終ノ空
| タイトル | 終ノ空(ツイノソラ) |
|---|---|
| ブランド | ケロQ |
| 発売日 | 1999年8月27日(原作版) |
| プラットフォーム | Windows |
| レーティング | 18禁 |
| ジャンル | ノベル系アドベンチャー(電波系ADV) |
| シナリオ | SCA-自 |
| 原画 | SCA-自 / 基4% / にのみー隊長 |
| ボイス | なし(原作版) |
| ルート数 | 5ルート(卓司・琴美・行人・高島ざくろ・音無彩名の複数視点) |
関連作品
- 素晴らしき日々~不連続存在~ 10th anniversary特別仕様版 FANZA
書籍
- 終ノ空 (ムービックゲームコレクション 16) Amazonで見る
あらすじ
舞台は、とある私立高校の三年生クラス。容姿の冴えない間宮卓司は、教室で武井ら不良からの執拗なイジメに耐えながら、灰色の日々を過ごしている。誰にも本音を打ち明けられない卓司は、自室の壁に描いた魔法少女リルルの絵に向かって、ひとり言のように胸の内を語りかけるのが習いになっていた。
そんなある日、隣のクラスの不良が屋上から転落する事故が起こる。続いて同じ場所から、クラスメイトの高島ざくろが他校の生徒を伴って身を投げる。担任が朝礼でその死を告げる頃から、教室には「ノストラダムスの大予言」「7月20日に世界が終わる」という噂がじわじわと広がっていく。
幼馴染の若槻琴美と水上行人は、変質していくクラスの空気のなかで、いつもどおりの放課後を守ろうとする。屋上で哲学書を開く行人、剣道部に打ち込む琴美、そして寡黙な少女・音無彩名。それぞれが、終わるはずのない日常と、終わってほしい日常のあいだで揺れていく。
本作は、この同じ事件を立場の異なる複数の人物の視点から読み解いていく構成のノベル系アドベンチャー。閉ざされた校舎を覆う「世界の終わり」の噂が、それぞれの人物にどんな選択を迫っていくのかを、緊張感をもって描き出す。
キャラクター
キャラクター画像は公式サイトより引用。
私立高校3年生。武井らにイジメられる日々を送る。壁の落書き「リルル」に独り言で胸の内を語りかける。
卓司の同級生で琴美の幼馴染。屋上で哲学書を読む、怠惰を装った思索家。両親は海外赴任中。
行人と同い年の幼馴染で剣道部の選手。明朗活発な体育会系。寝坊する行人を毎朝起こしに来る。
寡黙で断片的な話し方をする同級生。「クス」と笑うのが口癖。屋上から「もうひとつの空」を見つめている。
内向的で自己評価の低い同級生。クラスで孤立しがちな少女。ある事件をきっかけに物語が動き出す。
武井の取り巻きの同級生。体格は良いが思い込みが激しく、信じたものには盲目的になりやすい。
剣道部の2年生で琴美の後輩。表向きは健気だが、琴美への憧れを胸の奥に抱えている。
3年生クラスの担任教師。朝礼でクラスに起きた出来事を告げる役回りを担う。
卓司が部屋の壁に描いた、作中アニメ「魔法少女リルル」の落書き。卓司が語りかける相手。
用語集
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FAQ
各ルートの結末・キャラクターの正体に関する設問はネタバレゾーンのFAQに分離しています。
終ノ空とはどんなゲーム?
1999年にケロQが発売した18禁のノベル系アドベンチャーゲームです。「7月20日に世界が終わる」という噂が広がる私立高校を舞台に、間宮卓司・水上行人ら複数の人物の視点から同じ事件を読み解いていきます。シナリオはSCA-自が担当し、哲学やクトゥルフ神話のモチーフを取り込んだ作風で知られます。ケロQのデビュー作にあたります。
「三大電波ゲー」とは?
『さよならを教えて』『ジサツのための101の方法』『終ノ空』の3作を指して、ファンの間で慣用的に呼ばれてきたくくりです。登場人物の独白や妄想を前面に押し出した、独特の異様な語り口を持つアドベンチャーゲームを総称した呼び方で、終ノ空はその一角として語られることが多い作品です。
『素晴らしき日々』とはどんな関係?
同じくSCA-自が手がけた2010年の作品『素晴らしき日々 〜不連続存在〜』は、終ノ空の素材を再構築・発展させる形で生まれた、実質的な発展版にあたります。世界観や事件、一部の人物が両作に共通しており、終ノ空は「『素晴らしき日々』の前身・原型」として語られます。すばひびをきっかけに終ノ空へ遡るプレイヤーも多くいます。
ルート構成はどうなっている?
同じ事件を、間宮卓司・若槻琴美・水上行人・高島ざくろ・音無彩名という複数の人物の視点から描く5ルート構成です。それぞれの視点が並行する同じ時期の出来事を異なる角度から照らし、読み進めるうちに事件の全体像が立ち上がってくる作りになっています。選択肢は少なく、視点を切り替えながら読み進めていく構成です。
主人公は誰?
視点となる人物が複数いるのが本作の特徴ですが、物語の中心に立つのはイジメに耐える間宮卓司と、彼の同級生で観察者的な立場の水上行人です。卓司は壁の落書き「リルル」に独り言を語りかける孤独な少年、行人は屋上で哲学書を読む怠惰を装った思索家として描かれます。ほかに琴美・ざくろ・音無の視点も用意されています。
remake版とは? 版の違いは?
1999年発売の原作版はWindows 95/98対応。グラフィックを刷新したリメイク版「終ノ空 remake」が2020年の『素晴らしき日々 10th Anniversary 特別仕様版』に同梱される形で登場し、さらに新規シーン・CGを加えた「終ノ空 remake -2025ver-」が2025年の『素晴らしき日々 15th Anniversary Edition』に収録された。いずれもパッケージへの同梱で、終ノ空単体での販売ではない。
ボイスはある?
1999年の原作版にはボイスはありません。テキストを読み進めるノベル系のスタイルの作品です。なお、後年のリメイク版(remake -2025ver-)ではボイスが新たに付けられています。本サイトのレビューやデータは原作版を基準としています。
哲学やクトゥルフ神話の要素とは?
作中にはカント『純粋理性批判』、ヴィトゲンシュタイン『論理哲学論考』、キルケゴール『死にいたる病』、ニーチェの永久回帰といった哲学的なモチーフが随所に引かれ、登場人物の対話や独白を彩ります。あわせて、ラブクラフトに由来するクトゥルフ神話の語(這い寄る混沌=ナイアラトテップ等)も、不安や混沌のイメージとして取り込まれています。いずれも一般的な引用として作品の雰囲気づくりに用いられています。
シナリオを書いたSCA-自はどんな人物?
終ノ空でプロデビューしたシナリオライター兼原画家で、本作ではシナリオ・原画・企画を一人で担いました。その後『素晴らしき日々 〜不連続存在〜』(2010年)、『サクラノ詩』(2015年)、『サクラノ刻』(2023年)などを手がけ、現在(2026年6月)もケロQ・枕で活動を続けています。終ノ空は彼の出発点となった作品です。