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キャラクター詳細 — 蒼色輪廻

現代日本と異世界(ハルモニア)という走馬燈の表裏を生きる登場人物の詳細プロフィール。各キャラクターの真相・ルート別の顛末・原文セリフを収録。主人公・堂浦聡がアシュダの師「サティー・ドーラ」の最後の転生であること、インフィニティーの正体、現代日本と異世界で対をなす人物たちの結末を含む全ネタバレ記述。

キャラクターのちびイラストは、原作『蒼色輪廻』(美遊)のキャラクターを基に当サイトで作成した二次的イラストです。原作の著作権は現在の権利者に帰属します。

堂浦聡

堂浦聡 どうら さとし 主人公
堂浦聡
読みどうら さとし
役割主人公・語り手。現代日本の姿と、異世界での姿サティー・ドーラを併せ持つ
年齢21歳
CV現代日本の姿は女性声優がフルボイス担当(氏名は非公表)/異世界の姿サティー・ドーラは一色ヒカル
外見・一人称一人称は基本「僕」。現代日本では極端な醜男として描かれ、サングラスの奥の右目に涅槃の眼が浮かぶ。異世界では胸と男根を併せ持つ両性具有の美女に変身し、左目に覇王印を宿す

両親を一昨年の事故で亡くし、遺産もなく家は抵当流れ。父の知人が大家を務める桜荘に住み、ヤミ金の取り立てに追われる自殺志願の童貞青年。「頭脳、容姿、財力、社会適応能力、社交性、運勢、いずれを取ってもダメ」と自嘲し、遺書をしたためてデパートの屋上から飛び降りようとする。

その屋上で心を読むコスプレ風の少女インフィニティーに翻弄され、童貞を捨てさせられる。その瞬間から彼の右目に転生眼が宿り、死ぬたびに人生が巻き戻る輪廻の理へと引きずり込まれていく。露悪的でムッツリ、下ネタと諦観で惨状を受け流す道化でもある。

「断言しておこう、人間とは避妊ミスの産物である!」 — 冒頭の遺書の書き出し
正体 — アシュダの師の、最後の転生

聡の正体は、インフィニティー(アシュダ)の師「サティー・ドーラ」の最後の生まれ変わりである。彼はこの世界における「最後の我」であり、聡が今生を終える時、アシュダが死の際に見続ける走馬燈=この世界そのものが終わる。「キミの生の意味は、ボクの生を終わらせること。死を選び、ボクを殺すことにある」とインフィニティーは告げる。聡に、もう一度の転生はない。

死ぬたびに得る「」を心の鍵穴に挿すことで、聡は選べなかった別の生を解放していく。現代日本と異世界は「全く同じ因果の系」を持つ表裏一体の世界で、強く念じると両者を行き来できる。数えきれない死と再生を経て、聡は自分を翻弄する少女の正体と、輪廻の理へたどり着く。

「しょうがない、ならばふたなりだ。僕は、両方が付いてる美女の剣士なのだ」 — 異世界へ移る際の自己暗示
真エンド — 好きな人と、一緒に死ぬ

全ての(鍵)を流し終えた聡は、最初の分岐であるデパート屋上でインフィニティーと再会する。彼は「僕は、好きな人と一緒に死にたい」と願い、両親の形見である二つの結婚指輪を互いの薬指にはめ、二人で屋上から飛び降りて永遠の眠りにつく。過去に区切りをつけ、目の前の相手を選ぶ瞬間である。

直後、視点は死にゆく蒼の剣士アシュダに移り、師ドーラの死と大公討伐が回想される。そして最後にアシュダが、「さあ、今度こそ死ぬぞ!」と叫ぶ堂浦聡に「今度こそ、ひきとめて欲しい?」と問いかけ、「はじめまして、ドーラ」の一行で輪が閉じる。

「父さんのは僕がつけるから、インフィニティーはこっち。母さんの方」 — 真エンド、指輪を渡しながら
「僕は、好きな人と一緒に死にたい」 — 真エンド、インフィニティーに
ルート別の顛末

現代日本では、鍵ごとに無数の生と死が分岐する。多くは陵辱や破滅の果てに死ぬが、初恋の相手・時野美樹へ「諦めずに告白する」道を選ぶと、純愛の結末「桜の咲く頃」で生涯を添い遂げる、苦痛の輪廻から人並みの幸福へ抜ける一本が示される。

異世界では、両性具有の剣士サティー・ドーラとして、処刑・戦争・政略結婚・性的な修行を巡りながら、メイ・リリス・ワンの各陣営でわずかな幸福と多くの破滅を経験する。いずれの世界の生も、最後は全ての鍵を集める真エンドの心中へと収束していく。

インフィニティー

インフィニティー 真名 アシュダ メインヒロイン・案内人
インフィニティー
読みインフィニティー(真名・アシュダ/神話名・速佐須良比姫
役割メインヒロイン。聡を導く案内人。この世界を生んだ最初の人間にして蒼の剣士
年齢不詳(太古から輪廻を見続ける存在)
CV麻矢美樹
外見・一人称一人称は「ボク」。聡を「キミ」または姓から「ドーラ」と呼ぶ。白髪。現代日本では白糸の紋章が入った黒いケープにミニスカ、異世界では蒼の装束をまとう剣士の姿

自殺しようとする聡の前にコスプレ娘として現れ、「死ぬべきだ」と煽る一方で心を読み翻弄する。童貞を捨てさせる名目で初体験の相手となり、翌朝には姿を消して、聡が街中で探す対象になる。冷静で人を食ったクール口調だが、本人は「ホントは超家庭的な女の子」と主張する。

「名前は、たくさんあってねえ」と言い、ルーツ・アウトサイダー・イノミナンダム(名前が無い者)など無数の異称を持つ。異世界では蒼の剣士、冥府では大無名者・エンラと呼ばれ、世界に偏在する存在として位置づけられる。

「死ぬにしても、あまりアセらない方がいいよ。方法を間違えると、苦痛が大きいから」 — 屋上での初対面
正体 — 走馬燈を見た、最初の人間

インフィニティーの真名はアシュダ。「聖人が悟りを開いた木にちなんだ名」で、師ドーラが付けた名である。彼女は「最初に走馬燈という夢を見た者」「この世界という名の幻影を生んだ、最初の人間」であり、今にも息絶えようとしている蒼の剣士の成れの果てだった。現代日本も異世界も、すべてはアシュダが死の際に見続ける連鎖する夢の内側であり、堂浦聡はその夢の中の最後の登場人物である。

「ボクは、最初に走馬燈という夢を見た者さ。この世界という名の幻影を生んだ、最初の人間」 — 真エンド、正体の開示
我を奪った罪 — 世界の不調の根

アシュダは、永遠の命と引き替えに冥王メイ(=本来の循環の主)から「我」を奪った張本人でもある。この歪みが世界の不調の根本原因とされる。聡(ドーラ)に涅槃の眼を付けたのも彼女であり、それが神之薗が聡を狙う遠因ともなった。「敬愛する人、愛する人が延々と苦しむ様を見守り続ける」ことが、死に挑む彼女に課せられた最後の試練だった。

聡と幸せになるルートははなから存在しない「大いなる妥協」でありながら、彼女は最後に共に死ぬ道を選ぶ。真エンドでは口調が一時的に砕けた女性口調へ変わり、聡に「口調が変わってる」と指摘される場面がある。

「生きるっていうのはね、続けるものじゃない。つなげるものなんだ。だから、あんたは死ななきゃならない。死ななきゃ、続きがない」 — 神之薗の拷問を拒んで
「バカだねえ。不死とは我を繰り返すことに他ならないのに」 — 岩戸に身を投じた神之薗を見送って
「……好きだよ……」 — 真エンド、飛び降りる前の言い残し

現代日本の人物

現代日本を舞台とする物語で聡と関わる人々。多くは、異世界に対をなす人物(同じ声優が演じる)を持つ。

桜野遥香

桜野遥香 さくらの はるか 下宿の大家の娘
桜野遥香
読みさくらの はるか
役割桜荘の大家・桜野家の娘。異世界のリリス・コパーポットに対応する
年齢作中で明示なし(聡と同世代の若い女性)
CV乃田あす実
外見・一人称おっとりした天然の物腰。近所迷惑を気にする常識人

聡が住む桜荘の大家の娘。家賃を滞納されても優しく接し、借金取り浅黄の暴力を止めに入る。飼い黒猫クロが聡の押入のエロ本を崩落させる小ネタの起点でもある。おっとりした語り口の裏で、実は聡を想っている。

「お願いします……近所の方々に、迷惑ですから」 — 初登場、浅黄の暴力を止めて

多くの分岐で、遥香は浅黄に人質に取られ、薬で意識を奪われたうえ陵辱・射殺される悲劇の象徴となる。聡はその惨状を目撃し、正気に戻った遥香を侮辱した直後、浅黄に頭部を撃ち抜かれ即死する末路もある。

一方で、公園で聡と結ばれて妊娠し、結婚して二児をもうける穏やかな結末(鍵「純粋」)も存在する。この生では、聡は五十路でダンプに轢かれて生涯を終える。加えて、異世界のリリスが「小さき者(猫)の瞳を借りて、桜荘の前で聡を見ていた」と語るため、遥香の飼い猫クロを介して現代日本と異世界がつながる伏線の結び目にもなっている。

桜野夫妻を惨殺した浅黄は、遥香を人質に取り、聡を陥れる道具として利用する — 陵辱・悲劇ルートの構図

山田仁奈

山田仁奈 やまだ にいな 神之薗の娘
山田仁奈
読みやまだ にいな
役割神之薗秀人の一人娘。聡を助ける鍵役。異世界の冥王メイに対応する
年齢作中で明示なし(聡と同世代の令嬢)
CVみる
外見・一人称一人称は「にーな」。お嬢様口調と俗っぽい素の二面性を持つ。黒服を従える

この街を裏から支配する神之薗秀人の一人娘(長男以外は神之薗姓を継げないため姓は「山田」)。父・神之薗と借金取りの浅黄を嫌う。デパート前で聡と衝突し、サングラス越しには見えないはずの右目の異常=転生眼の紋章に気づく。インフィニティーから「鍵を渡してあげて」と託される、聡を助ける鍵役。

「にーなよ、山田仁奈」 — 聡への名乗り

「処女の証明」と称する儀式で破瓜され、神社で複数の神官に陵辱されたうえ、実父・神之薗に日本刀で刺殺される悲劇の分岐がある(鍵「雨」)。聡は無力に目撃し、岩戸に「仁奈を蘇らせて」と乞い、自らの首を斬って血の雨を捧げる。父・神之薗が娘の破瓜・陵辱を笑いながら見物する狂気が、この物語の陰惨さを象徴する。

一方、聡と真に結ばれて神之薗総裁夫人となり一時代を築く生(鍵「統一」)もある。その初夜で仁奈は「これで、私はあなたにとって忘れられない人になる」と、自ら騎乗して結ばれようとする。だがこの生でも、聡は最後に造反した浅黄に脳天を撃たれて死ぬ。別の分岐(鍵「いるべきところ」)では、法廷で証言して聡を殺人の冤罪から救い出す。

「これで……、私は……、あなたにとって……、忘れられない人になる」 — 自ら結ばれようとして

時野美樹

時野美樹 ときの みき 初恋の同級生
時野美樹
読みときの みき
役割聡の高校の同級生で初恋の相手。異世界のレオナ・ラダーピックに対応する
年齢作中で明示なし(聡と同学年)
CV茶谷やすら
外見・一人称作中の描写は限定的。郷野翔一の同棲相手として聡の前に現れる

聡の高校時代の同級生で、初恋の相手。かつて聡がからかいの標的にされた過去のいじめ加害者の一人だが、本心では聡を想い、そのいじめを後悔していた。旧友の郷野翔一とともに、その同棲相手として再登場する。

郷野が聡をからかうために、時野を恋人として装わせていた — 再登場時の構図

時野は郷野翔一の異母妹(父が同じ)である。陵辱の分岐では、聡が逆上して彼女を拘束し辱める果てに、時野が兄妹の事実と「本当は聡を想っていた」という本心を吐露し、聡は自責のあまり自殺を図って郷野に救われる。

だが本作で最も救いのある結末は彼女のもとにある。聡が諦めずに告白する道を選ぶと、純愛の結末「桜の咲く頃」に至る。二人は結ばれ、生涯を添い遂げ、時野は「堂浦美樹」として末期がんで老いた聡を看取る。無数の死と陵辱の輪廻の果てに聡がたどり着ける、数少ない人並みの幸福の相手である。

「諦めなければ、それの扉は、開かれていた」 — インフィニティーが時野への告白を促して

瑠璃垣美咲

瑠璃垣美咲 るりがき みさき 姉的存在の弁護士
瑠璃垣美咲
読みるりがき みさき
役割聡の幼少期の隣家に住んだ姉的存在。敏腕弁護士を自称。異世界のワン・シャオシイに対応する
年齢作中で明示なし(聡より年上)
CV花園朱実
外見・一人称菩提樹(リンデンバウム)の香りを纏う。聡の母の思い出と結びつく

聡が幼少期に隣家に住んでいた姉的存在で、「敏腕弁護士」を自称する(実際は詰めの甘い面もある)。面倒見がよく、神之薗が県警や弁護士会まで買収して支配する構造を聡に解説する情報役として登場する。彼女がまとう菩提樹の香りは、聡の母の思い出と重なる。

神之薗の支配構造を聡に解説する情報役として登場する — 序盤の立ち位置

聡を弁護して無罪を勝ち取り、事務所に住まわせる分岐(鍵「いるべきところ」)では、聡は事務所の浴室で郷野が美咲を抱く様を覗き見してしまい、「ここは僕の居場所じゃない」と悟って真冬のベンチで凍死する。

別の分岐(鍵「淫魔」)では、聡が郷野対策に取り寄せた媚薬「Ω(オーム)」が絡んで美咲が淫魔と化し、聡を犯して妊娠に至る。この生でも、聡は最後に窒息して死ぬ。姉的な安らぎの相手が、輪廻の中で悲劇の相手へと転じていく。

郷野翔一

郷野翔一 ごうの しょういち 唯一の友人
郷野翔一
読みごうの しょういち
役割聡の高校同級生。いじめ集団に与しなかった唯一の友人。異世界のマルト・エンデに対応する
年齢作中で明示なし(聡と同学年)
CV高橋伸也
外見・一人称成績は校内屈指、スポーツ万能でバスケ部主将。県大会優勝の立役者

聡の高校同級生で、口は悪いが聡へのいじめに加わらなかった唯一の友人。多世界解釈や不確定性原理を語る理屈屋で、「人と魂だけは売るな」と聡を諭す。時野美樹を恋人として装わせ、聡をからかう一面もある。

「人と魂だけは売るな」 — 聡を諭す言葉

郷野は時野美樹の異母兄(父が同じ)である。ルートによって立場が大きく揺れ、①インフィニティーの奪取を任されて失敗し命を落とす、②脅されてインフィニティーを神之薗に売り、浅黄を射殺する裏切り者となる、③瑠璃垣事務所で美咲と情を交わす(聡が覗く分岐)、と多面的に描かれる。唯一の友人が、輪廻の中で協力者にも裏切り者にもなる。

浅黄智之

浅黄智之 あさぎ ともゆき 借金取り
浅黄智之
読みあさぎ ともゆき
役割ヤミ金(神之薗系列)の取り立て屋。物語の直接的な破壊者。異世界のゲオルグ・ウィルヘルムに対応する
年齢作中で明示なし
CV広野大地
外見・一人称気弱な小心者だが、弱者には残虐に振る舞う

神之薗系列のヤミ金で取り立てを行い、聡に付きまとって暴力をふるう。気弱で小心なくせに、自分より弱い相手には残虐になる。聡の生活を直接に脅かす、物語の破壊者である。

聡を尾行し、暴力で追い詰めて借金を取り立てる — 序盤の立ち位置

多くの分岐で、浅黄は大家の桜野夫妻を惨殺し、遥香を人質に取って薬漬けにし陵辱・射殺したうえ、桜荘に放火する。神之薗への出世(仁奈との結婚)を狙い、聡を陥れる罠を仕掛ける中心人物である。数々の分岐で聡に射殺される一方、聡が神之薗総裁となった生(鍵「統一」)では、造反して聡の脳天を撃ち抜く。聡にとって最大の宿敵といえる。

神之薗秀人

神之薗秀人 かみのその ひでひと 街を裏支配する当主
神之薗秀人
読みかみのその ひでひと
役割この地方を裏から支配する神之薗一族の三十三代目当主。異世界の大公シャルル・フォーイェルバッハに対応する
年齢作中で明示なし(老練の当主)
CV谷俊介
外見・一人称無尽蔵の資産で県警・検事・弁護士まで買収し、黒服軍団を擁する

この街を裏から支配する神之薗一族の三十三代目当主で、物語の黒幕。代々の当主が速佐須良比姫から授かるはずの転生眼を自分は授からず、それを持つ聡に強く執着する。実娘・仁奈の破瓜や陵辱を笑いながら見物する狂人でもある。

「醜い男じゃのう」 — 聡を評して

神之薗は、聡の父・堂浦遼平を「徐福」として雇い、不老不死の研究をさせていた。これが聡が転生眼を持つことの伏線となる。彼は不老不死を求めてインフィニティーを地下室(魔法陣としめ縄を張った岩戸)で凌辱・拷問し、「死なぬ方法を言え」と迫るが拒まれる。

最終的に、祓岩戸神社の岩戸の光に不老不死を求めて身を投じ、跡形もなく消滅する。彼という存在自体が世界から「流れて」消え、聡の記憶からもその素性が抜け落ちていく。

「ヌシは……愛する者が眼前で嬲られ殺されるのを見て、耐える事ができるかの?」 — 聡を試す言葉

異世界(ハルモニア)の人物

聡が両性具有の剣士サティー・ドーラとして生きる異世界ハルモニア大公国冥王府で関わる人々。多くは、現代日本に対をなす人物(同じ声優が演じる)を持つ。

メイ(ジオット・アスモデウス)

メイ 真名 ジオット・アスモデウス 冥王府の冥王
メイ
読みメイ(真名・ジオット・アスモデウス)
役割冥王府を統べる冥王。十王を配下に置く。現代日本の山田仁奈に対応する
年齢不詳(死ねぬ不死の存在)
CVみる
外見・一人称一人称は「妾(わらわ)」。褐色の肌に黄金の装飾。古風で露悪的な口調

冥王府を統べる冥王。殺意を抱いた者を呪殺する術を操り、騎士団を瞬殺してドーラの前に現れる。ドーラを「ダーリン」と呼んで溺愛し、その左目の覇王印を求める。自由奔放で露悪的な一方、「死にたいのに死ねぬ」苦しみを抱える。

「妾は、ヌシの魔羅に惚れたと、そう言うておる!」 — ドーラへの求愛

メイの真名はジオット・アスモデウス。彼女こそ、インフィニティー(アシュダ)が永遠の命と引き替えに「我」を奪った相手であり、その歪みゆえに「死なねばならぬが、死する事ができぬ」不死の業を負っている。梵我一如の理でいえば、本来は流れて循環すべき「我」でありながら、梵のごとく滞ってしまった存在である。

ドーラと政略結婚あるいは恋愛結婚し溺愛する分岐では、落雷の術でハルモニアの大軍を瞬殺する戦力を見せる。だが結末はいずれも過酷で、敗戦後に衆目の中で嬲られて病死する生(鍵「永遠」)や、勝利しても数年後にドーラがメイとの情交の最中に腹上死する生(鍵「飛天」)がある。真エンドの終盤では、蒼の剣士アシュダの大公討伐を後方で支援する味方として現れ、かつて我を奪った相手と共闘する。

「妾は元来、我でありながら梵の如く滞っておるのよ。死なねばならぬが、死する事ができぬ」 — 不死の業を語って

リリス・コパーポット

リリス・コパーポット 大公女・放浪詩人
リリス・コパーポット
読みリリス・コパーポット
役割ハルモニア大公シャルルの実娘=大公女。放浪詩人として暮らす。現代日本の桜野遥香に対応する
年齢作中で明示なし
CV乃田あす実
外見・一人称フードを被った姿で初登場。竪琴(ハープ)を携える。清楚で献身的

父の暴虐から逃れ、放浪詩人として大公お抱えの詩人にまで登りつめた女性。神獣の白虎サンを連れる。内乱扇動の冤罪で処刑される身であり、「地の底で逢いましょう」という謎の予言を残し、竪琴の歌で全員を眠らせてドーラの脱獄を助ける。

「地の底で逢いましょう」 — 脱獄を助けつつ残す予言

リリスの正体は大公シャルルの実娘で、父に内乱扇動の冤罪を着せられ火刑にされる。彼女はドーラ(堂浦聡)を前世から慕い続けており、その想いは世界を越える。「小さき者(猫)の瞳を借りて、桜荘の前で日向ぼっこしながらドーラ様を見ていた」という告白は、現代日本の桜荘の飼い猫クロがリリスだったことを示唆し、二つの世界を接続する核心設定である。

廃屋で介護して正気を取り戻させ結ばれる分岐(鍵「再会」)では、冥王府に家庭を築いて幸福に暮らすが、数年後のハルモニア侵攻でドーラは師ワンに四肢を断たれて敗死する。それでも「また逢える」と輪廻を信じて死んでいく。救出しても衰弱死する分岐(鍵「悔恨」)では、白虎サンと同一化した姿でドーラのもとへ向かうが、リリスに化けた大公を見破れず、白虎リリスがドーラ自身を睨む不穏な結末に至る。

「小さき者の瞳を借りて、ずっと……ドーラ様の事を観ていたのです」 — 桜荘の猫の正体を明かして

ワン・シャオシイ

ワン・シャオシイ 魔法院長・ドーラの師
ワン・シャオシイ
読みワン・シャオシイ
役割ハルモニア魔法院の長。元は冥府の間諜「蛇遣い」。ドーラの師。現代日本の瑠璃垣美咲に対応する
年齢作中で明示なし
CV花園朱実
外見・一人称チャイナドレス姿。「笑いながら人を刺すタイプ」と評される

ハルモニア魔法院の長。蟲を操る禁忌の秘術蠱術の使い手で、10年前にドーラを村から誘拐して弟子にした「先生」を自称する。悪い弟子には性的な修行を課す苛烈さを持つが、心底ではドーラに執着し、自分の秘密が脅かされてもドーラを守ろうとする。

兵士の群れを一瞬で真っ二つに割る蠱術を操る — 魔法院長としての実力

ワンの正体は冥府の間諜「蛇遣い」で、研究テーマは「死者の再生=つがいの蛇に人の子を産ませる」輪廻転生の人為的な再現である。8年前、青い服の女(インフィニティー)がドーラに付いてきて二人で駆け落ちした過去を持ち、ドーラの初体験の相手でもある。大司教マルトはこの異端研究の秘密を握り、ドーラの身柄引き渡しをワンに脅迫する。

真エンドの終盤では、死んだアシュダ/ドーラを蘇生する役を担う重要人物として現れる。「私が、蘇生を行ったのです」と語る一方で、師ドーラの蘇生には失敗したことを告げ、「サティー・ドーラ、立派な御方でした」と悼む。ドーラを連れて駆け落ちする分岐(鍵「恩師」)では、ハルモニア騎兵に追われ、ワンを庇って命を落とす。

「私が、蘇生を行ったのです」 — 真エンド、アシュダを蘇生して

マルト・エンデ

マルト・エンデ ハルモニアの大司教
マルト・エンデ
読みマルト・エンデ
役割ハルモニア大公国の大司教。邪神を祀る詭弁家。現代日本の郷野翔一に対応する
年齢作中で明示なし
CV高橋伸也
外見・一人称黒一色の神殿に、翼を持ったイカを思わせる邪神の祭壇を構える

ハルモニア大公国の大司教。ラヴクラフト神話をもじった邪神を祀る邪教の司教で、「私が言うのですから真理です」と言い放つ詭弁の塊。ザザ牢獄から連行されたドーラを神殿に迎え、「インフィニティーの居場所を教えれば放免する」と取引を迫る。聖職者でありながら俗物な一面を隠さない。

「『見たことがないから存在しない』などと言う言葉は、思考の放棄以外の何物でも無いッ!」 — 邪神の存在論を説いて

マルトは、ドーラに生殖器を神への供物にすれば自由になれると提案するなど、取引の名の下にドーラを追い詰める。ワンの「冥府の間諜・死者再生の異端研究」という秘密を握り、それを盾にドーラの身柄引き渡しをワンに脅迫する。物語の分岐によっては、最終的に大公シャルルに殺される側にも回る。

ゲオルグ・ウィルヘルム

ゲオルグ・ウィルヘルム 第二騎士団団長
ゲオルグ・ウィルヘルム
読みゲオルグ・ウィルヘルム
役割ハルモニア大公国第二騎士団の団長。現代日本の浅黄智之に対応する
年齢作中で明示なし
CV広野大地
外見・一人称「変な髪型」と地の文で繰り返し評される

ハルモニア大公国第二騎士団の団長。ドーラを「愛玩奴隷」呼ばわりする俗物でありながら、なぜかドーラの身を案じる、どこか憎めない一面もある。ドーラが異世界で覚醒した瞬間、その背後で彼女を辱めている最中だったという、いかがわしい登場を果たす。

ドーラを「愛玩奴隷」と呼びながらも、その身を案じる俗物 — 敵役としての立ち位置

ボディーチェックと称してインフィニティーを辱めるなど、各所でドーラたちを翻弄する。真エンドの終盤では、大公討伐へ向かう蒼の剣士アシュダの前に立ちはだかるが、「ここで会ったが百年目!」と名乗りを上げた瞬間に頭部から一刀両断される、あっけない最期を迎える。

「蒼の剣士ッ! ここで会ったが百年目ッ! ハルモニアが誇る騎士団長、このゲオルグ・ウィルヘルム様が直々に息の根を……」 — 真エンド、直後に斬られる

シャルル・フォーイェルバッハ

シャルル・フォーイェルバッハ ハルモニア大公・最終ボス
シャルル・フォーイェルバッハ
読みシャルル・フォーイェルバッハ
役割ハルモニア大公。人を狂わせる術を操る最終ボス。現代日本の神之薗秀人に対応する
年齢作中で明示なし(醜悪な老人)
CV谷俊介
外見・一人称醜悪な老人。人を狂わせる術で他者に化け、認識を欺く

ハルモニア大公。覇王印を持たないため「神を殺し、新たな神になる」野望を抱く。人を狂わせる術(変身・認識操作)を操り、インフィニティーや他者に化けてドーラと対峙する。残虐かつ詭弁的で、実娘リリスを処刑させた狂人である。

インフィニティーに化けて、謁見の間でドーラと対峙する — 最終ボスとしての初対面

シャルルは、アシュダの師サティー・ドーラを殺害した張本人である。アシュダに化けたドーラを庇おうとして、師ドーラが凶刃に倒れた。真エンドでは、一面の星空の地下空間で、姿を見せず声だけを移動させながら蒼の剣士アシュダと最後の対決を演じる。アシュダは自らの心臓に剣を刺したまま大公を貫き、「走馬燈へ、ようこそ」と見送る。師の死骸の処遇を嘲笑うなど、最後まで狂気を崩さない。

「……なれば……儂も……それを……見てくると……するか……な……」 — 真エンド、絶命の直前

レオナ・ラダーピック

レオナ・ラダーピック 大司教付きの衛兵
レオナ・ラダーピック
読みレオナ・ラダーピック
役割大司教マルト付きの衛兵。現代日本の時野美樹に対応する
年齢作中で明示なし
CV茶谷やすら
外見・一人称一人称は「拙者」の武士風。自称エリートだが不器用

大司教マルト付きの衛兵。一人称「拙者」の武士風の物言いをする。マルトの邪神の祭壇を「イカ」と評したドーラを叱るなど、生真面目さと空回りが同居する。物語に軽さを添える役回りである。

「貴様、そのような無礼を言うと天罰が下るぞ」 — 邪神の祭壇をイカ呼ばわりしたドーラを叱って

ドーラの操る蠱(イモムシ)を体内に入れられて意のままにされ、後にワンに救われて魔法院の上級衛兵に出世する。敵方の衛兵から始まり、思わぬ縁で身を立てていく人物である。

その他の登場人物

サン

サン

リリスが連れる神獣・白虎

リリス・コパーポットが連れる冥府の神獣で、白虎。リリスの脱獄や救出を助ける乗騎であり戦力でもある。分岐によっては、リリス本人が白虎サンへ転生・同一化する描写があり、人と虎が交錯してリリスの輪廻を象徴する存在となる。

クロ

クロ

桜野家の黒猫

桜荘の大家・桜野家の飼い黒猫。聡の押入のエロ本を崩落させたり、探索中に眠ったり威嚇したりと、序盤は小ネタ役として振る舞う。だが異世界のリリスが「小さき者(猫)の瞳を借りて、桜荘の前で聡を見ていた」と語るため、クロは前世のドーラ(聡)を見守るリリスの眼だったことになる。二つの世界を静かにつなぐ伏線の小道具である。

堂浦遼平

どうら りょうへい 聡の父(故人)

聡の父で、一昨年に母とともに事故で亡くなった故人。生前は神之薗秀人に「徐福」として雇われ、不老不死の研究に従事していた。この経歴が、神之薗が聡の転生眼に執着する遠因となる。両親の二つの結婚指輪は聡の形見となり、真エンドでインフィニティーとの心中の際に交換される、物語全体の要のモチーフになる。