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ストーリー詳細 — WHITE ALBUM

WHITE ALBUMは6ヒロイン+男性2ルートの計8ルート構成。週単位のスケジュール選択によってルートが分岐し、各ヒロインに固有のエンディングへ到達する。▼ネタバレ詳細はアコーディオン内に格納されています。プレイ済み設定をすると自動展開されます。

ゲームシステムとルート構造

WHITE ALBUMは「約束システム」と呼ばれる週単位スケジュール選択型のパラメーターADVである。プレイヤーは毎週、誰と過ごすかを約束番号(1〜59番)から選択し、各ヒロインとの親密度・信頼度パラメーターが変動する。学園祭(10月)、クリスマスライブ(12月24日)、音楽祭(年明け)、春先という4つの時間軸を経て、週ごとの選択が積み重なって最終的なルートへと収束する構造をとる。

ルートは6ヒロイン(由綺・理奈・はるか・美咲・マナ・弥生)と男性キャラクター2名(彰・英二)の計8系統。各ルートにエンディングが1〜2種あり、全体では10のエンディングが存在する。True/GoodエンドとBitter/Friendエンドの二項が基調となっており、いわゆるハッピーエンドではなく「苦くて甘い終着点」が多い。

共通ルート

物語は1986年の秋、蛍ヶ崎学園の大学部から始まる。主人公・藤井冬弥の恋人・森川由綺がアイドルとしてデビューし、二人の距離が広がっていくところから共通ルートが展開する。

冬弥はTV局のアシスタントディレクター(AD)としてアルバイトをしており、そこで由綺の先輩アイドル・緒方理奈や、緒方プロダクション社長の英二と接点を持つ。由綺はテレビに映るアイドルとしての顔と、冬弥の前での普通の女の子という顔を持ち、その二つの顔の乖離が物語全体の通奏低音として流れる。

学園祭(10月30日)では冬弥と由綺が同じ大学にいることが改めて確認され、幼なじみのはるかや先輩の美咲、家庭教師先の生徒マナとの関係が動き始める。由綺のバックには英二の存在が常につきまとい、冬弥への接触を遮断しようとする「囲い込み」が徐々に進行する。クリスマスライブ(12月24日、由綺の誕生日)に向けて各ヒロインとの関係が分岐点を迎え、週ごとの選択によってそれぞれのルートへと収束していく。

「会いたいときに会えない」 — 本作のキャッチフレーズ的モチーフ。ブラウン管の向こう側に映る由綺と、日常に生きる冬弥の物理的・心理的距離の拡大を象徴する。

由綺ルート — ふたりだけの音楽祭 TRUE / Good

冬弥の恋人でもある新人アイドル・森川由綺のルート。英二との関係に揺れながら、最終的に冬弥への想いを選ぶ。本作における最もストレートな「幸福な結末」に近いエンド。

由綺はアイドル活動が忙しくなる中で英二に近づかれ、ある夜「気がついたら私…私、緒方さんと…キス…してて…」と冬弥に告白する。英二からの一方的な「愛してる」という言葉と、思わずキスを許してしまった自分への混乱と罪悪感を抱えながらも、由綺は正直に冬弥の部屋へ駆け込む。

由綺ルートでは冬弥との絆が保たれ、音楽祭の舞台へ向かう由綺が「冬弥君の為に、歌うんだから…!」と宣言する場面がクライマックスとなる。音楽祭では二人の関係が再確認され、由綺のパフォーマンスが「ふたりだけの音楽祭」という個人的な意味を帯びる。英二という巨大な存在に翻弄されながらも、アイドルとしての顔と冬弥への想いの両方を諦めないという選択がこのルートの核心にある。

「冬弥君の為に、歌うんだから…!」(森川由綺 — 音楽祭前夜)

理奈ルート GoodBitter

由綺の1年先輩でトップアイドルの緒方理奈のルート。英二の実妹という複雑な立場を持ち、文学趣味・自作詞という内面的な顔が徐々に明かされる。2つのエンドがある。

理奈は「SOUND OF DESTINY」を自ら作詞しており、文学・映画への造詣を冬弥との会話でさらけ出す。兄・英二の管理下に置かれながらも自分の表現を追求するアイドルとして描かれる。音楽祭で最優秀賞を受賞した直後に引退を発表するという驚愕の行動がルートのクライマックスとなる。

海岸エンド(Good): 引退後に冬弥と海岸を訪れた理奈が、水着で「普通の女の子」として笑う場面で終わる。トップアイドルというステージから降りることで初めて獲得できた素顔と自由が象徴されたエンドで、苦さより甘さが勝る結末。

深夜の駅エンド(Bitter)「独りの夜の電話(理奈版)」: 理奈は引退せずアイドル活動を続ける道を選ぶ。冬弥との関係は明確な形を取らず、後日深夜に電話がかかってくるというビタースウィートな終幕。二人の距離は縮まりも広がりもしない、宙吊りの状態が示される。

音楽祭最優秀賞受賞と同時の引退宣言 — 理奈にとって「勝った瞬間にやめる」ことが唯一の自己表現だった。

はるかルート GoodBitter

幼稚園来の幼なじみ・河島はるかのルート。元テニス選手で、兄の事故死をきっかけに競技を断念した過去を持つ。2つのエンドがある。

はるかと冬弥は幼稚園から同じ学校に通う幼なじみで、はるかは冬弥への想いを長年抱えてきた。兄がテニス中の事故で亡くなったため競技を辞めた経緯があり、その喪失感と向き合いながら冬弥との関係を育てる。物語の中盤、共同浴場での場面で二人は結ばれる。

青空エンド(Good)「時期遅れのクリスマス」: 春になってから二人がクリスマスを改めて祝う。冬弥との関係が実を結び、春先の口づけで締めくくられる穏やかなエンド。「時期遅れ」というタイトルが、二人のすれ違いと遅れた再出発を象徴する。

送り出しエンド(Bitter)「春先のサイクル」: はるかは冬弥に「由綺のところに行け」と告げ、自ら身を引く。自分より由綺を優先する冬弥の姿を見届けながら、春先のサイクルの中に独り戻っていく。はるかの自己犠牲が際立つビタースウィートな結末。

「由綺のところに行け」(河島はるか — 春先の別れ)

美咲ルート — WHITE ALBUMを聴く春 Bitter

大学1年先輩の澤倉美咲のルート。料理・裁縫が得意で、由綺が高校時代から慕う先輩でもある。本作でも特に複雑な人間関係が交錯するルート。

冬弥はクリスマスイヴに由綺のライブを諦めて美咲を部屋に呼ぶ。美咲は冬弥に処女を捧げるが、後日由綺に「全てを打ち明ける」。由綺は美咲から事情を聞き、冬弥との関係で傷つきながらも身を引く。美咲エンドでは翌春、由綺と美咲が二人でひっそりと『WHITE ALBUM』(アルバム)を聴きに行く場面で締めくくられる。

冬弥・美咲・由綺の三角形が崩れた後の静けさが漂う結末で、誰も明確な形で幸福になっていないが誰も完全に破滅もしていない。由綺と美咲が並んでアルバムを聴くという場面は、その複雑な感情を全て引き受けたような静謐さを持つ。

春先、由綺と美咲が並んで『WHITE ALBUM』を聴く — 三角関係の終着点に置かれた二人だけの沈黙。

マナルート — 由綺のところへ Good

冬弥の家庭教師先の生徒・観月マナのルート。高校3年生で父は海外赴任中・母は不在の独居状態。孤独を抱えながらも積極的に冬弥へ近づく。

マナが冬弥を家庭教師として雇った本当の理由は「監視役」、すなわち親への当てつけと孤独感の埋め合わせにある。積極的な行動で冬弥と関係を深め、処女を捧げるが、その後「お姉ちゃんから横取りできない」という言葉を残し独り暮らしを始める。ここでの「お姉ちゃん」は由綺を指しており、マナが由綺に一種の姉妹感情を抱いていたことが示される。

エンドでは「絶対に藤井さんのところに行くんだから」と冬弥に向けた宣言を残しながら去っていく。タイトル「由綺のところへ」が示すように、マナの選択は由綺と冬弥の関係を守る形での離別である。マナ自身の孤独は解消されないまま終わるが、その行動には自分なりの誠意が込められている。

「絶対に藤井さんのところに行くんだから」(観月マナ — 独り暮らしへ旅立つ前)

弥生ルート — 契約の冬 Bitter

由綺専属マネージャー・篠塚弥生のルート。24歳前後の辣腕マネージャーで、感情を封じた冷たい外面を持つ。本作で最もダークで、愛の不在をテーマにしたルート。

弥生は冬弥に「私は藤井さんを愛してはおりません」と明言したまま、愛情のない身体だけの関係を「公平な取引(契約)」として強要する。二人の関係に恋愛感情はなく、弥生にとってはある種の支配と合理性の産物として描かれる。

ルートの深部で、弥生が由綺に対して同性愛的な感情を抱いていることが明かされる。弥生の冬弥への行動は由綺への感情の裏返しであり、由綺を守ることと由綺を手放せないことが混在した歪んだ形で示される。エンドでは「藤井さんも、独りぼっち。私も独りぼっち」という乾いた笑顔とともに締めくくられる。二人は孤独を共有するが、それが連帯にはならない終わり方をする。

「私は藤井さんを愛してはおりません」(篠塚弥生 — 関係の始まりに)
「藤井さんも、独りぼっち。私も独りぼっち」(篠塚弥生 — エンド)

彰・英二(友情ルート)Friend

小学校来の親友・七瀬彰と、ライバル的存在の緒方英二による友情ルート。ロマンスではなく男同士の関係性が焦点となる2ルートをまとめて収録。

彰ルート「雪の降らない初詣」: 七瀬彰は美咲を密かに想っているが、冬弥には明かさないまま二人で正月の初詣に向かう。初詣はやめてカラオケへと流れる結末で、二人の間に恋愛的な変化は起きない。雪のない正月という場面の乾いた空気感が、まだ何も動かない友情の現状を静かに描く。

英二ルート「アルバムは閉じない」: 緒方英二は緒方プロダクション社長にして元天才ミュージシャン、由綺・理奈を抱える業界の巨人。冬弥に「いずれ勝負はつくさ」「感情は抑えておけよ、青年」と言い放ち、物語全体で対立軸を担う。友情ルートでは正月深夜に電話で「俺達、ちょっとだけ似てますね」という言葉を冬弥に告げ、ライバルとしての共鳴が示される。「アルバムは閉じない」というエンド名は、英二と冬弥の関係がまだ続いていることを示す。

「いずれ勝負はつくさ」(緒方英二)
「俺達、ちょっとだけ似てますね」(緒方英二 — 正月深夜の電話)

エンディング一覧

種別 エンド名 ルート 結末概要
TRUE ふたりだけの音楽祭 由綺 音楽祭で冬弥のために歌う由綺。二人の絆が再確認される。
Good 失われた海岸線 理奈 引退後の理奈が海岸で普通の女の子として笑う。
Bitter 独りの夜の電話(理奈版) 理奈 活動継続を選んだ理奈から後日深夜に電話がくる。
Good 時期遅れのクリスマス はるか 春先に遅れたクリスマスを二人で祝い、口づけで終わる。
Bitter 春先のサイクル はるか 「由綺のところに行け」と身を引くはるか。
Bitter WHITE ALBUMを聴く春 美咲 由綺と美咲が春先に二人で静かにアルバムを聴く。
Good 由綺のところへ マナ 「絶対に行くから」と宣言して独り立ちするマナ。
Bitter 契約の冬 弥生 「二人とも独りぼっち」という乾いた笑顔で終幕。
Friend 雪の降らない初詣 初詣をやめてカラオケへ流れる、静かな友情エンド。
Friend アルバムは閉じない 英二 ライバルとしての共鳴。「俺達ちょっとだけ似てますね」。