ストーリー詳細 — sense off
本作は共通ルートから7ヒロインそれぞれのルートに分岐するオムニバス構成。各ルートは独立した結末を持ち、トゥルーエンドは設定されていない。 ▼詳細を読む(ネタバレ) はネタバレを含みます。 プレイ済み設定をするとアコーディオンがデフォルトで展開されます。
共通ルート
4月17日(月)、杜浦直弥は依子の車に乗せられ郊外の認識力学研究所に連れてこられる。廊下で幼馴染の成瀬と10年ぶりに再会するところから物語が始まる。
「ここがわたしたちのアジト、認識力学研究所よ」と依子は言う。依子の車を降りた直弥はすぐさま廊下で成瀬に遭遇し、「ケッコンするって約束しといて、忘れちゃうなんて!」と訴えられる——かつての幼なじみが先にここにいた。
施設には超能力を持つ十代の少年少女が集められている。未来を見る成瀬、「ふんっ」「ばーか」が口癖のツンデレ珠季、おどおどと自己紹介する椎子、ポテチを持って突撃訪問してくる美凪、週末の深夜だけ現れる謎めいた透子——それぞれとの交流が共通ルートで積み上がる。
タニシを300匹飼育する彰人との日常、依子との夜の食堂での会話、偏向性テストの受診など施設の日々が描かれる。直弥自身の能力は当初不明だが、上位研究員の青砥は「《触媒能力》=《運命の励起》」という仮説を密かに持っている。
「……あなたの部屋は、冷たい」(透子)
深夜に透子が直弥の部屋を訪問し、「……わたしには――意味が喪われている」と語るシーンが透子ルートへの大きな伏線となる。
成瀬ルート NORMAL
幼馴染の織永成瀬との恋愛ルート。彼女の能力「未来視」が物語の核心を担う。
成瀬の能力は未来視。そして彼女はすでに自分の死期を知っていた——5月10日 3時10分。
「もうすぐ終わりって判った上で……一緒にいて欲しい」という告白に、直弥は向き合う。月明かりの下で二人は結ばれる。成瀬は「直弥の手、冷たい?」「直弥と一緒になれるんだから……このくらい痛いくらい方がいい」と言いながら、直弥を受け入れる。
「わたし、幸せだよ。もうすぐ世界は終わるけど、それまでの間、好きな人と一緒にいられるから」(成瀬)
5/10 3:10、「世界の終わり」が来る。終わったのは世界ではなく、成瀬の命だった。直弥だけが生き残り、成瀬の声だけが「わたし、幸せだよ」と残るエピローグで幕を閉じる。
珠季ルート NORMAL
ツンデレの埴島珠季との恋愛ルート。「グランマ」の正体と共生という異形の結末。
「わたしに、『好き』って言えばいい」という珠季の逆告白から始まるルート。「引き返せなくなったでしょ? わたしは引き返せなくなったわよ」。
珠季の幼少期から脳内に「グランマ」という別の意識が同居していた。新興宗教の教祖による精神破壊攻撃からグランマが身代わりとなって消滅し、珠季を守った。珠季に残ったのは「力の名残」だった。その力が暴走し、珠季は「さよなら」の一言を遺して死亡する。
「グランマは、珠季を守って、死んだのだ」(地の文)
直弥は「珠季の中にグランマが住んでいたのならば、俺の中に珠季が住むこともできるんじゃないか」と本能的に発想し、消えゆく珠季の精神と共生関係を結ぶ。肉体を超えた精神融合が成立し、二人は共生体となった。
「こうやってあんたとくっついてられるから……わたしは幸せ」(珠季・共生後)
「量子結合で結ばれた2つのものは時空を超えて巡り逢う」——依子から聞いた言葉を珠季は引用して逝く。
椎子ルート NORMAL
年少組の真壁椎子との恋愛ルート。18世紀の前世記憶を二人で体験するSF設定が核心。
「絶対、わたしが直弥さんのことが好きだからです」と告白する椎子。「直弥さん」と常に敬称をつける控えめな少女だが、核心を突く言葉を持つ。
椎子ルートで直弥と椎子が1712年ザルツブルクの記憶を共に体験する。数学者ベルトホルト・レーゼ(直弥の前世)と共感能力者トルーデ(椎子の前世)の物語だ。「椎子ちゃんであり、またトルーデである少女」(地の文)という認識が生まれる。
「ある人の死は、もうその人だけの問題じゃなくなってると思います」(椎子)
クライマックスで直弥は屋上から飛び降りるが、椎子の苦痛軽減能力が受け止め、二人は生き延びる。前世を共に分かち合った二人が現在を生きるエンディングで幕を閉じる。
美凪ルート NORMAL
関西弁の三條美凪との恋愛ルート。何万年前の「星の時代」からの縁が明かされる宇宙規模の愛の物語。
絶対嗅覚を持ち、夢を共有できる美凪。「あの夢の中で、わたしたち、心が繋がってた」という言葉が二人の縁の深さを示す。「……嗅ぎ分けたんよ。あなたは、あの時のあの人や」——美凪の嗅覚は思惟生命時代の直弥を感知する。
美凪ルートで判明する核心:何万年前の「星の時代」、思惟生命として宇宙に存在していた時代から直弥(演算者)と美凪は結ばれていた。過去の同族の「悪意」が美凪を通じて直弥を攻撃しようとするが、美凪が阻止する。
「天体の世界へ還ろう――墓標はないが――俺たちの故郷だ――」(直弥)
「だから、いなくなっていい訳がない」という直弥の感情が爆発し、海の丘で美凪と再び結ばれる。宇宙規模の縁を確かめたエンディングで幕を閉じる。
また青砥は直弥の能力について「私は仮に《触媒能力》……あるいはもっと詩的に、《運命の励起》と呼んでいる」と語っている。
透子ルート BAD
謎めいた御陵透子との恋愛ルート。「思惟生命」の真相が解き明かされ、透子は自己消滅を選ぶ切ない結末。
B棟に平日隔離され、週末だけ来訪する透子。「……あなたの部屋は、冷たい」という最初の言葉から、三点リーダと沈黙で語りかける。
透子は直弥に「思惟生命」の真実を告げる。「恒星間宇宙を航行する宇宙船があった」——そのAIから誕生した非物質的生命体が思惟生命であり、地球に墜落した際に人間の脳に憑依した。「あなたは……人間じゃない」。直弥も透子も「人間じゃない」存在の転生体だった。
「わたし自身が、わたしのいない世界を認識すれば、《世界の読み替え》の能力は、世界からわたしを抹消するよう働く」(透子)
透子の《世界の読み替え》能力は、自同律(自分が自分であるという確信)が失われることで自己に作用してしまう。銀色のロケット(自同律の安定装置)に亀裂が入り、消滅のタイムリミットが設定される。
「透子……どこにも行かないでくれ」(直弥)という懇願も届かず、透子は消えた。世界から透子という存在が消滅し、直弥だけが彼女を覚えた状態で夏の街を歩く。
「夏の人々が、夏を歩いている。そしてそこに、探し物はあった」(直弥・ラスト地の文)
慧子ルート BAD
I棟の水槽に閉じ込められた脳・飛鳥井慧子との精神的交流ルート。彰人のタニシチャット誤接続から始まる異形の純愛。
彰人が全国タニシ愛好家チャットに接続していたとき、誤ってI棟の慧子のシステムに繋がってしまった。「誰かいませんか……。さみしいです。誰かお話しましょう?」——慧子の書き込みが直弥の目に留まる。
4年前に両親が装置開発の事故で死亡。以来、感覚剥奪の水槽に閉じ込められた状態が続く慧子。唯一の自分のよりどころは「古文が得意だった」という記憶と、「ハカセ」という少年への思い出だ。
「誰かいませんか……。さみしいです。誰かお話しましょう?」(慧子・最初の書き込み)
直弥はウェディングドレスのスケッチを描いて慧子に届ける(「直弥さんは絵が下手です」と慧子は正直に言う)。精神世界で白いドレス姿の慧子と直弥は結ばれる。「自分の姿で直弥さんに会えたのが嬉しくて」という言葉の後——現実の慧子は消える。
「あなたのこと……最後まで忘れなかったよ……」(慧子・最後の言葉)
依子ルート NORMAL
研究員兼教師役の塔馬依子との恋愛ルート。年上の能力を持たない側の人間の嫉妬と覚悟が描かれる。
深夜の食堂で発泡酒を飲む依子(「ビールじゃないよ〜だ。発泡酒だよ〜」)。宿直の夜に直弥と語り合う。依子はこのルートで初めて本音を吐く。
「君が『選ばれている』からよ」(依子)
「空飛ぶ鳥に地を這う蛇の心は判らない」(依子)
能力を持たない依子は「選ばれなかった側」として、能力者たちへの複雑な感情——嫉妬と羨望——を初めて吐露する。「それでも……君たちをわたしたちは見上げることしかできない」。
屋外でのシーンを経て、依子は研究所を辞職する。別れの言葉は穏やかだ。
「もし……10年もして君がいい男になったら迎えに来てよ」(依子)
10年後の再会を約束して二人は別れる。直弥がいつかいい男になったら——という条件つきの、未来への約束で幕を閉じる。
エンディング一覧
| 種別 | エンド名 | ルート | 結末概要 |
|---|---|---|---|
| NORMAL | 成瀬エンド | 成瀬ルート | 成瀬は5/10 3:10に死亡。月明かりの中で結ばれた記憶だけが残る。「幸せだよ」の声が消える。 |
| NORMAL | 珠季エンド | 珠季ルート | 珠季は死亡するが精神は直弥の中に。共生体として永遠に共にいる異形のハッピーエンド。 |
| NORMAL | 椎子エンド | 椎子ルート | 前世(ベルトホルト+トルーデ)を共有した二人。直弥は助けられ、椎子と結ばれる。 |
| NORMAL | 美凪エンド | 美凪ルート | 何万年前からの縁を確かめ、悪意を乗り越えて海の丘で再び結ばれる。宇宙の故郷へ。 |
| BAD | 透子エンド | 透子ルート | 透子は自己消滅。世界から抹消され、直弥だけが彼女を覚えた状態で夏の街を歩く。 |
| BAD | 慧子エンド | 慧子ルート | 精神世界でウェディングドレス姿の慧子と結ばれるが現実の慧子は消える。「最後まで忘れなかった」。 |
| NORMAL | 依子エンド | 依子ルート | 依子は研究所を辞職。「10年後にいい男になったら迎えに来てよ」と約束して別れる。 |