「愛のかけらもない」と公言して、その通りに書き切った鬼畜よ。
判断基準はシコれるかどうか、それだけよ。シナリオ担当が「愛のかけらもないHシーンばかりを書いた」と宣言した尋問陵辱。普通は逃げる前置きを、逃げずに最後まで保っているのが利いているわ。ヒロインの立場ごとに崩し方を変えていて、同じ壊れ方をする子がいない——シチュの設計は一級よ。難点はテキストの密度と、薬物・排泄系に振り切ったぶん抜きの射程が狭まること。でもエロゲーとしての本分は果たしている。8.0。
スコア詳細
愛ゼロの尋問陵辱を、エロとして測りに来たわ
2001年、たっちーの第1作。シナリオ担当が「前作とは違い、今回は『愛』のかけらもないHシーンばかりを書きまくりました」と本編内のあとがきで言い切った作品よ。
主人公・神条真人は学院の臨時理事長として赴任する。表向きは穏やかな新任理事長だが、彼は一年前に殺された妹・雛子の事件の真相を、自らの手で追っていた。双子の華奈恵と桂、空手部の優子、おっとりした沙緒里、女性警備員の美織、補佐教師の養子、そして同居人の従妹・七瀬。標的は学院に集中している。真人は彼女たちを地下室へ連れ込み、「尋問」と称する陵辱を重ねていく。公式ジャンルは「尋問陵辱アドベンチャー」、自評は「愛のかけらもない」。陵辱にそこまで前置きするエロゲーは多くないわ。普通は逃げる。逃げずに宣言した上でその純度を最後まで保てるのか——そこを確かめるために手を取った。期待の角度は、そこに置いていたのよ。
立場ごとに崩し方が違う——シチュ設計の一級さ
シチュの多様性が9点の理由は、ヒロインの立場と崩し方が一対一で対応しているからよ。
同じ責めを人数分繰り返しただけの作品とは違うわ。空手部主将という「最も強い女」は、その強さごと崩す設計。鍛えた身体を逆手に取って、強者であることが屈服の落差を生むように組まれている。双子は双子であることそのものを責めの構造に使っている。片割れを崩すことで、もう片方の精神を折る。おっとりした後輩、社会的立場のある大人、肉親と、それぞれの属性に応じた崩し方が用意されていて、誰一人として同じ方向に壊れない。崩し方がキャラの設定と噛み合っている——これは設計しないと出ないのよ。シチュの多様性は迷わず9点。
エロと物語の繋がり——陵辱が飾りになっていない
この作品の陵辱は、抜き素材であると同時に物語の機能になっているわ。そこが珍しい。
多くの抜きゲーは、主人公の動機なんて飾りよ。Hシーンに辿り着くための口実でしかない。でもこの作品は「人間じゃない? おおいに結構だ。僕は雛子を失ったときから、自分が人間だなどとは思っていない。鬼だろうが悪魔だろうが、何にだってなってやる」という主人公の独白が、責めの底に敷かれている。妹を失った男が自分を鬼にしないと立っていられない——その心理が陵辱に接続されている。だから責める側の壊れ方が、責められる側の壊れ方と同じ重さで書かれているのよ。エロを削れば、この物語は成立しない。エロと物語の繋がりは9点。陵辱でしか成立しない物語だわ。
系統別エンドと実用の射程——ここで人を選ぶ
嗜好を一筋に振った先まで面倒を見ている。設計は評価するわ。ただし実用の射程は人を選ぶ。
恥辱・苦痛・官能・薬物・排泄・木馬。プレイ傾向ごとに称号付きのエンドが用意されていて、スタッフ自身が「『垂れ流し一筋』とか『鞭一筋』にプレイした場合のエンディングも用意しました」と語る通り、嗜好を一方向に極めたユーザーまで拾っている。設計思想は上等よ。ただし薬物と排泄系に振り切ったぶん、官能描写としての実用は薄まる。「シコれるか」より「悪意の見本市」に寄っていく場面が出てくるのよ。これは欠点というより、この作品が選んだ純度の代償ね。「愛のかけらもない」を貫いた結果、抜きの射程が狭くなった。承知の上でやっているから却下はしない。でも実用は8で止めるわ。
テキストの密度——ここがもう一段あれば
文章力は6点。シチュの設計は一級なのに、テキストがそれに追いついていない。
責めの段取りは書けている。でも官能描写そのものの密度が薄い。行為の順番と擬音で進む箇所が多くて、ヒロインの内側から書く一文が足りないのよ。シチュとしては最上位の場面でも、テキストが「何が起きたか」の説明に寄っている。「何を感じているか」の描写でもう一段引っ張れていたら、実用は9に届いた。2001年という時代を差し引いてもここは惜しい。シチュで勝ってテキストで取りこぼしている、というのが正直な内訳ね。過大な文学的期待を持って読む作品ではないわ。エロゲーとしての実用を問えば、合格よ。
8.0——宣言を裏切らなかった鬼畜
「エロゲーである必要があったか」という問いへの答えはこうよ。
8.0。立場ごとに崩し方を変えたシチュ設計、陵辱が主人公の心理に接続されてエロが飾りになっていない構造——ここは一級よ。失点はテキストの密度と、薬物・排泄系に純度を振ったぶん抜きの射程が狭まったこと。でも「愛のかけらもない」と公言して、逃げずにその通り書き切った。エロゲーである必要があったかと問えば、当然でしょ。これは陵辱でしか成立しない物語だわ。……認めるわ。8.0。
