蜂事件で隆道が入院)から十年以上の付き合い。隆道のことも幼少期から「隆道君」と親しく呼ぶ。一人称「私」、語尾を「〜よお」「〜ねえ」「〜なあ」と伸ばすほのぼのとした口調。とにかくパワフルで、看護に携わる人間にはこういった強さが必要なのだと実感させる人物。「私の魔法で加奈ちゃんを健康にしてあげるから」「私ったら魔女なんだからあ」と冗談混じりに励ます陽性のキャラ。
医師の余命宣告の場面に同席し、「いざという時は、私の魔法で加奈ちゃんを健康にしてあげるから」と語った過去を隆道に責められる。終盤には「あと一度、大量出血が起こったら……助からないのよう」と隆道に告知する役を担い、「私の一生のお願い。これから、毎日一緒にいてあげて」と頼む。加奈の余命を告げる場面では勤続十年の壁を破って号泣する。
加奈の最期に立ち会い、ED4「雪」では加奈の手を握ったまま隆道に「すぐに……先生を……」と告げて泣き崩れる。ED4のエピローグではウメバチソウの開花を隆道に見せる役を果たす。ED5・ED6では加奈の臓器移植の経緯にも関わり、ED6の偲ぶ会では隆道が紅葉狩りで合流する場面でも美樹の名が呼び出される。
「助からないのよう」最後の退院を手配する場面
「私の魔法で加奈ちゃんを健康にしてあげるから」加奈の誕生日・後に隆道に責められる言葉
「うう……かわいそうな加奈ちゃん……」医師の余命宣告の場面
「お兄さんが弱気になったら、加奈ちゃんにも伝染しちゃうわよお」「絶対に健康になれます。そう信じて下さい!」弱気な隆道を励まして
「うわあああぁぁぁぁぁぁん」隆道に感謝を述べられて
「加奈ちゃんを励ますのが見舞いに来る人の役目。だから弱気な見舞い人は、門前で追い返しちゃうわよお」弱気な隆道を励まして
「目の色が違うでしょお、加奈ちゃんのことになると」「でもね、隆道君のことをシスコンなんて悪口言う人がいたら、私がぶん殴ってあげるから」隆道の加奈への想いを語る場面
伊藤 勇太
| 読み | いとう ゆうた |
|---|---|
| 役割 | 加奈の中学同級生/後に同じ高校(双葉学園)の後輩 |
| 年齢 | 物語進行時 高校一年生(加奈より一学年上) |
| CV | 未確認 |
| 外見 | 「顔つきはまだ幼い感じがする」「日焼けしていて、わずかに精悍さが漂う」。陸上で県記録を持つ。ロシア版グナックMFのモデルガンを愛用、制服内側にホルスター仕込み |
加奈の中学同級生(一学年上の同じクラスを二年連続)。隆道とは「先輩」関係。陸上部で県大会記録更新の経歴を持つが、強豪校の誘いを蹴って地元高校(双葉学園)を選択(事実上加奈のため)。一人称「俺」、加奈のことは「藤堂」と苗字呼び。表向きは飄々として人懐こく頭が良くて要領がよいが、内面は計算高く、加奈のために高校を選ぶほどの執着を持つ。一見クールで突発的にホットになる二面性、「両極端な人間は、人格的にもっと神経質なことが多いと思うのだが、勇太にはそれがない。まるで……すべて計算ずくでやっているかのようだ」と隆道に評される。
加奈をいじめる三人組をモデルガンで撃退して初登場。加奈は当初彼を「きらい」と評していたが、勇太の「ごめんなさい。だから……許して下さい」と土下座寸前まで頭を下げた謝罪と握手で受け入れる。加奈が教室で倒れた時、最初に駆けつけて病院へ運ばせるのも勇太。後に隆道へ「交際。できたら認めて欲しいんすけど」と交際申請。「俺、藤堂のファンっすから」「藤堂は……まだ白いんです。世間の垢に染まってない」と語るが、隆道に「欺まんだよ、それ」と一蹴される。
加奈に正式に告白するが、加奈は「気持ちは嬉しかったけど」断る。病院の喫煙所で隆道と殴り合いになり、「あんたッ!あんたはッ!畜生畜生……ふざけんなよっ!」「死んじまえ!加奈を……加奈を汚しやがって……」と兄妹の関係性に踏み込んだ発言で隆道を逆上させる。最後の退院パーティーには「藤堂先輩、藤堂、卒業おめでとうございます」と平静を装って祝いを述べる。加奈の死後、勇太の動向は明確には描かれない。
「俺、藤堂のファンっすから。応援したいんすよ。頑張れって」隆道への交際相談
「藤堂は……まだ白いんです。世間の垢に染まってない」隆道への交際相談
「藤堂をこれからも守ってやれる人間がいるとすれば、それは藤堂にずっとついててやれる人間です。俺、その自信あります」隆道への交際相談
「死んじまえ!加奈を……加奈を汚しやがって……」病院の喫煙所での殴り合い
「もっと早くに知ってたら……いろいろしてやれたのに」病院の喫煙所での殴り合い
「俺……彼女に告白して振られましたよ」病院の喫煙所での殴り合い
「ずいぶんと長いブランク空いちゃったけど、正式に謝罪する。藤堂加奈さん、申しわけ在りませんでした!」卒業式の場面
「アイツ、キレーな心してると思うんです。怖がりだけど、誰も憎んでないと思うんです」隆道への交際相談
「藤堂を傷つけたりしない。約束する」加奈との握手場面
霧原 須摩子
| 読み | きりはら すまこ |
|---|---|
| 役割 | 隆道の父方の妹/元新聞記者/ホスピス入院中の乳ガン末期患者 |
| 年齢 | 三十代前半 |
| CV | 未確認 |
| 外見 | 「ほっそりとした美人」「意思の強そうな瞳」「達観したような部分」。乳ガンで乳房切除済み。終盤は酸素チューブを常用 |
隆道の父方の妹で、大学を出てブン屋(新聞記者)として働き、結婚直後の二十代半ばで乳ガン宣告を受けた。物語進行時はホスピス入院中の末期患者。「冷静に見えて、奥に情緒を隠しているタイプ」で、死を見据えて生きることを選択した人間。一見落ち着き払っているが、隆道が病室をのぞいた場面では「もう!……もう!」とベッドを叩いて泣く弱さも持つ。娘・香奈に対しても「あの子も決して健康ではないから……こういうことをよく考えて欲しいの」と死を隠さない教育方針。
ホスピスで加奈・隆道と初対面。加奈に乳房切除済みの胸を触らせて病名を告げ、「私ね……乳ガンだったの」「死をまっすぐに見つめて生きてみるのもいいかなって思ったから」と語る。ガン性胸膜炎の進行で酸素マスクが手放せなくなり、後に鎮静剤で意識を沈める形で死期を迎える。死の直前、家族・親類・友人を病室に集めて一人ひとりに「ありがとう」と挨拶する。加奈には「あなたの方はきっと治るわ……ね?」と励ます。退院期間を三日確保して香奈と過ごし、それを最後に病院に戻って息を引き取る。
須摩子の「死を見つめる心が育たなければ、いざという時に納得できないまま人生が終わってしまうかも知れない。そちらの方が恐ろしいと思うの」という言葉が、加奈の精神的支柱「死を見つめる強さ」となり、本作全体を貫く中心思想として連鎖していく。物語のフラッシュバック内ですでに死亡している人物だが、すべてのルートで「加奈と隆道に死を見据える姿勢を残した存在」として機能する。
「私ね……乳ガンだったの」ホスピスでの初対面
「死をまっすぐに見つめて生きてみるのもいいかなって思ったから」ホスピスでの初対面
「私だって、怖いものは怖いの」一人で泣く場面
「あの子なりに受け止めて、成長してくれる。そう信じてる」香奈について語る場面
「もう!……もう!」一人で病室のベッドを叩く場面
「香奈、ごめんね、寂しい思いをさせて」ホスピスでの述懐
「兄妹仲良くね……」最後の挨拶
「死を見つめる心が育たなければ、いざという時に納得できないまま人生が終わってしまうかも知れない」ホスピスでの述懐
「あの子をそんなに弱く育てた覚えはないしね」香奈について語る場面
霧原 香奈
| 読み | きりはら かな |
|---|---|
| 役割 | 須摩子の娘/同名「かな」/先天性肝不全持ち |
| 年齢 | 初登場時 5〜6歳、ED5・ED6で中学進学 |
| CV | 未確認 |
| 外見 | 「いさましいちびの小悪魔」。小柄で活発、運動神経も悪くない。「白いパジャマを着ている」「目をきらきらさせる」 |
須摩子の娘。先天性肝不全持ち。同じ「かな」という名前を持つ加奈に強い親愛を抱く。一人称「香奈」「わたし」、語尾に「〜のじゃ」「〜なのじゃ」を多用する独特の口調(アニメキャラの真似)。ED5時点では「いつの間にやらあの奇妙な言葉使いをやめていて」と精神的にも成長を見せる。積極的で負けず嫌い、加奈とは凹凸の合う性格。母親を亡くした傷を抱えつつもナーバスになりすぎず元気を保つ。ED4「雪」のエピローグでは加奈の死期を察して、自ら「武士の情けなのじゃーっ!」と泣くのを隠してその場を離れる気遣いを見せる。
叔父から「香奈は助からん」と告知される。「強く生きてほしいから、本人にも教えてある」と須摩子と同じ死を隠さない教育方針が貫かれている。後に加奈の状態が母・須摩子と同じだと察して「母上の時と……一緒なのじゃ……」と泣く。
ED5・ED6で加奈の肝臓提供を受け、移植手術が成功して退院する。「すっかり塞ぎこんでいた」が「もとの明るさを取り戻す」。ED6では中学に上がり、隆道に「遊園地がいい!」「紅葉狩りがいい!」とご褒美をねだる年頃に成長。叔父とともに藤堂家に挨拶に訪れ、加奈の肝を体内に持つ事実に最初は塞ぎ込むが、隆道の見守りの中で前を向いていく。物語の「加奈の生が次世代に引き継がれる」象徴的存在。
「死んじゃ嫌だあ!」ED4「雪」加奈の臨終に駆けつけて
「やだ……ずっと……ずっとここにいる!」須摩子の最後を看取る場面
「母上の時と……一緒なのじゃ……」加奈の死期を察して
「ママー……」須摩子と三日間の再会で泣く
「お姉ちゃん!」ED4「雪」加奈の臨終に駆けつけて
「母上ーっ!」登場時の決め台詞
「武士の情けなのじゃーっ!」「殿中でごさるーっ!(訳、かまわないでーっ!)」加奈の死期を察してその場を離れる
「やっと咲いたけど……ちこくなのじゃ」ウメバチソウ開花を見て
その他の登場人物
仕事で帰宅が遅いことが多く、寡黙でポーカーフェイス。だが加奈の見舞いを月一回律儀に続けてきた(須摩子の見舞いも同様の頻度)律儀さを持つ。「強い男になりなさい」が生涯にわたるキーフレーズで、隆道のアイデンティティの核を作る。医師の余命宣告と同じ局面で「加奈とおまえに……血の繋がりなどありはしない」と養子の真実を告白。ED4で隆道に「よくやったな隆道……おまえは昔、私とした約束を、よく守りきった」「私はおまえを誇りに思う」と肩を抱いて告げる、本作で最も感動的な父子の和解場面を担う。
専業主婦+パート。加奈に対しては過保護、隆道に対しては手厳しい。加奈のリンゴをむくのが上手で、それを加奈が真似て習得する。加奈と隆道が「血縁ではない」事実を抱えた負い目から、夕美のような「将来のお嫁さん」候補を歓迎する傾向がある。加奈の臨終ではもっとも慟哭する役で、母としての愛情が最後に炸裂する。
夕美の父、加奈の主治医(麻酔科医・院長)。移植手術の責任者としてED1/ED3/ED5/ED6で重要な役割を果たす。「現状で受けられる最高水準のもの」を提供すると約束し、ED5「おもいで」/ED6「今を生きる」では加奈の死後にも織笠の説明に同席する。卒業式パーティーで「半年」宣告を改めて告げる役でもある。隆道の懇願に対しても判断は常に「医師」として一線を引く。夕美との父娘関係は良好で、夕美は鹿島先生の医療従事者としての姿勢を尊敬しつつ、自身は弁護士志望(ED6)という別の社会的責任の道を志す。
須摩子の夫で香奈の父。藤堂家とは遠縁のいとこ同士。須摩子の死後はシングルファーザーとして香奈を育てる。隆道に「香奈は助からん」と告げ、肝不全という香奈の重い病状を明かす。ED5・ED6では加奈の肝が香奈に移植された後、藤堂家への挨拶に香奈を連れて訪れる。寡黙だが誠実な人物として描かれる。
「眼鏡の知的そうなこいつ」「天才天才と呼ばれているが、どちらかといえば努力肌の秀才」。後に東京の啓皇大学進学、分子生物学研究。隆道に「加奈はずいぶん成長したな」「卒業して、おまえどうするんだよ」と冷静な視点を投げかける役。ED5・ED6で隆道が教職課程と司書資格を取る方向に進むのは、智樹的な「学究の道」のもう一つの形ともいえる。
「いかにも温厚そう」「もっとも古くからの友人で、つまり幼なじみ」。バスケ部キャプテン、社会人バスケへ。「悪いんだけどさあ、消しゴム貸してくんない?」と背中をつついてくる小学校時代の場面が幼なじみらしさを象徴する。隆道と勇太の交際相談に同席する数少ない第三者として登場する。
「下品。それにつきる。女子の不評も高い」「自動車整備工が天職」。十九歳で結婚・子持ち。加奈に絡みがちで、加奈は彼が苦手。卒業式で「カネも稼げるしさ」と進路を明朗に語る、四天王の中でもっとも「現実」に着地した一人。
「身長二メートル以上」「塔のようにそびえ立つ、鍛え上げられた肉体」「素手で熊をもくびり殺しそうな、丸太のような腕」。通称「帝王」。立ち読みには寛容だが、閉店までいる客には「何か買っていってくれるんだろうな」と威圧する。加奈がレジに行けないため、隆道が代理で会計に行く際の「隆道:『この本を売っていただきたく、陛下』」「店主:『うむ』」のやり取りが定番化している。加奈と隆道のデートスポットを象徴する街の本屋の主。
臓器移植コーディネーター。ED5「おもいで」/ED6「今を生きる」にのみ登場。加奈の死直後、遺族に肝臓提供の最終確認を求める役。事務的な笑みを浮かべるが、隆道の激情にも揺るがず「私はこれが正しいことだと思ってます。そして、日本の臓器移植に対する意識の低さもよく知っています」と信念を語る。隆道が怒鳴り散らした際にも「説明したとおり、今回のレシピエントの決定はドナーご本人の意思を尊重して決定されました」「レシピエントは……霧原香奈さんです」と冷静に切り返し、隆道の感情を凍りつかせる。事務的でありながら「医療を信じる人間」としての厚みを持つ短時間登場キャラ。ED6では夕美が「移植コーディネーターの織笠さんの薦めもあり」と『命を見つめて』出版の経緯にも介在していたことが回想される、本作の「ドナー登録の連鎖」を支える静かな媒介者。