用語集 — シンフォニック=レイン
シンフォニック=レインの楽器・能力・地名・制度・象徴をまとめた用語集。核心的な真相部分はアコーディオンに格納。プレイ済み設定でネタバレ詳細が展開されます。
鍵盤を押すだけでは鳴らない魔力で奏でる特殊な鍵盤楽器。ピアノやチェンバロと外形は近いが「個人による音の差は管楽器に近く、人の声が一番近そうだ」と説明される。世界に奏者は少なく、フォルテール科の学生数も少ない。卒業発表には必ずフォルテール+歌の協奏が必要。
「身体で弾くのではない。心で弾くものだ」(グラーヴェ)。奏者の感情・心理状態がそのまま音色を決める。クリスの音はずっと「悲しみ」を帯びており、フォーニルート最終演奏でようやく「悲しみのない音」に到達する。コーデルの「悲しみのない、良い音をしていた」という評は、クリスがようやく罪悪感から解放されたことを意味する。
フォルテールを鳴らすために必要な力。「力の差はあれ、昔は万人がもっていたという力。突如としてその力は消え去り、代わりに電気という同じくらい不可思議な力が世界へと拡がっていった」。
「魔力は感情だっていう説」がある。怒り・喜び・悲しみといった感情がそのまま魔力として顕現するという仮説。クリスはフォーニとのアンサンブルを通じてこの説に共感していく。リセはフォルテール科でありながら歌を選んだが、これも感情の表現手段として歌を選んだことの反映とも読める。
クリスが学ぶ音楽学院がある街。一年中雨が降り続ける「雨の街」として知られ、現在は「音楽の街」とも呼ばれる。住民は雨に慣れすぎて誰も傘を差さない。
ピオーヴァは確かに雨が多い街ではあるが、クリスが知覚していた雨の量は本人の幻覚で増幅されたもの。トルタは「雨なんて、降ってなかったんだよ。ずっと」「クリスはいつも、雨に濡れて、子供みたいに泣いてた。まるで自分を責めるように」と告げる。クリスの罪悪感が雨という形で投影されていた。フォーニルート末では列車がトンネルを抜けると文字通り「雨が止む」。
街の名前を冠した国内有数の音楽学院。「世界でも有数の設備を誇り、数多くの著名な音楽家を輩出している」。グラーヴェのような貴族の多額の寄付が運営に深く関わっており、政治的不公正も内包する(リセが学院に現れるとグラーヴェに通報される体制がある)。卒業には自作曲を歌い手と二人で演奏する卒業発表への合格が必須。
学院敷地内の使われなくなった校舎。「鍵がかかっていて中に入れない」とコーデルが言及する。リセがグラーヴェから逃げる際に歌う唯一の居場所であり、クリスがリセを初めて発見する場所。グラーヴェの暴行現場にもなり、クリスが「ふざけるな!」と叫んでリセを連れ出す舞台。
学院内のコンサートホールで行われる卒業のための公開演奏。フォルテール科の規定として「自作曲」かつ「歌との協奏」が必須(二月最終週、金曜一日で全員が発表)。卒業生・国内音楽家を審査員に招き、結果次第では退学・自主退学が促される。クリス達の世代の精神的クライマックスとなり、誰とパートナーを組むかでルートが分岐する。
卒業発表の演奏相手。原則は声楽科の三年生だが、規定上は「学院外の市民でも可」。「卒業発表で一緒に演奏した男女は永遠に結ばれる」という噂と相まって、パートナー選びは恋愛選択そのものに重なる。フォーニルートではフォーニ(人間ですらない存在)をパートナーに指名するという禁じ手が成立し、奇跡が起きる。
ゲーム起動時に現れる特殊選択肢。音楽用語で「da capo(ダ・カーポ)」は「最初から演奏する」、「al fine(アル・フィーネ)」は「終わりまで演奏する」の意。
- al fine:リセ・ファル・トルタの3ルートGEクリア後に解禁。トルタ視点で物語を再体験するルートへ。
- da capo:al fineルートクリア後に解放。フォーニ(=アリエッタ)との真相ルートへ繋がるGrand Ending。全てを知った上で「最初から始める」という意味が重なる。
フォーニの自称。クリスにのみ見え聞こえる小さな存在で、背に羽を持ち自分より高い場所へは飛べない。クリスの肩に乗って学院に同行することもある。
フォーニは正確には「妖精」という種族の存在ではなく、意識不明のアリエッタの魂が顕現したもの。屋台のおじさんなど他の人もフォーニの歌だけは聞いた経験があり、クリスだけの幻覚ではないことの根拠になっている。魂が「音楽の才を通じて実在に近づく」という本作の音楽テーマの体現。
アルがクリスに渡した便箋一冊分の約束。「いつか、その引き出しがクリスの手紙で一杯になったときに、クリスが帰ってくるんだね」という口約束で、アルが事故に遭う直前にクリスと交わした本作最重要の約束。三年経った物語冒頭の時点で、クリスの引き出しは「ほとんど占領」状態になっている。
フォーニルート末の「アリエッタ……帰ってきたよ。約束通り、三年後に」が直接の回収。クリスが手紙を丁寧に引き出しに仕舞うシーンが冒頭で印象的に描かれ、物語の骨格として機能する。
ほぼ全シーンで言及される本作最大のモチーフ。ピオーヴァの自然現象として描かれながら、クリスの内面状態と直結している。「クリス。そちらは今も、雨が降っていますか?」がアルからの手紙の決まり文句であり、雨はアルとの距離・約束の象徴ともなる。
クリスが知覚する雨の量は、三年前のアルの事故に対する罪悪感・涙の投影。トルタが「雨なんて、降ってなかったんだよ。ずっと」と告げる瞬間が、物語の大きな転換点。フォーニルート末でトンネルを抜けると「窓の外には、青い空が、ただ拡がっていた」——三年ぶりに晴れが訪れ、罪悪感の消失を示す。
「卒業発表で一緒に演奏した男女は、永遠に結ばれる」というありふれた学校の噂。トルタやクリスが冗談として言及するが、各ルートで違った形で「実現」してしまう。
フォーニルートでは比喩ではなく文字通り——クリスはアリエッタの魂と舞台に立ち、演奏後に故郷でアルが覚醒して再会する。本作のテーマそのものを縮約した噂であり、タイトル「Symphonic Rain」の「Rain(雨)」と対になる「ステージ上の奇跡」を予告している。
ピオーヴァと故郷の街を結ぶ唯一の長距離鉄道。「半日以上の時間をかける」。トルタルートでは真実告白後にクリスとトルタが急遽乗り込み帰郷する舞台となる。山中のトンネル通過時にクリスは耳に圧迫感を覚える(アルの事故時の耳の損傷の名残り)。フォーニルートでは「トンネルを抜けると雨が止み青空が見える」クライマックスの舞台。
山をくり抜いてピオーヴァと外界を繋ぐ唯一の通路。物理的にも象徴的にも「ピオーヴァ=雨の世界」と「外界=晴れの世界」を分ける境界線として機能する。列車がトンネル内に入るとクリスの耳が痛む。フォーニルートでここを抜けた瞬間、クリスは三年ぶりに青空を見る(「窓の外には、青い空が、ただ拡がっていた」)。
年末の祝祭。クリスマスに相当する(「ナターレ前の手紙」)。クリスとアルが本来なら一緒に過ごす予定のイベントだったが、三年間そこにアルはいない。トルタルートでは「アルが今年は来られない」という偽装手紙の口実として使われる。別離と再会の象徴日。
学院近くにあるクリス達がよく行く軽食店・食事処。学生達の社交場として頻繁に登場する。リセが噂で避けられる場所としても機能し、彼女の孤立を象徴する場面で名前が出る。
全ルートクリア後にトルタが全プレイヤーに告げる隠しパスワード。「ゲームクリア、おめでとう!」とともに提示される。作中のどのエンディングとも関係のないメタ演出で、全ルートをクリアした後にのみ到達するシーン。「包丁」という日常的すぎる語のギャップ感が、本作の繊細な詩情の締めとして独特の余韻を生む。