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キャラクター詳細 — この世の果てで恋を唄う少女YU-NO

有馬たくや

有馬たくや ありま たくや 主人公
有馬たくや
読みありま たくや
役割主人公。境町学園の3年生
年齢現代編の時点で18歳(亜由美の「たくやクンも、もう18ですものね」)。自分を「未成年」とも言う。異世界編では4年以上を過ごし、そのぶん年を重ねる
CVボイスなし(PC版)
外見いつもボサボサの髪(澪の言葉)

境町学園の3年生。父の死のあと荒れて、担任を殴り、授業をさぼり、剣道部も辞めた。屋上で昼寝ばかりしていて、「歩くリビドー」とあだ名される。父に昔から鍛えられた剣道の腕があり、中学を退学したあと、父の友人の龍蔵寺の学園を紹介されて入った。

実の母の顔は覚えていない。写真は父が「過去との決別」と言って全部焼いた。父・有馬広大の死亡認定を「落石で生き埋めだとさ。生存の可能性はゼロ。」と受け流し、絵里子の気遣いもはぐらかす。軽口と下品な冗談で人との距離をとるが、追い詰められると素直に弱音を吐く。継母の亜由美には、母として見ようとする気持ちと、女性として意識する気持ちの間で揺れている。

物語の主人公であり、プレイヤーが動かす視点人物。父から届いた装置で、分かれていく世界を行き来しながら、父の行方と町の秘密を追っていく。

世界を渡るうちに、たくやは「俺は俺であって俺じゃない可能性がある」ことを自覚していく。別の世界から来た自分は、いずれその世界から引き離される。美月の章でも澪の章でも、美月はたくやに「あなたはたくやであって、たくやではない」と告げて死ぬ。澪の章の先へ進む世界では、たくやは澪に自分が「別の並列世界からやってきた人間」だと打ち明けて消える。

たくやが追ってきた答えは、実の母にあった。父の手記と亜由美の話によれば、母・恵子(ケイティア)は400年前に《デラ=グラント》から渡ってきた巫女で、リフレクターは巫女の神器だった。たくやはその母の子として、母の国である異世界へ渡る。

異世界では、帰る手がかりを失い、断崖から身を投げようとしたこともある。口のきけないセーレスに支えられて妻とし、娘ユーノの父になる。セーレスを近衛兵に奪われると、神帝に詫びさせると誓って帝都を目指し、採掘場で数か月を生き延びる。独房で出会ったアマンダとも結ばれるが、アマンダは最後の夜、龍蔵寺の手で次元の渦へ送られる。神奈の章の神奈は、このアマンダとの間の娘だと読める。最後は、儀式で次元の彼方へ消えるユーノに宝玉を渡し、必ず助けに行くと約束する。「運命なんてものはない!」と言い続けてきたたくやは、真の結末で、三角山のふもとでユーノと再会し、父が夢見た「正史の閲覧」、事象をさかのぼる旅へ、ユーノとともに出ていく。

亜由美の章、澪の章、神奈の章のそれぞれの結末では、たくやはその世界にとどまり、相手と一緒に生きていく道を選ぶ。どの結末も「これはこれで、1つの人生なのかもね‥‥。」で閉じられる。

シリアス系
「茶化さないでくれよ‥‥ただ、俺は俺であって俺じゃない可能性があるんだ。」美月の章。研究室で美月の誘いを断るとき
「違う。運命なんてものはない! 俺たちが、俺たち自身で未来を創るんじゃないのか!?」異世界編。運命を説く絵里子に
象徴的な台詞
「ここは俺んちで、セーレスは俺の妻だ!」異世界編。セーレスを連れ戻しに来た近衛兵に
「お前だけを‥‥この世の果てには行かせない。」真の結末。去ろうとするユーノに

有馬亜由美

有馬亜由美 ありま あゆみ 継母
有馬亜由美
読みありま あゆみ
役割たくやの継母。ジオ・テクニクスの主任
年齢明示なし(たくやは「まだ20代」と言い、夢の中の父は、たくやより「8つも年上」と言う)
CVボイスなし(PC版)
外見眼鏡。長い髪を後ろで結った三つ編み。小柄

父・広大の後妻で、結婚して半年で夫を亡くした。たくやとは血がつながっていない。ジオ・テクニクスの主任で、海岸の工事の設計と現場の責任者。大学院で設計工学を学び、龍蔵寺のゼミで広大と知り合って、自分から近づいた。若いころは「即断の亜由美」と呼ばれていたと本人は言う。

たくやの前では、明るくふるまう母親であろうとする。自分のことを「亜由美」と名前で呼び、緑とウサギと花が好き。酒は飲めない。夫を亡くした夜、自室で号泣していたことを、たくやは覚えている。落雷事故の責任者として世間に責められながら、会社と現場の間でひとり奮闘している。

亜由美の章。部下の豊富に落雷事故の責任を押しつけられ、機密書類を奪われ、役員会議で全責任を負わされて主任を解かれる。豊富は恩を盾に迫り、亜由美が書類を盗んだように見せかけていた。深夜、台所で「‥‥もう、限界だわ。」と泣き、たくやを「唯一の家族」と呼ぶ。浴室で手首にかみそりを当て、間に合わなかった世界では死ぬ。止められた世界では、自分を名前で呼んでいたのはたくやに女を意識させないためだったと打ち明け(のちに、眼鏡も結った髪も同じ理由だったと明かす)、「今だけ」の支えを求めて、たくやと結ばれる。亜由美ENDでは数年後、別の土地でたくやと暮らし、「女の幸せ」を口にする。先へ進む世界では、広大の研究を続ければ広大に会えるかもしれないと思っていたと話し、たくやの求婚に「‥‥うん。」と答えた直後、たくやを失う。

異世界編。社の夜、龍蔵寺がたくやに銃を向けたときに、亜由美も《デラ=グラント》へ飛ばされていた。たくやより1年早い5年前のことで、龍蔵寺の企みを知って追い落とし、帝都の行き過ぎた弾圧をゆるめるために「神帝」を名乗っていた。神帝とは統合コンピュータで、自分はその言葉を伝えるだけの「スピーカー」だったと言う。たくやに世界の成り立ちと、たくやの母が400年前の巫女だったことを明かす。最後の夜、龍蔵寺の短剣に刺され、「あの人が‥‥助けに来てくれたの」と言って死ぬ。たくやは「彼女はただ‥‥オヤジの野郎を愛していただけなんだ」と言い、真の結末で父は「亜由美は何人も存在し、そのどれもが亜由美なのだ」と語る。

シリアス系
「亜由美はね、辛かったのよっ、死ぬほどさびしかったのよっ。」亜由美の章。浴室で止められて
「亜由美を‥‥1人に‥‥しないで‥‥。」異世界編。最期の言葉
甘い・恋愛場面
「自分のことは、わざと名前で呼んでいたわ。あなたに、できる限り女を意識させないように‥‥。」亜由美の章。浴室のあとの告白
象徴的な台詞
「それから、彼の胸に飛び込んで、うんと泣いて‥‥それで抱きしめて、許してあげる。」亜由美の章。広大が生きていたらどうするかを話して

一条美月

一条美月 いちじょう みつき 学長の秘書
一条美月
読みいちじょう みつき
役割学長・龍蔵寺の秘書。補習の臨時講師
年齢明示なし(亜由美より「私の方が若いわよ」と言う)
CVボイスなし(PC版)
外見ショートカットに軽いウェーブ。スリーピースのスーツとタイトスカート

学長・龍蔵寺の秘書。以前はたくやの学校で歴史を教える非常勤講師で、広大の著書を授業のテキストに使っていた。今は講師を辞めて秘書に専念しているが、夏休みの補習には臨時の講師として来ている。龍蔵寺は大学時代の恩師で、亜由美とは同じゼミにいた。

たくやとは以前、内緒で付き合っていた。1か月ほど前に美月の方から突き放したが、気持ちはまだ残っている。一方で、妻と別居中の龍蔵寺に想いを寄せている。上品で落ち着いた大人の女性としてふるまう。

龍蔵寺が変わってしまったことに最初に気づき、たくやに調べる手伝いを頼む。屋敷の枯れ井戸のそばでたくやと結ばれ、「本気よ‥‥。」と言いかけて「教師と生徒だもの、無理よね」と自分から引く。だが研究室では、龍蔵寺が美月の想いにつけこんで関係を持つ。美月はやがて強い暗示にかけられ(ナイアーブ症状)、操られてたくやを刃物で襲い、弛緩剤のバッドエンドではたくやに注射しようとする。

美月は、たくやが渡るどの世界でも死ぬ。美月の章では、正体を現した偽の龍蔵寺の弾から、たくやをかばって死ぬ。澪の章では、龍蔵寺の命令で拳銃を向けながら「撃たなくてはならないわ‥‥だけど、撃ちたくない。」と苦しみ、雷発生装置の雷に打たれて死ぬ。どちらの最期にも、たくやが別の世界から来たことを知る言葉を残す。ロッカーの中で絵里子が「彼女はもうすぐ、いなくなる‥‥」と予告し、美月の死のあとには「この結末は、すでに定められたことだ。」と言う。美月の死は、変えられない「運命」として描かれる。

シリアス系
「先生に、私‥‥‥操られていたのかしら。」澪の章。雷に打たれたあと
甘い・恋愛場面
「私、やっぱりたくやのことが、忘れられない‥‥。」美月の章。夕方の研究室で
象徴的な台詞
「あなたはたくやであって、たくやではない‥‥。」美月の章。たくやをかばって撃たれたあと

島津澪

島津澪 しまづ みお 同級生
島津澪
読みしまづ みお
役割たくやの同級生。市長の娘
年齢18歳(本人の言葉と、学校の貼り紙)
CVボイスなし(PC版)
外見クリクリと巻いた長い髪(本人いわく「巻き貝みたいな髪の毛」)。リボン付きの制服

たくやの同級生で、どの科目も5位以内の校内トップの秀才。父は現職の市長で、高台の大邸宅に住むお嬢様。補習でたくやの隣の席になり、補習をさぼるたくやに口うるさく言う。気が強く、理屈っぽい。

古代史が好きで、たくやの父・広大の学説を尊敬している。行方不明の今川由利香のような研究者になりたかった。剣ノ岬(三角山)には何かを感じると言い、社の双子岩と文字盤をひとりで調べている。たくやに相談に乗ってほしいと持ちかけたことがあり、美月はそれを告白だと見ている。

以前、たくやと美月の関係を目撃して泣いた。本人はそれを「走る行為そのものの無意味さを悟ってしまって、あまりの悔しさに涙が出た」と言う。父の汚職をたくやにだけ打ち明けたのに、翌朝それが掲示板に貼られ、たくやを「みそこなったわ」となじる。貼ったのは結城だったが、のちに地下でそれを見抜く。父に1週間後のアメリカへの編入を告げられ、書き置きを残して家を出て、剣ノ岬の地下へ入る。

閉じこめられた地下の湖でたくやと再会し、死の恐怖の中で「生きてここから」出ると誓い合って、二人は結ばれる。途中で澪は「今日はやめにしない?」とためらうが、たくやは聞き入れない。美月と離れずに進んだ世界では、雷発生装置の放電の中でたくやに「澪、お前のことを愛してる。」と言われ、「‥‥わかったわ、信じる。」と答える。澪ENDでは数年後、大学の博士課程で歴史学を学び、助手のたくやと同棲しながら、三角山の秘密を解こうとしている。

シリアス系
「あなたは、個人的な約束より、社会正義を優先した‥‥そうでしょう?」澪の章。掲示板の貼り紙のあと
甘い・恋愛場面
「寂しいし、怖いけど‥‥有馬君が隣にいてくれるなら、少し暖かいわ。」澪の章。地下の湖で
象徴的な台詞
「そう、全部。だから、走るの。無意味でもいいの。意味があるかどうかなんて、後で考えればいいの。」澪の章。夜の海岸で

波多乃神奈

波多乃神奈 はたの かんな 転校生
波多乃神奈
読みはたの かんな
役割たくやのクラスメート。1か月ほど前に来た転校生
年齢明示なし。数十年を生きている(神奈END)。たくやと同じ3年のクラスにいる
CVボイスなし(PC版)
外見腰くらいまである長いストレートの髪で、前髪はおかっぱ。いつもヘアバンドをしている。ほとんど笑わない

1か月ほど前に境町学園へ転入してきた、たくやのクラスメート。クラスの誰ともほとんど話さず、真顔で冗談を言う(「私は宇宙人です。」)。ときどき熱を出しては保健室に休みに来る。海岸の工事現場に通い、作業員に運搬作業をやめるよう訴えている。麦茶が好きで、木々を見るのが好き。海は「嫌い」だと言いながら、いつも海を見ている。

マンションで一人暮らしをしていて、部屋にはテレビも電話もカーテンもない。学校では、年上の男たちと金で付き合っているという噂が立ち、中年の男・北条が身辺につきまとう。

首にかけた青白い石は「命の火」と呼ぶもので、これが無ければ生きられない。石は水に触れると変質する。神奈とその母は、幼いころは成長が早く、そのあとは普通の人よりずっと遅い。神奈ENDによれば、神奈は数十年を生きている。社で撮った古い写真には、岩が三つあったころの剣ノ岬と、明るく笑う幼い神奈が写っていて、たくやの見立てでは50年あまり前のもの。母は昔「異国の地」にいた人で、神奈ENDでは「異世界の人間」と書かれる。同じ個性のために母娘は一つの場所に住みつけず、神奈は書類で追えるだけでも10回以上、境町の周りの学園を転校していた。

母が誰なのかは、作中ではっきりとは言われない。異世界編の最後の夜、龍蔵寺はアマンダを巫女と取り違えて、50年ほどの誤差のある転移でたくやたちの世界へ送る。写真の母は鉄のような腕輪をしていて、アマンダは身につけた鉄の輪を誇りとして外さない。神奈は、父は死んだと聞かされていた。神奈の母はアマンダで、異世界でアマンダと結ばれていたたくやが父だと読める。

母を亡くしたあと、施設に入らず一人で暮らし、生きるために体を売るようになった。噂を否定せず、「おおむね正しい」と認めて自分から退学する。やがて広大と、神奈と同じ個性を持つ女性が神奈の暮らしを支えるようになり、広大の口座から毎月30万円が振り込まれていた。北条はこれを、広大が神奈を囲っていたと言うが、神奈にとって広大は「もう1人のお父様」だった。広大は旅立つ前、剣ノ岬を何も知らずに掘る者に警告すること、自分を捜しに来る息子への伝言、そして書斎の鍵を、神奈に託していた。海岸で運搬作業を止めようとしていたのは、そのためだった。

北条にネックレスを奪われると、取引の道具にさせないために自分で噴水へ投げ入れる。石を失った神奈は雨の林で身の上を語り、「じゃあ、抱けますか?」と問う。たくやは「君が、いとしいからだよ。」と答え、二人は結ばれる。たくやの誘いを受けて一緒に暮らすと約束するが、そのまま息を引き取る。たくやが別の世界から《超念石》を持ってくれば目を覚まし、神奈ENDでは数年後、OLとして働きながら、自分のマンションでたくやと暮らしている。先へ進む世界では、書斎の鍵を渡してたくやを送り出す。

シリアス系
「これでもう、交渉の道具には使えません。」神奈の章。明雲寺公園の噴水で
象徴的な台詞
「あれは‥‥私の責務というだけです。」神奈の章。いつも海を見ている理由を問われて
「いつまでも‥‥いつまでも‥‥全てが終わったら、また戻ってきて下さい。」神奈の章。書斎の鍵を渡して

武田絵里子

武田絵里子 たけだ えりこ 校医・担任
武田絵里子
読みたけだ えりこ
役割境町学園の校医。たくやと神奈のクラスの担任も兼ねる
年齢明示なし
CVボイスなし(PC版)
外見前髪で目元が隠れる長い髪を、後ろで結っている。白衣にくわえタバコ。ボディコンにミニスカート

赴任して2か月足らずの校医で、校医なのに担任にも回された。外国帰りで、「ヨーロッパの方」かと問われるとあいまいに答える。保健室にはめったにおらず、白衣のポケットに手を入れたまま、近くの武家屋敷の方へよく「散歩」に行く。最近は宿直を申し出ている。たくやの話を生徒扱いせずに聞き、学校を「しなやかな個性を持ち過ぎる子供たちを、矯正する場所」と言ってのける。

夜は前髪を上げ、ボディコンに着替えて、喫茶店[EVENING]で龍蔵寺と香織を見張る。神奈の章では、北条の雇い主に強い関心を見せ、「もしかしたら、私が追っていたヤツかも‥‥。」ともらす。明雲寺公園で北条からたくやを救い、北条の異常を、暗示によって操られる「ナイアーブ」の症状だと説明して連れ去る。美月の章では、研究室のロッカーの中でたくやの相手をし、「一条美月のことは、忘れるんだ‥‥」「彼女はもうすぐ、いなくなる‥‥」とささやく。龍蔵寺の屋敷の土蔵を調べて「ボロが出たな、学長‥‥いや、****!」と叫び、普通と違う銃を構える。美月の死を「すでに定められたこと」と言い、たくやを最初の場所へ戻す。

異世界編では、帝都の空き家をアジトにしてたくやとユーノをかくまい、正体を明かす。別の次元から来た「次元監査官」で、武田絵里子は偽名。本名に最も近い発音は「エィッリィククワッドゥロッウ」だという。追っていたのは、次元間移動装置で逃げるA級次元犯罪者、龍蔵寺を名乗る思念体だった。現代編の終わりで父の声も、龍蔵寺が「別の何か」であることを知っているのは、おそらく校医だけだと言う。最後の夜、思念体専用の銃で、肉体から離れた龍蔵寺の思念を撃ち倒し、宝玉をひとつユーノへ渡すようたくやに勧めて、自分の世界へ強制的に戻される。

保健室のベッドの下の硬い床で眠っていたとき、絵里子は「アーベル」という名を呼んでうなされ、「きっとヤツを捕まえて、私は‥‥‥。」「帰りたい、あの頃へ‥‥」と涙を流していた。寝ぼけたまま「あぁぁ‥‥アーベル、私の所に戻ってきてくれたんだね。」とたくやにキスをしたこともある。龍蔵寺は「私がね、彼女の大切なものを奪った」と言い、たくやは「恋人のカタキがうてて、満足だろうよ!」と怒鳴るが、絵里子自身はそれを認めていない。

シリアス系
「彼女は残念だった。だがこの結末は、すでに定められたことだ。」美月の章。美月の死のあと
「もしかしたら、私が追っていたヤツかも‥‥。」神奈の章。北条の雇い主について
象徴的な台詞
「まだ、教職というものに、慣れていないんだろう。」神奈の章。保健室で

朝倉香織

朝倉香織 あさくら かおり キャスター
朝倉香織
読みあさくら かおり
役割報道番組『ニュース・プレゼンス』の看板キャスター
年齢明示なし(たくやの見立てでは20代半ば)
CVボイスなし(PC版)
外見セミロングの髪。光り物を身につけ、服装はシック

夜の人気報道番組『ニュース・プレゼンス』のキャスター。海岸の落雷事故と、ジオ・テクニクスと市の癒着の噂を追い、工事責任者の亜由美を番組で問い詰める。シティホテルに住む。喫茶店[EVENING]で学長の龍蔵寺と「仕事の打ち合わせ」をしているところを、たくやに見られる。たくやを「坊や」と呼んでからかう。育児番組を持っていたこともある。

報酬を受けて龍蔵寺と組んでいる。一方で豊富の協力者でもあり、豊富の移籍先の会社からも依頼を受けている。ねらいは《超念石》を保存する液の生成式の書類と、石そのものだった。亜由美の章では、公園の密談を撮った写真を手に、亜由美の嫌疑を晴らす取引をたくやに持ちかける。

香織の章では、夜のジオ・テクニクスに忍び込み、女守衛から逃げる途中でたくやを巻き込む。亜由美のブルーカードを求め、たくやをシティホテルの1101号室に呼ぶ。カードを受け取ると、相手を信じるためだと言ってたくやと結ばれ、「パートナー」として研究所へ入る。広大にも何度かインタビューしていて、一度だけ関係を持ったという。研究所で《超念石》を前にすると、たくやを実行犯、亜由美をそれを指図した者に仕立てて去る。豊富は香織を「正体は産業スパイ同然なのさ」と言い、雇い主のことは「例の学校の‥‥」と言いかけて止められる。報酬で香織を雇っていたのは、学長の龍蔵寺だった。

象徴的な台詞
「私が相手にするのは、あくまで企業ベース。個人レベルの方々を不幸にしようとは思わないわ。」亜由美の章。たくやとの取引で
シリアス系
「実行犯はあなたで、それを指図したのが有馬亜由美さんということにならないかしら。」香織の章。研究所で

セーレス

セーレス せーれす 異世界の少女
セーレス
読みせーれす
役割異世界編で、たくやが最初に出会う女性
年齢明示なし
CVボイスなし(PC版)
外見金髪。白く透けるような肌。華奢

異世界編の始まりで、たくやが森の断崖で出会う金髪の女性。口がきけず、うなずき(コクン)と首振り(プルンプルン)と笑顔で答える。たくやが五十音を一字ずつ当てていき、名前が分かった。境町も剣ノ岬も知らない。子犬のようにたくやの後をついて回る。たくやは、どこかで見たことがあるような気がしている。

帝都の巫女だった。今の巫女は、神の言葉を授かるために自らの言葉を代償にした、とアイリアは言う。4年後には神デラ=グランティアが彼女の中に降りるとされ、アイリアは死の前に、その4年間ボーダーと巫女を守ってほしいとたくやに頼んだ。帰る道を失って荒れるたくやのそばに、黙っていつもいたのがセーレスだった。たくやに家事を教わってたくや以上に上手になり、たくやの妻となって、娘ユーノを産む。

4年目、戸棚から見つけたアイリアの古い手紙を、セーレスは鳥に運ばせる。それを受け取った帝都から近衛兵が来て、帝都では「ケアレス」と呼ばれていた彼女を、言葉を発し男と交わった堕落した巫女として連れ戻そうとする。セーレスは初めて言葉を口にし、たくやを助けるために舌を噛んで死ぬ。のちに亜由美は、セーレスは400年に一度捜し出される巫女で、殺す必要などなかったと語る。ユーノは、母は死んだのではなく「ユーノの心の中に入ってきた」と言う。

番外編「それゆけ、セーレス!」では、アイリアの死から1週間ほどのころ、帝都へ行こうとするたくやを引き止め、砂漠で姿を消す。心の声でたくやを導き、二人は結ばれて、たくやはセーレスと暮らしていくと決める。

シリアス系
「わた‥‥し‥‥‥。」異世界編。アイリアが怪物からかばって倒れたとき、一瞬だけ出た声
象徴的な台詞
「楽しかった‥‥いつまでも忘れない。」異世界編。近衛兵の前で初めて口にした言葉

ユーノ

ユーノ ゆーの タイトルの少女
ユーノ
読みゆーの
役割タイトルにある「YU-NO」の少女
年齢明示なし(たくやの世界の約4倍の速さで育つ)
CVボイスなし(PC版)
外見金髪のクセっ毛。成長すると母に似てきて、耳の先がとがる

タイトルの「YU-NO」の名を持つ少女。物語の後半、異世界編に登場する。

たくやとセーレスの娘。異世界に来ておよそ1年後に生まれ、名前は、たくやの「You know?」にセーレスが笑ったことから付けられた。《デラ=グラント》の生き物は幼年期が短く、ユーノもたくやの世界の約4倍の速さで育つ。たくやを「パパ」と呼んで慕い、森の生き物クンクンをかわいがる。母が近衛兵に奪われたあと、置いていこうとする父に「パパはユーノの命なの」と言い張ってついていく。

神殿の前で近衛兵にさらわれ、帝都で新しい巫女にされる。前の巫女セーレスが「言葉」を差し出したように、ユーノは「心」を差し出していた。祭壇の祈りで洗脳され、たくやに剣を向けるが、たくやに取り戻される。数か月のうちに見違えるほど成長していたが、たくやの目にはまだ子供のままだった。母は自分の心の中に入ってきたと言い、母に「パパをお願い」と頼まれた、と話す。

亜由美からすべてを聞き、儀式で自分が消えるかもしれないことを受け入れる。儀式の前夜、たくやの部屋を訪ね、「最後に‥‥パパと一緒になりたい」と求める。ずっと自分を覚えていてほしい、そうしたら儀式をやれると思う、と。たくやは親子だからと何度も退けるが、最後まで自分を待っていてくれと約束させて、その求めに応じる。儀式の日、ユーノは「助けに来てね、きっと」と言い、父から宝玉をひとつ受け取って、次元の彼方へ消える。

真の結末で、三角山のふもとに倒れていたユーノは「パパ‥‥会いたかった。長かったよ」と言う。グランティアの意識と触れ合ったこと、デラ=グラントは8千年前のこの場所へ落ちたことを告げ、自分は事象の流れに乗って去らなければならないと言う。たくやは離さず、二人で事象のはざまへ旅立つ。最後に見つけた木の芽に、ユーノは名前を付けようとする。

シリアス系
「パパのことなら信じられる‥‥愛してる人が信じられるから、強くなれる。」異世界編。儀式の前に
象徴的な台詞
「だけど、いつかは断ち切れるかも知れない、運命の鎖‥‥。」真の結末。三角山のふもとで
「そう‥‥この子の名前は‥‥‥‥。」真の結末。最後の台詞

その他の登場人物

龍蔵寺幸三

龍蔵寺幸三

りゅうぞうじ こうぞう 境町学園の学長

境町学園の学長で、広大の大学の同期の親友。広大・今川由利香との共著『LEGACY』がある。2か月ほど前に学校の斜め向かいの武家屋敷へ越してきて、年老いた母と暮らす。ガッシリした体つきで、たくやは「ヤクザの親分」のようだと思う。美月によれば、近ごろ禁煙家だったのに葉巻を吸い始め、家具を処分し、硬い床でしか寝ないなど、人が変わってしまった。キャスターの香織を雇い、興信所に広大の足取りを追わせ、広大の遺した物を探している。プロローグの夜、剣ノ岬でたくやに銃を向けた。

ネタバレ:今の龍蔵寺は本人ではない。正体は、次元の狭間をさまよう「思念体」で、絵里子が追うA級次元犯罪者だった。何万年も漂ううちに自分の名前を忘れ、事象の根源に近づこうとした科学者の体に入ってこちらへ来たと語り、真の結末で父は「親友であった龍蔵寺を手にかけ、なりすましていた、あやつ」と言う。本物の龍蔵寺は屋敷に監禁され、夜ごと助けを求めた姿がタタリの噂になり、やがて殺されたと絵里子は推理する。乗ってきた次元間移動装置が壊れたため、リフレクターと《超念石》を狙った。異世界では帝都に君臨しようとして亜由美に追い落とされ、城の地下に吊るされていた。最後の夜、亜由美をさらって刺し、デラ=グラントとたくやの世界を衝突させて絵里子から逃れようとするが、別の思念に入り込まれ、絵里子の銃で倒される。

有馬広大

ありま こうだい たくやの父・歴史学者

たくやの父で、高名な歴史学者。学会の異端とされ、約400年ごとに大変革が起きるという学説と、幻の民族「高ノ天原」の仮説を立てた。著書に『よくわからない歴史の本』、龍蔵寺・今川由利香との共著『LEGACY』。2か月ほど前、研究の取材中に落石で生き埋めになったとされ、1か月後に死亡が認定された。たくやに剣道を仕込んだ、古風で強烈な父。死後、たくやのもとに、自分が姿を消しても死を意味するものではないという手紙と装置が届く。

ネタバレ:手記によれば、剣ノ岬の近くで金髪で目の不自由な女性ケイティアと出会い、「恵子」と名付けて妻にした。恵子は《超念石》が無ければ生きられない体で、広大の目の前で自ら命を絶った。リフレクターは恵子が持ってきたもので、広大は8つの宝玉を探せと手記に残す。現代編の終わりでは、言葉のいらない世界から、たくやに歴史は積み重なるのだと語りかける。真の結末では、事象のはざまを漂う観察者として現れ、ユーノを「いい子だな」とほめ、たくやに事象をさかのぼる旅を託して、自分はブリンダーの木の観察者になると言う。

恵子(ケイティア)

けいこ たくやの実の母

たくやの実の母で、故人。父の手紙に添えられた鏡は恵子の遺品。たくやは母の顔を覚えていない。冒頭の夢には、目が不自由だと言われる女性が赤ん坊をあやす姿が出てくる。

ネタバレ:本名はケイティア。戸籍の無い、金髪で目の不自由な女性で、広大が「恵子」と名付けて妻にした。広大が仮定した民族[高ノ天原]の末裔と言える女性で、《超念石》(恵子は「命の火」と呼んだ)が無ければ生きられなかった。病死ではなく、「私は私ではない、そして次なる私のために、私は旅立たなくてはならない」と言い残して、広大の目の前で自害した。リフレクターは恵子が自分の国から持ってきたもので、亜由美によれば、恵子は400年前の《デラ=グラント》の巫女だった。そのため境町から一歩も出なかった。

結城正勝

結城正勝

ゆうき まさかつ たくやの後輩

たくやを「オヤビン」と慕う後輩。不良から助けられて以来、たくやの自称「手下」になった。いつも帽子とフード付きのパーカー姿で、同じ服を何枚も持っている。澪に惚れていて、「タタリ騒動」をきっかけに一緒に帰るようになった。

ネタバレ:澪の章で、澪の父の汚職を書いた貼り紙を掲示板に貼ったのは結城だった。澪と海岸へ行く約束をしていたのに、たくやと澪が並んで座っているのを見てしまったからだった。たくやは怒らず、好きな女を振り向かせたい気持ちを認める。結城を連れて剣ノ岬の地下へ入った世界では、結城は扉で分断されたあと穴に落ち、遺体で見つかる。

豊富

豊富

とよとみ ジオ・テクニクスの現場監督

ジオ・テクニクスの海岸工事の現場監督で、亜由美の部下。高価なスーツを自慢し、亜由美に言い寄る。たくやは「AV監督」と呼ぶ。

ネタバレ:亜由美の章では、亜由美の留守に鉱石の運搬を命じて落雷事故を招き、責任を亜由美に押しつける。ヤクザ風の男たちに亜由美の書類を奪わせ、自分が助けに入る段取りを組み、恩を盾に亜由美に迫る。機密書類を隠して亜由美が盗んだように見せ、書類を手土産に別の会社へ移ろうとしていた。「彼女は道具さ」と本心を口にし、香織に連れ去られる。

北条

北条

ほうじょう 興信所の調査員

神奈のマンションの前で待ち伏せていた中年の男。たくやの目には神奈の父親くらいの年に見える。ポマードで固めた頭で、いつも酒臭く、たくやを「兄さん」と呼ぶ。神奈とは顔見知りで、「知り合いだよ。いや、それ以上かな。」と言う。

ネタバレ:雇い主の依頼で広大の行方を追う興信所の調査員。雇い主の名は明かさないが、龍蔵寺だと読める(龍蔵寺は香織に、広大の足どりを興信所に追わせていると話している)。広大は生きていると見ていて、神奈は1年近く広大に囲われていた愛人だと言い、たくやに神奈の部屋へ盗聴器を置けと持ちかける。雇い主は、たくやが広大の形見の宝玉を持っていると知っていた。神奈のネックレスを奪い、明雲寺公園の林で神奈をナイフで脅して殴る。雇い主から借りた拳銃でたくやを撃とうとして倒れ、絵里子に連れ去られる。絵里子によれば、雇い主にかけられた「ナイアーブ」の催眠状態にあった。

今川由利香

いまがわ ゆりか 行方不明の研究者

数理学の研究者で、広大・龍蔵寺との共著『LEGACY』の著者のひとり。数か月前から行方不明になっている。書斎に残された論文が、リフレクターの取扱説明書になっていた。澪は今川のような研究者になりたかった。

ネタバレ:ACU(今川のいた大学)の研究助手だったころから、境町の磁場と重力場の異常に注目し、広大と共同で研究していた。広大から託された装置に「リフレクターデバイス」と名付けたのも今川だった。澪の章で、剣ノ岬の地下の玄室にミイラとなって見つかる。手帳には、閉じこめられて食料が尽き、5月22日に自ら命を絶つまでが記されていた。社の岩に彫られた印は、今川のサインだった。

梅

うめ 龍蔵寺の母

龍蔵寺の老いた母。龍蔵寺は痴呆症だと言うが、たくやには「土蔵をよくお調べなさい」「400年の時の秘密」と告げ、土蔵のカギを渡す。

ネタバレ:「あの女が来てから‥‥変わってしまったのよ」と怯えていた。美月の章で、土蔵の梁から鎖で首を吊った姿で見つかり、手には龍蔵寺の日記帳を握っていた。絵里子は、踏み台もなしに自分の背の倍の高さの梁へ鎖をかけられるはずがないと、他殺を見抜く。異常者のふりをしていたらしい。

アイリア

あいりあ 辺境の騎士

神帝に仕え、辺境の[ボーダー]を見張る騎士。長い髪で、耳の先がとがっている。病に伏せていたが、帝都から来た者かと剣を構えてたくやを迎える。

ネタバレ:断崖の向こうから来た怪物を一刀で倒すが、セーレスをかばって深手を負い、死ぬ。死の前に、4年間ボーダーと巫女セーレスを守ってほしいとたくやに頼み、帝都へあてた「巫女の確認と、騎士の引継ぎ」の書簡を残した。神はいないと考える妹がひとりいる、と言っていた。その妹がアマンダだった。4年後、セーレスがこの手紙を鳥で送ったことが、近衛兵を呼ぶことになる。

アマンダ

アマンダ

あまんだ 反乱勢力の指導者

神帝の退位を求める反乱勢力の指導者。赤毛のショートヘアで、一人称は「オレ」。レジスタンスの誇りの鉄の腕輪を外さない。

ネタバレ:採掘場の独房でたくやと出会う。巫女の儀式は神帝のでっち上げだと言い、「死なない限り負けない」という信条でたくやを生き延びさせる。アイリアの妹で、姉の死をたくやから聞いて泣き崩れ、たくやと結ばれる。のちに「ユーノのお母さんになるアマンダだ」と名乗る。最後の夜、儀式の間で龍蔵寺に巫女と取り違えられ、次元ホールで転移させられる。機械の声によれば誤差は最大「15億8千万秒」、龍蔵寺は「ざっと50年というところか」「あの巫女も、運が良ければ、君らの世界へ落ちているだろう。」と言う。神奈の母はアマンダだと読める(神奈の章)。

サラ

さら 帝都から来た女

ネタバレ:ラファエロ砂漠のオアシスで、たくやとユーノが出会う帝都の女。近衛兵から盗んだ服を売るつもりだった。帝都の反勢力と終末思想のことを話し、困ったらアマンダを頼れと言い残して、近くの集落へ去る。

クンクン

くんくん ユーノの飼う生き物

ネタバレ:コウモリのような羽を持つ女性が、たくやたちに託して死んだトカゲのような「子供」。ユーノが名付けて飼う。ノガルドという生き物で、採掘場で囚人に食べられかけたところをたくやに救われる。脱皮して女性の姿の成体になり、たくやとアマンダを抱えて帝都の近くまで飛んで力尽きる。最期に「アナタト‥‥イッショニ‥‥ナリタイ‥‥。」と言う。