ネタバレゾーン — ラブひな 〜突然のエンゲージ・ハプニング〜
このゾーンにはネタバレが含まれます。
闇鍋大会で景太郎が倒れて見る夢のオムニバス・受験ラブコメの本編・ひなた荘の日常イベント編という三層構造、各ヒロインとの告白と結末、本作だけのオリジナルヒロイン藤沢みづほが抱える「約束」の秘密と身を引くまでの真相、受験に失敗するバッドエンドの顛末、原作漫画・アニメとの違いなど、本作の核心をすべて含みます。未プレイの方はまず作品トップページをご覧ください。
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本作の物語はどういう構造になっているの?
本作は大きく三つの層でできています。ひとつは「夢のオムニバス」で、ひなた荘の闇鍋大会で景太郎が変わった具に当たって倒れ、各ヒロインをモチーフにしたパロディ寸劇(マッド・サイエンティスト、退魔師、温泉殺人事件、竜宮城、記憶喪失、極貧生活、新婚生活など)を夢として見る枠物語です。受験本編とは別世界のお遊びで、それぞれの夢に「うまくいく良いオチ」と「大失敗する悪いオチ」が用意されています。二つめが実質の中心となる本編で、3浪中の景太郎がひなた荘の管理人兼受験生として、家庭教師のみづほや住人たちと過ごしながら、料理対決・テーマパークデート・文化祭のバンド大会・クリスマスといったイベントを重ね、東大合格と告白へと向かっていきます。三つめが本編の合間に挟まる日常イベント編で、台風の夜の幽霊騒ぎや、噛むとうつる珍妙な虫歯騒動といったコメディを各ヒロイン視点で描き、距離を縮めていきます。純粋なルート分岐型ではなく、各場面で「誰と何をするか」を選んだ積み重ねで、最後に結ばれるヒロインが決まる形です。
各ヒロインルートの結末はどうなる?
攻略対象は成瀬川なる・藤沢みづほ・前原しのぶ・青山素子・カオラ・スゥ・紺野みつね(キツネ)・乙姫むつみの7人で、クライマックスのクリスマス・イヴにプレイヤーが選んだ相手と心を通わせます。結末はどれも穏やかな両想いへ向かい、劇的な悲劇はありません。なるは景太郎とペアウォッチを贈り合い「いっしょに、東大行こうな」と幼い約束を確かめ合います。しのぶはマフラーを2人で巻きながら「好きです、センパイ」とはっきり告白します。素子は冷えた手を握られて温め合い、照れながら好意が明確になります。カオラは「ケータロが一番好きや」とキスをして、ずっと一緒にいたいと願います。むつみは公園で2人雪を眺め「必ず東大に合格しましょうね」と誓い合います。キツネは腕時計を贈り「続きは受かってからや。ウチは待ってるで」と、受験を優先して告白を大人らしく保留します。全体に、受験という共通の目標を尊重したまま想いを結ぶ描き方で統一されています。
ゲームオリジナルヒロイン・藤沢みづほの物語と結末は?
みづほは原作漫画には登場しない、本作だけのゲームオリジナルヒロインです。現役の東大生で景太郎の家庭教師として現れ、「東大に落ちたら結婚」と言って本物の婚姻届まで持ち歩く年上の女性ですが、その明るさの裏に「約束」という言葉への深い傷を抱えています。彼女には、いっしょに東大へ入ろうと約束しながら相手に裏切られた過去(実は彼女自身の経験と示唆されます)があり、そのために景太郎が安易に「東大でなくてもいい」と言い出すと本気で激怒します。彼女が景太郎の家庭教師になったのには理由があり、旅先で景太郎の祖母に命を救われて意気投合し、祖母から景太郎の幼い「約束」の話と、励まし半分の冗談で「孫の嫁になってほしい」という頼みを聞かされていたのです。当初はそれを真に受け「景太郎を合格させ、それでも落ちたら自分が嫁になろう」と決めていましたが、後に祖母の言葉が冗談だったと気づきます。最終的に彼女は景太郎の「約束の女の子」が自分ではないことを明かし、「あの、どうしようもない人たちの先輩にしてください」と祈って身を引きます。みづほルートを選んだ場合は、景太郎が「合格した上で想いを伝えたい」と申し出、みづほが「合格した後で聞かせてね」と相思相愛のまま受験へ送り出す形で締めくくられます。
景太郎の「約束の女の子」は結局だれなの?
景太郎が東大を目指す原点は、幼い頃にある女の子と交わした「いっしょに東大へ行こう」という約束です。物語を通じて家庭教師のみづほがこの「約束」に異様にこだわるため、みづほが相手ではないかと思わせる展開になりますが、クライマックスでみづほ自身が「約束の女の子とは無関係」だとはっきり否定します。本作は相手を一人に断定せず、最有力として成瀬川なるに、もう一方の可能性として前原しのぶに、それぞれ示唆を重ねる作りです。なるは景太郎と幼い約束を確かめ合う描写があり、しのぶは景太郎と同じ「赤と青の針の時計」を持っている描写で候補として浮かびます。つまり「約束の相手が誰か」は、プレイヤーがどのヒロインと結ばれるかによって物語の中で受け止め方が変わる、含みのある扱いになっています。
原作漫画・アニメとの違いは?
本作は赤松健の原作漫画『ラブひな』を土台にしていますが、家庭教師・藤沢みづほというオリジナルヒロインを軸に据えた、この作品だけのオリジナル展開になっています。原作の登場人物(景太郎・なる・素子・キツネ・しのぶ・カオラ・むつみ・はるか・瀬田・サラ・タマ)はおおむね揃っていますが、みづほとの「東大に落ちたら結婚」という取り決めや、みづほが祖母と旅先で出会って景太郎の家庭教師になる経緯、彼女が「約束」の呪縛から解放されて先輩として身を引くまでの筋書きは、本作独自のものです。物語も、闇鍋大会で見る夢のオムニバスや、プレ東大模試とクリスマスに向けた交流を軸に構成されており、原作のエピソードをそのままなぞるのではなく、ゲームならではの選択と分岐で再構成されています。全年齢向けのアドベンチャーとして、原作のドタバタ恋愛喜劇の空気を保ちつつ独自の物語を描いた一作です。
プレ東大模試とコマンド・ルーレット、攻略の勘所は?
本作にはアドベンチャー部分に加えて、コマンド・ルーレットとコミュニケーション・パートというシステムがあります。コミュニケーション・パートでは寮内を歩いて住人と会話し、選べる行動相手やコマンドを増やしていきます。コマンド・ルーレットは、選んだ行動が成功するか失敗するかをルーレットの○×で判定するもので、住人からの評価で○の数が増減します。クリスマスに向けて特定のヒロインとの交流を優先し、そのヒロインが関わる行動でルーレットを成功させていくことが、告白相手を狙って結ぶ勘所になります。一方で成績が振るわないと、東大合格を想定したプレ東大模試の評価が落ち込み(最低はZ評価=合格率マイナス100%という判定まであります)、受験に失敗するバッドエンドへ流れ込みます。模試中ずっと寝てしまって0点を取り、住人たちに「4浪決定記念パーティ」で祝われてしまうギャグ落ちもあり、良い結末を見たいなら日々の勉強行動もおろそかにできない設計です。
バッドエンドにはどんなものがある?
本作は良い両想いへ向かうグッド系のほかに、優柔不断や受験失敗に終わるバッド系の結末が用意されています。代表的なのは、成績が振るわず4浪が確定して「4浪決定記念パーティ」で祝われてしまうギャグエンド、受験に失敗(あるいは逃避)して当初の取り決め通りみづほと不本意な結婚に至り「何か違う」と煩悶するビター寄りのエンド、その結婚から逃れるためにむつみの誘いに乗って沖縄の実家へ駆け落ちし、毎日スイカ漬けの生活を送るギャグエンドなどです。さらに、誰も選ばず優柔不断を貫くと、住人全員に詰め寄られて「誰か1人に告白すること」を強制される特殊なイベントも待っています。加えて夢のオムニバスの各夢にも「悪いオチ」があり、殺人事件の犯人を誤認して自分が犯人扱いされたり、儀式に失敗して受験に悪霊が憑いたりと、枠物語の中で失敗を楽しむ演出になっています。
結局この物語は景太郎とヒロインの関係をどう締めくくるの?
本作を貫くのは「東大に合格して幼い日の約束を果たす」という景太郎の一念と、彼を取り巻く少女たちの恋心です。物語は、どのヒロインと結ばれる場合でも、恋の成就と受験という目標を切り離さずに描くのが特徴です。なる・むつみ・素子・カオラ・しのぶは、クリスマスに想いを通わせながらも「まず東大に合格する」ことを二人の前提として共有し、キツネは「受かってから」と告白そのものを受験後に持ち越します。オリジナルヒロインのみづほは、恋の相手というより景太郎を合格へ導く先輩として、自らの「約束」の傷を乗り越えて身を引くことで物語を締めます。つまり本作は、誰か一人と甘く結ばれて終わるだけでなく、景太郎が浪人生活に区切りをつけて前へ進むこと自体を、恋の成就と重ねて描いたラブコメになっています。ドタバタと騒がしいコメディの奥に、約束と受験という一本の芯が通っているのが、この作品の締めくくり方です。