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新藤エレナのレビュー — 誰彼 -たそがれ-

新藤エレナ
新藤エレナ
Hシーンをスキップしない女
6.5/10
6.5 / 10

催淫という仕掛けの発明と、それを書き切れなかったテキストの落差よ。

帝国陸軍強化兵を主人公に据え、強化兵の血が異性を発情させる「催淫」という独自の仕掛けで全Hシーンを世界設定と結びつけた意欲作。設定の尖り方は2001年のエロゲー市場で際立っていて、シチュエーションの独自性は本物ね。ただし官能描写のテキスト品質にルートによって大きなムラがあり、その潜在力を全編で発揮できているとは言い難い。一部のルートだけは「エロゲーでしか成立しない物語」の水準に達している。

スコア詳細

Hシーンの質 6
シチュの独自性 8
官能描写の文章力 5
ヒロインのエロ映え 6
エロと物語の統合 7
設定の尖り 8

催淫という一語が、私を動かした

Leaf、2001年。ジャンル名は「アクティブドラマタイズノベル」と名乗っているわ。

帝国陸軍の特殊強化兵——坂神蝉丸が50年前の石棺から目覚めて、平成の依代町で生きる話。ボイスなし、フルテキスト、Hシーンは8本。攻略対象ヒロインは5人——月代夕霧高子きよみ麗子の5人ね。

私がこれを手に取った理由は一つ——「催淫」という設定を聞いたから。強化兵の血に異性の自制を奪う作用がある、全Hシーンが世界設定と結びついている——と評判を聞いて。エロゲーのHシーンが「とりあえず入れました」型になる一番の理由は、物語との接続が切れているからよ。それを設定レベルで解決しようとした作品があると聞いたら、一度見ておく義務があると判断するわ。期待値は高かった。結果については後で話すわ。

「催淫」——この発想だけで、私は少し期待したわ

最初に一言だけ言うわ。

「催淫」という仕掛けを思いついたライターは、エロゲーをわかっている人よ。強化兵の血が異性の自制を奪い発情させる——この一点で、誰彼は全8シーンのHを「世界設定と不可分なもの」にすることに成功しかけている。成功しかけている——と言ったわ。完全に成功した、とは言っていない。

シコれるか。答えは「場面による」。それが私の結論よ。

……いやね、「場面による」なんて逃げ口上みたいで気に食わないのよ。でも正直に言えばそうなの。8シーン中、本当に機能しているのは3〜4シーン。残りは「及第点」から「届かない」の間に散らばっている。テキストが足りない場面と、仕掛けが光る場面の落差が大きすぎて、作品全体として均一な評価を出せない。それが誰彼のHシーンよ。

鏡間市依代町という舞台と、催淫の仕組み

舞台は島神県鏡間市依代町。昭和の下町情緒と戦後的な猥雑さが混在した架空の街で、エロゲーの舞台として「ここにしかない匂い」がある。それは認めるわ。

主人公の坂神蝉丸は帝国陸軍の特殊強化兵で、戦時中に石棺に封じられ、50年後の依代町に目覚めた男よ。自分の名前があって、意志があって、過去を引きずっている——「プレイヤーの分身」型の主人公と対極の作りね。2001年時点で相当に尖っていたわ。

この世界には「仙命樹」と呼ばれる人体改造技術があって、強化兵の血は異性の自制を奪う催淫作用を持っている。全8シーンのうち6シーンが、この催淫と何らかの形で結びついているの。つまり本作のHシーンのほとんどは「世界設定から生まれた必然」として書かれているこれは珍しいわ。当然でしょ。

物語の対立軸は、御堂という悪役が「完全体計画」のために仙命樹と強化兵の血を利用しようとすることにある。蝉丸は依代町の人々を守りながら御堂と対峙し、50年前の因縁の決着へと向かう。問題は——仕掛けの巧みさと、テキストの体力が別物だったこと。それがこの作品の全てよ。

ヒロインとエロの関係——事前に整理しておくわ

キャラクターについて、エロの観点から整理しておくわ。

砧夕霧

砧夕霧は共通ルートのヒロインで、蝉丸が依代町で最初に出会う女の一人。御堂の返り血が夕霧の全身に浴びせられ催淫状態になるという形で、最初のHシーンに登場する。物語的には「世界の仕組みを読者に体感させる」ポジションとして機能しているわ。

三井寺月代

三井寺月代は蝉丸に不思議な引力を感じていた少女で、後に杜若きよみのクローンであることが判明する。ルートによってHシーンの質感が大きく分岐する——御堂による凌辱バッドエンドと、蝉丸との感情の積み上げの末の純愛初夜と。同じヒロインで両極端なシーンを抱えているのよ。

きよみはこの作品のメインヒロインで、蝉丸が50年前に誓いを交わした女性。ルートの核心は「蝉丸が石棺から目覚めた理由」と「50年越しの因縁の決着」にある。覆製身(白のきよみ)という、仙命樹で生き返った別の自我を持つきよみも存在していて、二つのHシーンに登場する。後述するけれど——このきよみ関連の二シーンが、私がこの作品に6.5を付けた唯一の理由かもしれないわ。

桑嶋高子・石原麗子

桑嶋高子は「永遠の樹」と呼ばれる高子ルートのヒロイン。診療所の看護婦見習いで、石原麗子という診療所の女医と同じ職場にいる。麗子は後に研究者として独自に仙命樹を宿した特殊な存在だとわかるんだけど、高子ルートでは麗子が触媒として高子の性的開放に絡んでくる構造があるの。

岩切

それから岩切——「強い男が好き」という性格を持つ強化兵の女性で、蝉丸との白兵戦に敗れた後に自分の手首を切り裂いて血を飲ませる、という手段でHに持ち込む。攻め側のキャラとして動く唯一の女よ。このキャラはエロゲーとして面白い使われ方をしているわ。

8シーン、全部読んだわ

シーン①——夕霧催淫(共通序盤・夜の松林)

蝉丸が御堂を松林で追跡する最中、たまたま通りかかった夕霧に御堂の返り血が浴びせられる。催淫作用が発動した夕霧は自制を失い——蝉丸が意識を取り戻した時には夕霧が自慰行為に及んでいた。蝉丸は「処女を守る」意図から完全挿入を回避し、外挿(股間に挟む形)と手淫で収める。

シコれるかと言われれば「及第点には届く」と言うわ。催淫→状況的Hという流れは世界設定に根ざしているし、夕霧が蝉丸の手を自分の股間に導くという主体性もある。蝉丸が外挿にとどめるという判断も、元軍人の気質と一致している。

ただ——テキストが薄い。催淫状態の夕霧の描写が抑制的すぎて、没入を引っ張るだけの密度がない。行為後に出てくる「わたしって、いやらしい女ですね……」「それは違う」という交換は悪くないんだけど、そこに至る行為の描写が文章力として支えていないのよ。世界設定の説明として機能しているシーンが、Hシーンとしても機能しているかどうかは別の問題。及第点ぎりぎりのラインね。

シーン②——岩切の血の盟約H(廃坑地下施設)

蝉丸vs岩切の白兵戦。蝉丸が隠し持っていた拳銃で奇襲を成功させ、岩切は敗北を認める。「仲間になれ」という交渉が決裂した直後、岩切は突然自分の左手首を小刀で切り裂いて蝉丸の口に血を垂らす——「この血は盟約だ」。強化兵同士でも催淫が有効であることを蝉丸は初めて知る。意識が朦朧とした状態で岩切が騎乗位を仕掛ける。

シコれるわ。岩切が「のけ反り宙を仰ぎ、空いた手で乳房をもみほぐす」という動的な描写で行為中に出てくる。「強い男が好き」という岩切の本性が騎乗位という体位の選択と重なって、キャラクターが行為の中で最大化されている。「強化兵同士にも催淫が有効」という設定の衝撃と、岩切が主導するという逆転の構図がシチュとして固有性を持つ。

「このままでは奴の虜になってしまう」という蝉丸の抵抗意識が催淫状態でも残っているのも、キャラの一貫性として機能しているの。テキストの具体性はこのシーンでは比較的高い。評価するわ

シーン③——きよみ初体験(きよみルート・ベッド)

……認めるわ。このシーンは。

蝉丸・きよみ・裕司の三人が共に暮らす生活の中で——きよみが「蝉丸さんの血をわたしにくださいませ」と申し出る。その理由が逆転の発想よ。「蝉丸さんの血を受けてわたしが虜になることで、蝉丸さんをわたしの呪縛から自由にしたい」——つまりきよみは、自分が縛られる側を自発的に選ぶことで蝉丸への愛情を示す。催淫というシステムを「相手への献身の表明として使う」という構造ね。

蝉丸が親指を噛み切ってきよみに血を与える。きよみが飲む。催淫がきよみに発動し始める。乳房愛撫から腹部へ、指愛撫、処女膜貫通——「痛みさえも性感に変えてしまう仙命樹の力」で初体験の痛みが快楽に変換される。「仙命樹同士の性交は、危険な香りを放つ美酒だった」という表現が出てくる。ライターが自分で書いていて興奮している手触りがある。

愛撫の段階描写が丁寧で、密度が他のシーンより明らかに高いわ。処女の痛みを催淫で快楽に変えるという描写も、このゲームの設定を最大限に活かした演出として機能している。シコれた。全シーン中で最も「エロゲーとして正しい」場面よ。

シーン④——月代凌辱BAD(廃坑・生命の樹の前)

月代バッドエンド。御堂に拉致された月代に、御堂が自分の血を振りかけて催淫させ——「完全体計画のために生娘の血が必要」という目的のための「儀式」として凌辱する。御堂は計算して体外射精を選ぶ(「女のあの血と俺のが混ざったら失敗になる」)。蝉丸が駆けつけた時、月代はほとんど全裸で震えていた。

シーンの構成は悪くないわ。御堂の動機が明確で、月代の混乱(催淫で感じてしまう自分への困惑「きもちいい……?」)の描写もある。御堂の「なんて締め付けしやがる」という独白が月代の反応の強さを逆説的に示すのも機能している。

問題は構成よ。このシーンは他ルートの描写と「並行カット」される形で分断されていて、凌辱場面の連続した描写として読めない。月代の絶叫から再開するタイミングで、読者が状況を把握する前に「あああああぁ」になっている。凌辱系として機能する部分はあるのに、演出の選択で実用性を半分以上削っているの。演出で損をしているわ

シーン⑤——月代・紅い絆初夜(月代ルート・ベッド)

「あたし……蝉丸のこと、好きだったんだって……」。月代の告白に「俺のお前に対する気持ちは月代に対する思いに他ならない」と蝉丸が応える——感情の積み上げがある上でのHよ。全シーン中で最長のシーンね。

愛撫の段階描写が丁寧。「このまま、やめてもいいぞ」という蝉丸の気遣いに「蝉丸のなら我慢できる」と月代が返す短い交換が、感情を行為の中に組み込んでいる。仙命樹の催淫が行為の途中で月代にも発動し、痛みが快楽に変わるという設定の使い方も自然ね。「一片の理性が、蝉丸に膣外射精を促した」——催淫状態でも体外射精を選ぶという描写が、元軍人として自制を持つ蝉丸のキャラを崩さない。

シコれる。純愛ルートとして完成度は高いわ。テキストの文章力は他シーンと同様にムラがあるけれど、感情の積み上げがシーンの密度を補っている。シーン④の月代BADとの対比で、同じヒロインの初体験が正反対の文脈に置かれているという対比も、物語として機能しているわね。

シーン⑥——麗子×高子 百合H(診療所内)

暴漢の血が高子に付着して催淫症状が出る。麗子が「解毒」として高子に指愛撫を施す——という建前のシーンよ。麗子は仙命樹を自ら宿した研究者で「催淫の解消法を知っている」という前提で行為に入る。

これは面白いシーンね。麗子の余裕ある技巧(「秘唇の奥は大洪水だ。肉びらに指を這わすや、ずぶりと隙間に落ち込んでしまう」という淡々とした語り口)と、高子の「女同士なのに感じている」という困惑の対比がキャラを立てている。クリトリスとアヌスへの同時指攻め——麗子が仙命樹由来の身体能力でバイブレーションを起こすという「人間には物理的にできない行為」が出てくるの。

「仙命樹の能力を行為に活かす」という発想は本作でここだけよ。設定の使い方として尖っている。百合Hとして実用性もある。麗子の秘密が伏線として機能しているし、高子の性的な開放への段階としても位置づけられている。評価するわ

シーン⑦——高子・別れの前夜(高子ルート・ベッド)

蝉丸が「永遠に生き続けるため、いつまでもここには留まれない」と告げた直後——高子が「忘れなくなるような思い出をください」と飛び込んでくる。変則体位(片足を抱え上げた状態での挿入)→後背位(激しい律動)→正常位でラストスパートという複数体位の描写が続く。

このシーンの核心は行為の最中ではなく行為後にあるわ。「上気し、桜色となった肌が艶めかしい。目をそらし、蝉丸は再びわきあがる欲望を押さえつけた。それほどに魅力的な裸体であった」——行為を終えた後でも高子に強く惹かれていることを自覚しながら、去ることを選ぶ男の内面が一文で描かれている。「行為後の余韻」のこういう使い方は巧いの。

高子が自ら上衣を脱ごうとするが下着に手がかからない(「自分の汚れた部分を見せつけるような気がして恥ずかしかった」)という羞恥の描写も、清楚な外見と内面の複雑さを行為の入り口で示している。シーン⑥の麗子との百合Hとの対比で「男性との初体験」として機能していて、高子ルートの感情的なクライマックスとして成立しているわ。

シーン⑧——覆製身きよみH(蝉丸の間借り部屋)

月代・夕霧たちが外出した隙に、覆製身(白のきよみ)が一人で蝉丸の部屋を訪ねてくる。「キスして」と求め——きよみは唇を噛んで血を混ぜる。催淫が気化して部屋に充満する中、きよみが膝をついてジッパーを開け、先端から陰嚢まで丁寧にフェラチオを始める。絶頂直前で口を離して焦らし続ける。堪らず蝉丸がきよみを引き寄せてベッドに押さえ込む——主導権の逆転よ。

シコれるわ。フェラチオの段階描写が詳細で、「催淫された蝉丸にはこれ以上はない快楽であり、また拷問であった」という表現が機能している。焦らしから蝉丸が主導権を奪い返す逆転が、場面にリズムを与えているの。覆製身きよみの「計算」と蝉丸の「本能」の力学が行為の構造に出ているわ。

このシーンが特別なのは行為後よ。「──本当にそうなのか。仙命樹が俺たちをそう仕向けたのではないか」と蝉丸が分析する。きよみの「あたしたちのゴールへ近付いたのよ」という言葉——「この行為は本当の愛情か、それとも仙命樹が仕向けたものか」という問いが行為を通じてきよみルートの主題に接続される。エロと物語が完全に溶け合っているの。シーン③と並んで、このゲームで最もエロゲーとして正しい場面ね。

催淫がエロを物語に縛っているか

エロと物語の統合に7を付けたのは——全8シーンを通じて「エロが物語と無関係になっていない」という点よ。普通のエロゲーがどれだけの割合でHシーンを本編の飾りにしているか、知っているかしら。本作は、全シーンが何らかの形で世界設定(仙命樹・催淫・強化兵)と結びついている。これだけでも珍しいわ。

特にきよみ関連の二シーン——シーン③とシーン⑧は、エロが物語の核心を担っている。シーン③では「催淫を自ら望んで招く」という行為がきよみの献身の深さを示し、シーン⑧では行為を通じて「この感情は本物か、仙命樹の操作か」というきよみルートの中心的な問いが提示される。こういうシーンを書けるライターは少ないの。

月代の凌辱BAD(シーン④)も、御堂の「完全体計画」の目的(生娘の血が必要)が行為を通じて開示されるという作りで、ただの凌辱描写に終わっていない。岩切のシーン(シーン②)も、「強化兵同士の催淫が有効」という設定の核心が行為の中で蝉丸に初めて体感される場面として、物語上の機能を持っている。

問題は夕霧の催淫シーン(シーン①)よ。世界設定の導入として機能しているけれど、夕霧との感情的な蓄積としては機能していない——それはシーン単体の問題ではなく、夕霧ルートがその後の展開で感情の積み上げを描けているかどうかという問題でもあるけれど。

「催淫」という発明は正しかった。エロと世界設定を繋ぐ鎖として、理論的には一級品の仕掛けよ。問題はその鎖を全シーンで均等に機能させるテキストの体力があったかどうか——きよみに割り当てた部分では答えを出した。他のところでは体力が切れた。

— 新藤エレナ

エロゲーである必要があったか——あったわよ。少なくともきよみルートについては、これはエロゲーでしか成立しない物語ね。シーン③ときよみの初体験、シーン⑧の覆製身きよみのシーンを読めば、エロと物語が分離不能に接続されているのがわかる。その部分だけは、揺るぎなくエロゲーである必要があった作品よ。

総評

6.5。

官能描写の文章力に5を付けたのは、竹林明秀のテキストが「シーンによって全く質が違う」から。きよみ関連では密度が高まって独自の表現が出てくる。夕霧では抑制的すぎる。月代BADでは並行カットの構成判断が文章力の評価を下げている。ムラが大きすぎて、ライターとしての官能描写の総合力を高くは評価できないの。

シチュの独自性には8を付けたわ。催淫という世界設定由来のシチュが全シーンを縛っていて、どこかで見た既製品の組み合わせがほとんどない。岩切の血の盟約H、麗子の強化兵腕力バイブレーション百合H、きよみが自ら催淫を選ぶ逆転の初体験——どれも他のゲームにはないわ。2001年にこの発想を全シーンに貫徹しようとしたこと自体は、本物の尖りよ。

ヒロインのエロ映えに6を付けたのは、ルートで差が出るから。きよみと岩切はHシーンで最も輝く——行為の中でキャラクターの本質が出てくる作りになっている。夕霧は共通序盤の一場面で使い捨てに近い扱いで、本来のヒロインとしての魅力がエロシーンで活かされていない。月代は純愛ルートのシーン⑤では映えているけれど、凌辱BADは断片的で評価しにくい。高子は「別れの前夜」の余韻描写が機能しているわ。平均すれば6ね。

設定の尖りに8を付けた。2001年に帝国陸軍強化兵が主人公で、架空の下町が舞台で、50年越しの因縁が物語の核心——これをLeafがやった。「痕」や「To Heart」で名を上げたブランドの新作がこれよ。正気じゃないでしょ。その胆力は認めるわ。

テキストが追いつかなかった。率直に言えばそういう作品よ。きよみルートに割り当てられた才能と、他のルートのHシーンの実装の差が極端すぎる。テキストの体力がもう一段あれば、Hシーンの質は6ではなく8になっていたはず——それだけの潜在力はあったの。それを全シーンで発揮できなかった。

仕掛けは一級品に近かった。テキストが追いつかなかった。——エロゲーにおいてテキストが足りないということは、弾は込めたのに引き金を引けなかったということよ。

— 新藤エレナ

でもシーン③のきよみ初体験と、シーン⑧の覆製身きよみは——本物だわ。あの二つを読んだだけで、この作品がエロゲーである必要があったことがわかる。そういう作品よ、誰彼は。届かなかった、を認めた上で6.5ね。