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ネタバレゾーン — ラブひな スマイル・アゲイン

このゾーンにはネタバレが含まれます。
東大に合格した後のひなた荘を、ヒロインごとの独立したショートエピソード集として描く本作の構成、前作の闇鍋・白昼夢オムニバスを再録した「夢の物語」、なるの誕生日プレゼント騒動・みづほの告白・キツネの古酒をめぐる作戦・素子の看病・むつみの美人コンテスト・しのぶの恩返しといった各話の結末、原作漫画・アニメや前作『突然のエンゲージ・ハプニング』との違いなど、本作の核心をすべて含みます。未プレイの方はまず作品トップページをご覧ください。

詳細レビュー

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ネタバレFAQ — 真相に関する質問
本作の物語はどういう構成になっているの?

本作は、前作で東大合格を果たした後のひなた荘の日常を描く続編で、ひとつながりの長い物語ではなく、ヒロインごとに独立した一話完結のショートエピソードを集めた作りになっています。柱は大きく三つです。ひとつは各ヒロインの新規エピソードで、なるの誕生日プレゼント選び、カオラが作った景太郎そっくりのロボット騒動、キツネの古酒をめぐる作戦、なると藤沢みづほの対戦ゲーム勝負、捻挫した素子の看病、ひなた荘美人コンテスト、しのぶの恩返し合戦と、それぞれが独立したドタバタ喜劇として展開します。各話には穏やかに収まる良い結末と、事故や暴走で台無しになる失敗オチの両方が用意されています。二つめが前作から再録された夢のオムニバスで、闇鍋大会で景太郎が変わった具に当たって昏倒し、各ヒロインをモチーフにしたパロディ寸劇(退魔師・竜宮城・温泉殺人事件・記憶喪失・極貧生活・新婚生活など)を夢に見る枠物語です。三つめが、全エピソードを見終えると解放されるおまけで、住人がプレイヤーに礼を言うコンプリートの謝辞と、ひなた荘に隠された40枚のメッセージカード(住人の本音の独白や小ネタ)を集めるモードです。前作のように告白した相手が結ばれる分岐型ではなく、賑やかな日常を一話ずつ味わう構成に変わっています。

前作『突然のエンゲージ・ハプニング』との時系列関係は?

本作は前作『ラブひな 〜突然のエンゲージ・ハプニング〜』の続編で、時系列は前作の東大受験に合格した後になります。景太郎は浪人生活を終えて東大に合格し、四月から大学に通う新入生として、引き続き女子寮ひなた荘の管理人を務めています。なるも景太郎と一緒に合格しており、二人は受験を共に乗り越えた同志です。前作で景太郎の家庭教師だった藤沢みづほは、その役目を終えて「先輩」「常連」の立場になり、家業の工務店を手伝いながらひなた荘に顔を出します。素子は翌年から受験生になり、今度は合格者の景太郎に勉強を見てもらう側に回ります。前作で考古学講師として関わった瀬田は、太平洋のパララケルス島で遺跡発掘を続けて日本を離れており、本作の新しいエピソードには基本的に登場しません。前作の核だった「約束」や家庭教師みづほの秘密といったシリアスな筋は本作では一区切りしており、合格後の穏やかで賑やかな日常が主役になっています。

各ヒロインの新規エピソードはどんな結末になる?

本作の各エピソードは、劇的な悲劇や別れではなく、ドタバタを経て少しだけ距離が縮まる穏やかな着地で統一されています。なる編は19歳の誕生日プレゼントをめぐる大騒動で、下着を渡してしまう失敗もありつつ、最後はなるが「プレゼントの選び方は不合格。だけど気持ちは確かに受け取った」と景太郎の想いを受け止めます(告白そのものは今回も言いそびれます)。みづほ編は、なるとの対戦ゲーム勝負を通じて二人が和解し、みづほが景太郎に「好きよ、景太郎君、大好き」とはっきり告白します。キツネ編は、地下の密室で酸欠の危機を景太郎と協力して切り抜け、キツネが本心を吐露して和解します。素子編は、看病と勉強を通じて武骨な素子が心を開き、「嬉しかったぞ、ありがとう、浦島」と素直に感謝を伝えます。むつみ編は、ひなた荘美人コンテストで偶然むつみが優勝し、頑張った景太郎にお礼のキスをします。しのぶ編は、恩返しの真意と、しのぶが胸に秘めた「夢」が明かされます。カオラ編はロボット騒動を解決して景太郎が「本物」と認められます。恋の成就が明確なのはみづほの告白で、他は友情や信頼、ほのかな好意が深まる程度に留まる、あくまで日常の延長として描かれています。

藤沢みづほの物語は本作でどう描かれる?

みづほは前作から続く、原作漫画には登場しないゲームオリジナルのヒロインで、現役の東大生です。前作では景太郎の家庭教師でしたが、彼の合格後の本作では家業の工務店を手伝う働き者の「先輩」「常連」として、明るくひなた荘に出入りしています。彼女が主役のみづほ編は、素子宛に届いた懸賞品のドリームキャスト(実は宛名の誤配で、本来は別人宛だったと後に判明します)をきっかけに、なるとみづほが「史上最低ゲーマー」の汚名を賭けた対戦ゲーム勝負に発展する話です。勝負を通じて本音をぶつけ合った二人は和解し、その過程でみづほは景太郎に「好きよ、景太郎君、大好き」と告白します。「恋は呪文で、あたしに呪文をかけた悪い魔法使いは景太郎君、君よ」と告白の理由を語りつつ、「ほとんどダメな恋だと思っても諦めたくない。成瀬川さんのライバルになりたい」と、なるへの対抗心と正々堂々の姿勢も見せます。勝負自体は宛名誤配の発覚で引き分けとなり、最後は全員を巻き込んだ喧嘩両成敗のドタバタで締めくくられます。前作のような重い秘密は本作では描かれず、景太郎に想いを寄せる一人の女性として前向きに描かれています。

キツネの古酒と、みづほ以外のヒロインの見せ場は?

キツネ編は本作屈指のドラマです。酔って帰った夜に地下の密室で幻の古酒を偶然見つけたキツネは、それを手に入れるため、真面目になったふりで景太郎を酔わせ、空き巣事件を捏造して酒乱の濡れ衣を着せるといった手の込んだ「横取り作戦」を計画書付きで進めます。ところが途中、二人で地下の密室に閉じ込められ、ボイラーの排ガスで酸欠の危機に陥ります。死を覚悟したキツネは「最後ぐらい、みつねって呼んで」と本名を口にし、景太郎が「絶対あきらめない」と奮い立たせ、古酒をボイラーに流し込んで爆破し脱出します。和解後、キツネは「酒はそれほど欲しかった訳やない。ただ、ちょっとけーたろを見返したかっただけ」と本心を吐露します。この古酒には「乙姫から浦島へ」と記されており、景太郎の祖母が沖縄の知人から贈られてそのまま忘れられていた品だと分かります。素子編は捻挫の看病を通じて剣一筋だった素子が心を開き、姉を越える退魔師を目指すという剣への信条を語ります。むつみ編は、中止になった湯けむり美人コンテストの代わりに自前で開いた「ひなた荘美人コンテスト」で、全員が白紙投票する中ステージ機材の暴走で偶然むつみが優勝し、その勢いで景太郎まで「ミスひなた荘」に祭り上げられるギャグ回です。カオラ編は、発明好きのカオラが作った景太郎そっくりのロボット「メカケータロ」が暴走する騒動を描きます。

しのぶの物語はどう決着する?

しのぶ編は、家庭教師のお礼をしたいしのぶの「恩返し合戦」です。料理や掃除でお礼をしようとして空回りし、キツネを「コーチ」に迎えてしまい、掃除にブルマ、裸エプロンでの料理といったお色気路線に走りますが、いずれも景太郎を困らせるばかりで失敗します。途中、「わざと成績を落とせばセンパイがずっと勉強を見てくれる」という誘惑に駆られますが、なるに諭されて自力で思いとどまります。最後はまっとうな整体マッサージと、自分のプリクラを入れたお守りを景太郎に贈ります。これに対し景太郎は、そもそも家庭教師を引き受けたこと自体が「東大の二次試験の後に逃げ出した自分へ、わざわざパララケルス島まで合格を知らせに来てくれたしのぶへの恩返し」だったと明かします。しのぶは「センパイが私に夢をくれた」と語り、その夢が「大好きな浦島センパイと一緒に夢を見ること、つまり同じ大学に行くこと」だと最後のモノローグで打ち明けます。しのぶの景太郎への恋心が、いじらしくもまっすぐに描かれる一編です。

景太郎となるの「約束」は本作でどうなるの?

前作で景太郎が東大を目指す原点になった「一緒に東大へ行こう」という幼い日の約束は、本作では合格という形で果たされた前提として描かれます。なる編で景太郎は、「お前と約束してたじゃないか。一緒に東大に入ろうって。その約束も、ついに果たせて」と振り返り、いよいよなるに気持ちを伝えようとします。もっとも、そこは本作らしく今回もあと一歩のところで言いそびれてしまい、明確な告白には至りません。それでもなるは景太郎の想いを受け取り、メッセージカードでは「今のままの関係がずっと続けばいいな」と本音をのぞかせます。二人は互いを最も気の許せる相手として意識し合っており、周囲からも「お互い意識しまくり」と見抜かれています。本作は誰か一人と決定的に結ばれて終わる作りではないため、なるとの関係も劇的に前進するというより、合格を経てなお続く親密な日常として、ほのかな恋心を残したまま描かれます。

原作漫画・アニメとの違いは?

本作は赤松健の原作漫画『ラブひな』を土台にしていますが、原作の特定のエピソードをなぞるのではなく、東大合格後という区切りを起点にゲーム独自のショートエピソードを描いた作品です。景太郎・なる・素子・キツネ・しのぶ・カオラ・むつみ・はるか・瀬田・サラ・タマといった原作の登場人物はおおむね揃っていますが、前作から続くゲームオリジナルのヒロイン藤沢みづほが本作にも登場し、景太郎に告白する見せ場を与えられている点が原作との大きな違いです。物語の中身も、なるの誕生日をめぐる騒動、キツネの古酒作戦、ひなた荘美人コンテスト、メカケータロの暴走、しのぶの恩返しといった、この作品のために書き下ろされた日常劇で構成されています。加えて前作の闇鍋・白昼夢オムニバスが夢の物語として再録されており、原作のドタバタ恋愛喜劇の空気を保ちつつ、全年齢向けのアドベンチャーとして原作とは別の合格後の日常を描いた一作になっています。