キャラクター詳細 — やるドラシリーズ Vol.3 サンパギータ
『サンパギータ』の登場人物を、物語の後半や各結末の内容まで含めて解説する。各人物の「ネタバレ詳細」には、ボーイの正体やマリアの過去、結末ごとの顛末が含まれる。
主人公
| 読み | — |
|---|---|
| 役割 | 主人公(視点人物)。牛どん屋で働く大学生 |
| 年齢 | — |
| CV | 松本保典 |
| 外見 | — |
牛どん屋で働く大学生の男性。バイト仲間が恋愛に熱中する気持ちがよくわからずにいたが、雨の夜の路地で負傷したマリアを見つけ、背負って自分のアパートへ連れ帰る。警官に送ってもらって帰る展開や、彼女を見捨てる展開では、二人の暮らしそのものが始まらない。本作の選択の多くは、マリアを受け入れるかどうか、どこまで踏み込むかという主人公の態度を問う形をとっている。
同居が始まると、主人公はマリアを意識するようになる。着替えを覗いたり、雑誌を見せびらかしたりして関係を壊す展開もある。一方で、マリアの愛情に向き合う場面では、自分の優しさの裏に、傷つくことへの恐れがあると気づく。バッグの拳銃を押入れに預かるか、自然公園の樹の根元に埋めるかを決め、記憶が戻るまでマリアを部屋に置くと決める。暮らしを安定させるために休学して仕事を探す展開と、大学を続ける展開がある。
金銭には慎重で、困った子供に一万円を寄付するマリアとぶつかる。自分の残金まで寄付する展開では、生活を切り詰めながらマリアの考え方を受け入れていく。人間関係では、知り合いの佐藤から大学の先輩の馬場を紹介され、手掛かりを探す。実の姉がいて、その夫が新聞記者の水島である。子犬の埋葬をめぐって、姉との記憶を語る場面もある。
花輪を持ち帰った直後、ボーイにマリアを連れ出された主人公は、一週間、大学にもバイトにも行かずに部屋にこもる。義兄の水島に相談して写真と組織の関係を聞き、帰ってきたマリアの過去を受け止める。ボーイがヤクザに襲われる場面を目撃したときには、声を出せずにその死をマリアに隠すことになる結末と、危険を知らせて一緒に逃げる展開に分かれる。ヤクザがマリアを連れ去ると、主人公は殴られながら後を追い、しまっておいた銃、あるいは埋めた銃を取り戻そうとする。
救出に加わる展開では、拳銃の扱いを教わり、武装した男たちとマンションへ乗り込む。マリアをかばって撃たれた主人公は、マリアのために取っておいた言葉を口にできないまま死ぬ。その死から約二年後に幽霊として目覚め、夢の中で水島に相談し、マニラでマリアと自分の子の一歳の祝いを見届ける結末もある。銃で切り抜けた主人公は、一人を殺した償いとして出頭し、刑務所で季節を重ねる。出会いから五年後の場面へ至る結末と、三度目の春に出所後の捜索を決める結末がある。
救出に加わらない場合は、年が明けてもマリアとボーイの消息を待つことしかできない。送還されたマリアを追う展開では、航空券の予約を自分に振り替えてマニラへ渡り、所持品を奪われる。バハラ・ナとつぶやいて現地の人々の助けを得た主人公は、捜索を続ける結末と、マリアと再会する結末に分かれる。再会した主人公は、地位やお金よりも彼女の笑顔を大事に思い、マニラにとどまると決める。
「落ちついて。とにかく一緒に考えてみよう」バッグの銃におびえるマリアへ
「マ、マリアは僕が守ります!」帰国を迫るボーイに言い返す
「だってマリアのこと…、好きだし」部屋にいてほしい理由を話す
「マリアが可愛いからさ!」視線の理由を問われて
「優しくなんかない。傷つくのが怖いんだ」マリアの愛情への問いに
「つぐないはうけなくちゃ…」出頭を決める
「マハル・キ・タ」死の場面。言いそびれた言葉として内心に残る
マリア・サントス
| 読み | マリア・サントス |
|---|---|
| 役割 | メインヒロイン。雨の路地で負傷していた外国人の女性 |
| 年齢 | — |
| CV | 林原めぐみ |
| 外見 | 褐色の肌、黒い大きな瞳。出会いの夜は赤いドレス姿で、額から血を流し、足を傷めていた |
路地で負傷していた外国人の女性。本人がマリア・サントスと名乗り、出身国はフィリピンだと思うと答えるが、住所やそこにいた理由を覚えていない。主人公は額の傷を強く打った痕と見るが、記憶を失った理由はあくまで主人公の推測として語られる。バッグには札束と拳銃が入っていた。
掃除と人の世話が好きで、主人公の食事にも口を出す。お金を粗末にする行動や贅沢を叱る一方で、困っている子供には一万円を寄付してしまう。物をすべて失っても神様は残ると信じ、恵まれない人へ分け合う考えを語る。暗闇をひどく怖がり、明かりを消されるとおびえる。オムレツが得意で、足の痛みが引くと器用に足の指を使ってみせる。格闘ゲームに強く、主人公に複雑な技を教えることもある。ゴキブリと刺身は苦手で、だじゃれにも詳しい。
主人公への警戒は、帰る場所のない心細さと隣り合わせにある。タガログ語講座で言葉を教え、よく笑い、主人公の気持ちを何度も確かめる。けれども主人公の言動次第では、部屋を去っていく。ダヒル・サ・ヨを聞くと、大事な人として「ボーイ」の名を思い出すが、その人との関係までは説明できない。置き手紙が残る結末では、国際大学の留学生だったと伝えられる。
ランディから譲られたサンパギータの花輪の香りで、マリアは幼いころマニラの交差点でこの花を毎日売っていたことを思い出す。そばにいた人を思い出しかけたところへボーイが現れ、彼女を連れ出す。帰ってきたマリアは記憶を取り戻していて、ボーイをクウヤア、お兄ちゃんと呼ぶ。ただし血のつながりは作中で明確な答えは示されていない。水島の「血はつながっていないだろう」という言葉は、写真からの推測である。
本人の回想によれば、マリアはボーイと香港へ渡り、九龍城で育った。英語のできるボーイが組織を手伝う一方、言葉のできないマリアは孤独だった。組織がマリアに仕事をさせようとしたとき、ボーイが抵抗し、組織はボーイに条件を課して彼女を見逃した。条件と仕事の中身は語られない。日本語を教えてくれた老人は、日本で重要な相手に会い、その人次第で幸せになると彼女に告げていた。
ボーイはマリアだけでも帰国させようとするが、マリアは自分だけ帰るのは無理だと拒む。主人公が守ると答える展開では、主人公に信頼を求め、自分の過去を打ち明ける。その後ボーイが襲われ、マリア自身もヤクザに連れ去られる。救出後に送還される展開では、事件に直接関係しないとしてフィリピンへ送られたと水島が伝える。マニラで主人公と再会する結末もあれば、消息がわからないまま終わる結末もある。
幽霊の結末では、マリアは一歳の子を抱いてマニラで暮らしている。主人公の内心は、その子が自分とマリアの子であることを示す。停電を、死んだ旦那がキスするためだと説明するのは、居合わせた老女である。
「…タスケテ…」主人公に背負われて帰る道で
「このまま土になってしまえばいいのに…」埋めた銃を見に行く
「ヒンデ・プェデェ!! ムリだよワタシだけ帰るナンテ!!」ボーイの帰国要求に抵抗する
「もう…やめなしゃれ…」だじゃれを返す
「ウン、掃除するの好きヨ」働きぶりを褒められて
「いつまでもワタシのコト、愛してくれる?」二人きりの夜の問い
「いいよ…コトバなんかなくてもいいよ」記憶を取り戻して帰ってきた夜
「どこにもいくトコないもの……」主人公の帰りを待っていた理由
「でもワタシたちってお金だけで生きてるんじゃないでしょ…?」募金をめぐって主人公に問い返す
ボーイ
| 読み | ボーイ |
|---|---|
| 役割 | マリアが兄と呼ぶ若いフィリピン人の男性 |
| 年齢 | — |
| CV | 大塚明夫 |
| 外見 | 広い背中。幼いころの写真では、マリアの肩を抱いて怒ったような顔をしている |
ダヒル・サ・ヨを聞いたマリアが、大事な人として思い出す名前。マリアの記憶が戻りはじめるころ、主人公の前に姿を現す。
ランディの店でダニーと名乗って働いていた若いフィリピン人の正体が、ボーイだった。主人公に「ボーイ」やマリアのことを尋ねられても知らないと答え、その後で主人公のアパートへやって来る。ランディの説明では、約一月前に中国人の知り合いから紹介され、素性を知らないまま雇った男で、マリアを連れ出した後に電話で突然店を辞めた。
マリアとは幼いころから一緒に過ごし、彼女から兄と呼ばれる。マリアを強く守ろうとし、主人公を冷たい視線でにらんで、最初は乱暴に彼女を連れ出す。けれども、組織がマリアに仕事をさせようとしたときには、頑として抵抗していた。幼いマリアと香港へ渡り、英語を使って組織を手伝い、組織がマリアを見逃す代わりに条件を課され、日本へ渡ったという。自分の受けた恩は命にかえても返す義務があると語り、マリアだけは事件から切り離そうとする。その恩義がどんな出来事から生まれたものかは示されない。
恩は石に刻み、恨みは水に流せと教わって育ったという言葉は、主人公への感謝につながっていく。主人公が危険を知らせられなかった結末では、ボーイは命を落とし、マリアはそれを知らないまま終わる。警告して逃げのびる展開では、負傷した体でアパートを去り、主人公を兄弟(カパティッド)と呼んで感謝する。救出の前には主人公にマリアを頼み、マンションの室内で主人公を助ける場面もある。抗争の後の顛末は結末によって異なり、死亡が伝えられる展開、逮捕が伝えられる展開、消息がわからない展開がある。
「マリア、ニホンを出ろ。イイナ」マリアに帰国を迫る
「マリアは関係ナイ」自分の恩義とマリアを切り分ける
「恩は石に刻め、恨みは水に流せ…と」育った教えを主人公に語る
「アリガトウ、キョウダイ…」主人公への感謝
水島
| 読み | —(PSP版公式サイトのキャスト欄の役名は「水島英男」) |
|---|---|
| 役割 | 主人公の姉の夫。新聞記者 |
| 年齢 | — |
| CV | 中田和宏 |
| 外見 | 五年ぶりに会うと口ひげを生やしていた |
主人公の姉の夫で、新聞記者。約五年マニラ支局に赴任し、その年の初めに帰国した。フィリピンを好きだと語る。取材の経験から写真や状況を読み解くが、その解釈には可能性や直感も含まれる。
マリアを連れ去られた主人公の相談を受け、残された写真の場所をマニラのトンドだと説明する。花を売る身寄りのない子供たちの食事や寝床をシンジケートが支えていると説明し、写真の二人について兄妹のような関係と、香港を経て東京へ至る経路を推測する。ただし主人公は拳銃のことを伏せており、水島の助言はすべての事情を知ったうえでのものではない。事件に深入りしないよう警告する展開と、ボーイを信じるよう励ます展開がある。
救出の後には、警視庁の知人を通じて抗争とマリアの送還を調べる展開がある。幽霊になった主人公とは夢の中で会い、マニラでマリアに会ってきたと告げて住所を渡す。出頭した主人公には、マリアの近況と写真を添えたエアメールを送る。
「決して深入りはするな」事件への警告
「後のことはまかせろ」幽霊の主人公を送り出す
「少なくとも俺は好きだ」フィリピンについて
その他の登場人物
主人公を夜遊びに誘う知り合い。オーダーメイドの服を自慢する。ゲームセンターでマリアにタガログ語で話しかけ、主人公を質問攻めにする。マリアの年齢や体のことまで聞きたがり、持ち上げても疑い、卑屈に頼めば失望し、答えると約束しても気を変える。主人公との仲をマブダチと呼び、真実の出会いの話を冗談だと思っている。馬場を紹介し、手掛かりへの道を開く。
後半では、主人公とマリアの関係を仲間に言いふらし、性的にからかう。殴られる展開では悪い噂を広めると脅し、後に主人公たちの逃走を妨げ、殺されるとは思わなかったと詫びる。手掛かりが得られないまま終わる結末「佐藤」にも、やり直しを促す役で登場する。
「ボクたちマブダチじゃん」主人公から話を聞き出そうとする
「気がかわったの。ボクちゃん気まぐれだから」質問への態度を変える
「あんな侮辱を受けたのは生まれてはじめてだ。ボクは絶対キミを許さないからな」主人公の逃走を妨げる
大学前の銀杏並木の近くでコーヒー専門店を営む先輩。学生でありながら子持ちで、会話によっては子供が二人いること、十八人家族のこと、将来の移住のことを話す。穏やかな人柄で、事情を追及せず、現地の人に会うよう勧めてランディを紹介する。佐藤と仲良くしてやってほしいと頼む場面もある。家族の話をするときは嬉しそうだ。この紹介が、マリアの記憶を呼び起こす花輪へとつながっていく。
「やっぱり現地の人間に会うのが一番だろうな」相談先の選び方
「外国の女の子に惚れるのは覚悟が必要だぞ」主人公への忠告
フィリピン料理店サリリング・アティンの店主(CV:塩屋浩三)。衣類や食材、薬も取り寄せている。陽気で話好きで、恋人の冗談を飛ばす。昔マニラで花を売っていたと語り、サンパギータの香りを子供時代の記憶と結び付けて、主人公に花輪を譲る。馬場から話を聞いて主人公を迎え、最近店員のダニーを雇ったと話す。そのダニーこそボーイで、ランディは約一月前に中国人の知り合いから紹介され、素性を知らないまま雇っていた。マリアを連れ出した後、ダニーは電話で突然店を辞める。
「ヤァ、ヤァ、ヤァ、ヤァ」店での挨拶
「だからこの花の匂いは絶対忘れないネ」子供時代の記憶
警官たちは、雨の夜の巡回と捜索、マリアをめぐる質問、主人公の送迎、警察官の募集といった場面に現れる。表示名だけでは、同じ警官かどうか見分けられない場面もある。刑事は救出の後に主人公へ礼を述べ、出頭した主人公を取り調べた刑事は、事件の後の消息を伝える。
マリアの香港での回想に登場する。マリアに日本語を教え、彼女の手を見た後、日本で重要な相手に会い、その人次第で幸せになると予言した。
ボーイを襲い、アパートからマリアを連れ去るヤクザたち。救出先のマンションでは、組長が主人公にドアをノックするよう皮肉を言い、日本刀の男は自分をプロと呼んで立ちはだかる。襲撃や追跡、救出を妨げる場面に現れる男たちには、表示名だけでは同じ人物か見分けられない場面もある。
幽霊の結末で、マニラの一歳の祝いの場に居合わせる女性。停電を、亡くなった旦那がマリアにキスするために神様が気を利かせたのだと説明し、その場の子供たちは歓声を上げる。
マニラへ渡る展開で、航空券について主人公に連絡してくる女性の担当者。主人公はマリアの予約を自分に振り替えて旅立つ。マニラでは、送ってくれるという二人組が主人公の所持品を奪い、公園の男たちがカンパと捜索で主人公を助ける。