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ネタバレゾーン — 臭作

このゾーンにはネタバレが含まれます。
プレイヤーである語り手「俺」が偽管理人・臭作の身体に入り込んだ二重人格構造であること・「俺」は良心を保ちながら臭作の鬼畜を内側から追体験すること・8人の令嬢と教師の南綾香が盗撮ネタで追い込まれ陵辱されること・勘の鋭い新入生の高部絵里だけが「俺」の中の別人格を見抜くこと・真エンドで「俺」が臭作の意志に抗い絵里を救い、二人が互いを救い合って元の世界へ帰還すること・通常エンド(臭作の鬼畜が成就する世界)と裏の救済エンドの二層構造など、本作のすべてのネタバレを含みます。未プレイの方はまず作品トップページをご覧ください。

詳細レビュー
ネタバレFAQ — 真相に関する質問
語り手「俺」と臭作の関係(二重人格)とは?

「俺」と臭作は、一つの身体を共有しながら別個の意志を持つ二重人格として描かれます。「俺」は本来「こんな下品な話し方をする人間ではない」普通の人物で、臭作は女子寮に偽管理人として潜り込んだ加害者人格です。臭作の声は「俺」にしか聞こえず、臭作は「お前は俺の分身なんだぞ」と告げます。通常の進行では「俺」はおおむね観察者として臭作の鬼畜を内側から追体験しますが、良心そのものは保ち続けており、その良心こそが後に臭作の意志へ抗う最大の武器になります。

プレイヤーが臭作の身体に憑依するメタ構造とは?

語り手「俺」は、性的なゲームを遊ぶつもりで起動したプレイヤーの意識です。それが気づけば中年〜初老の偽管理人・臭作の身体に入り込んでおり、「日頃のストレスを解消する為に、ゲームの世界でささやかなエッチを楽しもうとしただけ」の人物が、臭作の下品な言動を内側から体験させられます。エロゲをプレイする行為そのものを臭作の身体への憑依として描き、加害の視点を「俺=プレイヤー」に負わせるメタフィクション的な仕掛けになっています。真エンドで「俺」が帰り着く「元の世界」が、ゲームをプレイしていたパソコンの前である点も、この構造を裏づけます。

高部絵里が特別な理由は?

高部絵里は今年入寮したバイオリン科1年の新入生で、8人の中で唯一、臭作の身体に宿る「俺」という別人格の存在を勘で見抜きます。彼女は「小さい頃からカンが鋭くて、たいがいの人は初対面でどんな人かわかってしまう」性質を持ち、臭作の隠し撮りを察知し、「あなたは悪い人じゃありません……その事は、私が1番よく知っています」と「俺」に語りかけます。彼女がパソコンに触れた事をきっかけに、臭作の計画が終わる時刻を境とした特異な時空が立ち上がり、そこで「俺」と絵里だけが共に存在するようになります。他の8人が陵辱される中で、絵里だけは陵辱が成立しない真ルートのヒロインです。

真エンド(絵里救済)はどんな結末か?

裏ルートを進めると、終盤で臭作が唯一取りこぼした絵里を陵辱しようと「俺」の身体を操ります。「俺の身体がバネ仕掛けの人形のように動き」絵里を壁に押さえつけてしまいますが、「俺」は「逃げろ……俺から」と訴え、全身を震わせながら激痛に耐えて臭作の意志と闘い、絵里の身体に触れる寸前で踏み留まります。「この世界での俺は絵里を救う為だけの存在でいい」と自らに言い聞かせる「俺」に、絵里は「あなたが私を救う為だけの存在と言うなら……私も、あなたを救う為だけの存在になります」と応えます。二人は互いを救い合い、「俺」は元の世界(パソコンの前)へ戻り、絵里は臭作のいない過去へ帰ります。最後に絵里は「あなたと出会えてよかったです」と微笑んで消えます。

絵里は裏ルートで何をするのか?

絵里は「俺」を守るために動き続けます。臭作が「俺」に強いるカメラ設置を先回りで見抜いて外し、「これ……もう使わないでください」とカメラを返します。ヒロインたちが管理人室を訪れると「俺」の秘書のように応対して盗撮の隙を潰し、志保が狙われる場面では「ここの電話はすごく調子が悪いです」と嘘をついて追い込みを妨げます。厨房では「俺」と並んで料理し、割烹着のポケットに仕込まれた媚薬を捨てます。臭作は絵里の手料理や優しさという「ホノボノとした」状況に生理的に耐えられず、絵里が身を挺して他の少女たちの盾になる中で、臭作の意志は次第に削られていきます。

通常エンドと真エンドは何が違うのか?

本作は二層の結末を持ちます。通常エンドは、8人の令嬢と教師・南綾香を盗撮ネタで一人ずつ追い込み陵辱していく、臭作の鬼畜が成就する世界です。ここでの「俺」はおおむね観察者にとどまります。もう一方の真エンドは、絵里を起点とする裏ルートで「俺」が臭作に明確に抗い、絵里を救って自らも救われる救済の世界です。前者が加害の成就、後者が加害からの離脱と相互救済という、正反対の帰結が同じ物語構造の表と裏として実装されています。なお、追い込みに失敗すると相手に先回りで通報され、臭作が逮捕されるバッドエンドに至る分岐もあります。

伊頭家シリーズ(遺作・鬼作)との構造上の繋がりは?

臭作は伊頭家(おやぢ)シリーズの一作で、盗撮で弱味を握り脅迫で屈服させる「追い込み→辱め」というフローがこの作品で確立し、後の鬼作へと継承されます。とりわけ重要なのが、臭作で導入された「俺(プレイヤーの意識)」と加害者人格が同じ身体に同居する二重人格構造です。これは後年の鬼作における「俺/鬼作」の二視点構造の原型にあたります。臭作では観察寄りの通常進行と対立・救済の裏ルートという内容の差として実装されたこの仕掛けが、鬼作ではプレイヤー視点と加害者視点をより明確に分けた形へと発展していきます。

エンディングは何種類あるのか?

大きく分けて三系統です。一つ目は、オープニングで臭作を拒絶する(舌を噛ませる・電源を切る・中古屋に売る等)と物語が進行しない排除エンド。二つ目は、ヒロインを盗撮ネタで屈服させ陵辱を完遂する通常エンド(臭作の鬼畜が成就する帰結)で、追い込みに失敗すれば逮捕バッドエンドに転じます。三つ目が、絵里を起点とする裏ルートを最後まで進めた先の真エンドで、「俺」が臭作の意志に抗い絵里を救って元の世界へ帰還する唯一の救済的結末です。なお、作中の画面にエンド名の表示はなく、これらは内容に基づく説明的な呼称です。