触手でシコらせる作品は多いわ。でも堕とし方の趣向が一人ずつ違うのは、そう多くない。
軸はいつも一つ、シコれるかどうかよ。ネタバレ込みで言うなら、この作品が触手陵辱モノとして頭ひとつ抜けているのは「誇り高い女、純粋な女を、それぞれ違う趣向で穴に堕とす」ところ。リンは人質を盾に取られて処女を奪われ、催淫薬で魔力まで失う。メグは年少の姿をした瑠璃男に奴隷調教され、13年間怪物の腹の中で凌辱され続けた過去を梃子に折られる。アイはマユに何日も拘束されて「おマ○コ人形」に作り替えられる。同じ触手でも、堕とす角度が全部ちがう。だから全シーン読んでシコれた。惜しいのはテキストの密度。2002年なりに薄い箇所が残る。それでも8.0はつくわ。
スコア詳細
リンの序盤——人質強制と催淫薬、抜きが物語を動かす
最初にシコらせにくるのはリンよ。序盤も序盤、まだ話が始まったばかりのところで。
リンは口が悪くて挑発的な、気の強いルーキーの魔法戦士。その子が路地裏で、人質に取られた主人公の秋俊を盾にされて動けなくなる。スーツ男という異形のゆらぎに「この男が死んでもいいのか」と迫られて、強がりながら口でしゃぶらされ、自分の手で挿れさせられて処女を失う。ここで胃に注ぎ込まれる白濁が催淫薬で、リンはこの一件で魔力まで奪われる。この趣向がいいのよ。「他人にナメられるのが嫌い」と言い張る強気な女が、「ちょうど処女くらい捨てとこうと思ってたところなのよ」という強がりを吐きながら折れていく。強がりの言葉が崩れの深さを可視化しているわ。そしてエロが物語をそのまま動かしているのも見逃せない。リンの魔力喪失がなければアイは呼ばれない。抜きシーンが物語の起点そのものとして機能している。飾りの陵辱じゃないのよ。
メグの堕ちる結末——過去のトラウマを梃子に鬼神を解体する
この作品でいちばん趣向が練れているのは、メグの堕ちる結末よ。
メグは表向き、面倒見のいいアパートの管理人。差し入れを欠かさない「いいお姉さん」。その正体が「向こう側」で最強と謳われた戦士、鬼神アンチェインよ。しかもこの女、16年前に怪物討伐へ出て仲間9人を全部亡くし、独りだけ封印の楔として13年間その腹の中で凌辱され続けた過去を持つ。その傷を抱えた女を、瑠璃男という年少の姿をしたゆらぎが「メス豚で奴隷だって心から認識するまで」責める。「鬼神とか言われていい気になって、ホントは誰からも相手にされなかったじゃないの?」と、いちばん古い傷を的確に抉ってくる。最強の戦士のプライドを、外側の力ではなく本人のトラウマを梃子に内側から解体していく。「メグは貴方の奴隷になる事を誓うわ」と言わせるまでの過程が、じっくり書けている。しかもこの作品、救われる結末を別に対で用意しているのよ。「いっそあそこで死ねたら良かったのに」と壊れかけた心を、秋俊が引き留めて救う側。堕とすか救うかを、エロの中身そのもので分けている。上等だわ。
アイの両極——合意の朝と、おマ○コ人形
同じ女で両極を見せてくるのが、アイ。
アイはタイトルロールの寡黙な戦士で、3年前に秋俊の恋人だった女。しかも別れ際に、彼の記憶をすべて消して去った女よ。記憶を取り戻した秋俊と結ばれる夜明けの交わりは、この作品でほぼ唯一の完全合意のシーン。「つらかったよ、3年・・・長いよ・・・3年は・・・」と泣きながら抱かれる。籠球という形見の玉が感情の核に置かれていて、抜きというより救済の場面として書かれている。3年間ずっと想いを抑えてきた女が「こんな身体を好きになってくれて」と泣く。……認めるわ。ここは効く。そして同じアイに、真逆の結末も用意されている。マユという少女の姿のゆらぎに何日も拘束されて、絶頂の回数を数えさせられ、達成寸前で「ズルした」とわざとリセットされる陰湿な調教で、「マユ様のおマ○コ人形」へと作り替えられる。一人のヒロインを、最も幸福な合意と最も惨めな人形化の両極に振る。この落差が、そのままシコさの振れ幅になっている。同じ顔の女が救われもし、玩具にもなる。そういう趣向の作品よ。
美景と紫——共有奴隷、奴隷宣言、心霊複合。フェチの引き出し
残る二人、美景と紫のシチュは特殊嗜好の幅を担っているわ。
美景は秋俊の元クラスメイトで、表向きは有能で清楚な才媛。その裏で、製薬会社アルケーの役員たちに「共有穴奴隷」として毎晩供されている。複数の男に二穴と口を同時に塞がれ、薬で快楽を煽られて「赤ちゃん欲しいのぉーッ!!」と口走る乱交が、秋俊の見る鏡像として延々と映し出される。清楚な表の顔との落差が効いているわ。紫のほうは、不良集団に「私は皆様の奴隷です」と自分の口で宣言させられて処女を奪われる。しかもここに蒲木という怨霊がからむ心霊複合で、物理と心霊の二重の加害で人格を壊しにくる。触手一辺倒じゃないのよ。人質強制、共有奴隷の乱交、奴隷宣言の強要、年少の加害者、少女の姿で男性器めいた器官を操るマユ、衆目に晒す公開陵辱。フェチの引き出しがちゃんと広い。同じ「堕とす」でも手口を毎回入れ替えてくる。ここは素直に評価するわ。
8.0——触手のエロは一級。テキストだけが時代なり
最後に採点表を締めておくわ。
8.0。触手陵辱モノとしてのエロの質は、この時代の中では頭ひとつ抜けている。何より、堕とす角度をヒロインごとに変えてきた趣向を評価するわ。人質強制のリン、過去のトラウマを梃子にされるメグ、合意と人形化の両極に振られるアイ、共有奴隷の美景、奴隷宣言の紫。同じ触手でも一人ずつ違う穴の塞ぎ方をしている。惜しいのはテキストの密度よ。官能描写が現代のトップ水準と比べると薄くて、反復も目につく箇所がある。もう一段書けていれば9点台もあった。でも「エロゲーである必要があったか」と問われれば、答えは決まってる。当然でしょ。触手でシコらせて、その触手で物語まで動かしている。……認めるわ。8.0。
