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キャラクター詳細 — ねがぽじ ~お兄ちゃんと呼ばないでっ!!~

広場まひる

広場まひる ひろば・まひる 主人公
広場まひる
読みひろば・まひる
役割主人公・視点人物
学年瑞樹学園2年A組。元・放送部のお昼のMC(月水金担当)
一人称あたし
外見小柄で華奢。胸が薄いことを本人が終始気にしている。復学後は髭が生えはじめる

明るく能天気で少し天然な女子高生。テストは赤点続きで頭は良くないが、打たれ強く、いざという時には自分を犠牲にしてでも人を守る芯の強さがある。父は代議士。地の文もセリフも最後まで女性の語り口を崩さず、男だと判明したあとも「あたしは何も変わらないんだから」と自分を手放そうとしない。妹のひなたに「お兄ちゃん」と呼ばれること、つまり男として扱われることを強く嫌がる。高い場所が好きで、ベランダや屋上によくいる。

桜庭香澄ルートで正体が明かされる。まひるは人間ではなく壊れた天使である。天使は雌雄のない単独の捕食種で、人間の雌を捕らえて片を移植し、事後に母体の首を落とすことで繁殖する。羽こそが天使の脳であり、記憶であり、生命そのものだ。まひるは太古から生き、愛する者を失い続けて心が壊れ、飛べなくなって朽ちようとしていた。

小学生のひなたを森で襲って殺したのもまひるで、憐憫から自分の片を移植して蘇生させ、そのうえで自らの記憶を「広場まひる」という人間の日々に置き換えて生きてきた。まひるとひなたに一枚ずつ翼があるのはそのためである。生物学的に男だと判明したことも、髭や生理現象が現れたことも、置き換えの封が緩みはじめた徴候にあたる。

香澄ルートでは背にが生え、瞳が縦長のモザイク状になり、指が十円玉を握り潰す怪力を得る。人の生命が青いもやとして見え、心臓の音を獲物として感知するようになる。行方不明だった鈴原琴美の首なしの遺体を発見したのち、琴美を母体として生まれた天使と対決し、完全な天使の姿で飛来して相手を仕留めるが、力尽きて墜落し、警官隊の銃撃を受けて倒れる。絶対に忘れないと誓ったはずの言葉をようやく思い出しながら息絶える幕引きになっている。

ほかのルートでは超常に踏み込まない。小鈴ルートでは後輩の恐怖症克服を支えるうちに恋に落ち、美奈萌ルートでは結ばれたのち転校を選ぶ。バッドの系統では不良の暴行未遂に遭い、香澄の暴走を止めようとして頭を強打し、意識が戻らないまま物語が終わる。

シリアス系
「いくら男だって言われても・・・・あたしは何も変わらないんだから・・・・こんなことされたら・・・・耐えられないよ」着替えを覗かれて号泣する場面
「(あたしの世界が…この中だけになっちゃったよ…)」駅前で情緒が崩れかけて
日常・笑い
「自分で言うのは何だけど・・・ばっちりかわいい」窓ガラスに自分を映して
「あたし・・・じゃなくて、ボクはじっとしてる。その分、香澄がはしゃいでね」一人称矯正の特訓で
象徴的な台詞
「それはビミョーに違うんだな。なったんじゃなくて、最初からそうだったの」男に「なった」のではないと訂正して
「こうしていると、何だか飛べるような気がしてくるね」ベランダで空を見上げて
「・・・でっかいスズメ」生えたばかりの翼を見て

桜庭香澄

桜庭香澄 さくらば・かすみ 親友
桜庭香澄
読みさくらば・かすみ
役割まひるの親友。真ルートとバッドの当事者
学年瑞樹学園2年A組・帰宅部
一人称私(わたし)
外見女子で頭一つ抜ける長身。腰まで届くさらさらの黒髪

生真面目で面倒見のよい、無愛想な優等生。実力テストは常に上位で、合気道や古武道の心得があり、人の関節を極めるのがやたらとうまい。運動部や自治会から勧誘され続けても帰宅部を貫く孤高のタイプだが、まひるが絡むと途端に動揺し、感情を抑えられなくなる。中学の体育祭で机を運びながら出会ったのが二人の原点で、以来まひるを特別な存在として意識してきた。まひるから贈られたペンダントを、服の下に肌身離さず着けている。

真ルートで香澄が始める「広場まひる男らしくさせるクラブ」は、まひるのためを装いながら、男になったまひるへ傾いていく自分の恋心を否定したいという裏返しでもある。一人称の矯正やヘアサロン通いで空回りを重ねたあと、香澄はまひるの人外化を目の当たりにするが、そこで引かない。硬化した爪に頬を寄せて「怖くない。だって、これはまひるの一部だから」と言い切る。

まひるの正体と、ひなたが森で殺されて翼を移植された存在であることを知り、まひるを守る役目をひなたと競うように背負う。決戦前夜に最初で最後の交わりを持ち、戦いの最中には恐怖で震えるひなたを平手打ちで叱咤して立ち直らせる。まひるが墜落して行方不明になったあとも待ち続け、春、白い羽根に導かれてベランダから虚空へ身を投げる。

バッドの系統では、まひるが不良に襲われかけたと知って3年の教室に単身乗り込み、バトンを手に十人ほどをなぎ倒す。止めに入ったまひるが壁に頭を強打して意識不明になり、病室で香澄は、自分が心を奪われたのが目の前の「少女」であることを認めて口移しに愛を告げる。どちらの結末でも、香澄の恋は届いた瞬間に相手を失っている。

シリアス系
「まひるはまひるなのに、誰もそれをわかってくれないのよ!!誰も!!」公園でまひるが戻れない現実に絶叫して
「それがどうしたっ!!なにびびってんのよっ!!まひるを守るって!!何があっても守りきるって!!あんた言ったじゃないの!!」震えるひなたを平手打ちして
象徴的な台詞
「どこか遠くへ行っちゃう時には、私に言ってからにしてね」以後くり返される約束
「怖くない。怖くなんかない。だって、これはまひるの一部だから」人外化した爪に頬を寄せて
「例えこれが幻でも、私は構わない。…お帰り」エンディング、投身の直前

ひなた

ひなた ひなた
ひなた
読みひなた
役割まひるの妹として同居する
学年中学生(まひると香澄が卒業した中学に通う)
一人称わたし
外見小柄で年より幼く見える。平熱が極端に低く、手が蝋細工のように冷たい

無愛想で辛辣だが、姉思いの世話焼き。家事は万能で料理も風呂も洗濯も完璧にこなし、そのくせ食べる量はまひるの2倍から3倍という大食い。まひるの一人暮らしに猛反対して押しかけ同居を始め、疎外で落ち込むまひるを生活ごと支える。まひるを「姉」とも「兄」とも明言せず、「お兄ちゃん」と呼び続けてまひるを苛立たせる。

真ルートで、ひなた自身が真相を語る。ひなたはかつて森でまひるに襲われて殺された人間の少女であり、まひるが憐憫から自分の片翼を移植して蘇生させた存在である。だからひなたにも翼が一枚ある。平熱の低さ、蝋細工のような手の冷たさ、常識外れの大食いといった描写は、序盤から積まれていた伏線だった。血縁ではないため、ひなたが姉とも兄とも呼ばないことにも理由がある。

天使にとって羽は脳であり記憶であるから、ひなたはまひるの翼、つまりまひるの想いの一部を宿していることになる。ひなたは自分の存在理由をまひるの守護に置き、決戦では片翼で敵天使を撃退する戦力にもなる。人外化していくまひるを恐れない、正体を最も深く理解する存在である。

シリアス系
「そこにいればいいのよ」「今いる場所に、じっとしてればいいのよ。気の済むまで」「わたしがずっと、そばにいるから」「帰ろう、一緒に」駅前で壊れかけたまひるを迎えに来て
「わたしの記憶にあるのは、背中に衝撃を受けたところまで」森で殺された記憶を語って
「わたしは、まひるを守る。まひるが望む限り、『広場まひる』を守り続ける」守護の誓い
日常・笑い
「・・・黙らないとあんたの頭をレンジに突っ込んでチンするよ」レトルトカレーで迷うまひるに
「あんな奴、姉でも兄でもない」照れ隠しの決め台詞
象徴的な台詞
「お兄ちゃんっ」「お兄ちゃんだけが頼りなのぉぉぉ!!」泊めてほしいと頼み込んで(タイトル回収)

蛍坂小鈴

蛍坂小鈴 ほたるざか・こすず 後輩
蛍坂小鈴
読みほたるざか・こすず
役割放送部員。まひる休学中はお昼のMCを代行していた
学年瑞樹学園1年
一人称わたし
外見小柄で色白。丸っこい髪飾りが目印

極度に内気で気弱な泣き虫。二年の教室に足を踏み入れるだけで畏縮し、感情が昂ると号泣したり気絶したりする。男性恐怖症・初対面恐怖があり、尖った物とゴキブリが苦手。それでも「男の人は苦手だけど嫌いではない」と言う。まひるの放送の声に憧れて放送部に入り、まひるを「せんぱい」と呼んで目標にしている。迷っているときは両手を口許で内側に曲げ、承諾のときはほっぺにエクボができる。

小鈴ルートは超常の核心に触れない、まっすぐな学園恋愛の系統である。プエルタでの初デート、ナンパからの救出、満員電車での痴漢事件を経て距離が縮まり、小鈴が肌身離さず持っていた壊れたピンマイクが、じつはまひるがプールに飛び込んだ拍子に壊した物だったと分かる。

山場はゴキブリを使った嫌がらせ事件で、柳川がまひるを放送室から締め出そうとしたとき、人見知りで教室にも入れなかった小鈴が涙ながらに食い下がって決定を撤回させる。部屋を訪ねてきた小鈴にまひるが長い告白をして恋人になるが、結ばれ方は段階を踏み、本編では愛撫だけで果ててしまい、その切なさに小鈴が泣く。後日談では小鈴のほうから「せんぱいとひとつになりたい」とねだり、完全に結ばれる。

最後に明かされるピンマイクの願かけは「まひる先輩と、お友達になりたい」だった。それが「叶いすぎた」という一言で幕が下りる。

象徴的な台詞
「まひる先輩は、あたしの目標なんです」放送室で
「わたし、せんぱいとひとつになりたい・・・」後日談で自分から踏み込んで
「叶ったというか・・叶いすぎたってトコでしょうか?」/「まひる先輩と、お友達になりたいってだけでしたから」ピンマイクの願かけを明かして

夕凪美奈萌

夕凪美奈萌 ゆうなぎ・みなも 放送部部長
夕凪美奈萌
読みゆうなぎ・みなも
役割放送部部長。番組「午後のティーラウンジ」を担当
学年瑞樹学園2年A組(まひると同クラス)
一人称わたし
外見詩や手帳を好む文学少女的な佇まい。高所恐怖症

毒舌の部長。まひるを「コレ」と物扱いしながら、結局は面倒を見てしまう。文系は得意だが機材の配線はからきし。詰問口調と、詩を書くときの静かな独白のギャップが大きい。復学したまひるに「もう放送室に来ないで」と冷たく当たるが、これは先に居場所を得ていた小鈴の立場を守るためで、まもなく放課後に二人だけで放送をやろうと持ちかけてくる。

美奈萌ルートの核心は幼少期の回想にある。中学に上がる前の春休み、森で出会った男装のまひるを、美奈萌は天使さまと信じてプロポーズしていた。これが美奈萌のまひるへの想いの原点であり、放送室でまひるのフルネームを呼ぶ場面が、記憶と目の前の相手が重なる瞬間になっている。

放課後放送の中止を通告されると、二人は将棋の賭けと停電の騒ぎで自分たちの場所を守り抜く。結ばれたのち、まひるは学園を離れて転校する道を選ぶ。美奈萌はそれを引き止めず、「わたしが追いつく」と誓って前を向く。まひるが本当に天使であることには最後まで触れないまま、「天使さま」という子どもの誤解だけがきれいに回収される構成になっている。

象徴的な台詞
「『広場まひるさん』」幼少期の「天使さま」とまひるを重ねて

遠場透

遠場透 おちば・とおる クラスメート
遠場透
読みおちば・とおる
役割まひる・香澄と三人組を組むクラスメート
学年瑞樹学園2年A組・帰宅部
一人称
外見長身。半分寝ているような無表情

超マイペースで人を食った男。人の話を聞かず、奇天烈な合いの手を挟み、屋上で毎日カップ麺を作っている。1年のときに学年一位を取ったことがあるが、以来60点以上は取らない。まひるが男だと判明しても態度を変えず、普段どおり接する数少ない存在で、まひるが「あたし」と言えば「男は『あたし』なんて言わないんじゃないか」と淡々と突っ込む。

無関心を装っているが、実際は頭も腕も立つ。真ルートでは天使や天狗の伝承を図書館で調べ上げ、導電グリース、油壺の砲列、天井スクリーンの落下装置、弾弓、手製の槍といった対天使の罠を設営する頭脳であり戦力でもある。まひるの翼を見ても動じず、あっさり本物だと断定してみせる。

バッドの系統では、屋上でまひるを暴行しようとした3年の不良3人を裏拳と正拳で制圧して救出し、そのうえでまひるへの恋心を打ち明ける。出会ってすぐの頃から好きだったこと、香澄より自分のほうが苦しいことを、いつもの淡々とした口調で言う。恋の決着はつかず、痛みだけが残る告白になっている。

象徴的な台詞
「『男』の次は『羽』と来たか」まひるの翼を見て
「香澄より、俺の方がずっと苦しいんだぞ」まひるへの恋心を告げて

その他の登場人物

鈴原琴美

すずはら・ことみ 行方不明の同級生

瑞樹学園2年E組・元剣道部。香澄と透が行方を追っていた同級生で、真ルート終盤、商業施設のバックルーム奥で首のない全裸の遺体として発見される。学生証から本人だと分かる。実際には敵の天使に生殖母体として捕らえられ、片翼を移植されたうえで首を落とされた犠牲者だった。その遺体は片翼を生やして立ち上がり衝撃波を放つ。まひるやひなたと同じ生態の帰結を体現する、悲劇の犠牲者にして最終決戦の相手である。

柳川

やながわ 放送部顧問

放送部顧問の男性教師。慇懃な口調で、学園の動揺を鎮めるためにまひるへ転学を勧める。まひるを排斥する側の中心にいる一方で、まひるが片思いしている相手でもあるという厄介な立ち位置にいる。小鈴ルートでは放送室からまひるを締め出そうとして、小鈴の涙に押し切られる。

叶玲

かのう・あきら 放送部顧問・25歳

柳川と並ぶ放送部の顧問で、若くて美しい女性教師。男女を問わず学生から一番人気だと語られる。柳川とは対照的にまひるを庇う側で、放課後放送の件を上層部へ通すなど、まひるたちのために動く。美奈萌ルート・小鈴ルートで登場する。

深瑠

みる 放送部1年

小鈴と同学年の放送部員。小鈴がまひるの声に憧れて入部したことを、自己紹介の場でうっかりバラしてしまう。

沙織

さおり 放送部2年

放送部の2年生部員。共通ルートの放送室の場面に顔を出す。

藤堂

とうどう クラス女子グループの中心

まひるのクラスで女子グループの中心にいる人物。髪型や美容室の話題を振る一方で、まひるを疎んじる側に立つ。復学後のまひるが置かれた空気を、いちばん分かりやすく体現している。

恵子

けいこ クラスメート

まひるの復帰初日、廊下で挨拶されて顔色を変え、そのまま逃げ去るクラスメート。悪意というより、どう接すればいいのか分からない側の反応として描かれる。

島田美紀

しまだ・みき 2年の女子

小鈴ルートに登場する2年の女子。まひるを「疫病神」と呼ぶなど、疎外する側から小鈴に事情を伝える役回りになっている。

藤見遥香/広崎鈴児

ふじみ・はるか/ひろさき・すずじ プエルタのナンパ二人組

小鈴ルートで繰り返し登場する二人組。プエルタで小鈴に絡み、まひるが守る側に回るきっかけを作る。

谷川

たにがわ 気の強い同学年の女子

掌編に登場する、気の強い女子。いじめの場面でまひると衝突するが、立場が逆転して吊し上げられたときには、まひるが盾になって庇う。

坂上一味

さかがみ 中学時代の不良

回想に登場する中学時代の不良たち。香澄に絡んだことで、まひるが身を挺して香澄を庇う場面につながる。この一件でまひるは落ちてきた岩を掲げて香澄を守り、5針縫う怪我を負った。二人を結ぶペンダントの由来にあたる出来事である。

3年の不良3人

バッドの系統に登場

バッドの系統で、屋上のまひるを取り囲んで性的暴行を働こうとする3年生たち。「表向きは男なんだろ?だったらかまうものか」という一言が、まひるが置かれた立場の悪辣さをそのまま言い当てている。透に制圧されるが、この一件が香澄の暴走と破局を呼ぶ。