ネタバレゾーン — ねがぽじ ~お兄ちゃんと呼ばないでっ!!~
このゾーンにはネタバレが含まれます。
広場まひるの正体と背に生える翼、ひなたの出自、天使という種の生態、鈴原琴美の顛末、桜庭香澄ルート(真ルート)の結末、蛍坂小鈴・夕凪美奈萌ルートの結末まで、すべて明かしています。未プレイの方はまず作品トップページをご覧ください。
広場まひるの正体は?
太古から生きる「天使」で、それも愛する者を失い続けて心が壊れた個体、作中の言葉でいう「壊れた天使」。天使は雌雄のない単独の捕食種で、まひるは自分が天使であるという記憶を「広場まひる」という人間の日々に置き換えて暮らしていた。生物学的に男だと判明したことも、髭が生えたことも、その封が緩みはじめた徴候にあたる。香澄ルートでは背に一枚の翼が生え、瞳が縦長のモザイク状になり、十円玉を握り潰す怪力が現れる。
ひなたの正体は? まひるとは本当の兄妹ではないのか?
血縁ではない。小学生だったひなたは森でまひるに襲われて命を落としており、まひるが憐憫から自分の片翼を移植して蘇生させた存在である。だからひなたにも翼が一枚あり、平熱が極端に低く手が蝋細工のように冷たい、常識外れの大食いといった人間離れした描写が序盤から積まれている。ひなたがまひるを「姉」とも「兄」とも呼ばず「お兄ちゃん」と言い続けるのも、二人の関係が兄妹の枠に収まらないことの裏返しになっている。
「羽/翼」は何を意味する? 天使はどうやって繁殖する?
羽こそが天使の脳であり、記憶であり、生命そのもの。天使には雌雄がないため、繁殖は人間の雌を捕らえて片翼を移植し、事後に母体の首を落とすという形で行われる。まひるがひなたに翼を与えたのは繁殖ではなく蘇生のためだが、行為としては同じ生態の上にある。
行方不明になった鈴原琴美はどうなった?
別の天使に捕らえられて生殖母体にされ、首を落とされていた。まひるがその首なしの遺体を発見する場面が、日常コメディから伝奇への転調を決定づける。琴美を母体として生まれた個体が「元」として襲来し、終盤の決戦の相手になる。
桜庭香澄ルート(真ルート)の結末は?
透とひなたが罠を張り、香澄も加わって襲来した天使を迎え撃つ。まひるは完全な天使の姿で飛来して敵を仕留めるが、力尽きて墜落し、駆けつけた警官隊の銃撃を受けて倒れ、そのまま行方不明になる。春、まひるを待ち続ける香澄のもとに白い羽根が舞い、香澄は導かれるようにベランダから虚空へ身を投げる。妖精の森に壊れた天使がいるという詩で幕が下りる、悲劇の結末である。
香澄ルートのバッドエンドはどこで分かれる?
香澄の体をまさぐる場面で「まだ続ける」を選ぶと、香澄が号泣してペンダントを叩きつけ、二人の仲が決裂する。以後は別系統に入り、まひるは不登校の末に屋上で3年の不良たちに暴行されかけ、駆けつけた香澄が3年の教室で大乱闘を演じる。割って入ったまひるは壁に頭を強打して意識不明となり、病室で香澄が意識のないまひるに口移しで「愛してる」と告げて終わる。恋は届くが、代償が重い。
遠場透のルートはある?
本編に透の独立したルートはない。透がまひるへの恋心を告げるのは香澄バッドの経路の中で、恋の決着としてではなく感情の一場面として描かれる。透を主役にした追加シナリオ「too late」は、2002年発売のファンディスク『ねがぽじファンディスク ~ひとつ屋根の下で~』に収録された。
まひるはなぜ生物学的に男だったのか?
作中で医師が下した診断は遺伝やホルモンの異常という枠組みのものだが、それでは説明しきれない。天使は雌雄のない種であり、人間の姿に擬態しているまひるの体が、男とも女ともつかない形で現れたのだと読める。まひるの自己認識が最後まで女性のまま揺らがないのは、肉体の性別が本来そこまで意味を持たない存在だからでもある。
ペンダントを「マカロニ?」と言う場面は何の伏線?
香澄が肌身離さず着けているペンダントは、中学時代にまひるが贈った最初の贈り物である。その由来をまひるが忘れて的外れな返しをしてしまう場面は、単なる鈍感さではなく記憶の欠落を示している。自分の記憶を人間の日々に置き換えて生きてきたという設定の、最初のほころびにあたる。
エンディングの詩は何を語っている?
妖精の森の奥深くに壊れた天使がいる、という詩で物語は幕を下ろす。森は身を切るような静けさと晴れない霧に守られ、あるがままそこにあり続けると謳われる。最後は、輝きを失ったその瞳に微笑みが戻ったのかは誰も知らない、と結ばれる。まひるが救われたのかどうかを、作品は最後まで断定しない。
小鈴ルート・美奈萌ルートでも天使の真相は明かされる?
踏み込まない。どちらのルートも超常の核心には触れず、恋愛として決着する。小鈴ルートは告白が実り、まひるが壊してしまったピンマイクに込めた願かけが「叶いすぎた」と回収されて大団円を迎える。美奈萌ルートは、幼い日にまひるを「天使さま」と取り違えていた記憶が明かされ、まひるが転校を選んだうえで美奈萌が「わたしが追いつく」と誓って前を向く。