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ストーリー詳細 — 悠久幻想曲

『悠久幻想曲』は、街の人々との日々を積み重ねて信頼を勝ち取っていく育成型の恋愛/生活シミュレーション。プレイヤーが名前を決める主人公が、ファンタジー都市エンフィールドの雑貨店に住み込みで働きながら、無実を証明するための1年を過ごす。ここでは、その中心にある「濡れ衣と再審」の筋立てと、仲間一人ひとりに用意された「そして、◯◯は…」の結末までを、真相を含めて追う。 ▼ネタバレ詳細 には各フィナーレの結末が含まれます。 プレイ済み設定をするとアコーディオンがデフォルトで展開されます。

システムと物語の結節点 — 濡れ衣と再審

本作は、街を歩き、人の頼みごとを引き受け、好感度を積み上げていく育成シミュレーションだ。ただし、その「街の信頼を集める」という行為には切実な理由が用意されている。主人公は無実の罪を背負っており、1年のうちに人々の信頼を得て再審にこぎつけ、身の潔白を証明しなければならない。育成のパラメータ稼ぎが、そのまま自分の運命を左右する筋書きと直結しているのが本作の骨組みである。

行き倒れの青年に着せられた濡れ衣:主人公はエンフィールドに流れ着き、行き倒れていたところを雑貨店ジョートショップの店主アリサに助けられる。だがその直後、フェニックス美術館の盗難事件の犯人に仕立て上げられ、自警団に逮捕されてしまう。身に覚えのない罪であり、主人公は「濡れ衣を着せられて、罪に落とされようとしている」立場に置かれる。

1年で信頼を集め、再審で無実を証明する:主人公はアリサのジョートショップで住み込み従業員として働きながら、街の人々の頼みごとを何でも引き受けていく。目的は、1年かけて街じゅうの信頼を勝ち取り、「再審請求」を支持してもらって無実を証明することだ。もし1年で無実が証明できず、再審そのものも行われなければ、待っているのは追放か終身刑、そしてアリサの店の廃業である。

「1年後に無実が証明されなかったり、あるいは再審そのものが行われなかったら…アリサさんのお店は潰れて、俺は追放か終身刑のどっちかに…」
— 主人公が背負う期限の重さ

執拗な好敵手アルベルト:自警団員のアルベルトは、主人公を犯人と決めつけて疑い続け、事あるごとに陥れようとする。誠実に街へ尽くそうとする主人公にとって、彼は最後まで立ちはだかる壁である。一方、自警団隊長で武器店主でもあるリカルドは、この1年で店を支えてきた主人公の判断力・行動力・統率力を見込み、次第に信頼を寄せていく。

好感度育成=街の信頼、というシステムの意味:クライマックスは、役所ホールで開かれる「フェニックス美術館盗難事件 再審請求支持率調査」だ。ここで集まる支持の多寡に、主人公の運命とアリサの店の存続がかかる。プレイヤーが日々こなす「各キャラの好感度を上げる」という育成行為は、そのまま「街の人々の信頼を集める」ことを意味し、この再審支持へと結実する。誰か一人と深く結ばれることも、街全体から信頼を勝ち取ることも、同じ1年の積み重ねの上にある。ここに本作の育成システムと物語の結節点がある。

ジョートショップを拠点にした群像劇

本作は厳密なルート分岐型ではなく、雑貨店ジョートショップを拠点に、街を巡って仲間一人ひとりのイベントを消化していく好感度型の構成をとる。誰と多くの時間を過ごすかによって、1年の終わりに到達するフィナーレが決まる。

二つの社交ハブ:物語の舞台は、主人公の職場であるジョートショップ(アリサ・テディ)と、看板娘パティや元女戦士リサのいる食事処サクラ亭という二つの拠点を軸に展開する。ここにアレフ由羅トリーシャらが出入りし、街の何でも屋集団としての群像が形づくられる。

種族や出自に根ざした事件:仲間たちの悩みは、その種族や過去に根ざした事件として描かれる。獣人族の生き残りであるピートの人狼化、前世が邪竜族であるエルの覚醒の悪夢、亡霊の剣士紅月にまつわるリサの復讐など、主人公が事件に寄り添って解決していく過程で、それぞれの心の傷が癒えていく。

この群像を貫くのは、仲間たちが自分の過去や弱さと向き合い、主人公との出会いを通じて前へ進んでいくという成長の主題だ。そしてその一つひとつの絆が、主人公の「街の信頼」を厚くし、再審を後押しする力にもなっていく。

恋愛成就のフィナーレ — 「そして、◯◯は…」

1年の終わり、最も深く関わった相手の「そして、◯◯は…」のフィナーレに到達する。女性の仲間たちとは、それぞれの過去や弱さを乗り越えたうえで恋が成就する。ここでは7人分の結末をまとめる。

エル — 邪竜化の悪夢を語り、心を開く

武器店で店番をするエルフのエルは、いつも無愛想で口が悪く、なかなか素直になれない。その心の奥には、前世が邪竜族であるという秘密がある。心の闇が暴走すると、周囲を凍りつかせる巨大な化け物に変貌する。エルはその悪夢に長く苦しんできた。フィナーレで彼女は、化け物になっても逃げずに手を差し伸べてくれるのは主人公だけだと打ち明ける。みんなが逃げていくのに、一人だけ逃げない相手がいる。その事実が、彼女の凍った心を溶かしていく。

「本当は…みんな好きなんだ。おまえも、テディも…そう、あの小生意気なマリアだって、本当は…みんな大好きなんだ。」「それだけ、わかっておいて欲しくてさ…特におまえには…。」
— エル、不器用に心を開いて

シェリル — 自作の恋愛小説に託した告白

あがり症で内向的な読書家シェリルは、小説家を志して物語を書き続けてきた。フィナーレで彼女は、書き上げた自作の小説を本にして、真っ先に主人公に読ませる。その登場人物は仲間たちがモデルで、主人公と結ばれるヒロイン「シェル」はシェリル自身。「こうなったらいいなと思っていたことをそのまま小説にした」のだと明かし、本と一緒に自分の気持ちを差し出す。

「この本と一緒に…私の気持ち…受け取ってくれますか…?」
— シェリル、小説に想いを託して

シーラ — ピアノ留学を決断し「待っていて」

裕福な家の箱入り娘シーラは、親に言われるまま始めたピアノに向き合いながら、自分は何のために生きているのかを問い直す。1年、自分のために懸命に生きる仲間たちを見て、彼女は本当にピアノが好きなのだと再確認する。フィナーレでローレンシュタインへの留学を決意し、主人公に想いを告げて4年後の再会を約束する。臆病だった少女が、自分の足で一歩を踏み出す遠距離の結末だ。

「だから…私のこと、待っててくれない…かな?私、絶対にプロのピアニストになってエンフィールドに帰ってくるから!!」
— シーラ、留学を前に

パティ — 1年前の喧嘩を越えて

サクラ亭の看板娘パティは、口が悪く意地っ張りで、1年前に主人公と大喧嘩して以来ずっと辛くあたってきた。フィナーレで二人きりになると、本当は主人公だけが悪いわけではないと分かっていたのに、意地を張って態度を変えられなかったのだと打ち明ける。「あたしのホッペタひっぱたいていいよ、それで今までのこと帳消しにして」と申し出るパティに、主人公は「ひっぱたくかわりに、ホッペタにキスしてもいい?」と返し、二人は相思相愛になる。

「ねえ、あたしのホッペタ…ひっぱたいていいよ。それで、今までのこと帳消しにして…。」
— パティ、意地っ張りの裏の本音

マリア — おまじないに頼らず、自分の言葉で

魔法至上主義のわがまま少女マリアは、かつて主人公から「おまじないに頼らず自分の口で気持ちを伝えろ」と助言されたことを胸に刻んでいた。フィナーレで彼女は、おまじないの力を借りず、自分の言葉で「あんた、マリアのこと好きでしょ!マリアも好きなの!」と告白する。主人公は手におえない妹のように見ていたと戸惑うが、「妹じゃヤだ」と訴えるマリアに、時間をかけて向き合っていくと誠実に応える。

「あんた…マリアのこと好きでしょ!!」「でしょでしょ!!マリアも好きなの!」
— マリア、自分の言葉で告白を実行して

メロディ — 手編みの帽子と「ふつうとちがう『すき』」

時々猫のような言動をとる、種族不明の不思議な少女メロディ。いつも主人公に本を読んでもらい、遊んでもらってきたお返しにと、由羅に相談しながら自分で手編みの毛糸帽子(猫耳が出せる穴付き)を作って贈る。そして、ずっと変な気持ちで、いつも主人公のことばかり考えていると打ち明ける。由羅から教わった「これは恋」という言葉を頼りに、「ふつうとちがう『すき』が『こい』なのかな」と、初めての恋心を素朴に自覚する。

「ふつうとちがう『すき』が『こい』なのかなぁ…。」
— メロディ、初めての恋を自覚しかけて

リサ — 憎しみを手放し「剣と盾の誓い」

元女戦士リサは、弟を殺した相手が、満月の夜に現れる不死身の亡霊剣士・紅月だと知る。紅月は50年前の大戦で、占領された街の恋人を救おうとして戦死し、想いと闘争本能だけを残して亡霊化した悲哀の剣鬼だった。実体なき亡霊ゆえ、傷を負わせても倒せない。賢者カッセルは「憎しみを捨て、汝の敵を愛せ」と諭す。弟の仇を許せるかと苦悩したリサは、最終的に憎しみを手放し、紅月を成仏させる。フィナーレでは紅月を弔いながら、主人公に戦士の義兄弟の契りである「剣と盾の誓い」を申し出る。恋愛の告白とは形が違う、背中を預け合う相棒の絆として結ばれる結末だ。

「私はどんな時でもあなたの背中を守ってあげる。だから、今まで誰にも預けたことの無かった私の背中を、守ってはくれない?」
— リサ、剣と盾の誓いを申し出て

友情・成長のフィナーレ

本作のフィナーレは、恋愛の相手だけに用意されているわけではない。男性の仲間や好敵手にも「そして、◯◯は…」の結末があり、それぞれが友情・成長・進路の節目を迎える。1年をともに過ごした仲間全員に到達点が開かれているのが本作の特徴だ。

アレフ — 鍵束を埋めて改心する

街一番のナンパ師を自負するアレフは、付き合った女性の家の鍵をコレクションする軽薄な男だった。フィナーレで彼は、多くの女性を求め続けてきたのは、要するに寂しかったからだと気づく。心の空白を埋めるために大勢と付き合っていたのだと。鍵束を公園に埋めて改心し、この1年でようやく本当の仲間を得たと語る。細かい性格まで急に変わるわけではないという軽妙なオチも付く。

「この1年、おまえらと過ごしたおかげで、本当の仲間ができた…もう孤独を感じなくなったんだ。だから、これは捨てる。」
— アレフ、鍵束を埋めて

クリス — 由羅への告白

女性アレルギーで、女性を前にすると取り乱してしまう気弱な少年クリス。彼を溺愛する年上の女性・由羅に、いつも逃げ回ってきた。フィナーレでは、主人公の後押しを受けて由羅に向き合う。「ガツンと言ってやる」つもりが、いざ本人を前にすると本心が漏れ、「…好きです」と告白する。由羅は「…知ってるわ」と余裕で受け止め、長年の想いが実る。女性への恐れを乗り越え、クリスが一歩大人になる結末だ。

「…好きです。」「…知ってるわ。」
— クリスの告白と、由羅の返答

ピート — 人狼でも受け入れられ、正式社員に

サーカスの怪力少年ピートは、自分が満月の夜に人狼化する獣人族の生き残りだと知り、蒼ざめる。医師トーヤ人狼の変身を抑える協力を得ながら、自分の宿命と向き合っていく。フィナーレで彼は、あんなおっかない獣人だから心の底では怖がられているかもしれないと不安を吐露するが、変身しても中身は変わらないと仲間に受け入れられる。喜んだピートは、ジョートショップの正式社員になる。

「ホントに?ほんとにオレ、嫌われてない?」「やったーーー!!じゃあ、オレ、ジョートショップの正式社員だね!」
— ピート、受け入れられた喜びを

アルベルト・リカルド — 好敵手と進路

好敵手のアルベルトのフィナーレでは、「決闘」と称して主人公と殴り合う。それは、リカルドの後継の座を巡る対抗心の裏返しでもある。当初は主人公を執拗に疑っていた男が、いつしか力を認め合う相手になっているのが、この決着だ。一方リカルドのフィナーレでは、彼が主人公の判断力・行動力・統率力を高く買い、自警団への入団を勧める。だが主人公は「どんな仕事にも意義があり、誇りがある」として、ジョートショップの仕事に誇りを持ってきたのだと語り、店に残る道を選ぶ。

「仕事に…誇りのあるなしなんて関係ないよ…。俺はどんな仕事にだって、意義があるし、誇りがあるもんだと思ってる…。」
— 主人公、自警団の勧誘を断って

フィナーレ一覧

各キャラに固定のフィナーレ「そして、◯◯は…」が用意された育成型の構成。到達条件は、1年のあいだに積み上げた各キャラの好感度に依存する。女性の仲間は恋愛成就、男性の仲間や好敵手は友情・成長・進路の結末を得る。作中に公式の分類名は示されないため、下表はキャラ名で呼称し、内容から系統を整理して掲げる。

フィナーレ 系統 結末概要
恋愛成就(女性の仲間)
そして、エルは… 恋愛 前世が邪竜族で、暴走すると化け物になる悪夢を語る。逃げずに手を差し伸べる主人公に救われ、素直に心を開いて結ばれる。
そして、シェリルは… 恋愛 自作の恋愛小説を本にして主人公に読ませ、主人公と結ばれるヒロインは自分だと明かして気持ちを伝える。
そして、シーラは… 恋愛(遠距離) 本当にピアノが好きだと再確認し、ローレンシュタインへの留学を決断。「待っていて」と告げ4年後の再会を約束する。
そして、パティは… 恋愛 1年前の喧嘩の意地を解き、頬へのキスをめぐる甘いやり取りを経て相思相愛になる。
そして、マリアは… 恋愛(保留) おまじないに頼らず自分の言葉で告白。主人公は時間をかけて向き合うと誠実に応える。
そして、メロディは… 恋愛 手編みの帽子を贈り、主人公への「ふつうとちがう『すき』」が恋だと素朴に気づく。
そして、リサは… 紅月への憎しみを手放して成仏させ、主人公と「剣と盾の誓い」を交わす。背中を預け合う相棒の絆として結ばれる。
友情・成長(男性の仲間)
そして、アレフは… 友情・成長 女性の鍵束コレクションを埋めて改心。寂しさを埋めるための恋を卒業し、本当の仲間を得たと悟る。
そして、クリスは… 友情・成長 主人公の後押しで、苦手だった由羅に「好きです」と告白。女性への恐れを乗り越える。
そして、ピートは… 友情 人狼の自分が嫌われていないか不安を吐露するが、仲間に受け入れられジョートショップの正式社員になる。
好敵手・進路
そして、アルベルトは… 好敵手 「決闘」と称して殴り合い、リカルドの後継を巡る対抗心を燃やす。疑いから力を認め合う関係へ。
そして、リカルドは… 進路 主人公を自警団に勧誘するが、主人公は仕事への誇りを語ってジョートショップに残る道を選ぶ。